人やできごとの、できるだけいい面だけを中心に書くことをモットーとしておりますが、時には、これは指摘しておいたほうが、多くの人にとって「やってはいけない戒め」となるはずだから書いたほうがよいだろうと判断することもあります。

決して非難や愚痴というわけではなく、類似のことを行う危険があればできるだけ避けたほうがよい、という広く一般へのささやかな助言として受け止めていただければ幸いです。

あるクローズドな着席のブランド発表会に出席したところ、説明が一通り終わったところで懇談の時間となりました。するとなんと、その時点でプロのホステスさんが大量投入され、数少ない女性のジャーナリストが放置されるかたちに。

女性の参加者たちが困り果てたばかりか、フェミニストの男性たちも、これは時代錯誤かつ場違いであると義憤に燃えていらっしゃいました。

こういう場では、お互いに初対面である参加者どうしをまずは紹介するのが主催者の務めだと思います。主力の男性参加者だけを、プロの女性をはべらせることでおもてなしするという発想は、バブル期の亡霊であるように感じます(会議のあとのパーティーにコンパニオンとか……ありましたね)。

念のため申し上げますと、私はホステスさんにはなんの偏見もありません。ただ、このような場で「接待要員」として動員されるのは、ちょっと違うのではないかと思うのです。

さらに、発表会中は、解説者が何人か登壇し、そのなかの一人はすばらしい解説で納得させてくれましたが、別の解説者は、ファッション史的にデタラメなお話をさしはさんでいらっしゃいました。スルーするのが大人であるとは思いましたが、万一、デタラメを信じていらっしゃるようだったら早目に知識を修正されたほうがその方のためになろうとよけいな親切心をもってしまったのが仇となりました。その場で指摘するのもはばかられたので、後にこっそりさりげなく、できるだけソフトに指摘しましたところ、

「間違っているのは知ってますがそのほうが面白いしわかりやすいじゃないですか!笑」

というお返事でした。

参加者の知的レベルを馬鹿にされたようなせせら笑いに、私は心の底から悲しくなりました。というか、どのような場であるのかをよく調べもせずに、招かれるままのこのこと出かけた私のほうがそもそも場違いだったのだ、と深く反省した次第。このようなおもてなしを、文字通り目を輝かせて喜んでいた男性もいらっしゃったのは確かなのです。

このような二重の屈辱を味わわせていただいた発表会は、長い取材生活においても初めてのことです。人間観察においては、とてもよい機会になりました。今後、自分が関わる仕事においても、この経験を戒めとして活かしたいと思います。かように「貴重な」機会を与えてくださいました主催者に、心よりお礼を申し上げます。

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