「キリスト」こと澤円さんに、ゲスト講師としてご来校いただきました。世界ナンバーワンプレゼンターが語る「グローバル人材に求められるプレゼンテーション術」。

90分、語る内容そのままを体現する「模範例」として、聞いて楽しく、見てスリリングな、聴衆を一瞬たりとも飽きさせないすばらしいプレゼンテーションを見せていただきました。

プレゼンテーションの意義、プレゼンテーションを行うための心構え、そして具体的なハウツーに至るまで。ご著書で内容の概要は読んでいたとはいえ、ご本人がこうして目の前で具体例とともに語るとまったく別の感動があり、非常に学びの多い濃密な時間となりました。

澤さんのプロフェッショナリズムというのはこれほどのレベルなのか!と感動したことがあります。まず、大量の荷物。これは、万一、こちらの機材がうまく動かなかったりインターネットが不具合になったときのための、ありとあらゆる「プランB」「プランC」に備えるための装備だそうです。機材不具合のせいにはせず、「できない」ということが決してないようにするための備え。驚きでした。

そして、マイクロソフト社からチェアマンズアワードを受賞したあとも、絶えざる自己研鑽を続け、自分のプレゼン中の映像を冷徹にチェックして、首の動かし方や口癖、手の位置、その他細部に至るまで徹底的に改め続けていること。その結果、ますますプレゼン術に磨きがかかっていることも、映像を見てわかりました。できる人ほど、このような努力を続けているのです。しかも、とても楽しそうに!

(立ち位置にも配慮。画面中央に立てば、映像が顔に映ったりせず、ノイズなしに観客は集中できる)


(ひとつひとつの動作がちゃんと絵になっており、意味があるという凄さ…)

学生とのコミュニケーションも90分間絶えず続き、ほぼ200名の全員が集中して前のめりに聴いて、参加して、楽しんでいました。質問も活発で、一人の学生からの「どうしてそのような外見なのか?」(笑)という質問にも、きわめて説得力ある答えをくださいました。スライドの写真は、澤さん新卒の頃。

成功するプレゼンのために、今この瞬間からアンテナを立て、情報を収集し続けること。よいプレゼンを目指すということは、よい生き方を重ねるということに他ならないということを心の底から実感できた時間でした。いやもうほんとうに面白かったです。

講義後の有志による懇談会には、奥様でありアーティストでもある澤奈緒さんも、シンガポールからのご帰国直後にもかかわらずご参加くださって、さらに楽しい時間を過ごさせていただきました。右奥が澤奈緒さんです。写真が小さくなってしまいごめんなさい……。

この日を境に「覚醒」した学生は多数だったはず。私はプロフェッショナリズムとは何かということを澤さんの行動から痛いほど学びました。まだまだ甘かった。身を引き締めて、いっそう厳しく精進しようと固く心に誓った日。

澤さん、奈緒さん、ありがとうございました! そしていつもながら授業のアシスタントとしてご尽力くださった事務室・資料室のスタッフにも心より感謝します。

 

澤さんの「世界No. 1プレゼン術」はこちらです。↓

Hackett London 2018 SS 展示会。銀座Hackett Londonにて。

6月のロンドンのテムズ川クルーズで「ヘンリー・ロイヤル・レガッタ」コレクションを拝見というか「体験」させていただいていたのですが、やはり東京・銀座の店内にディスプレイされている商品を見るとまた別の印象が生まれるものですね。やはりどのような「世界」(場所・時間・人)でそれが着られるのかということで、服の見え方も変わります。


銀座で見る「ヘンリー・ロイヤル・レガッタ」コレクションは、スポーティーとはいえ、やはり都会仕様なのでした(当然なのですが)。

この華やかなポケットチーフは「ハケット式」の4ピークス。ストールを「半襟」のように合わせることで何とも美しいグラデーションが生まれていますね。

リネンツイードの艶やかさは、やはり間近で見ていただきたい!ホワイトトラウザーズとの組み合わせで、知的でスポーティー&上品な印象を与えます(もちろん最終的には着る人によることは言うまでもありませんが)。

ビスポークもおこなっています。手前のお茶目な生地見本は「裏地」なのです。一枚一枚、全部写真を撮りたくなったくらい楽しい裏地が満載です。

こちらは来年から発売になるという、ハケット×綿谷画伯×鳩居堂のトリプルコラボレーションです。綿谷画伯がロンドンの風景を描いた扇子とチーフが収納されている鳩居堂の箱には、ハケット氏が直々に選んだというよい香りもついてます。扇子のサイズも、スーツの内ポケットに入るように小さめに作られています。

