資生堂の広告コピー。たしかに、そのコピーの文句のとおり、心を奪われました。

「それは、心を奪うか。
それは、想像を裏切るか。

それは、人生を揺さぶるか。
美しさに、答えはあるか。
何度でも挑み続けろ。」

プレゼンテーションするならこのレベルを目標にしたいですね。

資生堂の社長が、魚谷雅彦さんに代わったことを知ったばかりでした。魚谷さん、コカ・コーラの社長時代に次世代産業ナビの会で講演を聞いたことがあります。自分のブログで確認してみたら、2009年11月のことだった。ついでに読み直してみたら、やはり魚谷さんはすばらしい。以下、自分のメモですが、抜粋というか再掲。

日本コカ・コーラ株式会社 取締役会長の魚谷雅彦さんによる講演「コカ・コーラにおけるブランド価値創造のマーケティング」。

ブランド価値において9年連続世界第一位を保っているグローバル企業の、日本法人におけるトップだけあって、プレゼンテーションがすばらしくうまい。関西アクセントをちょっとまじえて(同志社卒)、笑いをきちんととりながら、伝えたいことはきっちり伝えて聴衆の心をつかむ。ほんとうに楽しい時間だった。赤いネクタイ&ポケットチーフと白いシャツ、という「コカ・コーラ・カラー」のファッションもとても似合っていらして、全身から「ザ・コカ・コーラ」のオーラを放つ魚谷会長のプレゼンスそのものにも感動をおぼえる。(ちなみにブランド価値第2位はIBM、第3位はマイクロソフトだそうである)

おもしろくためになるエピソードの連続で、メモも20ページにわたってぎっしり書いたのだが。すべて書ききれないので、とりわけ、心に残ったエッセンスだけをここに記す。

●ブランド価値は、イントリンシック(基本的)なものとエクストリンシック(外部依存的)なものから成る。後者はイメージ、満足、気持ち、共感にかかわる。こっちが時代とともに変化していくことが大切。

●ブランド価値を創出していくために、Everything Communicatesという考え方にのっとった戦略がある。経営者、社員、売り場、広報、ネーミング、メディア、あらゆる側面が、ブランドとして統一された思いを顧客に対してクリアに伝達するために活かされるべき。

●ブランドとは、アイデンティティ+企業から消費者へのコミットメント⇒消費者のブランド体験。その積み重ねが価値をつくる。

●マーケティング一番手の法則。世界で一番高い山、世界で初めて大西洋を横断した人の名前、は誰もが知っているけれど、二番目はどんなにすばらしくても記憶されない。

●Think Local, Act Local.  競合相手を蹴落とし、競合相手に何が何でも勝つ、というゴーマンな考え方には限界と落とし穴が必ず待っている。それよりも、謙虚になって、いかに現地の人々との共存、共栄していくかを考えたほうが、利益もブランド価値も上がる。

●常に一番手でいられる秘訣は、「ハツカネズミ」。走り続け、過去の成功にあぐらをかかず、とにかく常に変革のサイクルをまわし続けること。

●「あと味」はきわめて日本的な概念である。aftertasteととりあえず訳しているが、こういう発想は英語にはなく、日本の食文化の繊細さをつたえる言葉。

4年前ほどの話だが、今読んでも、響くものがある。このような考え方(さらにその後進化していると思うが)、鮮やかなプレゼンスで、魚谷さんが資生堂をどう変えていくのか、楽しみです。

ブランドの話ですが、個人としてどうありたいのかという話におきかえても、ふるまいのヒントが満載ですね。別に競合の必要もない気楽な立場の私が個人的に心がけたいのは、オリジナルな「アフターテイスト」でしょうか。もちろん、ヴェスパー・マティーニね(笑)。「いったん知ってしまうと、ほかのものが味わえなくなる」っていうあれです。心を奪うか?想像を裏切るか?人生を揺さぶるか?まずは限界のある自分の想像ぐらいは軽く裏切り続けてまいりたいもの。

Vesper_martini

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