銀座の泰明小学校がジョルジオ・アルマーニの制服(標準服)を採用するということで議論が百出しています。

決まるまでにはそれなりの複雑な事情があったはずなので今の段階で安易に是非を議論するつもりはありません。

ただ、一部イメージだけで、アルマーニを「下品」呼ばわりするニュースやSNS投稿などが目に余るにつけ、スルーしておくべきなのかもしれませんが、やはり敬愛するジョルジオ・アルマーニのために一言、擁護しておきたいと思いました。

 

ジョルジオ・アルマーニは高潔な方で、東日本大震災のあといち早く、震災遺児のために多額の寄付をしていらっしゃいますし、その後のプリヴェ(オートクチュールコレクション)では、日本文化を激励し、賛美する作品を展開して、震災直後の日本を経済的・文化的に支援してくれたのです。今生きているデザイナーのなかでも最も志高く、勤勉で、寛大なチャリティ精神を発揮している一人であることは間違いありません。

そのようなアルマーニの功績も知ろうとせず、一部の偏ったイメージだけで下品呼ばわりすることは、恩を仇でかえすようで、聞くにしのびません。

日本のブランドを採用しないのかという声も出たようですが、イングランドのサッカーチームは、ユニフォームとして(サヴィルロウではなく)イタリアのアルマーニのスーツを着ていたりします。アルマーニ・ジャパンも銀座で長くビジネスをおこなっていることを思えば、そこに国粋主義をもってくることもどうなのかなという気もいたします。

 

とりあえず2018年度は採用されるというアルマーニの制服(標準服)。もう決まってしまったことなので、どのような「効果」があるのか、あるいはないのか、じっくり観察する絶好の機会と、ひそかにとらえています。

 この本、名作です。アルマーニブランドを着る生徒さんが、ジョルジオ・アルマーニとはどのような人物で、どのような意志をもって一代でアルマーニ帝国を築いてきたのか、学ぶチャンスになるといいなと思います。

 

 

*この問題は別のところに論点があり、アルマーニが本題ではないことはもちろん重々わかっておりますが、今はその全貌がわからないので議論しません(しつこいですが)。当事者でもないし。ただ、百出する議論のなかで「下品な海外ブランド」とか「ちゃらいブランド」のような表現でアルマーニが言及されることについて耐えられなくなり、その点のみ、擁護した次第です。

6 返信
  1. mari
    mari says:

    いつもブログを楽しく拝読してます。
    このたびの報道、SNS、デザイナーやブランドに対してまことに品性を書いた扱いで、心が痛みます。
    決定に至るプロセスが明示されることなく、デザイナーブランド→高価→非公共的→NG、と正義をふりかざし短絡的結論に導くのは残念なことです。
    品性を書いた発言をすれば、それは言葉を発した自らの評価に跳ね返ってきます。デザイナーブランド消費大国日本の世論の実態がこれでは、恥ずかしいですね。
    中野様のコメントが微力ながらもプラスの効果をもたらすことを願ってやみません。

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    • Kaori
      Kaori says:

      >mari さま
      援護射撃?していただき、心強く頼もしく思いました。ありがとうございます。
      アルマーニについてのよい意見がまったく出ておらず、
      このままではアルマーニブランドの印象までが悪くなるばかりで、
      さすがにこれは看過できないと思い、日本人が決して忘れてはいけないアルマーニの功績だけを書き記した次第です。

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    • Kaori
      Kaori says:

      >ようこしさん
      そうですね、「いろいろ聞いたけど全部断られてアルマーニしかなかった」という説明では、
      なんだかアルマーニにも失礼。明確な理由があれば、あの学校は「特認」ということですから、
      納得する人も少なくなかったろうにと思います。
      せっかくのユニークな試みなので、投資効果がわかるような教育を見せていただきたい、と
      期待しています。

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  2. 仁平 泰雄
    仁平 泰雄 says:

    最初は自分もアルマーニ採用に批判的でしたが、今は自分の子供に是非着せたいと思いました。歴史ある泰明小学校ですから採用してもおかしくありません。しっかり仕立てられた服であることが判り安心出来ます。

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    • Kaori
      Kaori says:

      >仁平さま
      縫製は日本の工場だということでしたが(^^;)
      どんな服になるのか、着心地はどうなのか、そんな制服で育った子供たちは
      どのような大人になっていくのか、今後が楽しみです。

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