銀座店の1階。ゆったりと美しいディスプレイで眼福でした。そしてスタッフの皆様もイギリス紳士式にレッドソックス! ↓  黒・白・紺・灰・赤。これがイギリス式の「基本色」なんですね。


路面店での展示会は初めてでしたが(これまではBLBGプレスルーム内)、よりラグジュアリーなハケットロンドンの世界を堪能できたように思います。スタッフの皆様、ありがとうございました。

LEON 2018年1月号が発売中です。

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先日のジローラモさん&キーン・エトロさん特別講義の模様が紹介されています。

ありがとうございます。

掲載していただきながら恐縮なのですが、記事のテキストを何点か微訂正させてください。

・明治大学中野キャンパスの大ホールを貸し切って ⇒ このホールは、受講生が多いふだんの私の授業で使っている「教室」で、貸し切ったわけではありません。

・100人以上もの学生 ⇒ たしかに100人以上ではありますが、当日は約300人の学生でした。

・”ファッションの文学史、モードの神話学”  ⇒ ただの「モードの神話学」という授業です。いったい「ファッションの文学史」という麗しいワードがどこから出てきたのか…!? 笑

細かいことで申し訳ありません! ご参加いただいたうえ、掲載していただき、心より感謝しております。最高の思い出をさらにこのようにエンドースしていただき、ありがたい限りです。

「マノロ・ブラニク トカゲに靴を作った少年」試写を拝見しました。映画美学校にて。


情報満載の、ポップで素敵なドキュメンタリーでした。ひたむきでピュア、人とは一緒に暮らせない仕事大好き人間のマノロの人柄にも迫る迫る…。

詳しくは紙媒体で書きますね。

映画美学校の入っているビルにはユーロスペースもあり、こんなカフェも。↓ 映画の写真が額入りで飾ってあり、その世界が好きな人が読みそうな本がぎっしりそろった図書館にもなっています。


実は今、大学の任期が5年×2期で満了(これ以上継続することは不可という規則になっています。米大統領の任期と同じですね。笑)になるにあたり、研究室においてある大量の本やDVDを整理しているのです。多くは学生さんに差し上げているのですが、貴重な古本ゆえに?誰も欲しがらない本も多く、図書館もすでに収容能力が限界とのことで引き取ってはくれず、捨てるにしのびないものもあり、どうしたものかと困惑中です。膨大な量の本とDVDを活かして映画とファッションとイギリス文化をテーマにしたこんなカフェ&バーを営めたら最高だなあと妄想。


本日より、六本木ヒルズ展望台東京シティビューで「ブルガリ セルペンティフォーム アートジュエリーデザイン」という展覧会がおこなわれます。

セルペンティにちなみ、へびにまつわるエッセイをHills Lifeに寄稿しました。こちらです。

展覧会のお供に、お読みいただければ幸いです。

服飾美学会研究会で、西宮市の武庫川女子大学を訪れました。


研究発表を拝聴してから、ミュージアムへ。「近現代のきものと暮らし」展が開催されています。

明治初期から昭和戦後期にかけてのきものや写真が丁寧な解説とともに展示されています。(触れることはできませんが、写真撮影は可能です)

合成染料などの技術革新を反映する着物、伝統回帰の表現、礼装、そして大戦下の総動員服、人絹、 国際結婚のための婚礼衣装、さらに着物ドレスにいたるまで、人々が日常の生活のなかで着用していた着物が時代を語ります。


アイフォン8の写真ではわかりづらいかもしれないのですが、右が合成染料で染められた着物。左が天然の藍の色です。1884年に直接染料が合成され、1956年には反応染料が合成されて、より鮮やかに色持ちよく染まるようになったとのことです。


西洋への憧れを表現する着物。洋服を着ることよりもむしろ、西洋風の柄の着物を着ることに憧れの方向が進んだというのが「らしい」ですね。左の赤と黄色の着物はペイズリーの形に似た洋花模様。中央は、唐草の地模様に西洋風の花柄。

 

こちらは伝統回帰を表現する着物。単なる伝統の模倣ではなく、アールヌーヴォーやアールデコの様式、新しい染色技術を取り入れた柄で、「西洋文化を媒介しての自己発見」という文脈でとらえられる、とのこと。


