昨日は弾丸で京都に行ってまいりました。「リシェス」連載「富の品格」のため、京都の老舗、千總(ちそう)さんに取材です。

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奢侈品製造販売の禁令がでていた第二次世界大戦中も、技術保存資格者として友禅染の着物を作り続けていた会社。

ただただ専門技術の保存のためだけの着物は、「着ることを想定されていない」。

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超絶技巧がぎっしりもりこまれた戦時中の贅沢着物は圧巻でした。それらをめぐるストーリーがまた……(T_T)

ファストファッション全盛の時代だからこそ、低きに流れず踏ん張ってほしい。詳しくは、リシェス冬号に書きます。

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長時間にわたる取材に、辛抱強く笑顔でおつきあいくださった素敵な方々。左から「千總」取締役製作本部長の磯本さん、同係長の加藤さん、中野、「リシェス」の編集、野中さん、「千總」製作本部部長の中西さんです。この写真を撮ってくださったカメラマンは内藤さん。ありがとうございました!

ソフィア・ウォリスのフォトシリーズ、Modern Dandy 。私が、「マグナカルタ」の連載で新解釈しようとしているダンディズムと相通じるところがあって、プチ興奮。

なぜ世の中はダンディズムを蔑み、ときに恐れることもあるのか。

精緻な服装術を通して、まったく新しい「ペルソナ」を創ろうとするのがダンディズム。

そのペルソナは、社会の既成の枠組み、というか、性差の役割のステレオタイプを壊すほどラディカルでなくてはならない。

ブランメル、ワイルド、アンディ・ウォーホル…。既成の秩序を覆した男たちでもあります。

この一連の写真においてはティルダ・スウィントン、グレース・ジョーンズのような両性具有系の女性も「モダン・ダンディ」の仲間入り。(ここまでくると、私の領域ではない)

3ピーススーツでばしっと決めて、なにもかも誰かが決めたルールの中に上手に納まっているという姿勢は、伝統回顧を趣味とする保守主義であって、21世紀においてはダンディとは呼ばないのです。保守主義や懐古趣味は、それはそれで素敵なので、讃えたいと思います。スーツでばっちり姿も、それがなんらかの抵抗の意の表明になっているかぎり、ダンディと呼んでいい(というのもおこがましいですが^_^;)。ただ、それと、これとは、話が別。私が積極的に意義を見出したいと思うのは、あくまで、孤独で、クールで、エレガントで、ラディカルな抵抗の態度としてのダンディズム。

ダンディズムとジェントルマンシップを、混同してはいけない。

賛否両論あるのは当然。むしろ異論が多いほうが健全。でも、こういう新解釈の動きをシンクロニシティとして感じるのは、心強いし、胸が躍るものですね。

YONKAのHPに「出演」させていただくことになり、北青山のYONKAにて対談&撮影。その後、トリートメントを受けさせていただきました。

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左が、YONKAを扱うヴィセラジャパン(株)社長の武藤興子さん。抜けるような美肌が製品の説得力になっています。スタッフも全員、セレブ美肌揃い。

トリートメントもきめこまやかな配慮がすばらしく、夏の疲れがことごとく癒されていくようでした。明日から、またがんばれます!(^^)!

詳しくは、後日、YONKAのホームページにて。

YONKAの製品は、上質で安心して使えるので、個人的にもかねてよりローションなど愛用。

タイトルにしたことばは、私が「美しい」と感じる女性に共通する要素です。

水が環境に応じていかようにも形を変えて、周囲を潤しながら流れていくようなイメージ。心にも身体にもたえず清らかな水が巡っていて、それが外にもにじみ出ているような。鈴木京香とか。

一か所にしがみついていたらよどんでしまう。絶えず流れてフレッシュでありながら、本質は常に同じものとして安心感を与えるような。目標でもありますね。

☆朝日新聞23日付夕刊、スポーツ欄。NY米野球殿堂のジェイ・アイドルソン氏のイチロー評。

「イチローは、この野球殿堂に過去5回も来た。(中略)私が知るどの大リーガーよりも、彼は米国野球の歴史を深く知ろうとしている。彼以外にあれほど熱心に足を運んで、歴史を学ぼうとした人はいない」

「新しいことを学んだり、有名な選手のバットを握ったりしている時のイチローの笑顔や温かさを見れば、彼が歴史を感じていることは簡単に読み取れる。その姿を見るだけでも、とても温かい気持ちになる。一般の人々はここに見学しに来るけれど、彼は何かを吸収しに来ているんだ」

歴史に敬意を評して、そこから学ぼうとしている人の顔には、奥行きとあたたかさがあるのですよね。「教養」ってそういうことかもしれない。知識が断片的にたくさんあるということではなくて、その蓄積が、イマジネーションの力で、領域を超えて、現在・未来のあらゆる言動のはしばしに、おのずと生かされている、というような。

