7月28日に交詢社でおこないました講演「ダンディズム、その誤解と真実」が収録された「交詢雑誌No.629」が発行されました。

なんと22ページにわたります。福澤武・評議員長(福沢諭吉のお孫さんにあたる紳士です)の開会あいさつから始まり、福澤評議員長の締めの謝辞にいたるまで、ほぼ全部が収録されているという迫力です。これまで「要旨」は活字になることはありましたが、全部が活字として残ることはあまりなく、無意識に口から出てしまう言葉に対しても、いっそう慎重になっていかねば、と冷汗とともに自戒。

紳士というのは具体的な指導はせずとも、その存在と振る舞いだけで相手をおのずからあるべき方向に導いてしまう力をもつ人をいうのですね。講演の前、最中、講演後にいたるまで本物の品格にあふれた社交クラブでした。

発行は 一般財団法人交詢社。

しばらく遠ざかっていた映画雑誌ですが、英国男優総選挙2017の特集とあれば買わないわけにはいきません。

鉄板のコリン・ファース、カンバーバッチ、そして新進のタロン・エガートンの3強。彼らのインタビューや分析記事が興味深い。

ジュード・ロウやダニエル・クレイグがはるか下のランクに入っているあたりに時代の変化(というか読者層との世代の違いの問題か)を痛感する…。そして女優となれば、知らない名前の方が多かった。ショック。しかし彼女たちの何人が、5年後もこの世界に生き残っているだろうか。

 

 

日本では台風の日の総選挙。キーパーソンズの言葉や動向から、見習いたいこと、戒めとしたいことが多々あった。

・調子のよいときこそ驕りは禁物。人を「排除」するなど不寛容と傲慢の極み。そうした不遜な態度を一瞬でも見せると、その一瞬が、これまでの「業績」をすべてなし崩しにする。風向きなど一瞬で逆方向に変わる。

・少しの期間でも身近でサポートしてくれた人は、最後まで大切にすること。離反者続出報道は、信用がないこと・薄情であることの世間への表明。

・一か所で大きな仕事を任されているなら、そこに腰を据えて任務を全うすることが第一で、どんなに長年望んだチャンス到来と見えようとも生半可なちょっかいを出してはならない。結果として全方向からの信頼を失う。

・「力」をもつ人に「排除」されても、うろたえる必要はない。そこにチャンスがある。

・「長」とつく名の任務についたならば、たとえ船が沈みかけていようとも、沈むまで、最後の一人としてその船を守り切るべき。これは古今東西不変の紳士のルール。まっさきに船を捨て、隣の船に乗り込むなど、生き恥をさらすも同然で、この汚点は永遠につきまとう。

・焦りによる「とりあえずの」数合わせだけの連合はなにも生まない。出遅れたように見えようとも、孤高に見えようとも、幹となる信念を貫いたほうが最終的には信頼を得られ、勝利につながる。

・リベラルとは、いかなる権力の縛りからも解放され、自由意志で行動できるということだ。右や左は関係ない。

・人望が集まると顔が明るく光ってくる。

・表層のイメージコントロールや根拠のない人気、そんなものは一瞬で化けの皮がはがれる。長きにわたって信頼を勝ち得られるのは、地に足のついた行動、一貫した理想や信念、そして誠実な対応、落ち着きと正しい情熱をもつ人柄。

 

人間の本質が露わになり、学ぶところの多い選挙だった。国民の信を得て議員に当選された方々の、誠実で情熱のある仕事を期待します。

Forbes Japan にお招きいただき、ヴーヴ・クリコ・シャンパン・ディナー、19日、恵比寿のジョエル・ロブションにて。

ヴーヴ・クリコの最高醸造責任者のドミニク・ドゥマルヴィル氏から、シャトーの歴史、新製品の説明などを受けながら、ロブションのお料理に合わせて5種のシャンパンを試飲するという、なんともゴージャスな環境のなかでシャンパンのことが学べる会でした。

