Akris 2018 FW Collection.

20世紀初めのオーストリア、ウィーンが舞台。機能主義、合理主義、自己表現の自由が生まれ、サロニエールが台頭した時代です。グスタフ・クリムト、エゴン・シーレといった芸術家もこの時代に活躍していますね。

そんな時代の芸術や建築に連想が及ぶ、アート色の強い、美しく知的なコレクションでした。当時を席巻した鮮やかなブルー、グリーンといった力強い色彩、建築様式の要素を取り入れた凝った細部が印象的でした。

左のデニムの生地はメイドインジャパン。右のドレスがの素材はワッフル状の起伏が石畳のようなニュアンスのある模様をあぶりだしており、とても軽く、スーツケースに入れてもしわにならない。ジェットセットを意識した一着ですね。



写真ではわかりづらいのがもどかしいですが、左のセットアップは、カシミヤがベースなのですが、黒い模様はレザーの帯なのです。これを手でカシミヤに編みこむように通して模様のように見せています。オットー・ワーグナーの建築様式を表現。

右はあざやかなピーコックグリーンのシフォンドレスとムートンのコート。この色はマラカイト(孔雀石)の色で、19世紀から20世紀の建築に多く使われた鉱石だそうです。

右のコートは一目ぼれコートでしたが、この柄は、ウィーンで活躍したモダニストの建築家が好んで使った大理石の模様を表現したもの。プリントではなく、わざわざ編んであるそうで、ストレッチも効いてます。

パズルのような楽しい一着は、大きさの異なる大理石からヒントを得た柄で、こちらから見て左側(私の右側)、開いてみると、ていねいに「ひび割れ」の柄まで入っているんですよ!

コレクションにも多用されるブルーが美しい、エルダーフラワーのドリンク。

デザイン、素材の扱い方、テクニック、すべてにおいてたっぷり時間をかけて最高級が追求されながらも、これ見よがしなところがかけらもないさりげなさが素敵でした。こういう洗練こそがアクリスの底力であり魅力なのだとも納得。スタッフのみなさま、ありがとうございました。

 

 

Men’s Preciousブログ、久々に更新しました。アップされております。礼装の和洋混合について。こちらです

先月、日経新聞連載に書いた内容ですが、字数の制限がないので、さらに詳細に、考察も少し多めに加えて、異なるバージョンにしてあります。新聞は800字~900字と制限があり、ぎりぎりまで削り上げるので、これはこれで文章力を鍛えるためにも不可欠な場ですが、やはり字数にゆとりがあると、詳細を盛り込めるので理解してもらいやすいことも多いですね。両方の場があることがありがたいです。

☆☆☆☆☆

 

過激なピューリタン的気質もあるアメリカでは、今度はモーガン・フリーマンがセクハラ告発でキャリアの危機にさらされています。女性キャスターが騒ぎ立てる映像を見たけど、「え?どこがセクハラ???」としか思えない見当違い。攻撃的な魔女狩りになっているのではと危惧するしかない。この名優の栄誉をこんなことで奪うのか。アメリカのリベラルな良心を信じたいですが。

でも誰が何を不快に思うのかって、実際、「受けた」立場になってみないとわからないこともありますね。

私が不快に感じる「性差別」のツボは他の人とはズレているかもしれないのですが、(何度も書いてるが)「女史」と書かれることは侮辱に感じます。相手がただ知らないで使っているだけの場合が多いので、その場で笑顔で「ふつうに男性と同じように<氏>でいいんですよ、<氏>で」と柔らかく言います。

あとやはり、明らかに能力が不足している若い女性が、「女の子」オーラをふりまき、性差別を逆利用して力のある男性に媚びるように仕事をとっていく現場を見ると、実力を地道に磨いていてチャンスを待っている女性たちはどうすればいいんだと彼女たちに心を寄せて不快になります。不満を表明すると「美貌に嫉妬している」とか見当違いなことを言われて悪者扱いされたりするから、黙っているしかない。

