うちにはテレビがありません。ブツとしてはありますが映らないまま放置して数年経ちました。テレビも買えないカワイソウな人の負け惜しみみたいですが、今のところ、なくても別に困りません。本当に必要な映像情報は、今はオンデマンドやYou Tube、その他もろもろの手段で、いくらでも見ることができます。

そういう事情もあって、有名人のスキャンダルや動向にいちいち反応して騒いでいる人を少し離れた立場から見ることができます。ニュースが出たとたんに背景や真実も調べず感情の反応のままに好き勝手なことを言い、しばらくしたら今度は次の新しい話題で興奮して、この人たちはそう長くない人生の時間を、他人の話題に空費していくのでしょうか。

叩けるときだけ「正義」や「常識」を振りかざして騒いで、対象の方の名誉を回復すべきニュースが出てきてもスルーする、というのもこのような方々の共通点ですね。

有名人相手ではなくても、(しばしば匿名で)他人を非難・中傷するという行為に異様な執念を燃やす人がいますが、背景を探ろうとせず表層だけに反応して、一時的な嫌悪の感情や偏狭な「正義感」だけでバッシングするというのは、なにか別の鬱屈や不満・嫉妬のはけ口のためでしょうか。真実は時間がたってからでないと、あるいは時間がたってもわからないことが多いのに。先日も書いたけど、人物評価は、語るその人自身を露呈させます。

過日も、ある男性が、一人の若い女性に対する「悪口」を長い時間語る現場に出くわしました。残った印象は、彼女に対する悪いイメージではありませんでした。「ああ、この男性は彼女のことが好きなのね。だけど思い通りにならなくて執着があるのね」ということがはっきりとわかっただけでした。

書評や映画評もそうですね。手間暇のかかった良い作品を雑な表現で貶めている人は、「自分の理解力がこの程度です」ということを世間に対してさらしているようなものだし、まったくずれた論点でけなす人は邪悪な心を露呈しているだけ。作品や作者や演者の価値を下げてやろうというつもりが自滅している、ということが、少し距離を置いてみるとよく見えます。まあ、そんな方はだいたいお名前を公表する勇気もなく匿名ですが、自分自身の品を下げるような行為は表情の端々に反映され、それが固定された結果、そのような顔だちないし雰囲気として外に表れていきます。これが他人に与えるその人の印象となり、ひいては「運」や「未来」を左右すること、言うまでもありません。

 

話を戻します。巷で話題のゴシップに対し、興味がないとは言いません。時間がある程度たってから一連の展開をたどるほうが、背景も含めて俯瞰できるし、人の行動について学びどころが多い。自分の振る舞い方の指針としても参考にできる。その意味でも、少し距離を置いているほうがいい。

とはいえ、テレビを見ないのはポリシーというわけでもなく、たまたま修理をさぼっていて時間が経ったら、実はなくても生きていけたという程度です。次は「スマホをもっていません」と言い切ってみたい。笑

新しいテレビを買う余裕はありませんが、インスピレーションの宝庫となる本やDVDになら惜しみなく投資しています。最近購入して「大正解!」だった洋書はこの2冊。かぎりある時間を投資するに値のある本で(私にとっては、ということです。投資価値は人によって違いますね)、永久保存版にしたい。その方面に関心のある方にはお勧め。

 Marnie Fogg ed., “Fashion: The Whole Story”,  Prestel. 紀元前500年から現在までの、時代を代表するファッションを、細部の詳細な写真と解説、年表とともに語りついでいく。索引を入れて576ページの大著。一項目、一記事なのでどこからでも読めるし、一日一項目学んでいくだけでファッション博士になれるぞ。意外とマニアックなネタが多いので、幾多のファッション史を読んできた身にも新鮮に読める。現代日本のファッションの項目に上がっているのがガングロギャルとロリータなのには苦笑しましたが。

 Valerie Cumming, “Royal Dress: The Image and the Reality 1580 to the present day”, Holmes and Meier.  1989年に出た本だけど、古くない。というか80年代に出た本って実にきちんとしていて、逆に安心できるところがあります。1580年代から現在までのイギリス王室メンバーが肖像画や肖像写真の中で着た衣装を、詳らかに考察していく本。文字とビジュアル資料のバランスもよく、文体にクセもないので、永く「参考書」として手元に置ける。主観をおしつけすぎないこういうスタンスが、読者のためになるということですね(自戒)。

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