仕事上の必要あって読んだ本。ダニエル・グラネ&カトリーヌ・ラムール『巨大化する現代アートビジネス』(紀伊国屋書店)。アートビジネス最近、ファッション界も富裕層もアート、アートと騒ぐ。富裕層はアートの競売のあるところに集う。富裕層がばんばんアートを高値で買うので公の美術館がさびれていく。その背景がようやく見えた。具体的な名前、事件とともに解説してあるので、ゴシップ的な興味もそそられながら楽しく読める。現代アート界の中心的プレイヤーのひとり、村上隆氏の言動と作品も、ややアイロニーをこめて(少なくとも私はそのように読んだ)語られる。

アートの価値がどうやって決まるのか。具体例を通して知ると、半ばばかばかしくなる。でもこれが現代のアート市場。ファッションも、アートも、マーケティングの問題として語られる。

最近、宝飾会社につとめる知人が、「お客様の中には、ブランドの世界観を知ろうとせず、なんでもいいから高いものをさっさと売れ、という態度の方がいる。買ってくださるから大切なお客様なのだが、複雑だ」と語っていた。

アートも、価値を学ぼうとせず、値段の高いものを買ってもっと高く売ろう、とだけ考えている関係者がいるらしい。まあ、それで市場が動くし、アートが注目を浴びるから、悪くはないのかもしれないが。

なんだかなあ…。これを読んでから美術展に行き、所有者はだれで、どういうルートでここにあるのか?などと考えてしまうと、見え方も変わらざるをえないだろう。

 

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