2017年もまたたく間に暮れてしまいました。

今年はたくさんのメモラブルなイベントに彩られています。

・ドルチェ&ガッバ―ナのデザイナー二人が二十数年ぶりに来日、日本経済新聞で単独インタビューをさせていただいて記事を書いた。

・ドル&ガバのふたりはその後、秋にも再来日。イタリア大使館でのアルタモーダのショー&ランチに出席させていただいた。デザイナー自身による、「ファミリー」の感情を喚起するためのマーケティング手法をまのあたりにした。

・日本経済新聞では二度目になる連載、「モードは語る」が始まった。

・読売新聞「スタイルアイコン」の連載が10月に5周年を迎え、6年目に突入した。

・北日本新聞「ファッション歳時記」の連載が75回を記録した。

・IWCとForbes Japanの共同企画でスイスのシャフハウゼンに行き、時計ビジネスのすべてを取材できたばかりか、伝説の時計師クルト・クラウス氏と食事しながらインタビューするという幸運に恵まれた。その間、滞在したのはスイスの国境を超えたドイツだった。


・IWC関連ではその後、大阪でトークショーをおこない、12月にはForbes Women Award 2017に登壇した。


・ロンドン・ファッション・ウィーク・メンズを取材し、日本経済新聞に執筆した(誕生日をロンドンで迎えた)。

・ロンドンでは引き続き、ケンジントン宮殿でのダイアナ妃展を取材、およびダイアナ妃のデザイナーだったアイルランド人、ポール・コステロ氏に日本人として初めてインタビューをおこない、日本経済新聞に執筆した。

・フィレンツェのPitti Imagine Uomo、第92回を取材、CEOのナポレオーネ氏に現地で単独取材を申し込み成功、日本経済新聞に執筆した。

・ニュージーランドを縦断した。

・Men’s EX, Isetan Mens, Grand Seiko, Tokyo Station Hotel共催の大きなイベントTokyo Classic に着物ドレスで登壇、Men’s EX 編集長の大野陽さんとトークショーをおこなった。(大野さんにとってはMen’s EX編集長としての最後を飾る仕事になった。)スモール・ラグジュアリー・ホテルを謳う東京ステーションホテルの、外資系や巨大ホテルにはない魅力を満喫した。日本最高峰、グランドセイコーの美しさと使いやすさを再認識した。

・大学のゲスト講師としてエトロのデザイナー、キーン・エトロ氏と、ギネスブックにも載るモデル、パンツエッタ・ジローラモ氏を招き、レクチャーしていただいた。ブランド(エトロ)とメディア(LEON)と大学を巻きこみ、その前後含めて、お祭りのように盛り上がった。

・大学のゲスト講師として、尾原和啓さん、澤円さんといった、ビジネス界の最前線で活躍する方々をお招きすることができ、その後の懇親会も盛り上がった。学生のモチベーションが面白いほど上昇したばかりか、澤さんのプレゼン方法をすぐまねる学生が続出し、即効性に驚いた。

・JA誌に執筆した中東の大スター、ナジワ・カラームの記事がご縁となり、アラブ駐日大使夫人関係のネットワークが生まれた。

・ホテルのレクチャーコンサルタントとしてのオファーを受け、ホテル全般の各種企画やイベントの現場、および舞台裏に関わらせていただいた。自分がこれまで築いてきた信用やネットワークや知識が現実のビジネスに思わぬ形で活かせることは望外の喜びだった。

ほかにも充実していた仕事はほんとうにたくさんあって、この一年で交換した名刺の数はおよそ600枚。国内、国外で、多くの方々と言葉を交わした。

一方で、お約束しておきながらまだ果たせていない仕事もあり、成果をすべて否定されるような絶望的な経験もいくつかした。口約束をすっかり信用していたら、手ひどく裏切られ、あるいは素知らぬ顔でハシゴをはずされ、取り返しのつかない結果をつきつけられたりもした。規則偏重のあまり現状に不条理なねじれや不幸が生まれているのに、それでも規則第一で人間を取り換え可能な部品として扱う硬直したシステムにも振り回された。世間知らずな自分の甘さを思い知らされると同時に、本来の「正しさ」「フェアネス」「リベラルで合理的な配慮」というものが完全にないがしろにされている狭量な空気にやり場のない憤りを覚えた。カラフルでエキサイティングな出来事の合間に苦しい思いに押しつぶされそうになったこともある一年だったが、最終的には、やはりプラスマイナスゼロになるようにできているのかもしれないなという諦観に落ち着いている。

