ソフィア・コッポラ演出によるヴェルディのオペラ「椿姫」が、ローマ歌劇場において上演されました。2016年5月のこと。ソフィアにとってはオペラの演出家としてのデビュー作です。

特筆すべきは衣装と舞台美術。ヴァレンティノ・ガラヴァーニが椿姫ことヴィオレッタの衣装を自ら手掛けています。そしてコーラスとフローラの衣装は、当時ヴァレンティノのクリエイティブディレクターだったマリア・グラッツイア・キウリとピエーウパオロ・ピッチョーリが担当。キウリは現在、現ディオールのクリエイティブディレクターになってますね。

そして舞台美術はネイサン・クローリー。「ダークナイト」や「インターステラー」のプロダクション・デザインで名高い方です。

このオペラの舞台の映像が日本でも公開されます。2017年10月6日(金)、TOHOシネマズ日本橋にて2週間限定公開ほか全国順次公開予定。

Photo©Yasuko Kageyama
(黒い燕尾服、黒いドレスの軍団の中の、赤いドレス。これこそヴァレンティノ・レッドという迫力)

一足早く拝見する機会をいただきましたが、音楽のすばらしさは言うに及ばず、舞台・衣装が豪華で美しく、目も耳も魅了されるとともに、終始、エモーションを揺さぶり続けられます。

ヒロインを現代人が共感できる女性として演出したというソフィア。原作の「高級娼婦(ドゥミ・モンド)」のネガティブなニュアンスをやや薄めに描いていると感じました。

Photo©Yasuko Kageyama

ヒロインがまとう黒いドレス⇒田舎暮らしでの白いドレス⇒舞踏会の赤いドレスとゴールドの紗のマント⇒ピンクの部屋着。すべてが繊細に、大胆にデザインされており、シンプルながら情景をよく伝える舞台と幻想的に調和しています。
「この花をあげるわ」「何のために?」「返してもらうために」。粋な駆け引きを楽しむコケットから真剣な愛に目覚めた女性へと変貌、さらに本物の愛のために自己犠牲もいとわない聖女へ、残された人の幸せを願う天女へと昇華していくヒロイン。フランチェスカ・ドットが歌い上げます。141分の長いオペラですが、ずしりと見ごたえ、聴きごたえあります。

☆☆☆

『ソフィア・コッポラの椿姫』
106日(金)、TOHOシネマズ日本橋にて2週間限定公開 ほか全国順次公開

配給:東北新社

 

 

0 返信

返信を残す

Want to join the discussion?
Feel free to contribute!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です