先日書いたSolitude & Social の話が意外にも好評を博したので、ちょっと厚かましく気をよくして(失礼!)、「ファッション学」の延長として常々学生に伝えていることの一部を今日は記しておきます。

一般にファッションというと流行の服をイメージすることが多いと思いますし、ファッション学というと、いかに美しくかっこよく見せるかの術、と勘違いされることも多々あります。そのような術を伝授することを職業にする方もいらっしゃいますし、多様なアプローチや解釈があってよいと思っています。

さまざまな学問分野の成果にふれるうちに結果として「ファッション学」に導かれ、ご縁あって教える立場もいただいている私は、「ファッション=時代を、人を、形づくるもの」と定義しています。

たとえば、あなたを形づくっているものは、何でしょうか?

 / ヘア・メイク・グルーミング

食事・睡眠・生活習慣

ことば・教養・知識

立ち居振る舞い・表情・作法

つきあう人・住む環境

政治や経済がつくる社会環境

本・映画・音楽

同調圧力、社会「常識」や暗黙の「規範」

マインド

こうしたことすべてに意識を向け、自分を形づくる要素ひとつひとつに敏感になることで、自分と、外の世界との関係を否応なく考えるようになります。そのことが、ほかならぬ学ぶ動機となるわけですが、具体的にさまざまな学習を通して、ゆるぎないパーソナリティを形づくっていくための方法として、次のようなことを繰り返し実践することを学生に勧めています。

Input & Output (学んだら表現する)

Action & Reflection (行動と内省をくりかえす)

Solitude & Social  (孤独と社交をともに楽しむこと)

Be Prepared & Challenge (備えよ常に、そしてチャンスが来たら準備が完璧でなくとも即つかめ)

Imagine & Love (想像力を働かせ、愛する)

なんであれ学ぶこと、あるいは、修養することの最終的な目標は、とりわけ、「想像し、愛すること」にあるのではないかと最近とみに思うようになりました。

いさかいは相手の文化を「醜い」と決めつけ、受け入れないことから始まることが少なくありません。しかしいったん偏見を捨て、その文化の背景を知り、そのような表現を生んだプロセスを知ることによって、見ているものの意味ががらりと変わることがあります。このような知識に基づいた想像力が寛容を生み、ひいては、相手の文化(そして自分をとりまく文化)を愛そうと努めるマインドを育てます。

ひとりひとりがこのような異文化に対する寛容を身につけること、そのように世界中の人文学者が指導していくことが、国際平和、いえいっそ、間接的な「国防」にも寄与できる、と私は信じています。たとえ能天気と言われようと、微力な自分ができるささやかな貢献のつもりです。

主に大学で教えている「ファッション文化史」が、具体的にどのような内容として学生に受け取られているのかは、国際日本学部学部ガイドに掲載されている学生コメントをお読みいただければ幸いです。(p.6)

アイキャッチ画像は、六本木ヒルズ屋上から見た、3年に一度のブルームーン前夜の夜景。Once in a Blue Moon…

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