左側、立って説明しているのが、セラーマスターのドミニクさん。

以下、半ばほろ酔い加減でメモしたことのなかから。

・新製品のエクストラブリュットエクストラオールド。通常の熟成期間(3年)よりも2倍長めの熟成期間を経ている。パンチがあって、フィニッシュがピュア。

・ヴィンテージとは、一年だけのぶどうで作られたシャンパン。(通常の製品は、一定の味わいが保たれるよう、いくつもの年のシャンパンがブレンドされている。)はじめて作られたのは、1810年。毎年、作られるわけではなく、ぶどうの出来具合にもよるが、10年のうち、3,4年というところ。現在、マーケットに出ているヴィンテージとしては、2008年がいちばん新しく、1989年のものがもっとも「深い」。27年も経つと、色も深みを増していく。

・歴代の醸造責任者は、みな長寿である。前任者はいま96歳、その前の責任者は103歳まで生きた。毎日ヴーヴ・クリコを飲むことは長寿につながる?! (というか責任者となれば体調を常に絶好調に保つことも仕事の一つだから?)

・ヴーヴ・クリコの歴史をたどると、1772年にフィリップ・クリコが始めた会社を、息子のフランソワ・クリコが引き継いだ。フランソワと結婚したのが、マダム・クリコ。ところが、1805年にフランソワが亡くなってしまう。それを受け継いだのが、27歳のマダム・クリコ。ヴーヴとは、未亡人という意味。1805年はフランス革命直後の時代、混乱の時代に大胆にビジネスをはじめた、いわゆるキャリアウーマンの先駆者がマダム・クリコだった。

・ロゼをはじめて作ったのも、マダム・クリコ。1818年のこと。

・1972年にはラ・グランダム(La Grand Dame=偉大なる女性)が作られるが、これはマダム・クリコに敬意を表した呼称。

・ヴーヴ・クリコのイエローは「137c」という色番で、ヴーヴ・クリコ―・イエローとして登録してある。マダム・クリコが好んだ卵黄の色だった。創業当初、ワインのボトルにはラベルがなく、ヴィンテージボトルにはわかりやすいようにイエローリボンを巻いた。1830年代から40年代にかけてようやく白いラベルがつくようになる。当時はまだシャンパンはソーテルヌのように甘かった。ドライ・シャンパンが出てくるのが1850年代。


(5種のシャンパンにあう、繊細な料理を作ってくださった料理長)

・現存するヴーヴ・クリコのビンテージで最古のものが1839年。これは、2010年、バルト海に沈んだ船からダイバーが引き上げた。168本のシャンパンボトルのうち、47本がヴーヴ・クリコだった。このシャンパンを、これから作られる特別に限定されたシャンパンに限り、少しずつ混ぜていく。それによって新しいシャンパンのなかにも、クリコの歴史が溶け込んでいくことになる……。

沈没船から引き揚げられたシャンパンが、未来のシャンパンの中に少しずつブレンドされていき、クリコの味を引き継ぎながら深化、発展していくというのはなんともロマンティックではありませんか? (というか、こんな稀有な物語こそがブランドを作るのですね。)


ビジネス界などでご活躍の方々、16名ほどのご参加でした。お席が近かったみなさまと。前列左から、シャフハウゼンもご一緒した武井涼子さん、X-Tankコンサルティング代表取締役社長の伊藤嘉明さん、後列左から、やはりシャフハウゼン組の中塚翠涛さん、KANTARジャパン代表取締役社長の大竹秀彦さん。ほかに、(写真をご一緒するチャンスを逸したのですが、)マーク・ジェイコブズ・ジャパン社長の橘田新太郎さん、森トラスト代表取締役社長の伊達美和子さんはじめ、経済界をリードする方々がご一緒で、刺激的なひと時を過ごさせていただきました。とりわけ伊逹さんは、「美味しいワインが好きすぎて飲みすぎ、倒れた」ときのエピソードを披露。そのとき以降、「着つけ薬」を持ち歩いてるそうなのですが、見せてくださったのがこちら。

タイガーバームのような?一瞬ではっと正気にもどる匂い。これ、私も入手しなくては……笑。
下の写真は翠涛さん撮影。

とても豊かな時間を楽しませていただきました。お招きいただきましたフォーブズ・ジャパン編集長の高野さま、副編集長の谷本有香さん、こまやかな手配をしてくださったフォーブズのスタッフのみなさま、ヴーヴ・クリコ関係者のみなさま、ロブションのスタッフのみなさま、ありがとうございました。

