水野敬也『運命の恋をかなえるスタンダール』(文響社)。

 水野敬也は、はずさないなあ…。細部に爆笑しつつ、大きな物語展開に泣ける。というか最後の最後は心が洗われた。ハウツーもの練り込み風を装って、実は心の奥まで届く普遍的な物語にも仕上げているのがニクイ。

 

そしてもう一冊。こちらは水野敬也が9人の方にインタビューした『顔ニモマケズ』(文響社)。

 「人は見た目が9割」の社会にすがすがしく異を唱える本。乗り越えてきたであろう苦労を深刻に扱わず、ユーモアと明るさのトーンを失わずにリアリティを語る9人に激しく心を揺さぶられる。とりわけ河除静香さんの「幸せ」を語る話、お子さんによるコメントには大泣き。悩みは決してなくならないが、それを乗り越えていくときに人は魅力を深めていける、という「あとがき」の水野敬也のまとめも泣かせる。

「相手は変えられない。であれば自分が変えられることから変えていく」と積極的に行動する9人の勇気は偉大で、励まされるし、「生まれ変わったら、今の顔と普通の顔、どちらを選びますか?」という水野の質問に対する答えが、味わい深いということばでは足りないくらい示唆に富む。絶望は幸福への伏線、という「運命の恋…」にも書かれていたことが静かに伝わってくる。

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