佳境に入っているシャネル伝は、新しく発見された手紙や写真や文書から引用が集められており、これまで知らなかったことや新しい気づきが多い。

・シャネルがラディカルだったのは、「女はこういうもの」という思い込みを一切排除したからだが、装飾を排除することはすなわち、伝統的な「女らしさ」のみせかけや、男女の駆け引きも一切排除することだった、という指摘があって、なるほど、と。

She had done away with the decoration that life in the past could support; the details that had become obsolete.  But in doing this, as in her own life, Gabrielle was also attempting to clear away the games and the pretences about women.  In making clothes fit for the woemn of a new and mechanical age, she declared, ‘I had rediscovered honesty, and in my own way, I made fashion honest.’

(ガブリエルは過去にはもてはやされていた装飾を一切排除した。そうすることで、女にまつわる駆け引きや見せかけを排除しようとしたのである。現代女性にふさわしい服をつくるにあたり、彼女は「正直さを見直したの。私のやり方で、ファッションを正直なものにした」)

正直であることは、簡単なようで実はものすごく勇気と知性が要ること。リスクも大きいが、嘘偽りのないホンモノの「成功」への王道かもしれない。

・ナミダなくして読めない部分が多々あるのだが、その最たる章が、13章 Remember that you’re a woman.  たくさんの愛人をもったシャネルが唯一心から愛した恋人、アーサー・ボーイ・カペルの真実が暴かれる。

Boy_capel

カペルはシャネルの才能を信頼し、投資し、知的に対等につきあえる唯一の女性として応援し、尊敬し、愛した。当時としては、かなり先進的な考えをもつ男性。女性も才能を発揮し、男性と対等でなくてはという本まで書こうとし、その模範例であるシャネルを誇りに思った。

一方、「自分が女性であるということを、忘れないで」とシャネルに言っている。自立しすぎたシャネルに、カペルは自分が「男」ではないように感じていったのかもしれない。

カペルが最終的に選んだのは、「女性であるということを忘れなかった」シンプルなダイアナだった。これまでの定説のように、「貴族の血筋を求めて」ダイアナに走ったわけではなかった。

その気持ちの揺れが、カペルの生々しい手紙で暴かれる。

信念と行動が食い違ってしまう男。

仕事で輝く自分を愛してくれているものだと信じていたら、結局その仕事によって自分が傷つくことになったシャネル。

立ち直れないほどの深い傷を癒すために、さらに仕事に邁進していくしかないシャネル。

他人事と思えない現代女性(男性も?)は少なくないのではないかと思われます・・・・・・。

では、最高に「できる」男だったプレイボーイ、カペルが最終的に選んだ、シンプルな女性らしさとは?

<予告編>ということで(^_^;)

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