Tae Ashida 2018 SS コレクション、グランドハイアットボールルームにて。

都会的なセンスにあふれた、エッジの効いたエレガントな世界。一作、一作にデザイナーの挑戦の後が伺われます。25周年を迎え、堂々たる風格です。Tae Ashidaのホームページより、動画でコレクションをご覧いただけます。

いつものように、各国の大使と大使夫人がずらりと客席に。国際色豊かな大使夫人のファッションもまた見ものなのです。

芦田さんご夫妻は、今回、アメリカのVOGUEのライター、ジャネール・オクゥドウさんをお招きして、きめこまやかなおもてなしでお迎えしていらっしゃいます。海外ジャーナリストが少ないと言われる東京コレクションですが、こうしてデザイナーが率先してお招きして、すばらしさを知ってもらうという努力をしているのですね。たいへんに労力を要することだと思います。

ショウのあと、そのジャネールさんを囲み、芦田ファミリーと長いお付き合いのあるプロフェッショナルな方々とディナーをともにするという光栄に浴しました。


レストランは麻布十番のリベルテ・ア・ターブル・ド・タケダ。雰囲気は抜群にすばらしく、旬の日本の素材を活かした独創的な料理の数々には感動の連続。


こちらは旬のきのこの上からすっぽんスープをかけていただく、薬膳のように体によさそうな一品。


ホタテがこんなに繊細な一品に変身するとは。


左から時計回りに、(株)ジュンアシダの美人敏腕広報、熊井美恵さん。(株)スマイルズ社長、遠山正道さん。スープストックはじめ、多岐にわたる事業を展開なさっています。そして多恵さん、中野、多恵さんのご主人で(株)ジュンアシダ社長の山東英樹さん、ジュンアシダのビジュアルマーチャンダイザーのウィリアム・コルソーさん、生駒芳子さん、ダンスアーチストのタカヒロさん。タカヒロさんは現在、欅坂46の振り付けでも話題です。そしてジャネールさん、エリック・ベルジェールさんです。

これだけプロフェッショナルがそろうと話題は尽きず、興味深いお話の数々で盛り上がりました。ジャネールさんにはアナ・ウィンターのことや、最近のニューヨークトレンドの話、セレブの話など、根掘り葉掘り。

ウィリアム・コルソーさんは、最初に芦田淳先生とパリで「面接」をしたときのことを感慨深く語ってくれました。ほんとうは仕事を受けないつもりで出かけたのに、淳先生のあまりのエレガントな風格に圧倒され、ノーとは言えなかったとのこと。威圧ではなく、おおらかでどこまでも紳士的でエレガントなたたずまいで、相手にノーとは言わせない。すばらしいエピソードではないですか? 以後、10年以上、一緒に働いていらっしゃるとのこと。

エリック・ベルジェールさんも、芦田ファミリーとは30年にわたるおつきあい。私もなんだかんだと10年以上、広報誌にエッセイを寄稿しています。ともに仕事をする人を大切にし、長くつきあっていくという芦田ファミリーのあり方には、やはり本物の品格を感じますし、そのような生活からこそ、真にエレガントなファッションが生み出されていくものだとあらためて感じます。(使い捨ての服を作っているのは、やはり使い捨ての雇用関係であることが、「トゥルーコスト」でも描かれていました。)人を使い捨てにしない・されないという基本は、かつての日本ではあたりまえのことだったかと思うのですが、効率・規則最優先の大義のもと、自分自身もそのような扱いを受けることがある現在では、とてもレアで貴重なものに見えています。お互いにそのように「とりかえのきかない」存在として認めあっていくことで、幸福感は醸成されていくものだと思うのですが……。人間を部品のように扱う風潮は、心を砂漠にしていくばかりです。

遠山さんは、ネクタイとネクタイピンのブランド「ジラフ」というブランドも展開しているのですが、その旗印は「サラリーマン一揆」だそうです。体温別にジャンル分けされているのが面白い。低体温の人でいるか、アツい男になるのか。笑

この日の遠山さんのネクタイは、デジタルで描かれたバナナ柄。ネクタイピンはゴリラ。全員がこの組み合わせに悩殺されていました。

かけがえのない豊かなひと時でした。山東さん、多恵さん、ご一緒させていただいたみなさま、ありがとうございました!

