日本語のタイトルが「チョコレートドーナツ」。舞台設定は1979年のアメリカ、同性愛者は社会から隔離せよという偏見が「正義」とされていた時代。実話がもとになっている映画とのことだが、まだ半世紀もたっていない。

麻薬中毒の母親に育児放棄されているダウン症のマルコをひきとり、家族になろうとするゲイのカップル。彼ら3人でほんとうに幸せなのに、社会の「正義」がそれを許さない。マルコの気持ちにはまったく寄り添われず、「おぞましいゲイの魔の手から純真な子供を救え」という社会正義がふりかざされ、その結果、マルコ自身に悲しい結末が訪れる。涙なくして見られない。

不条理な「正しさ」はいつの時代にも我が物顔ではびこっている。

一見、関係ないようだけど。やはり不条理にしか見えないのだ、この現状。

各種採点真っ最中のこの季節、大学4年生から意味不明の書類が続々送られてくる。それは企業が出した証明書で、「○月○日~○月○日まで、当社の研修に上記の学生を出席させました」というたぐいのことが書かれている。1日や2日のことではない、延べ日数にすると、かなり長期にわたる。

つまり、内定をもらった会社の研修に拘束されて授業にほとんど出席できなかったので、それを考慮して点数をつけてくれ、というお願いの書類というわけである。

もちろん、せっかく苦労して勝ち取った内定をふいにしたくはないので、平日に研修に来いと言われれば大学の授業のほうを休まざるをえない大学生のジレンマは理解できる。

授業料を4年間分親に支払ってもらっている彼らは学ぶ権利をもっている。高い授業料を払っている親御さんにも申し訳が立たない。「大学の授業なんぞ将来何の役にも立たないが、入社してすぐ即戦力になるよう今のうちから学んでいただく」と当然のように考えていらっしゃる企業様のほうが、なにか間違ってないですか? いや、それほどに若い人をじっくりと育てる余裕のない社会になってしまったということなのか。

0 返信

返信を残す

Want to join the discussion?
Feel free to contribute!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です