礼装が確立していくのは明治中期。

戦時下は国民服とともに総動員服を着せられることになる。上は防空頭巾。

こちらは「もんぺ」。ずぼんや二部式の着衣が受容され、戦後に洋装への移行を受け入れやすくしたというのは皮肉ですね。


こちらは上衣。人絹(人造絹糸)が国策繊維となり「ス・フ混規則」が出されて生活必需品の地位を占めていく。

人絹による帯。やはり締まりもよくなく、張りもいまひとつで、すぐへたりやすいそうです。

婚礼衣装も時代に応じて変化していく。こちらは、韓国の方との「国際結婚」の際に着用された折衷打掛。間近で見るとゴージャスです。

ほかにも、簡単に着用できる「着物ドレス」の提案や、学生さんのデザインによる浴衣などもあり、多くの学びを得られた研究会でした。より詳しく知りたい方、実物を通してご自分の目で見て考えたい方、ぜひ訪れてみられてはいかがでしょうか。無料で配布されている図録もとてもきちんと作られています。

武庫川女子大学のスタッフのみなさま、服飾美学会のみなさま、そして展示品に関する丁寧な研究発表で理解を深めてくださった樋口温子さま、ありがとうございました。武庫川女子大学は本当に敷地が広く、ゆったりと恵まれた施設のなか、このような資料を収集・展示する力もあり、感銘を受けました。

ニュージーランドでの「日本食」というのがどのような解釈をされているのか興味があり、とはいえ、あまり歩き回るのも疲れる、ということでプラザ・スタンフォード内の「日本食」レストラン、鉄板焼き「歌舞伎」へ。


この外連味のあるセッティングにはちょっと盛り上がりました。


日本酒もずらりと揃えられています。


コースを頼んだのですが、「前菜」に出てきたこの「テンプラ」と「スシ」なるものにまず笑いが…。 「テンプラ」はフリッターのようで、「スシ」にはマヨネーズがかけられております。


そして鉄板焼きパフォーマンスが始まるわけですが、そんなにしゃべらなくていいのに、終始、サービス精神旺盛で、笑わせようとしゃべりっぱなしの「シェフ」。


そして「口を開けて」と言って、客の口の中に鉄板から料理(卵焼き)を放り込むパフォーマンス。ほかのテーブルでもやっていて、盛り上がっていましたが、これ、日本では絶対やらない(できない)でしょうねえ…。


さらに、「投げる」パフォーマンスは続きます。鉄板の上で炒めたご飯(チャーハンですな)をお椀に入れ、お椀ごと客に投げてキャッチさせるのです。これも日本でやろうとすれば「食べ物を粗末に扱うな!」と非難殺到必至と思われます。実際、私はあんまり快い感じはしなかった。

お椀投げも、隣のテーブルでもやっていたので、「定番」のサービスなんですね。そしてこんな「フランベ」もお約束のパフォーマンスであるようです。

そして包丁をくるくる回したり左右に素早く持ち替えたりするパフォーマンスで締めてくれるのですが、これもなんだか危なっかしいというか、刃物を客の前で振り回すというのは、やはり日本のシェフだったらやらないところ。(包丁が高速で回っているのですが、高速すぎて映ってないですね)




日本人のスタッフも何人かいらしたので、日本流を正確に提供するつもりはなく、あえて、ニュージーランド受けのいい、アレンジされた鉄板焼きスタイルを演出しているのでしょうね。いやもう完全に異国料理でした…。笑

プラザスタンフォードのドアマン。オークランドでも、たまにネクタイ姿を見たと思えばユニフォーム。

(ニュージーランドシリーズはこれで終了です。ありがとうございました。)

ワイヘケ島ワイナリーの続き。2軒めは、Cable Bay。


緑を生かしたオーガニックな一軒めとは印象が変わり、スリークで都会的な印象のワイナリー。

チーズを中心にしたおつまみをいただきながら、5種類ほどをテイスティング。

樽、樽、樽…。こうしてワインが熟成されていく。

ライブラリーのようなワインセラー。

少し雲が出てきて、風がほどよくひんやりとしてくる。

「試飲はもう十分……」な気分になったが、あと一軒ということで気力を持ち上げる。最後のワイナリーは、Te Motu.


ツアーメンバーも、酔いも手伝ってだいぶ打ち解けてくる。この頃になるとワインの写真も撮り飽き、「猫とワイン」の撮影会になってしまう。ワイナリーの飼い猫だと思うのだが、撮られ慣れていて、グラスのそばでさりげなくポーズをとってくれるのがおかしい。


一面に広がるブドウ畑。

Back to Auckland.  Thank you and Good-bye, Waihake Island.

