ある新興ブランドのプレゼンテーションに出席したら、商品そのものにも、ブランドの展開の仕方も、なんの新しさもない「おきまり」のビジネスライクなものでした…。商品に対する愛と情熱、そして人をわくわくさせ、笑顔にしたいというホスピタリティ、なにか新しい仕掛けを見せたいという挑戦なしに、ファッションの領域での成功はありえないと思う。いくつかの企画会議を通すたびに、なにかが削がれて無難に落ち着いていくのかもしれないが…。それにしても、来場者への気遣いの薄さに、殺伐とした気持ちになりました。ひるがえって、自分がプレゼンテーションするもの(文章だったり、レクチャーだったり)も、こういう「こなし」系にならないようにと、強く自戒。つるんと無難な表現に未来なし。来てもらったらとことんサービス、笑顔で帰す、が鉄則。なにからでも学べる。

反動で、情熱の感じられるものに触れたいなと思って、国立新美術館で開催中のポップアート展へ。

9132

ポップアートの庇護者だったキミコ・パワーズ礼賛展という感もあったが。おめあてのアンディ・ウォーホル、リヒテンシュタイン以上に、思わぬ嬉しい出会いがありました。

トム・ウェッセルマン。この人の描く女性が力強くてポップで、ドライで明るい官能美にあふれている。「バラのあるヌード」「チューリップのあるモニカ」の絵の前では、しばらく金縛りにあったみたいになってました。久々に、魂わしづかみの衝撃。

その絵は会場で見ていただくとして、このようなタッチの絵を描く方ですね。

Tom_wesselmann_3
こういう「圏外」の出会いの幸福のためには、やはり自分で足を運ばなくてはなりませんね。かねてからいろんなところで言ってますが、自分の予想できる程度の幸福なんて、たかが知れている。予想もしないものに出会うことにこそ、最高の感動がありうる。

それにしてもおそるべしキミコ・パワーズ(とそのパートナー)。こうしたアートのコレクションを自宅に飾って楽しんでいたとは。

トム・ウェッセルマンのポストカードかお土産グッズを買っていきたかったのに、ないのだ(T_T)。ここでもお決まりのウォーホル尽くし。ウォーホルはもういい、ウェッセルマンがほしいのに。担当者は商機を逸してますよ。

その後、飲み友の和美さんと、ミッドタウンでハッピーアワーにさらっと白ワイン。グローバルに交友ネットワークをもつ彼女が、「外国人に人気のおみやげ」として私にもプレゼントしてくれたのが、「さるや」のつまようじ。

9131
これがなんとも丁寧に作られていて、中のようじ一本一本をくるむ紙には、しゃれた一言が。「いまさら苦労に痩せたと言へぬ 命までもと言った口」とか。全部違うことが書かれていて、とにかく愛とホスピタリティがあふれる小箱。ようじひとつとっても、ここまで心を籠めた表現ができるのだと感動。和美さん、ありがとう!

プレゼンテーション、ホスピタリティについて、いろんな角度から考えさせられた一日でした。プレゼンに満足してたら美術館へも足を運んでなかったことを思うと、逆に、ウェッセルマンと引き合わせてもらうきっかけになった冷たいプレゼンにも感謝です(皮肉ではない。自分に起こるいろんなできごとは、ちゃんと帳尻が合うようにつながっている)。

0 返信

返信を残す

Want to join the discussion?
Feel free to contribute!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です