税を逃れてシンガポールに逃げる日本人の超富裕層、彼らの資産を管理することで利益を得るプライベートバンカー、そしてさらに彼らを追いつめていく国税の役人。ほぼ実名で語られるドキュメンタリー小説。こういうことになっていたんですね。あらゆる節税のしくみが解説されるのですが、驚きの手法が続々。といっても私にはまったく無縁の世界なので実際に応用のしようもないのですが、その手口はスリリングで、読んでいるだけでドキドキしてきます。

「節税」のためシンガポールに5年間ひっそりと暮らすお金持ちたち。ほとんど緩慢な牢獄のような暮らしぶり。一生働く必要がないほどお金をもっていても、家族がバラバラになったり、カジノで人生が崩壊したり、孤独にさいなまれたり、信用していたバンカーに詐欺・殺人未遂事件を起こされたりと、幸せな人がほぼいないというのはなんという皮肉。

 

ある富裕層対象の会(私は経済的な指標でいえば「庶民」ですが、富裕層向け雑誌に書いたりしているご縁で呼ばれるにすぎません)で、「俺は富裕層としか話さない」と公言していた人がいました。そのときは、心の中で驚きと憤りを感じていたのですが、今から思えば、たぶん、その方も、ハゲタカのような人たちから資産と、家族と、身を守ろうとしてそのような態度にいきついたのかもしれませんね。

 

プライベートな旅行ではしばしば訪れていたシンガポールですが、この本を読んでしまったあとでは、見え方も違ってきそう。今度行くときは、本の中に出てきた店やコンドミニアム(地図つき)をチェックしに行こうっと。

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