鈴木晴生さん著『こだわる男のスタイリングメソッド』が講談社から発売されました。おめでとうございます。

銀座ライオン、クラシック宴会場にて出版記念パーティー。晴生さん人気を反映するように、スタイリッシュに着こなした参加者で熱気に満ちた会場。

本は、どこを開けても晴生さんの素敵な写真に出会える、スタイリングブックを兼ねた写真集のような作り。

メンズスーツ業界の著名な方々もずらり。イラストレーターのソリマチアキラ氏とも久々にお目にかかりました。男性は髪の色が明るくなると、洒脱な印象を与えることができていいですね。

新刊はこちらです。

ワイへケ島のワイナリーめぐり。オークランドの埠頭からフェリーに乗っていく。


好天で空気も快適、寒くもなく暑くもなく、絶好の海日和。島も点在するので海景色を眺めているだけで飽きない。小一時間後、あっという間にワイへケ島が見えてくる。



ワイへケ島にあるいくつかのワイナリーのなかから、3つのワイナリーをめぐります。まずはMudbrick.

海からの潮風。山。ラベンダー。ブドウ畑。そしてワイン。

世俗のわずらわしさを吹き清めるように、ただただ気持ちの良い風が吹いています。

ラベンダーの香りもほのかに風の中に混じります。

泡、白、赤、赤。ワイナリーのご主人の説明を聞きながら4種ほどテイスティング。(2杯目くらいからほとんど説明は聞いてない)



併設されていたレストランもよい雰囲気でした。今回は時間のタイミングが合わず、ランチをいただけなかったのが心残り。ここでの結婚式も人気という話に納得。


オークランド大学。アルバートパークの向かい側に。


アルバートパークは広くて手入れが行き届いている。巨大な桜の木の向こうにスカイタワー。

 



学部の中には、このように建物自体が独立しているものも。こちらはFacalty of Arts.

誇らしく、こんな垂れ幕も。


オークランドでの宿泊は、プラザ・スタンフォード。各国の要人も泊まるという格が高いはずのホテルなのですが、なんというか、巨大すぎて味気なかった。フロントもドアマンもひっきりなしに交替していていつも「新しい」人だし、荷物を部屋まで運んでくれるわけではなく、ドライでビジネスライクな印象。

お部屋も施設は一応はすべてハイクオリティで整えましたので文句はないですよね、という感じ。スパ施設も結局は「使えない」ものだったし、なんだかな。これに比べると「リーズ」のラグジュアリーがいかに行き届いていたかがわかる。ただの「デラックス」と「ラグジュアリー」の違いを考えるよい研究材料になった。やはりそこには「人」と「思い」が介在するのだ。


町の中心にあって、立地は抜群。ホテルには安全と快適のみ保証されればいい、という割り切りができる人には向いていると思う。なんの不服もありません。ただ、どんな旅をするにせよ、旅先の印象は、滞在先のホテルで覚えた「感情」に大きく左右されると思う。「ラグジュアリー」なレベルを目指すには、人の「感情」の繊細な扱いを学ぶ必要がある。いかなる分野においても。

オークランド。中心部に来るとほっとしました。郊外もいいけれど、やはり都会のほうが安らげます。

 


イギリスの植民地の名残りがいたるところに。メインストリートは「クイーンズストリート」だし。アルバートやヴィクトリアの名前が付いた建物や通りもある。


クイーンズストリートに面したクイーンズカフェでランチ。お料理は洗練されていておいしく、サービスもフレンドリーで、やはりソーヴィニヨン・ブランが最高に美味しい。(とはいえ、感激して買ってきたこの銘柄も東京で飲むと、???だったのですよねえ)



ロンドンの街並み?と錯覚させるような一角もある。しかし、現在、地下鉄の建設中ということもあり、いたるところ工事中で、迂回させられることも多く、騒々しく落ち着かない。さらに、新しい建物とヒストリカルな建造物が計画性なく並び合っていて、町全体は、こじんまりとしているけれど雑然とした印象。3時間あれば、町全体のおおよその感覚がつかめる。

スカイタワーから、バンジージャンプする人も眺められる。(写真にうつっているロープは、バンジージャンプ直後のもの) バンジー大人気。よくやるなあ。私にはムリ。


ピンクにライトアップされてるのが、スカイタワーですね。森タワーやランドマークタワーなんかに慣れてしまった身ではあまり新鮮味もないのですが(すみません)、高いビルが少ない(建てる必要もあまりなかった)オークランドにおいては、観光の目玉。