よいこともそうでないことも全部、自分が招いたこととして潔く引き受けて、喜怒哀楽すべての感情を味わいつくしたら、手放し、いったん自分自身を燃やしてしまうつもりで無になって、また新しく再生します。人の役に立ち、世の中にも貢献でき、さらに自分自身も新しい発見でワクワクし続けられるような仕事を続けていきたいと願うなら、そんな仕事にふさわしい丈夫で大きな器に再生するしかない。

年越してしまった仕事は早めに終わらせます。ごめんなさい。

読者のみなさま、今年もおつきあいいただき、ありがとうございました。(ブログが)コピーできないと苦情をいただいたのですが、理由があります。美術館や配給会社から作品の写真を提供していただくときに、「コピー不可にして掲載すること」という条件がつくことがあるのです。また、自分や友人の写真が、不愉快なサイトに不本意に加工されて使われていたことがあり、安易にコピーできないように設定した次第です。(本気でコピーしようと思えば、方法はあるのでしょうが。)ブログ本文に関しては引用していただくほどのたいした意見を書いておらず、推敲した公用の文章は活字媒体あるいはそのウェブ版で掲載しています。いまやSNSの気軽な投稿も「パブリック」といえば「パブリック」とみなされるので、私の中でのこのような線引きも身勝手なのかもしれませんが……。

本HPは仕事のアーカイブや記録を目的に開設したこともあり、現在まで広告をまったくつけず、むしろ費用を払い続けて運営しています。アマゾンアフィリエイトはほとんど利益にはならず、リンク先で本や映画の詳細をより知ってもらえるという程度の役に立っています。来年、リノベーションを行う(予定)にともない、方向転換することもあるかもしれませんが、いまのところ、そのような方針です。たいへん勝手なことながら、どうぞご理解ご寛恕いただけますと幸いです。

 

重ね重ね、読者のみなさまに心より感謝申し上げます。ときどきコメントをいただけること、とても嬉しく思っております。どうぞ、みなさま、佳い年をおむかえくださいませ。

with Love and Respect.

 

 

 

 

 

 

何度か紹介しているネットフリックスの優秀ドラマ「クラウン」。シーズン2のエピソードが進むにつれて衝撃が大きくなる。

たたでさえ毎回、驚きの連続なのだが、とりわけエピソード6にきて、これが真実を含んでいるとしたらよくまあこのようなドラマを作ることができたものだという感動と敬意でしばらく他のことが手につかなかった。

あのエドワード8世、ウィンザー公がヒトラーと取り交わした密約「マールブルク文書(Marburg files)」の話が出てくるのだ。あきらかなイギリスへの裏切りを約束する文書。

そしてウォリスの、ナチスドイツ高官との不倫も示唆される。


(エドワード8世とウォリス・シンプソン。退位のちに英国を追放されたも同然となり、ウィンザー公爵夫妻に)

まったくのフィクションであれば描けないこんな話。しかし真実だったらもっと怖い。実際、この夫妻は晩年、イギリスに戻ってくることができなかったので、なんらかの「裏切り」は確認されていたのでしょう。ご本人がおそらく「裏切り」と自覚していない軽率な行為を重ねたことに、問題があったように思えます。


(ドラマのなかでウィンザー公を演じるアレックス・ジェニングズ)

 

さらにさらに、「モダンエイジ」を生きるマーガレット王女の、写真家アンソニーとの赤裸々な恋愛事情。この人がやがて「スノードン伯爵」となって、やがてこのカップルはロイヤルディヴォースの第一号となるのね……。

面白すぎる英国王室ドラマ。客観的な史実と史実の合間をつなぐ、人間くさい葛藤や愛憎。誰もがなんらかのガマンや妥協を重ねて時代と折り合いをつけていく。そこに丁寧なイマジネーションが及んでいるからこそ優秀なドラマになっているのですね。

歴史を書くときにも、この点こそが重要なのだとあらためて思い知らされました。史実の羅列なら、今の時代、ウィキペディアのコピペで書けてしまう。でも、事実と事実の間にどのような想像力を働かせて人間的な物語を紡いでいくか。ここにこそ力量が問われる。というかそれだけが、AI時代にも人間の歴史家が生き残るための唯一の希望。

 

それにしても、ウィンザー公の闇の部分を知ろうともせず、手放しでそのスタイルを崇拝するメンズファッション関係者にぜひ観てもらいたいドラマです。それでもなおあなたは、おしゃれでさえあれば無条件でこの人に憧れるのか? (いやまあ、そういう憧れもまたよいかもしれないのですが、ドラマの衝撃あまりにも大きく、ついひとこと言ってみたくなりました。)

