知人らが口をそろえて「見ておかないと絶対損をする」と勧めるミュシャ展、駆け込みで見に行きました。平日の午後4時すぎで入場まで40分待ち、中に入ったら人の波。

その人気も納得の、けたはずれのスケールの絵の数々。悲惨で絶望的な状況を描く絵も光の描写のなかにどこか宗教的な救いを感じさせ、画家の心の中に渦巻く感情をほんの少しでも追体験できたような経験でした。

それにしてもあの巨大なサイズの絵はどのように運んできたのか?船舶でしょうか。もう二度とこのような展覧会はできないのでは。行ってほんとうによかった。


撮影可能スペースの絵は、他の絵に比べて優しく穏やかな絵でした。


穏やかとはいえ崇高な思いがあふれてくる迫力の絵。写真ではとうてい伝わらないのですが。


撮影する人、人、人……。

 

その後、渋谷のbed というレストランで早目の誕生日祝いをしていただきました。渋谷には大人がゆっくり食事ができるレストランが少ないのですが、ここは超穴場。カウンターをはさんだ目の前で、その折々に入荷した新鮮な素材をすばやく調理して出してくれます。食器はすべて特注の伊万里焼だそうです。

新鮮な太刀魚とアスパラを極上のオリーブオイルだけでフリットにした逸品。
ワインの種類も多く、くつろぎながら満足感のあるディナーを楽しませていただきました。


ソムリエ(左)とシェフ(右)。ありがとうございました。


感謝。まさかのこの歳になってキャリアの大きな変わり目を迎えておりますが、離れるのもご縁であればつながるのもまたご縁、いったん離れてもまたどこかでつながることもあるでしょう。一瞬一瞬の選択が確かなものになるよう、日々を深く味わって過ごしていこうと思います。

2 返信
  1. うーたん
    うーたん says:

    はじめまして。
    いつも更新されるのを愉しみにしております。
    私は大阪在住なのですが、ミュシャのスラブ叙事詩は観ておかないと後悔するよという友人のおすすめで行きました。(大阪の堺にミュシャ美術館はあります)
    観ておかないといけない絵というものがあるんだということと、それを日本で観れたことのラッキーさに感謝です。
    絵はスラブ民族の哀しみや絶望で心が沈んでしまうのですが、最後の絵には希望や救いがありました。
    また、今のこの時の世界の希望のようにも思えました。

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    • Kaori
      Kaori says:

      >うーたんさん
      コメントありがとうございます。
      これは壮大なスケールでしたよね……。
      物理的な大きさにおいても、描かれる事実の壮絶さにおいても、そして
      悲しみや宗教的な救いや、その他一切合切、なにか言葉にできない思いすべてにおいて。
      人のまったくいない場所で絵と一対一で対峙したかったというわがままな願望もよぎりましたが、
      でもやはり同時代の大勢の方々とご一緒に体験できた喜びも大きかったかな。
      後々まで、同じ体験を語り合える人がたくさんいるという意味でも
      見ておいてほんとうによかったです。

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