大学の授業のゲスト講師として、パンツェッタ ジローラモ氏と、エトロのデザイナー、キーン エトロ氏にご来校いただきました。

ギリギリまで予測のつかないイタリア人らしさ全開のハプニング連続の授業となりました…。



壇上にはじっとしていらっしゃらず、座席の間を回りながら、質問を受け、座りながら、寝転びながら(!)の白熱講義。


イタリア語通訳の方(壇上左)も大活躍。


ミュージシャン志望の学生、イワミくんを壇上にひっぱりあげて歌わせる二人。イワミくん、このお二人にマイク持たせての演奏なんて、一生自慢できるよ!!

 

「自然の姿に学ぶ」「身体が感じることに敏感になることがインスピレーションの源」「インスピレーションは、呼吸から」など、多くのことを教えてくださいましたキーン氏からは、サイン入りTシャツまでプレゼントいただきました。


サインを入れてくださった狼の顔の部分です。”Super Kaori We enjoyed a lot lot! Top Teache! With Love. Kean”とあります。”We”というのは、壇上の講師たちも客席の受講生たちも取材陣もすべて含めた”We”、と解説してくださいました。客席の間を歩き回りながら楽し気に話していたキーンさんのことばだからひとしお、ありがたみがある。ほんと、熱い一体感があったなあ。

ご助力いただきました事務室、資料室、広報課のみなさま、エトロスタッフのみなさま、通訳の方、取材してくださったLEON編集部のみなさま、ファッション通信のみなさま、そしてノリノリで盛り上げてくれた受講生のみんな、ありがとうございました! 講義後はみんなすっかり、エトロファン。未来の顧客が大量に生まれた瞬間でした。笑

授業の模様は、後日、エトロの公式ホームページやLEON本誌で掲載される予定です。

400名ほどの参加者全員との写真はとても無理だったので、3回に分けての記念撮影となりました。

それにしても。キーン・エトロ氏9年ぶりの来日のタイミングがぴたりこの日に合い、ご来校くださることができたのはほんとうに幸運でした。1週間前までは想定もしていなかった奇跡の時間が実現できて、最高に嬉しい。「自分が学生だったら受けたい授業」というのをいつも考えて行動してきましたが、明治大学での最後の学期になって、想定をはるかに超えるごほうびが降り注いできた感じ。

“All good things are wild and free”.  ご紹介いただいたエトロの映像に流れたこのモットーを胸に、ワイルドで自由でいこうとあらためて思えた日。

ETRO 公式インスタグラムにアップされています。日本の国旗のある狼の顔の写真があるところをスライドすると、3枚、出てきます。

 

 

ハロウィーンもまだなのですが、もうクリスマスケーキの発表会。プリンスホテル、東京シティエリア7つのホテルがプロデュースする今年のクリスマスケーキ、計17作が、ザ・プリンス・パークタワー東京で華やかに発表されました。



最近のプリンスホテルズシティエリアを加速度的にスタイリッシュにしている立役者、シティエリア統括総支配人の武井久昌さんからのご挨拶。

エグゼクティヴ・パティシエの内藤武志さんの解説を聞き、運ばれてくるケーキの実物を見ながら、小さく(といってもかなりのボリューム)カットされたケーキを試食。



薔薇のケーキやハンドバッグ型(あけるとカラフルなフルーツたっぷりのケーキが!)など、技巧を凝らされ、見た目も味もわくわくするようなケーキがずらりと並ぶさまは壮観です。


ケーキ以外にも、各ホテルごとに異なるクリスマスシーズンの特別メニューが披露されました。それもまた圧巻。


甘いものばかりでなく、フォアグラのサンドイッチはじめ豪華なブッフェメニューも並び、お酒コーナーも充実しておりました。すべて氷でできたこの美しいカウンターはなにごとでしょうか。

