まず「シェルブールの雨傘」。1964年カンヌグランプリ作品。ジャック・ドゥミのミュージカル、主演はカトリーヌ・ドヌーヴ。音楽はミシェル・ルグラン。

よくある話、それだけの話。なのにエンドロールとともに強く胸がしめつけられ、泣けてくる。セラヴィ。

ドヌーヴとその母が着こなすファッションとインテリアがマッチしていて、楽しすぎる。60年代の盛りヘア、目尻がきりっとはねたアイライン、キャンディカラー、7分袖のドレスやカーディガン。目がハートになるとはこのこと。

ドヌーヴの美人母の気持ちが気になる。自分が気に入った男、自分のことを好きなんだと思っていた男が、実は娘めあてだった、とか。なんだかこの美人母のリアクションが、さりげないんだけど、いちいち「女」を感じさせて実はいちばん面白い存在かもしれないと思った。ナレーションで「母は亡くなり」ということになっていたが、あの若さで、いったい何が原因で亡くなったのだろう… しばらくずっと彼女のことを考えていた。dvd2

そしてドヌーヴの傘つながりで、「幸せの雨傘」2011年公開。監督はフランソワ・オゾン。ジェラール・ドパルデューが共演。

これぞフランス映画、といったおしゃれでどろどろで笑える人間関係がいい。70年代ファッションも楽しい。ボウタイとか幅広襟、信じがたい色どうしの楽しい組み合わせ。

飾り壺だった奥様が、あれよあれよという間に本領を発揮していく(しすぎていく)展開が痛快。ドパルデューの期待と幻滅の車内シーンが最高だった。まったく予想もしなかったコミカルなどんでん返しを、ドヌーヴが終始エレガントに演じ切る。闘争があろうと最後には寛容にすべてを受けとめる大きな愛にあふれる映画。最後のカタルシスはもう最高。dvd3

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