Forbes Japan Women Award 2017 。たいへん晴れがましい席のトークセッションに参加させていただきました。

IWC様、Forbes様、モデレーターの谷本有香さん、ご一緒させていただいた杢野純子さん、武井涼子さん、そして公の場での言動はこうあるべきとインスパイアしてくださった宇宙飛行士の山崎直子さんに、心より感謝申し上げます。

壇上で強調したかったことの一つは、スポットライトを浴びることなく、それでも笑顔で誠実に仕事をしている女性たちへの感謝とエールでした。個人的なレベルで言えば、数百人分の出席票の管理や印刷物の手配などの事務的なお仕事を、いつも笑顔で完璧に仕上げてくださるスタッフの皆さま。自分ラストで家族を支えた母。校閲・進行ガール。各社にもいらっしゃると思うのですが、「縁の下の力持ち」の女性が支えてくださってこそ、たまたま「リーダー」になった方の活躍もあろうかと思うのです。「女性の活躍」が称揚されることで、表舞台に出ない女性たちがかえって卑屈な感情をもったり、寂しい思いをしたりすることは、決してあってはなりません。常に陰で支えてくださる女性(男性)への感謝と敬意を伝えることだけは、暑苦しいと言われようと、続けたい、とあらためて決意しました。

すばらしい機会をいただき、本当にありがとうございました。


(左から、谷本有香さん、武井涼子さん、山崎直子さん、中野香織、杢野純子さん)

 

Netflix のドラマ”Crown” 。シーズン2を見始めております。

シーズン1の終盤、マーガレット王女とピーター・タウンゼントの結婚問題が浮上したあたりから加速度的におもしろくなっていき、ロイヤルファミリーや政府閣僚のダークな問題点にぐいぐい踏み込んでいきます。マーガレット王女とエリザベス女王の複雑な姉妹関係もからむ王女の結婚問題には、どうにもならない両者の苦くつらい思いが衝突し、身を引き裂かれるような思いがします。

エリザベス女王とフィリップ殿下の結婚においても、ふつうの夫婦以上の嫉妬や葛藤があったことが描かれるのですが、まだご夫婦も生きているのにここまで描写して大丈夫なんだろうかと見ているほうがはらはらしたりして。5か月にわたるフィリップ外遊のシーンも印象深い。ギリシア出身の殿下の複雑な生い立ちも明かされ、衝撃を受けます。

ファクト(史実)はそのまま正確に。舞台の役者たちの内奥はファクション(フィクション+ファクト)で。歴史好きにはたまらない手法です。

老醜をさらしていく(それを認めたくない)チャーチルの描写も冷酷で、苦くやるせない感慨が尾を引きます。

シーズン6まですでに予定されているとも報じられています。当分、電車の移動が楽しみに(主に移動中に見ています)。

 

オフィシャルトレイラーです。英国王室ファンは必見でしょう。

https://youtu.be/ME2umFQ_xBA

六本木ヒルズでのブルガリ展。遅まきながら鑑賞しました。


天空に浮かんで見える、歴代美女とセルペンティの写真。夜に眺めたらそれこそ「スター」に見えるんだろうなあ。

さまざまなアーティストによる、ヘビをモチーフとした作品。

ヘビをかたどったオブジェの数々も。こちらはニキ・ド・サンファルの作品。


そしてメインがこちら。ブルガリの歴代セルペンティシリーズの展示。ガラスケース越しとはいえ、至近距離でじっくり鑑賞できます。


一歩、まちがえるとブキミなネックレスですよねえ…。でもぎりぎりのところで美しいのです。あとはつける人の迫力次第でいかようにも見える、というのがセルペンティシリーズの魅力でもあります。

ヘビの頭を留め金に使った、セルペンティシリーズのバッグも。

ブルガリ展は12月25日までです。Hills Lifeに寄稿したエッセイ「ヘビのようにタフに賢くサバイブせよ」もご笑覧いただければ幸いです。

 

 

同時開催中のレアンドロ・エルリッヒも大賑わい。お約束の窓は大混雑。

屋上スカイデッキにも久しぶりに上ってみました。雲一つない青空が広がる、平和な東京。奇跡のような光景は、かえって、日本各地で取り残されている地域の人々の苦難、地球各地で起きている不条理な惨状を思い出させます。表面的で局地な平和に驕らず惑わされず、苦しみや悲しみに心を寄せ続けられる人間でありたい。自分自身が苦境にあると、人の悲しみに共感しやすくなり、人間としてはかえってよいことなのかもしれないとも思う。

 

 

Reception of the Anniversary of the National Day of the State of Qatar, at the Peacock Room of the Imperial Hotel. Thank you M. Bilal for inviting me.