これは「ブラックパール」というカクテル。グラスにもソルトで銀河のような装飾が施されます。パールの質感は、中央のオレンジリキュール、アフロディテが演出します。見た目もお味も、すばらしいカクテルです。そのような各ホテル自慢のカクテルほか、ルイ13世もお目見え。今回はケーキが主役だったせいかお酒部門は声高に宣伝されませんでしたが、いやなかなかのラインナップです。


各ホテルからの宿泊券やレストラン招待券のプレゼント抽選会もあり、強運の私はしっかり東京プリンスのレストラン招待券を当ててしまいました。

最後は、シティエリアマーケティング統括総支配人の林佳代さんから、締めのご挨拶。

今年らしさが楽しいクリスマスケーキは、各ホテルにてぜひ早めにご予約を。もう予約を受け付けています。各ホテルのケーキの詳細は、以下のリンクをご覧ください。

ザ・プリンスギャラリー東京紀尾井町

グランドプリンスホテル新高輪

パークタワー東京&東京プリンス

品川プリンスホテル

 

終了後、パークタワー東京名物、Melody Lineでライブ鑑賞。Jill-Decoyと澤田かおりさんのやわらかで都会的な歌声、アットホームなライブの雰囲気に酔い、余韻そのままに、打ち上げまでちょこっと参加させていただきました。


澤田かおりさん(左)と、Jill-DecoyのchihiRoさん。(写真アップは許可を得ています。)素敵なパフォーマンスをありがとうございました。

 

9月27日におこなわれました日本経済新聞電子版The Nikkei Style 主催のメンズファッションサロン。丸の内Isetan Salone にて。

お話したことの一部が記事になりました。こういう堅苦しい論調ではまったくなかったのですが、そこは日経ブランド、このようになるのですね。

お時間のゆるすときがあればご笑覧くださいませ。こちらです。

メンズスーツの話でしたので、メンズスーツをアレンジして着ていきました。
スーツは廣川輝雄さん作で裏地を真紅にしていただいています。インナーはタダシショージのビッグスカーフ(をブラウス風に巻いただけ)、靴はドル&ガバです。

 

Forbes Japan主催 CEO Conference 2017. パレスホテルにて。


日本全国から大企業、中小企業、ベンチャー、それぞれのCEOが集い、4つのパートに分かれてトークセッションが行われました。その後、交流会。

最後の締めは、Forbes Japanの「ボーダー井上」さんによるパフォーマンス。全身、横縞柄(日本語でいうボーダーですね。正しい英語ではストライプですが)の服で登場した井上さんが、上の縞柄シャツを脱ぎすてて、「ボーダーレス」になる。ボーダーを超えていこうという会のメッセージを視覚的にユーモラスに表現。

オープンイノベーションを起こすためのさまざまな試みや考え方のシャワーを浴びて、刺激が多い一夜でした。ボーダーを超えよう、というメッセージもいやというほど言われている気がするが、実際に行動を起こすと叩かれたりハシゴをはずされたり「大人ないじわる」をされてみたり。ほんと、先が見えず不安に襲われることのほうが多いです。不安を打ち消すためには、安全圏に後戻りせず、さらに行動を続けて飛び越えていく努力に向かうしかないというのも実感。

私はCEOではありませんが、なかなかフォトジェニックな舞台なので、チャンス(というのか)とばかりおバカに遊んでみました。しつれいしました。

 

 この日に登壇したCEOの話は、最新号でも一部、読むことができます。

イタリア大使館にて、ドルチェ&ガッバ―ナの「アルタ モーダ、アルタ サルトリアとアルタ ジョイエッレリア」という豪華絢爛なコレクションが発表されました。


今年の桜の季節に、20余年ぶりに来日を果たしたドメニコとステファノ。日本の文化や人々に感銘を受けたデザイナーが再来日したのです。好きになったら本当にすぐ来てしまうというところ、情熱的なイタリア人らしいですね。


今回は、美しい庭園をもつイタリア大使館全体がデザイナー自身のアトリエに見立てられ、デッサン画や仕立て途中のドレスが飾られた館内をモデルが練り歩くという前代未聞のスタイルでおこなわれました。

