2015年8月22日
毎回、数度読み直したとてもよいシリーズだった。「教養なんていらないの?」全4回。その最終回。朝日新聞8月21日(金)。
記者さんのまとめより。
「知識としての教養が、権威やアクセサリーになった時代もあった。今は、知識を血肉化した人からにじみ出るものを教養と呼ぶようだ。あえて教養を定義すれば、深い知識に基づく広い視野を持った上で、判断をしたり意見を持ったりする力ということだろう。
どんな知識の引き出しを持ち、今の課題につなげて応用するか。その知識やつなげ方は『実学』として事前にリスト化できるものばかりではない」
「『自分だけが正しい』という態度が幅を利かせ、社会の分断が進む今、引き出しの深さや多さが、社会のぐらつきに重心を与えると考えたい」
東浩紀さんの活動や、森田真生さんの活動。在野の学者のオリジナルな活動も紹介する。
「人間の文化の中には、実学の発想とは異なるものがたくさんある。役立たないことを発表する場は必要です。小さい所でやって、小さく未来に残っていけばいい」(東さん)
他人を完膚なきまで糾弾したり、「自分が一番」と恥じらいもなくアピールする競い合いをしたりする風潮にげんなりしていたところ、心が潤うような記事でした。
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