立川談慶さん著『「めんどうくさい人」の接し方、かわし方』(PHP)。

dankei

落語の世界から、あるいは談慶さんの人生そのものから、深い(=不快?笑)真理を笑いながら教えていただきました。

「この世からめんどうくさい人やモノを差っ引けば、残るのは『あってもなくてもいい人やモノ』。はたして、この退屈感に耐えられる人がいるのか?」

耐えられませんよね、もちろん。正真正銘めんどうくさい人のかわし方もスキルとして紹介されるが、それよりもむしろ、談慶さんにとっての究極のめんどうくさい人=立川談志師匠から、彼がいかなる影響を受けて成長したか?というお話を中心に、価値のあるめんどうくさいことと上手に関わって能力を磨いていこうという趣旨に重きが置かれている。

価値のあるめんどうくさい人やものの見極め方は、あとになって笑って会えるかどうか。たしかに!

私もめんどうくさい師や仕事や友人に鍛えられてきましたねー。めんどうくさい人や仕事の理不尽な要求のために、必死になって頭を働かせ、エネルギーを使い、奔走する、なんてことを重ねているうちに、気づいたら仕事の能力が底上げされていたし、仕事の領域も広がっていたという。めんどうくさい人や仕事には、たいへんだと言いながらもどっぷりと関わったほうが、長い目で見るとトクだと実感する。損得で考えることではないかもしれないが、自分の潜在能力を引き出してくれるという意味では、「トク」なのだ。PTA会長も、想定外のめんどくさいことばっかりだったけど、今になって思えば、まさか自分にあるとは思っていなかった潜在能力が引き出された感がある。

さすが落語家、本書はことばのエンターテイメントとしても楽しめました。以下は、なるほどと思った表現の、ほんの一部。

「一流の人、ベストセラー、ロングセラーなどは、消費者からのさまざまなわがままや無茶ぶり(めんどうくささ)を乗り越えたサバイバー」

「この世は一部の天才がめんどうくささと格闘したおかげで成り立っている」

「歴史を感じるということ。整合性よりも、当時の人が何をどう考えていたのかに想像をめぐらすことが大切」

「現実が事実。評価は他人が下すもの」

「相手に自分の都合という必要以上の内容を求めない」

「人にはバカにされていろ。バカは避雷針」

「完成されたパズルを持ち歩くのではなく、キラーパスを与える」

「欲望に対する行動がスローモーな奴を上品と呼ぶ」

「覚悟というのは、プライドが勝手に設定した自主規制線を断ち切る行為の大本」

「無茶ぶりをめんどうくさがっていると、自分の殻を破れなくなる」

「めんどうくさい人が、自らにもめんどうくささを課しているかどうか、見極めよ」

「主体が自分なら克服できる。セルフ修行。」

「スポーツも人生も逆転可能なほうがおもしろい」

「負け続けの期間は、データ蓄積のための雌伏の期間」

「失敗後のアフターケアというマーケットが存在する」

「めんどうくさい貯金の満額」

「カリスマ、天才、トップランナーほど孤独。その間隙を突け」

「弱みを握る・見せるという間柄」

「落語は人間の業の肯定、講談は生き方のレクチャー」

「狼にならず、大神としてセルフコーティングし、相手のみならず、まず自分を焦らす」

「心の浸透圧の高さ」

「バイタリティのある男性ほど孤独。高い位置から安心感で包み込め」

「稽古(=準備)が仕事。勝負は時の運」

「人と違うことが才能ならば、人より劣っていることも才能」

などなどきりがない。これはごく一部。

「負け続け」の期間が長すぎてあきらめかけていたことがあるが、これから後半戦、逆転できるかもしれないとかすかな希望がわいてきました。いきのいい一冊。

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