運とご縁。「乗り移り」座談会でたまたまご一緒した小岩信治先生が、出席者全員にプレゼントしてくださったCD。

浜松市楽器博物館 コレクションシリーズ「ノクターン」。ブルグミュラー、ショパン、フィールドといった、発表会ではおなじみのなつかしいピアノ曲がおさめられているのですが。

なにが新しいって(というか、正確には「古い」のですが)、楽器です。作曲家が当時(19世紀)、使っていたピアノで演奏されているのです。いまのような黒いどっしりとしたピアノではなく、木製の、さりげない家具のようなピアノ。これが奏でるショパンは、聴きなれていたはずのショパンとまったく違って聞こえる。現代のピアノで演奏されるよりも、もっと軽やか、もっとさりげなくてかわいい、のですね。

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カバーに使われている写真は、1830年代のピアノ。木製ピアノ、「プレイエル」。世界的にも貴重な実物が、なんと浜松市楽器博物館にあるというから驚き。

楽器が違えば演奏形態も、聴衆も、違っていた。1830年代は、ダンディの祖、全盛期でもある。19世紀中庸の産業革命は、新興ブルジョワ家庭に黒い重たいピアノを普及させ、新興中産階級の男に黒い堅いスーツを着せていくというわけか…。新しい視点が一つ入るだけで、なんだかわくわくしてまいりますね。

小岩先生のご高著です。クラシック音楽を楽器、演奏、そして聴衆という視点を入れて編み直すヒューマンな音楽史。

 

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