「孔雀の間」にひしめく人々。1000人はいらしたのでは…(憶測)。政府関係者のスピーチあり、生演奏あり、カタール航空の抽選会あり、と華やかなレセプションでした。カタールの外交危機が報じられておりますが、この場では中東の各国大使夫人が笑いあって親しく社交していらっしゃいました。国が国交を断絶したからといって、「人」の関係までは切り離せない。


駐日カタール大使夫人、ジャミーラさん。いつお目にかかってもアラビアン・ゴージャス。さすがに写真はとれなかったのですが、正装の中東の男性もりりしく素敵なのです。そして男性も女性も、すれちがうと、とてもよい香りがします。

帝国ホテルのフロントロビーには、生の赤い薔薇で作られたこのようなオブジェが。壮観です。

Van Cleef & Arpels バレエプレシューのコレクションにちなんだ、バレリーナによる朗読とマイムを交えたサロン形式の発表会。銀座ヴァンクリーフ本店にて。
(上はシルフィード バレリーナクリップ)


バレエプレシュー(Ballet Precieux)は、ヴァンクリーフ&アーペルを象徴するハイジュエリーのコレクションのひとつ。初めてバレリーナクリップが制作されたのは1940年代だそうですが、1967年に振付師ジョージ・バランシンとクロード・アーペルが出会ったことで「ジュエルズ」が誕生。

(コール・ド・バレエ ネックレス。中央のブルーサファイアの中にバレリーナが)

2007年には「ジュエルズ」の40周年を祝し、バレエプレシュー ハイジュエリーコレクションを発表。さらに、2013年には「白鳥の湖」「くるみ割り人形」などのロシアバレエを讃える傑作が加わります。


(これは金平糖の精のクリップ)

バレエの芸術性とヴァンクリーフの創造性&超絶技巧が加わった、比類ないコレクションなのです。至近距離から眺めると、360度、どころか内側まで、一切、隙のない、ため息もののアートピースであることがわかります。

今回の発表会では、新国立劇場バレエ団を代表するお二人のバレリーナが、「いばら姫」(眠れる森の美女ですね)の一部を朗読し、そのシーンをマイムで表現するという贅沢なプレゼンテーションを楽しませていただきました。

左がプリンシパルの米沢唯さん。右がソリストの木村優里さん。


お二人とも凛として立ち姿が清らかに美しく、うっとりするほどの表現力でした。短い時間とはいえ、一流バレリーナのパフォーマンスを間近で拝見できて、心の栄養をいただいた気分です。バレリーナはとりわけ首の緊張感が美しいのだわ、とあらためて実感。長い長い首、のように見せる肩から背中のラインが隠れたポイントなんですね。

バレリーナクリップそのままのポーズもとっていただきました。指先から視線にいたるまで、完璧です。

お二人それぞれがバレリーナクリップの魅力を語ってくださいましたが、その言葉にも納得。踊る人だからこそわかる点に気づかせていただきました。

お土産にいただいたのは、美しいフラワーボックスでした。開けるとふわっとよい香りがしました。ヴァンクリーフ&アーペルのスタッフのみなさま、素敵なクリスマスプレゼントをありがとうございました。

銀座はクリスマスの装飾で華やか。山野楽器のビル前のクリスマスツリー。


パレスチナ大使ワリード・シアム夫人、マーリ・シアムさんにお招きいただき、ジュエリーデザイナー中野哲哉氏のジュエリーを鑑賞しながらのパレスティナ式ティーパーティー。パレスチナ大使公邸にて。


中野哲哉さんは、大阪府知事賞を2度受賞している気鋭のジュエリーデザイナー。天然素材を活かす高度で繊細な技法により、大胆なデザインの一点もののジュエリーを作っていらっしゃいます。鏡に映っているのが中野さん。

こちらの赤いジュエリーは、珊瑚。

タマムシがジュエリーとして使われていることは、今回、初めて知りました。

え?虫??とぎょっとしたのですが、たしかに光り輝く美しい光沢。赤い線が入っているのは、日本のタマムシだそうです。

中東にインスピレーションを得た、ペルシア絨毯型のネックレス。とりはずしてブローチとしても使えます。

ほかにも指輪やブレスレットなど、たくさんのジュエリーが紹介されていましたが、すべて、裏側にもおまじないになる多様なモチーフが作り込まれているんですよね。中野さんによれば、「魔」は「間」から入り込む。だから、徹底的に「間」をなくすことで、それが「魔除け」となるんだそうです。チャクラのある場所にジュエリーを重ねることで、強力な魔除けになるというわけですね。

