熊本、大分で発生した地震により困難な生活を余儀なくされているすべての方に、重ねまして、心よりお見舞い申し上げます。

こうしている間にも、被害が拡大しています。環太平洋の活火山帯で火山の噴火や地震も同時に起きており、地球規模で不穏な現象が起きていることを否応なく知らされます。

このような非常時であっても、友人が新規に店舗をオープンしたとか、結婚したとか、個展を開いたとかの慶事も続き、それはそれとして祝賀のパーティーに足を運び、お祝いを述べます。香水の発表会はあるし、極上エステの体験という優雅な仕事まである。そのようなビジネスに従事する友人も大勢いる。

会場を出ればすぐに気持ちを切り替え、大手術を終えたばかりの父の容態に心を痛め、付き添う母に連絡をし、次男の明日の持ち物の心配をしながら、明日の仕事の段取りを決めたり、原稿を書いたり、必要な連絡を入れたりします。大きな憂いのなかに慶事や個人的な心配や些事が雑然とちりばめられる、これが日常の現実です。

私の座右の銘のひとつに「人生はペルシャ絨毯」というサマセット・モームのことばがあります。人生は多色の糸を使ってただ一枚のペルシャ絨毯を織り上げるようなものであり、そこに目的などないというニュアンスのことばですが、まさに、日々の生活も心の中もペルシャ絨毯そのもののように思います。暗色をベースにしながら、時折、明るい色や中間色が混じり、複雑な模様が織り上げられています。織物にすらなっていないばらばらの箇所も多々あります。

環太平洋で3つの火山が噴火した翌日、明日何が起きるかわからない、だからこそ会えるときには会っておかねばならないと思い、父を見舞うために北陸新幹線に飛び乗りました。ところが強風のため、妙高で停車してしまいます。(その後の糸魚川でも再度、停車し、結局6時間近くかかることになります。)4.17.3

妙高で3時間ばかり待ったところ「運転を再開します。お急ぎの方は隣のホームの<かがやき>にご乗車ください」というアナウンスがあり、そちらに移り、空席を確保しました。隣では紫がかったピンクのスーツを着た女性が、新幹線の遅れから生じたトラブルに対処していらっしゃるのでしょうか、あちこちに連絡していらっしゃいました。その女性が、席を立ち、戻っていらしたときに顔を上げたら、なんと国会議員の片山さつきさんであることがわかりました。初対面でしたが、片山さんのほうから名刺を差し出され、しばしお話することとなり、どさくさにまぎれて議員の服装についてもおうかがいしました。

いつもは赤やピンクといった華やかな色を選ぶけれど、今は九州の地震のことがあるので赤を自粛、しかし、大勢のなかにあって目立つ必要があるので、顰蹙を買わない紫を選んだとのこと。新幹線停車という「不運」のおかげで国会議員の服装戦略の話を直接うかがうという予期せぬ機会が訪れたわけです。さらに、日帰りの予定は無理となって結局、一泊し、かえって母は喜び、結果的に幸せを多く感じられるショートトリップとなりました。暗い糸も他の糸との関係においては美しく転じることがあるという、やはりペルシア絨毯を連想するような経験でした。

 

翌朝は「かがやき」に乗り、直接、中野キャンパスへ出講。車内でコーヒーを飲みながら授業準備もできるし、いざ必要となれば新幹線通勤も十分、ありですね。

 

大腸を3分の1切除するという7時間にわたる大手術をしたばかりの父は思いのほか元気で、身体を動かせない分、趣味の歌作りに励んでいました。引退後に始めた趣味で、もう本が一冊できそうな勢い。私が言うのもなんですが、名作が多いんですよ。これなんかは、現在103歳のお母さん(私の祖母にあたる人ですね)を詠んだ歌。掛け軸になっておる。笑

ちなみにこの祖母は90歳を超えてから胃がんの手術をし、すっかり治って今なおボケもなく元気で103歳、という強い生命力の持ち主です。

4.17.2

0 返信

返信を残す

Want to join the discussion?
Feel free to contribute!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です