夜の通りは、郊外のように真っ暗にはならず、照明がきれいで雰囲気がありました。

シェイクスピア・パブ。メニューからインテリアまで、シェイクスピア尽くし。

1階がパブで、2階がレストランになっています。この後、2階で500グラムステーキというのをいただきました。(もちろん息子とシェア。ほかのテーブルをちら見すると、ひとりで一皿平らげている方が多い。驚。)

次男が短期留学していた学校、マフランギカレッジのあるワークワースへ。


オークランドから車で1時間以上。途中の道路脇に見える羊、羊、牛、羊、羊…。タクシーの運転手さんによれば、ニュージーランドでは人の数より羊の数のほうが多いとか。


タクシー代がおそろしく高い。レンタカーを借りるかタクシーか。知人に車を出してもらうのでなければ、ほかに移動の手段はないのだ。

学校の環境はすばらしい。どこまであるのか、果てしなく広く感じられる広大な敷地に、たくさんの校舎、ラグビー場、テニス場、サッカー場…。


建物は、学校も含め、平家建てが多い。土地が広いので、上に高くする必要がないのですね。

パトカーが派手。治安はとてもよいそう。

ワークワースの町じたいは、日本の地方によくある小さな町のような感じ。巨大なスーパーマーケットがあり、小売店があり、不動産会社があり、役場があり、パブがあり、図書館があり……。そのくらい。17時でほとんどすべて閉まってしまう。


ワークワースでは、(そういえばクイーンズタウンでも)男性のスーツ姿を見ていない。着る必要がないのだ。学校の先生も運動着にサンダル。ジャケットを着ていてもネクタイはしない。町で唯一の❓メンズウエアショップでもジャケットが飾られていない。


人口も少ないので、競合する必要がなく、夕方は早く仕事を終えて家に帰って家族と過ごす。そのようなライフスタイルなのだそう。


真っ暗な町で少し明るい感じがしたパブで夕食。夕暮れから夜にかけての町全体が、デビッド・リンチが使いそうな映画音楽が流れてくる雰囲気でありました。

翌朝、ワークワースから少し離れた住宅街のホームステイ先のみなさまにご挨拶。住宅もやはり平屋建てが立ち並ぶ。広大な敷地があるから、横に広げればいいのだ。家で過ごすことが多いというだけあって、インテリアのレベルがとても高い。どの家庭も犬と猫を飼っている。おもてなしもあたたかくて、穏やかに、豊かで平和な暮らしが営まれているなあという印象。

桜満開。

そしてオークランドを目指し、どこまでも続く緑を眺めながら再び車で移動。

ザ・リーズの朝食には驚愕。山際からのぼる朝日を浴びながら、ポーチドエッグ(卵2個分)添えのステーキ・オン・トーストって。これにサラダやフルーツやイングリッシュブレックファストのブッフェがつく。成長期の息子が平らげてくれたので助かった。


ザ・リーズのロビー。ガラス張りの窓の向こうは山と湖。スタッフも親切です。ここは機会があったらまたぜひ泊まりたい。

午後の飛行機の時間まで間があるので、近場の観光。「いちばん人気」とホテルスタッフにすすめられたのが、ショットオーバ―・ジェットでした。時速80キロの水上ジェットで渓谷をめぐる30分。


渓谷ぎりぎりに走り、途中360°回転のサービス、水しぶき、絶叫、爆笑が飛び交い、インディアナ・ジョーンズになった気分でした……。



きっかり30分で次のグループへバトンタッチする効率的なツーリズム。終わればちゃっかり写真が用意されていて、買わざるをえなくなるようなシステムは、横浜のランドマークタワーなんかでもやってるなあ。地球上どこでもやっているのか。買わなくてもいいけど、まあ、記念だし、なんて言い訳をして一度は買うという……。




エリザベス女王もいらしたようですよ。


満開の桜、雲一つない青空、澄みきった空気。完璧な絶景。


もう一か所、お約束の観光地、キウィバードセンターへ。ニュージーランドの野生の鳥が広々とした環境で飼育されている。キウィさんの部屋も観にいったが、まっくらで何も見えない。しばらく目を凝らしていると、もふもふした塊が移動しているのがわかる。くちばしもうっすら見えた。飛べない鳥、キウィは、ニュージーランドの人ですらほとんど実物を見たことがないというレアバード。これで「見た」ことにする。