大使公邸はさすがにすばらしくセンスのいいインテリア。

マーリが用意してくださったたくさんのパレスティナ式軽食やスイーツを、カルダモン入りコーヒーやセージ入りの紅茶とともにいただきました。どれもスパイシーで、新鮮なおいしさです。


パレスチナのファッション史の本も見せていただきました。


このヘッドドレスの横に垂れているのは、本物のコイン。


アラブ夫人の会でご縁を得たみなさまと再会。中央は、駐日カタール大使夫人のジャミーラ。ジャミーラとは、イタリア大使館のドルチェ&ガッバ―ナのショウでもお会いしました。

お心のこもったおもてなしをありがとうございました。 何よりも、マーリとの再会が嬉しかった! (ジュンアシダ広報誌JAに寄稿した私のエッセイの英語版を読んで、ご連絡をくださったのが、そもそものご縁の始まりでした。発信はチャンスの始まりですね。)

中東には難しい問題が山積していますが、だからこそ、積極的にファッションや文化を通して「人」レベルで平和な友好関係を築いていこうという努力をなさっていることを感じます。美しいものを愛する「人」対「人」として、政治や国境の壁を超えて絆を作る努力を続けることができる、せめてその程度の「平和」は守られる世界であってほしいと強く願います。(双子座満月の夜に)

 

ジュン アシダ本店にて、クリスマスコンサート。つるの剛士さんによる歌とトークのミニライブでした。

ラストを飾るメインソングはもちろん、「君にありがとう」。芦田多恵さん、作詞作曲の都倉俊一さんも壇上に上がり、隠れたエピソードを披露。

現在の音楽状況においては、音程をはずす下手なアイドル歌手でも、コンピューターのコントロールで「上手い」ように録音できてしまうのだそうです。

しかし、つるのさんがこの歌を録音した現場は、都倉さんが目の前で指揮をとりながらのアナログ方式だったとのことです。

そもそも、なぜ都倉さんがつるのさんを選んだのかといえば、「ブラインドリスニング」。たくさんの候補者の歌声を、その主はだれかと告げられないまま聞いてみたところ、ことばが心にまで届く歌い方をしていた人がひとり、気になった。それがつるのさんだったというわけです。

芦田淳・友子夫妻の金婚式において、都倉さんからのサプライズプレゼントとして作られた曲であり、都倉さんは当初、歌い手としては森繁久彌さんのような方を想定していたそう。現在、40代前半のつるのさんは若すぎるかなと思ったけれど、言葉を届けるということを第一に考えて、お願いしたそうです。正解でしたね!

5人の子育てをするつるのさんは、人柄がそのままにじみ出た、あたたかく謙虚で、しかもユーモアにあふれたすてきなトークとパフォーマンスで観客を魅了。「歌手を志したわけではなく、たまたま歌え、と言われて歌ってみたのが好評で、それ以来、歌っている」そうですが、都倉さんまでもが「歌、うまいよね」と絶賛するほど、オーディエンスの「心」に届くような歌い方をなさいます。


(JA誌には、この歌をめぐるエピソードをエッセイとして寄稿しております。上はその英語版。この歌は世界中に広めたい)

愛情あふれる方々のリレーによって紡がれた奇跡の歌。歌われる内容じたいは、私自身の人生にはまったく無縁だったのでそこに漂う感情は想像するしかないのですが、なんとも心のあたたかくなる歌なのです。



コンサート後は、パティシエの辻口博啓さんと多恵さんコラボによる「チョコレートドレス」も展示された部屋に移動し、つるのさんも交じって、ミニパーティー。


ブティックの中も外もクリスマスムードが満載。マリアッチ?による生演奏も。


ミナ・タン・チャームは来年の干支にちなみ、ワンちゃんシリーズがフィーチャーされています。多恵さんが東北の復興のために続けているチャリティ活動の成果です。クリスマスプレゼントにぜひ。

社員のみなさまが(いつもながら)とてもあたたかく、しかもスマートにおもてなししてくださいました。本物のホスピタリティに感動し、また翻って自分も、いっそう喜んでいただけるような仕事をしなくてはと励まされました。すてきなクリスマスプレゼントをいただきました。ありがとうございました。