お金は回してこそ役に立つ 

2018年2月4日

N高校で、村上世彰さんの授業を、高校生とともにたっぷり2時間受けるという幸運に恵まれた。

現在シンガポールに在住の村上さんは、ビジネスにおいては「1億円以上の話じゃないと助言はしない」という方。しかし、未来を担う高校生に対しては、タダでも話をするということで、しかもコミュニケーションをとりながらのたっぷり2時間。なんと贅沢な授業だったのだろう。

授業は代々木校でおこなわれたが、心斎橋校とネットワーク中継でつなぎ、心斎橋校の生徒からも質問やプレゼンテーションを受けるというスタイル。

1時間目は、村上さんのお金との付き合い方について。実際におこなってきたことをエピソードを交えながらその哲学を披露。2時間目は、生徒さん数人からプレゼンテーションを聞き、一人一人にプロの目からの鋭いツッコミやアドバイスを。相手が高校生だからって容赦ないのがいい。

想定外の面白さだったのが、N高校の生徒たち。すでに株式投資や、ファッションバイヤーとしてお金を稼いでいる子たちがいる。ビットコインで500万円稼いだ子もいるし、ひふみ投信で着実に増やしている子もいる。未来への考え方もすばらしく、将来やりたい起業プランが社会貢献に通じるもので、それが勉強のモチベーションになっていたり。心斎橋からこの日のために夜行バスで来た高校生もいる。ビジョンも情熱も賢さもある。頼もしいなあ、応援したいなと思ったのは村上さんだけではないだろう。

村上さんの話しぶりも、すばらしかった。やはりこの人は天才で、自分ができるやり方での日本社会への貢献を続けていて、一度は嫉妬のために追放されたようになったけど、めげずに投資による社会貢献を続け、そこに幸福感を見出している。以下はランダムな備忘録程度のメモなので、詳しくは村上さんのご著書をお読みください。

・お金とのつきあい方は4通り。「稼ぐ」「貯める」「殖やす」「使う」。日本では、たくさん「稼ぐ」ことが嫌われる。しかし、村上さんはお金儲けの何が悪いんだ?と心から思い続けている。儲けたお金を何に使うか、最終的に何に回るのかが重要なのだ。

・もっともよくないことは、稼いだお金をじっと手元で停滞させておくこと。これをすると社会が崩壊する。お金=血液である。回らないと社会が死んでしまうのだ。だから、寝かさずにぐるぐる回す。最終的には社会貢献に使うと、気持ちがいい。(3.11の震災のとき、村上さんのNPOは森ビルの上からヘリコプターを飛ばし、救援物資を届けたりしている。)

・日本ではお金=汚いという見方が根強く、村上ファンド時代、村上さんは2000億稼ぐと批判された。日本にいたら殺されるというほどの状況で、部下たちはシンガポールに逃げた。おそらくお金=汚いという見方は、殖やしたあとの使い方に人々が腹を立てることから生まれたのではないか? 社会貢献、人助けのために使うと喜んでもらえて、ああやってよかったという幸福感が得られる。

・お金を殖やす能力とは。勉強して賢くなること。お金を殖やすためのお金を持っていること。そしてガッツがあること。

・すべての価格は需要と供給のバランスで決まる。紀伊国屋文左衛門は、嵐のあと、チャンスと見て、悪天候のなか船で江戸まで魚を売りに行き大金持ちになった。さやを取りに行くのだ。

・アイディアさえあれば、劇的にお金が集まる世の中になった。

・ビジネスの基本は、広く薄く。どうやって汎用性を持たせるのかを考える。

・他とは違う、この人しかできない、という独自性を生み出すこと。

・日本社会では、既得権益の中で生きていて、過去やってきたことを否定されたくない、という人が圧倒的に多い。彼らがお金をため込んでいて経済が回っておらず、日本社会をダメにしている。

・60になったら前の会社と縁を切るのがよい。自分がどこまでできるのか実験をしてみるという生き方もある。

・お金を寄付することで「あげたら終わり」というところもある(哀しい)。寄付する時には、「寄付させていただいてありがとう」と思えるところに寄付をする。役に立ててよかったな、と思えるようなところに寄付をする。

実は話の合間に出される具体例が面白かった。ホリエ、フジタ、ウノ、セト、ミヤウチ、フジタデン、ソン、などなどの方々の知られざるエピソードが鮮やかで、上のような話に説得力を与えていた。

世の中の見方が変わった衝撃の講演だった。講演者としては、質問への対応の仕方はこうすべき、という態度も学んだ。機会を与えてくれたN高に心より感謝します。高校生のときにこんな話を聞けたら視座も高くなり、将来への展望も変わるだろう。

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