おおたうにさんのイラストとミニエッセイによる美女図鑑。伝説の美女たちにどっぷり感情移入しているゆえの面白さ。うっとり、クスクス、心を動かされつつ読み終わればなぜかじわっと広がる哀しさ、ナミダが落ちる。すばらしくて、あっぱれで、やがて哀しい美女の人生。

マリア・カラスへのコメントがとりわけぐっときますね。「考え方がブス発信。きっとどんな女性を見ても、常に自分より優れた部分を無意識に探してしまったり、するんだろうな。『自分を大切にしなさい』『自分を愛せない人は愛されない』今では女性誌がこぞってこんなことを言うけれど、ほんとうに必要な女の耳に、こんな言葉、届くもんか」

マリリン・モンローへのコメントも泣ける。「若い頃から、人に見られる場所を目指しつづけた女の子は、やがてスペアのいない唯一の存在になったけど、本来の自分をどこかに置き忘れてきてしまった」

ソフィア・ローレンの言葉も。「ジョージ・キューカー監督に言われたわ。『自信のない美人は、自信をもった醜女より美しくないもの。自信をもてば美しく見えるんだ』。自分の醜さを信じる女は、他人にも醜さのみを感じさせてしまいます」。

どう見ても美人のカテゴリーには入りづらいあの結婚詐欺師の女性(最近刑務所ブログを始めたようですが)が、ある種の男性たちにとって「絶世の美女」と見えてしまうのは、やはり彼女の自信のなせるわざなのでしょうね。

まえがきに書かれる美女の定義も、いいですね。「私の思う美しい女性たちには、水晶の柱みたいな透き通る強い芯が、すっと通っている。容れ物の美しさは年月を経るごとに変化してゆくが、目というふたつの穴から覗く本質の輝きにその背骨を見るとき、心から、そのひとの持つ、特別な美に感動する」

3月1日、17時にうお座で新月です。2014年最初の2ヶ月も怒涛のように過ぎ去った。1月1日の新月が遠い昔のような。春に向けてリスタートするのにいい日かもしれません。

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