このまえのアマゾネス会でもこの話題が出たのですが、やはりどの組織や業界でもこういうのは一定数いて、いなくならないそうです。あるアマゾネスによれば、「まともな業界ならば、必ず、藤原編集長みたいにきちんと本質を見る目をもった男性がいて、そのうちあぶくは淘汰される」そうですよ。まともな業界ならばね。女性もまた、男性の振る舞いを冷静に見ているので、「女の子オーラ」に目がくらんで抜擢した男性は、「そういう輩」として分類されますから、注意したほうがよさそうですね。また、美女とみれば蝶を集めるように片っ端から喜々として「お引き立て」してまわってる男性もいらっしゃいますが、たとえ自分は楽しくても、その行動が他人の目にどのように映っているのか、なんと言われているのか、ちょっと頭を冷やし、引いて眺めてみるとよいかもしれないですね。女性社会の評判っておそろしいんです。

(偉そうにすみません。自分も知らないうちにやらかしてることがあったらブーメランですね。)

 

自分は地味だから引き立てられない、と悶々とする女性たちへ。年齢はあまり関係ないと思いますが、ある程度の成熟という意味での「40」を過ぎたらもうさすがに能力の有無ははっきりします。焦らず、着実に、実力を磨き続けることに没頭しつづけた人に幸運の女神はやってきますよ。そのころには「表情」や「感情や思索の経験」や「立ち居振る舞い」が美醜の印象を左右するから、「美貌」とやらも、逆転しているよ。「そもそも本気の仕事を一緒にしようとするときにそこは勝負ポイントにはならないし」ということを別のアマゾネスも言っていた。

「40」までまだまだ長い、って思ってるでしょ? (私も20代にはそう思っていた) たとえ不本意でも「成熟の年代」と見られるようになるのは、あっという間ですよ! 一瞬、それこそ矢のごとし。短すぎる人生、やりたいことがはっきりしているなら、くだらないことに振り回されているヒマはないと思おう。



独立祝いに、サプライズで届いたゴージャスなお花! ありがとうございました。

大々的にアナウンスするわけでもなくほんとにひっそりとさりげなく起業したので、お祝いなどいただいてしまうとかえって恐縮するところもあるのですが、大学から離れたとたんにわかりやすく去る人もいるなか、思わぬ方が応援してくれたり、これまでと変わらぬ態度でおつきあいしてくださったりする方もいて、人の本質がありありとよく見える、とても面白い経験をしています。変わらぬご厚情を寄せてくださる方には、心より感謝しています。ほんとうにありがとうございます。

どんなアウェイ状況に放り込まれても、しのいでいけるタフネスをいっそう鍛え、磨いていきたいと思います。引き続きどうぞよろしくご指導くださいませ。

さて、半・分解展は、SNSの宣伝だけにもかかわらず、なんと連日来場者200人越えの大盛況となっています。ツイッターでの評判も好評の嵐。ちょっとしたお祭り状態で盛り上がっています。(#半分解展)

ミレニアルズが多いのも特徴。「面白いことを楽しそうにやっている人に接したかった」というコメントもありました。「前例なし」はチャンスだからやったもん勝ち、という私の教え(!)を、驚くほど大きく開花させている長谷川彰良のガッツには、私も学ぶところ大です。いやほんと、よい意味での「前例になる」って最高に楽しいマーケティングなのに、なんでみんな遠慮してるのかしらね。(ゆうこすを見よ、短パン社長を見よ、肩書きを自分で作り、「前例」になって楽しく人生を生きてます)

ただでさえ大混雑の半・分解展なので、トークショーも混雑が予想されています。あと少しだけ当日券もあるそうです。トークショーは聞き逃しても、展示は見てみてね。若い人たちが喜々として試着している会場の様子から、学べるところも多いはず。

fashionsnapさんは、「六本木アートナイト」と同列で紹介してくださいました! こちらです。 肩書きをいちばんに見る(というか、肩書きや著名度あるいは広告料しか見ていない)大手メディアはこういうとき、無名の若者のチャレンジを紹介していいのかどうか躊躇するのですな。笑 メディアの本質もよく見えてなかなか面白い。

イタリアのメンズファッションブランドCARUSO からマーケティングのトップMarco Giorna 氏とFederico Bonini氏が来日、CARUSOを扱うUnited ArrowsとGQJapan のディナーにお招きいただきました。外苑前の青鶯居にて。


