Tae Ashida 2018-19 AW collection 。グランドハイアットボールルームにて。
決して守りに入らず、意表をつくような大胆な挑戦を見せてくれるTae Ashida。ファーストルックの赤×黒×ハットの女性がデザイナーの強い決意を表現しているようでした。
「Fly like Birds」「Go Forward」「So What’s Next」などの文字が描きこまれた袖やフットアクセサリー。背中にロックな絵柄がプリントされているものも登場。表地にメッセージ文字を入れるのはこれまで「エレガンス」の領域では「タブー」に近かったことだと思いこんでいましたが、いや、「タブー」ってそもそも自分の思い込みだよなあ、と思い知る。というか歴史上、「エレガンス」と「タブー破り」って決して相反することではなかったと思い出す。
下の写真は、INCLUSIVENESS と書かれたフットウエア。このメッセージには、人が自由で、個性が尊重されることの大切さも盛り込んだそうです。それを裏付けるように、今回は、モデルのイメージも多様で、これまでのTae Ashidaらしさを(よい意味で)裏切るような刈り上げの方もいて、それぞれに、生き生きと歩いていました。
いま、大手の海外ブランドはファー使用禁止の方向に向かっており、リアルファーを使うことはそれこそ「タブー」となりつつあるのですが、そんな主流の動きにも抵抗し、美しいファーも登場しました。しかも、ファーの美しさを強調するかのように、大胆に使われました。その姿勢には拍手を送りたい。
そもそも毛皮は人類が使った初めての「衣素材」でもあったのです。人間の歴史に寄り添ってきた「天然素材」なんですよね。その扱い方さえ倫理に則ったものであれば、大いに利用すべきものだと思う。それをこの時代の流れの中で表明した態度は、勇敢。
日本の着物を思わせる素材やデザインも、Tae流に再構築。フューチャリスティック・ジャパンという趣きの美を見せてくれました。
モデルが去る後ろ姿もこの迫力。似たようなデザインがなく、一体一体が独創的で、技術力の高さも見せつけてくれました。360度のかっこよさを存分に堪能し、挑戦し続けるデザイナーの姿勢に励まされたコレクションでした。
デザイナーが日々、生きる中で心に浮かんだことをすべて盛り込んだという、近年の中でもとりわけパワーを感じたショーだったのですが、テーマは「Power of Life」でした。納得。
変わり続けること、挑戦し続けること、世界の主流に背いても信念を貫くこと。クリエーターとしてのこの姿勢があるからこそファンもついてくるんですね。モードというジャンルを超えて、多くの観客に、「過去の自分を超えていく闘いを続けること」のパワーを伝えることに成功していたと思います。
年々、ゲストが増えていくTae Ashidaのコレクションですが、今年も大盛況。フロントロウには女優やモデルや著名人がずらりと並び、顧客のみなさまも思い思いにTae Ashidaで装い、壮観でした。このようなファンも含めた世界こそが、芦田ブランドの強さであることを実感します。
Fashion Dreamer Dくんに偶然、会場で再会。髪に特徴があるので遠くからでも目立ちますね。グッチのワンピースを着こなす男子はなかなかいません。足元はゴールドのスニーカー。新しいプロジェクトのお話も、ちらと伺いました。何が世に出てくるのか、楽しみ!
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