はい、こういう見方があるということをしっかり頭の片隅に入れたうえで、言葉を扱わねばなりませんね。私なども小心なものだから「・・・かも。」と断定を避けて文章を終えることがままありますが、それも内館先生からは叱られそうです(^_^;)。

冒頭から「生き様」の話が書いてあってよかった。いろんなところで、「生き様」ほど下品なことばはないから使わないでと何度も何度も言っているのに、メンズファッション誌のグラビアでは平気で太い活字になってたりして。みんな好きなのね、「生き様」。でも「ぶざま」「ざまをみろ」など醜態を連想させることばということをもっと意識しましょう。そもそも発音してみて美しいか? モデルに着せる服と同じだけ、使う言葉に気を遣ってくれるとうれしいです。

やはりファッション誌であまりにも使われすぎていてあたりまえになっている「カタカナ+さ」についてもチェックが入っていて、ほっとしました。「エレガンスさ」「キュートさ」「ナチュラルさ」、もうやめましょうね、こんなバカっぽい書き方。「エレガンス」はそれだけでOK、あとの二つはたとえば「キュートな雰囲気」とか「ナチュラルなたたずまい」のように、うしろになにか日本語の名詞をもってくるのがコツです。

どさくさにまぎれて言ってしまうと、私は「女史」ということばも好きではありません。敬するフリして距離を置いて蔑んでいるような冷たさが漂うことばです。「中野香織女史」など書かれたりすると心にさぶい風が吹く。まあ、相手に悪気はないのだと自分に言い聞かせはするものの。女だからといってハレモノをさわるように特別扱いすることはない、ふつうにさらっと「さん」か「氏」でいいではないですか。

そういう「好きでないことば」をあげはじめるときりがないということを発見してなんだかギスギスしてきた(笑)。たぶん、人の数だけそういうことばが出てくるだろう。そういうことばをいちいち避けているとモノも言えなくなるから、神経質になりすぎないのも大事かと思うが、ただ、自覚して使うのと無自覚に使うのとでは大きな違いがある。

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