この方はさすがに貫禄があったわ。目が合っても逸らさず、逆にこちらをじーっと見てくる。


高速ロープウェイで高いところまで行ってみる。時間もないので、来た、見た、撮った、のとんぼ返り。


地球はまだまだ広い。小さいことで悩んでいるのがほんとにどうでもよくなる、心癒されるおおらかな空と山と湖。

 

アップしていなかった10月初旬のニュージーランドの旅行メモです。写真を中心に(写真をブログにアップしておくと、あとで探す時に非常に便利なのです)。メインのミッションを果たしたあと、空いた時間で足早に調査も兼ねた観光。オークランドからさらに南へ飛行機で2時間弱のクイーンズタウン。


「女王にふさわしい街」として名づけられたというだけあり、山、湖、こじんまりしているけれども洗練された街並み、どこも品があって美しい。観光地として栄えているのも納得。


こちらがクイーンズタウンの老舗ホテル、エイカーツ。25ansで紹介されているのを見て、興味を持ったのですが、今回は泊まらず、視察のみ。

クイーンズタウンはちょうど桜の季節でした。見上げているのは次男。

パブはインテリアも様式もメニューもイギリスの植民地だったことの名残りを色濃く残しています。パブフードも美味しい。価格は(というか物価は全体的に)高めです。


ニュージーランドで目覚めたのがソーヴィニヨンブランのおいしさ。どこで飲んでもフレッシュで深いコクがあり、目を開かれるような思いをしたものです。そこで感激して6種類、空輸してきたのですが……日本で飲むとどうも違うんだな。どれも薄く感じられるし、こんなはずではなかった。これはいったいどういうことなのか。その土地のワインはその土地の空気のなかで飲むのが一番おいしいということか。旅先の恋というのも帰ってきてから「こんなはずでは」ということが多いらしいし(伝聞だが)、やはり地産地消というのは大切なことなのですな。

動物、鳥はどこへ行っても人慣れしているというか、かなり近づいてもおびえて逃げたりはしません。そもそも人が(日本に比べると)はるかに少ないので、ゆったりした空気が流れています。


宿泊したのはザ・リーズホテル。ここはすばらしいホテルでした。インテリア、水回り、アメニティにいたるまで、ときに意表をつく最高のおもてなしを感じさせてくれました。住みたいと思ったほど。全力推薦。




ワカティブ湖に接するレイクサイドには広いバルコニーがついており、部屋から見える景色は刻々と変わり、一瞬も飽きさせません。写真ではとらえきれなかったのですが、夜空では星が無数に輝いて、それはそれは幻想的でした。




 

 

読売新聞 木曜夕刊連載「スタイルアイコン」。

本日は、9年ぶりの来日の折に、幸運にも(ジローラモさんのおかげです)私のクラスにご講義に来ていただいたキーン・エトロ氏について書いております。

授業内での名言の数々も紹介。(イタリア語の口語そのままでは読んでもわかりづらいので、若干、文章用にアレンジをしております。)

ぜひぜひ、読んでみてくださいね。

来年1月におこなわれる第93回Pitti Imagine Uomo の説明会がおこなわれました。広報のラポ・チャンキ氏が来日し、美しい動画も駆使しながらの、期待感を盛り上げるプレゼンテーション。渋谷のTrunk (Hotel)にて。

テーマに「シネマ」が登場し、ゲストデザイナーとしてUndercoverの高橋盾とThe Soloist.の宮下貴裕が合同ショーを開催する。200周年を迎えるBrooks Brothers がフィレンツエの街を使ってスペシャルイベントを行う。などなど、期待のイベントが満載です。

その後、ラポさんに個別のインタビューをさせていただきました。このインタビューに関しては、後日、別媒体で記事を掲載します。しばし、お待ちくださいませ。

 

それにしてもTrunk (Hotel)。伺うのは2度目でしたが、ようやくこの空間の独特の圧にも慣れました。こうくるか!とうなる、いまどきのおしゃれなホテルです。お料理もセンスよく、おいしいし、お皿やカトラリー、ナプキンにいたるまで、これみよがしではない高級感を漂わせています。一度宿泊してみたいものです……と思って調べたらとてもお高くてこれまた驚き。

中のTrunk (Bar)はノマドワーカーと思しき人でほぼ満席の、多国籍空間。

Men’s EX 12月号発売です。

9月末に東京ステーションホテルでおこなわれましたTokyo Classic Night のレポートが掲載されています。

バランタインさんのサイトでも。こちらです。

あの日から1か月以上も経ったのか…。というか大昔のことのような。

そして来月号から「2018年」の表示になるのだ。時間と互角に付き合うのはなかなか難しいですね。