7日(金)、大学にゲスト講師として生駒芳子さんをお招きし、エシカルファッションの最前線についてレクチャーしていただきました。題して「エシカルを着た悪魔」。

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21世紀のファッション産業革命のキーワードとなる「エシカル」。その黎明期から現在、そして未来の展望にいたるまで、情報を網羅しながら、無駄なく、しかも楽しく充実したすばらしいレクチャーでした。学生にはもちろんのこと、聴講にいらした社会人の方々にも大好評でした。いちばん楽しんでいたのは私かも^_^;

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ファストファッションについても、現在、いかに各社が「エシカル」に取り組んでいるのか、そのポジティヴな面を中心に解説。悲観・批判しないのがファッショニスタ魂ですね。

具体的なキーワードや固有名詞、新語、人についても、多くを学ばせていただきました。

たとえば「バイコット Buycott」。ボイコットの反対語。ある企業やお店に対し、不買運動をおこなうのではなく、行列を作ってまで買うという行為をおこない、それによって賛同の意を表明して企業を応援すること。

「アップサイクリング」。ただのリサイクルではなく、さらに価値を上げていくようなリサイクルのこと。

社会起業家の代表格のようなイヴォン・シュイナード氏。「革命を起こすためにビジネスをする」。

女優エマ・ワトソン。「私は社会貢献をするために女優をやっている」。日本ではあまりそのエシカルな側面は報じられていない。

モードとファストファッションの違い。モードとは、クリエーションのあるファッションのこと。ファストファッションはコピーであってクリエーションはそこにない。その中間にコンテンポラリーブランドがある。

「悪魔」とは欲望が強い状態。エシカルを推進するには、ファッショニスタの欲望をかきたてていかなくてはならないこと。かっこいいエシカル、欲望を刺激するようなエシカルであれば、自然といい方向へ進んでいく。今後、めざすべきはこの方向。

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ファッション産業に可能な被災地支援のひとつとして、いちはやく東北コットンプロジェクトもおこなった。オーガニックコットンは、土地の塩分など余分なものを吸収してくれる。津波で塩分が増えた土地を健康に戻すにあたり、このプロジェクトが多大な貢献をしている。

ちなみにオーガニックコットンが高価なのは、落葉剤を使わないから。葉っぱの間から綿花をつむのによけいな手間がかかる。でも、作業をする人は、手が荒れないという。

……などなど、学びは尽きず。

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講義後の記念撮影。たまたま二人のモノトーンのコントラストが、いい感じでした!笑。

私も超ポジティヴなほうだと思っていたが、生駒さんは私を上回るウルトラスーパーポジティヴ。講義後、ランチをご一緒しましたが、同席した方が、私たちがあまりにも同調しているのを見て、「お二人は20年来の友人同士みたいですねえ」とタジタジしておりました(大先輩に対して、かなり厚かましいですが)^_^;

ほんの一例、以下の会話…。

生駒さん「グローバルな人材を養成するには、教育の現場から変えないと。英語を小学生からうんぬんじゃなくて、マインド。学生が、臆することなく意見をがんがん言うことを、激励しなくちゃ。海外の会議では、手を挙げてとにかく意見を言わないと、存在しないことになっちゃうのよ。だからとりあえず手を挙げて、意見はそれから考えろ、と(笑)!」

中野「今の学生は浮くのを恐れるんですよ。小人数だと意見を言うけど、大教室となると、手は挙げない。シャイなうえに、目立って浮いちゃうと仲間に入れてもらえなくなりますからね。「ボッチ」って言って、一人で授業にすら出られない。私は常々、『一人で凛としてるのは最高にかっこいい』『一人はモテる』とか言って、一人行動を奨励してるんですが、どうも一人だと『友達がいない人』と見られて、それが恥ずかしいことになってるみたいです」

生駒さん「じゃあ、バッジ作ればいいのよ。<私は妊婦です>みたいなアレl、あるじゃない。電車のなかで席ゆずってもらえるやつ。<私は一人が好きです>みたいなバッジ。あれをキャンパス内でつけとけばいいじゃない。みんな<ああ、この人は一人が好きなのね>って納得するわよ!」

中野「笑。彼らは一人でご飯も食べられないんですよ。それが昂じて、ひとりでトイレの個室にこもってご飯食べる<便所飯>までやっちゃう。どこの大学でも問題になってるほど。グローバル人材育成問題と、便所飯問題は、つながっているんです」

生駒さん「あ~ら、じゃあトイレの個室にソファなんか置いて、<弁所>にすればいいのよ!」

中野「わははっ。なんでも否定や禁止するんじゃなくて、肯定アンド励ましのほうにもってかないと、ですね!」

こんな超陽性の方が第一人者として各現場の人と人をつないでいってくだされば、ファッション産業の未来も明るく感じられる。最高に楽しかったです。ありがとうございました!

2 返信
  1. 石関 栄一
    石関 栄一 says:

    ”エシカルを着た悪魔”タイトルからして気に入りました。生駒さんや中野さんたちがエシカルを一生懸命、啓蒙していた抱けているのを嬉しく思っています。日本人の特性して熱しやすく冷めやすいので、ただ単にファッションとして格好いいで終わらせないようにしていきたいですね。よろしくお願いいたします。

    返信
  2. kaori
    kaori says:

    >石関様
    コメントありがとうございます。
    私の立場でできることはかぎられておりますが、気負いすぎず、悲観もせず、続けて
    おこなってまいりたく存じます。
    どうぞよろしくご指導くださいませ。

    返信

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