☆同、25日付求人欄、「仕事力」、岩田弘三さんの巻、「出過ぎてごらんなさい」、その4。

「人間は簡単に、自分が属する業界や居心地のいい仲間の価値観に染まります。(中略) 世の中で認められているマジョリティーの一員であることは、心地良い安心感があるでしょう。しかし、それは仕事の力が削がれていくことにもなります。とがった異分子になることが怖くなり、脳のどこかにある『挑戦』意識にふたをすることになりかねないのですね」

「スティーブ・ジョブズが残した、Think Different, Stay Hungry, Stay Foolishという言葉は、どれも異端児であれ、人とは違う道を考え抜けと私を刺激します。それは、ただとっぴであれというのとは異なります。本質を見つめつつ、常識で良しとされるような分別はやめよということではないか。どのようにささやかなことでも、『人の喜び』を自分の頭でオリジナルに追求せずして、仕事の達成はないとも言えます」

リスペクト。こういうことが大事だと声高に「言う」人は、他にもたくさんいるけれど、実際に静かに行動に移している人はどれほどいるのか。がんがん言ってるひとにかぎって、「いいね」をたくさんもらって安心してるみたいな風情が(苦笑)。ときどきはこのような実績の裏付けある言葉での励ましをもらいながら、だれの承認がなくても、群れを離れて、ひとりで淡々と行動に移していった人が生き残る。フィールグッドな言葉こそ、それを反芻することで満足せず、行動して成果を見せていかないと。いいことばっかり得々と唱えてるだけじゃバカ以下。自戒をこめて。

こぼれネタのメモ。Word Spyの新語のなかから。

☆「パーソナリティ・スパム (Personality Spam)」

ネット上にひっきりなしに投稿される、個人の生活やご意見。(Incessant online posts and messages relating to one’s personal life and interests. )

わはは。依存症すれすれの人は、スパム扱いされないように、気をつけようね~!

☆「ソーシャル・ノットワーキング(Social Notworking)」

仕事しないで、ソーシャルネットワーキングをしていること。(Surfing a social networking site instead of working)

ネットではなくノットね。こういうの、いますね、大手の会社員で、勤務時間のはずなのに、なぜかSNSでまったく仕事と関係のないところに絡んでコメント書いたりしているヒト。雇っている会社も寛大だなあ(この会社の製品はいいかげんそうだ、買うのやめよう…)としか見えません。

☆フォーダクティビティ(Fauxductivity)

しょうもない、どうでもいいことで忙しそうにしていること。偽のプロダクティビティのことですね。(Pretending to work hard; busyness that consists of trivial or unproductive activities) 

こんなふうに言われないように気をつけよう^_^; 


文芸別冊、「向田邦子」。この人のセンス、この人をとりまく方々のセンス、すべてが「まっとう」で粋で一流で上質で鋭くてホンモノ、いいなあ。


この人も、まっとうなものの見方や感覚を教えてくれる。
曽野綾子「人間にとって成熟とは何か」。ときに、どきっとする。

・「自分の立場を社会の中で考えられるか」
の問いで、野田聖子議員へのきつい苦言。子供の治療にかかる莫大な医療費に関して、「国民の皆様のご負担のおかげです」という感謝の言葉がまったくないことに対する批判。こんな高額治療を、国民の負担において受けさせてもらっていることに対する感謝を表明することが「成熟」だ、と。

「野田氏が根本的に、人間のあるべき謙虚な視点を失っていて、人間を権利でしか見ない人」とまで。

「成熟とは、鏡を磨いてよく見えるようにすること」

…読んでおいてよかった。こんなふうに言われないように、言動に慎みを忘れないようにしよう(小心者)。

・「品を保つということは、1人で人生を戦うということなのだろう。自分を失わずに、誰とでも穏やかに心を開いて会話ができ、相手と同感するところと、拒否すべき点とを明確に見極め、その中にあって決して流されないことである」「品というものは、多分に勉強によって身につく。本を読み、謙虚に他人の言動から学び、感謝を忘れず、利己的にならないことだ。受けるだけでなく、与えることは光栄だと考えていると、それだけでその人には気品が感じられるようになるものである」

・「威張る人というのは、弱い人なのだ」。「最低限、威張らないことで、みっともない女性にならずにいる」。「威張るという行為は、外界が語りかけてくるさまざまな本音をシャットアウトする行為である。しかし謙虚に、一人の人として誰とでも付き合うと、誰もが私にとって貴重な情報を教えてくれる。それが私を成熟した大人に導いてくれる」。

・「成熟ということは、傷のない人格になることでもない。熟すことによる芳香を指す言葉のように思う。或る人の背後にあるその人間を育てる時間の質が大切だ」

・「存在感をはっきりさせるために服を着る」、まるまる一章で。これについてはまた後日あるいはどこかの媒体で。

成熟への道は遠い。ワイルドの意見を聞いてみよう。

To be premature is to be perfect. 「未熟であるということは、完璧であるということだ」 by Oscar Wilde

ふふふ。さすがワイルド様ね。円熟した人は、尊敬の対象になるけど、恋の対象にはなりにくいのよね。ワイルドのやんちゃ坊や好みから推測したことですが。私自身も、成熟修行は永遠に続けるけれど、成熟の完成版みたくはなりたくない。

お盆休み期間はこもりっきりで仕事ですが、書いても書いても終わりません。そんな状況なのにネタ探しながら気分転換に遊んでしまいました。すいません。原稿に戻ります。

先日の沢樹舞さんとの対談が、今朝の北日本新聞に掲載されました。私の手元にはまだ届いていませんが、フェイスブックで購読者の方がアップしてくださった写真をシェアさせていただきました。ありがとう。便利な時代になりました…。

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やはり朝刊向きではないお話はカットされていましたが^_^; それはまた機会をあらためてどこかで!

