池上彰『世界を変えた10人の女性』(文藝春秋)。お茶の水女子大学での講義録で、学生とのやり取りも入り、巻末にはレポート講評会録もあって、池上先生の講義を聴くようで、複雑な話も多いのにとてもわかりやすい。

世界を変えた女性たちを必ずしも100%礼賛しているわけではなく、アウンサンスーチーをはじめ、やや批判的な見方があることも紹介される。

アニータ・ロディック、マザー・テレサ、マーガレット・サッチャー、フローレンス・ナイチンゲール、マリー・キュリーなどは、知っているつもりでいたのに知らなかったことばかりで、彼女たちに対する見方がかなり覆る。

緒方貞子、ベティ・フリーダン、ワンガリ・マータイ、ベテア・シロタ・ゴードンなど、高名だけは知っていたが、具体的に何をおこなった方なのか知らなかったので、詳細を知ることができてとても勉強になった。

それぞれの女性の功績を通して、世界中の現代史も学べるし、池上さん独特の人生観のようなものもちらちらと語られるのが、味わい深くてよい。

それにしても圧倒的な知識と教養。錯綜した、あるいは取扱い要注意の繊細なことがらを、シンプルに伝える高い言語能力。今さらながら、だが。

本稿のタイトルにしたことばは、フォークランド紛争で指揮をとったマーガレット・サッチャーの一喝。

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