ジュン アシダ2016SS コレクション、27日(火)グランドハイアットにて。

タカヒロこと上野隆博さんによるダンスパフォーマンスが最初と最後におこなわれるという、アーティーな演出あり。タカヒロさんがまとうのは、ジュン アシダの「コンパス」。タカヒロさんのダンスとともに布がくるくる舞うと、使われている黒とベージュが美しい曲線を描いて目を楽しませてくれる。「コンパス」の魅力を最大限に表現する、すばらしいコラボレーションでした。

そしてコレクションは、常に安定のジュン アシダの世界。変わらない。ブレない。フィナーレには、イブニングドレスのモデルたちが一堂に立つ。誰が見てもこれぞジュン アシダという世界。

ファッションに斬新さ、新しさ、変化を求めるのは人の常なのかもしれないが、必ずしもそればかりがいいというわけではない。時代がどう変わろうと、トレンドがどうあろうと、変わらぬ美意識を淡々と表し続けること。どっしりと安定していること。これはこれで偉大なことだ。10.27最後のデザイナーのあいさつは、客席で見ていらした芦田淳先生ご夫妻が手を取り合って立ち上がり、そこにスポットライトが当たるという演出で。若いころのようにエネルギッシュに動くことが難しくなった今、二人でこうして、手をとりあって立っていらっしゃる。「支え合って、ここまできた」という歴史、50年の歴史の重みが、お二人の姿に重なって、涙、涙、涙……。会場の拍手も鳴りやまない。

アシダブランドのすばらしさというのは、ただ売られている洋服の品質と美しさだけにあるのではない。もちろん、洋服もタイムレスな魅力あるものであることはまちがいない。が、それよりもなによりも、芦田先生ご夫妻の夫婦愛、多恵さんや山東さんばかりではなく、社員のみなさんも含めた「ファミリー」の絆、ファミリーの方々の誠意あるホスピタリティ、などなど、カタチとしてはっきりと見えない部分が実はとても大きな価値を生んでいる。足を運んでくるお客様方は、あらまほしき家族の姿を見せてくれる芦田ファミリーに癒されている。ショーを見に来るたびにそんなことを実感する。

ほかのメゾンと比べるのはたいへん失礼だが、せっかく無理してショーに足を運んでも、客を人間扱いしないずさんなところも少なくないのです。そんなメゾンが、「美しい」と心から人を感動させるものを生むのはかなり難しい、と思う。美しさは、目ばかりではなく、心で感じるもの。なんであれ美しいものを作ろうとするならば、小手先や表層をいじるだけでなく、人の心のこまやかな動きをあらゆる側面から考え抜かないとね。(自戒)

 

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