今、一緒に仕事をしているチームにユニークで優秀な男子がいる。つい最近まで、彼のことを、とても「女子力が高い」とホメていた。取引先の女性たちともすぐにお友達のように仲良くなってしまい、軽々と仕事を進めていく。

でもそのように言うと不満げな顔をされる。「男子とか女子とかジェンダー基準をもちこまれるのは不本意です。僕はムロヤマ(仮名)としてムロヤマのありのままで生きています」と。

また、PRのプロフェッショナルの仕事仲間にも、生物学的には男性なのだけれど、私などは足元にも及ばないきめこまやかな心遣いでどんどんファンを作っていき、それとともに仕事の成果もあげている方もいる。彼もまた、「世間でいう<女子力>が高いのは自覚しているけど、<女子力>と言われるとちょっと違和感があるんですよね。これはもともと僕が持っていた長所だから」という。

男性らしさとか女性らしさとか、そういう古い壁を軽々と壊して、というか、そもそも存在しないように、その人らしいやり方で楽し気に仕事を進めている人は、一緒に仕事をしていて快適だし、何よりも成果もぐいぐい出していくのが最高だ。

翻って自分の仕事のことを顧みるに、おそらく世間でいう<男らしさ>とか<ますらおぶり>みたいな偏差値が高いと思う。この秋にはスーツ系のメンズ誌ほぼすべてに書いたり出演したりして、知り合いの一人には皮肉まじりに「メンズ誌制覇ですね」と言われたりもしたくらい。メンズ誌に登場し始めてから20年ほどずっとお声をかけていただいているのだけれど、思うに、このように長く信頼されるのも「女性目線でコメントを」という仕事を断ってきた結果なのである。一般的な「女性目線」など私にはわからない。ますらお系「中野香織目線」しかないけどそれでもいいですか、というのを貫いてきた結果、かえって信頼されることになった。

「女性ってこういうの好むよね」「男ってこうだよね」という語りほど、無意味なものはないと思う。そんな一般論には、少なくとも私は一ミリもあてはまっていないので、一般的ジェンダー論は、かけらも信用していない。その人らしさは、ジェンダーの「らしさ」の偏見を取り払ったときに自由に立ち上がってくるもの。

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