クラシックなイタリアのテーラリング技術を活かしたスーツや、美しいビジューやファーをあしらった芸術品のようなドレスが、100作品以上、紹介されました。日本の着物をデザイナー独自の解釈でとりいれたルックも登場。ひとつひとつが、贅沢このうえない生地で作られ、手縫いで作られています。ヘッドピース、アクセサリー、バッグ、靴、メイク、それぞれの細部にいたるまで、彼らの美意識に貫かれています。写真ではなかなかその迫力が伝わらないのですが、あまりの美しさに感動のあまり気絶しそうになります。美しさの表現に遠慮なし。制限なし。フルスイング。それがこのブランドのたまらない魅力です。



テーラードスタイルも圧巻。生地のなめらかな美しさ、シャープなライン、艶やかな色使いにため息が出ます。


こんなやりすぎなくらいのファー使いができるのも、ドル&ガバならでは。痛快です。



喝采を浴びながら登場するドメニコとステファノ。


ショウのあとは、大使館庭園に、この日のために特設された薔薇のテントでランチ。テントには天井画風の装飾も描かれ、金屏風が立ち、いたるところに薔薇、バラ、ばら。文字通り、ラ・ヴィ・アン・ローズな空間でした。

日本文化に対する敬意も表現されていました。厚かましくも箏の前で記念撮影させていただきました。

着ているのはドルチェ&ガッバ―ナのドレスですが、いつもながら、俗にいう「着心地」はほんとによくないのです。「デザイナーが理想とする女性美を表現した、この形の中に入りなさい」という厳しい服なのです。着るコルセットというか。背筋がいやおうなくのび、肩甲骨が後ろに引っ張られて胸郭が開き、必然的に自信あふれる姿勢になり、ゆったり堂々としたイタリアンマダムのような歩き方になる。これが、身体の苦しさをはるかに超える心の快感をもたらします。ほかの「楽な」服では絶対に得られない、心身の覚醒をもたらすほどの、「本物の着心地」の意味が、服を通して実感できるわけですね。西洋の女性が長らくコルセットを手放そうとしなかった理由のひとつも、そのあたりにあると思う。


ゲストは200人をゆうに超えていたように見えましたが、一人一人に、自宅から大使館までの送迎ハイヤーが用意されました。ハイヤーの運転手さんいわく、「うちの会社の全車がこの日のために出ています。それでも足りなくて、他の会社からも出ていますね。日曜日にこんなことがあるのは、前代未聞です」。前代未聞の心のこもったおもてなしで、ますますファンとの絆を強固にしたであろうドルチェ&ガッバ―ナ。また近々の来日を楽しみにしています!

Tokyo Classic Night. すばらしい一夜になりました。ご来場くださいましたゲストのみなさま、ありがとうございました。

そして東京ステーションホテル、ISETAN MENS、グランドセイコー、サントリー各社のみなさま、MENS EX の編集部のみなさま、打合せ、準備の段階から当日のきめ細やかなセッティングにいたるまでプロフェッショナルに進めてくださいまして、ありがとうございました。

それぞれのスタッフの、予期せぬ「ひと手間」が加わり、完璧な瞬間が生まれました。その「ひと手間」には、情熱とか愛とか思いやりといった言葉(なんか照れくさいが)で語られるような、あたたかさを感じました。

 

大野編集長&平澤副編集長コンビのラストを飾るお仕事にご一緒できて、光栄でした。期せずして涙と感動の卒業式ともなりました。

10月より、大野さんは「家庭画報」副編集長となり、平澤さんはMEN’S EX WEB版の編集長となります。MEN’S EXの新しい編集長には、Begin編集長をつとめていらした金森さんが就任します。この日は金森さんもゲストの方に向けて短いご挨拶を。

着物ドレスは、北海道の着物デザイナー、下澤佑介さんがデザインするDahliantyのものです。(Dahlinaty/ダリアンティー、http://dahlianet.com  北海道札幌市西区山の手1条4丁目1-2、Tel:011-621-0040 。着物ドレスのオーダー、販売だけでなく、レンタルもおこなっています)

東京駅の真上に位置する東京ステーションホテルの部屋からの朝の眺め。