ほんとは「観なかったことにしよう」と思ったほど。決して気分がよくなったりするドラマではない。でも引っかかりがあとあとまでのこる。そんなことまで描いていいのですかというようなデリケートな闇をぐさぐさえぐりだす。これがロレンスなんですよね。だからいちおう備忘録として書いておきますが、けっして積極的に「お勧め」はしません。人間関係の不快なドロドロと向き合いたい人に。women_in_love_1856713cBBC制作のドラマ「恋する女たち(Women in Love)」です。ロレンスの「虹」(1915)と「恋する女たち」(1920)をひとつにまとめて編集してドラマ化した作品。脚本はウィリアム・アイヴォリー。

ウルスラとグドルンの美人姉妹を、レイチェル・スターリングと、ロザムンド・パイクが演じる。お母さんのアナをサスキア・リーヴス。ほんとうはホモセクシュアルなんだが、嫌いな女性に追いかけられたりウルスラと愛を育てようと努力したりする繊細な男ルパートをロリー・キニアが演じる。women in love 2

キャラクターひとりひとりが、愛と性に真剣に向き合いすぎて、いまどきのことばでいえば「イタイ」のですよね。ロレンスの時代にこれほどのことを描けば当然、スキャンダルになったでしょうが、今だと逆に、「なにもそこまで言わんでも……」と見ているこちらが恥ずかしくなる。

痛すぎたシーン。ウルスラが最初の婚約者に「あなたとはイケないので別れる」と告げる。婚約者、キレて暴力をふるったのちレイプ、後さらにひどいふるまいをする。男を性的に傷つけるようなことは死んでも言わないほうがいいという教訓になる?

悲しすぎたシーン。自信たっぷりに見えて実は自分の育ちなんかにあまり自信がないグドルンが、富豪の恋人と若い美女が踊るのを見て、嫉妬がゆがんでひねくれていくところ。富豪の恋人にとっては、「ただのダンス」であり、どうってことないのに、グドルンは過大に受けとめて、天邪鬼になり、別れると言いだす。ほんとは好きなのに。わけがわからなくなった富豪の恋人は砂漠をさまよい、結果的に命をおとす。なんだよこれ。嫉妬してその矢がへんにねじれるととんでもない悲劇になるという教訓? 人の心がゆがむと他人を死に追いやることもある。やはり人間がいちばんこわい。

姉妹のお母さんもお母さんで、レス気味のだんなさんに「若い子と浮気してこれば」とか言う。本心ではないのに。だんなさんもだんなさんで若い娘を誘惑してその気にさせときながら、直前になって「やっぱダメだ」とか言い出したりして家に戻る。で、結果夫婦仲良くなる。なんだよこれ。娘さんがかわいそうではないか(そっち?!笑)

ほかにも、そこまで言うの?やめてーというようなシーンが多々。結構ぐったり疲れる。人間のどろどろにがっつりと向きあう文学ですな。ロレンスですな。衣装やインテリア、砂漠の風景なんかはきれい。ベルエポックです。women in love cover

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