掲載されなかったお話のなかで私がほほう、と思った舞さんの「戦略」をひとつ。

「デートに、あえて、すっぴんで行く」。

これは効くそうです。彼女の言葉によれば、「ハイリスク、ハイリターン」。相手とタイミングを見極めて、勝負をかけるときに。機会があったら(私は永久になさそうですが……(-_-;))、お試しを。

月曜におこなった、沢樹舞さんとの対談。近日中に北日本新聞に掲載されます。テーマは「ワインと恋とファッションと」。姐キャラユニットによる、田尻記者もたじたじの(すまん^_^;)お話となりました。朝刊にはNGな話も出てきて、どれだけ活字になるかわかりませんが…。

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対談で着た浴衣一式は、富山の老舗呉服専門店「牛島屋」で購入しました。ここの取締役が、高校の後輩でもありFB友でもある武内孝憲さん、というご縁。妹のかおりさんとともに、似合いそうなものを見立ててくれました。柄は、「藤と裏梅」、縁起がいい柄だそうです。裏梅とは、梅を裏側から見たもの。こんなふうに、植物を抽象的に表現できるのは、日本独特の感性によるものですね。

着付けをしてくださったのは、武内くんの奥様、美嗣子(よしこ)さんです。きめこまやかな心配りと美しい立ち居振る舞いが印象的な長身の美人でいらっしゃいます。中央が美嗣子さん。左の舞さんも170㎝超えの美女。和服も、長身だといっそう迫力がでますね。

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帯も、遊びを入れて結んでいただきました。

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極力、着崩れを避けるべく、かおりさんが、そのまま対談会場のレストランまで車で送ってくださいました。というわけで、浴衣ひとつ着るにも多くの人々の助けが必要でしたが、ゆえに、いっそう思い出に残る一着となりました。みなさま、ありがとうございました!

そもそも浴衣を着ようと思い立ったのは、カンバーバッチに刺激を受けてのこと。人の影響力、なにがどこにどう作用するか、わからない…。

対談後は、友人たちも合流してミニパーティーとあいなったのですが、そんなこんなの楽しい半日の模様を、舞さんがご自身のブログにアップしてくださいました。ありがとう!

土曜におこなわれた、母校・富山中部高等学校の神通会(同窓会総会)。富山県知事、富山市長もOBとしてご出席。ほかパワフルなOBOGが。右となり、赤い花をつけていらっしゃるのが石井知事です。

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二次会は同期だけ、今年は「幹事年」だったこともあり、約80名の同期生。恩師がほぼ80代になっていて、感無量……。写真は師のテーブル。

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文章における「エレガンス」の感覚は、何度も書いてるが、この高校の数学の証明問題の特訓(「エレファントではなく、一行ですっきり、エレガントにやれ」)で鍛えられたような気がする。プロフェッショナルな、すばらしい先生たちだったのだ。同期生もそれぞれの分野で第一線で活躍、こういう環境でタフに鍛えられたのは、今から思えば、ほんとに幸運だった。感謝。

銀座ミキモトホールで、「花珠爛漫:中国・庫淑蘭の切り絵宇宙」展が開催されます。プレビューにうかがいました。
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中国で「剪紙」と呼ばれる切り絵。貧しい農村の女性たちの手になる民間芸術だそうです。今回、展示されている庫淑蘭は、数々の受賞歴をもつ作家ですが、日本では初公開。切り絵の上にさらに切り絵をかさねていく凝った技法の作品約30点から、ダイナミックな宇宙観と、神秘的な民間信仰、そして強い生命の感覚が伝わってきます。

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生命力がすり減ってるなあ…とお疲れの方、生活の貧しさをものともせずに、たくましくあふれ出てくる、豊かな原初のエネルギーに触れてみるのはいかが。

深い溝に転落し、蘇生した後に湧き上がる生命力のイメージたる「生命樹」から伝わる波動に、共振してしまいました。

講演するときに必ず引き合いに出している「ヒーロー・ジャーニー」にも同じメッセージがありますね。どん底からの蘇生こそが、ホンモノとして花を開かせるための勝負だということ。

8月1日から9月17日まで。入場無料ですよ!

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「剪紙娘子」の、どっしりと大地に根を張るおおらかさと愛嬌、包容力と吉祥感。心身の疲労のどん底にあったこともあり(やっぱり疲れは顔にモロに出るなあ(-_-;))、ああ、あやかりたい(笑)、と願って記念写真。