竹の器に入ったスープ。
フカヒレ、まるごと。

お料理もおいしかったのですが、それ以上に、同席した方々がすばらしく、貴重な機会でした。

まずは、Vogue やGQのコラムでおなじみのジーン・クレール氏にお会いできたことに感激。クレール氏はコンデナスト・インターナショナル・ファッションディレクターとして世界中のコンデナスト系の雑誌に関わっていらっしゃいます。そんなクレール氏のプライベート講演会のようでもあったディナーなのですが、1950年代から現代までのロンドン、ニューヨーク、シンガポール、香港、上海、ソウル、東京などなどの世界の文化状況の断片を、実体験から話してくださいました。とんでもなく贅沢な学びの場を与えていただきました……。

 

そしてGQ編集長の鈴木正文さん、UAの栗野宏文さんと久々にご一緒できたことも嬉しい。本サイトにもpdfをアップしていますが(etc.欄参照)、今から10年以上も前、まだ鈴木正文さんが「ENGINE」の編集長だった時代に、鈴木さん、栗野さん、そしてフジテレビの河毛さんとの連載座談会のなかでメンズファッションの見方を鍛えていただきました。栗野さんは「好きなファッションの仕事に40年も関わっていることができて幸せ」とおっしゃってましたが、好きなことに没頭できる仕事が、結果として長く続くし、他人も社会も幸せにするんすね。

CARUSOというブランドのお話も伺いました。私は以前から見ていたThe Good Italianのショートムービーが大好きで、マルコさんにEnglish GentlemanとGood Italianの違いについて聞いてみたりとか。

ほかにはたとえばこんな話も。

「トレンド」と「お金」の話だけは世界中どこの紳士世界の社交でもタブー。  

現在、世界でいちばん活気があって豊かなメンズウエアのビジネスが成り立っているのはシンガポール。  

ヨーロッパやアメリカの一部の人々は、東京のUAはじめセレクトショップにスーツを買いに来ている。というのも、かの地では「トレンド」の細身のスーツが主流になってしまい、ほどよいゆとりのある心地よく着られる「クラシック」なスーツを見つけるのが難しくなっているから。東京にはバリエーションが多く、「クラシック」も豊富なので彼らは喜んで買っていく。

アジアの某国ではかつて、袖の長すぎるシャツが流行したことがある。というのも、「このシャツはヨーロッパで買ったのだ」ということの証明になるから(!)

 

左側奥から、フェデリコさん、GQ編集長の鈴木正文さん、コンデナスト・インターナショナル・ファッションディレクターのジーン・クレール氏、中野、GQ編集部の高杉さん(The Good Italianに出てくるFefeに似ている。笑)。右側奥から、United Arrows 中尾さん、マルコさん、UA栗野さん、UA渡部さん。ありがとうございました。栗野さんが、マルコさんに「君は今日、ラシュモア山を前にしているのだ」というジョークを言ってましたが。スミマセン、わかる方は微笑してくださいm(__)m

お別れ際のサプライズ。CARUSOからお土産をいただきました。なんと、THE GOOD ITALIANと描かれたTシャツ。嬉しいので、さっそく着ています。

 

The Good Italian IIIから、印象に残ったセリフ。(イタリア語の英語訳)

“When you look for perfection, the time does not exist.”

 

 

 

 

 

 

伊勢丹メンズネットでも6月3日(日)の「STYLE」刊行記念サロンの内容が告知されましたこちらです。

お申し込み方法:

5月25日(金)10時30分より、お電話のみで受付けいたします。(先着順)

メンズ館8階=イセタンメンズ レジデンス/担当:小泉・菅原・荻内(敬称略)
03-3225-2853(直通)

早々に満席になることが予想されます。どうぞお早めにお申し込みくださいませ。

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お楽しみのご案内ついでに、こちらもどうぞよろしく。Nikkei Style 主催 「夏の装い直前講座」。6月16日(土)13:30~ 日比谷ミッドタウンにて。お申し込みは、こちらのウェブサイトからお願い申し上げます。

 

 

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さらにもうひとつ。

昨日からついに始まった「半分解展」は、雨にもかかわらず、開場4時間でご来場三桁を超える大盛況となっています。若い方々を中心に、SNSや口コミで爆発的に評判が広がっています。

 

今週土曜日に迫った東京トークショーのご参加者も、長谷川彰良世代のミレニアルズが多いようです。これからの未来をになう彼らの価値観や感覚、行動からも大いに学ばせていただく機会になりそうで、今からとてもワクワクしています。

トークショー 長谷川彰良×中野香織

<東京会場>

日時 5/26(土)14:00~15:30 (受付け開始 13:30)

会場 東京都渋谷区桜丘町23-21 10F 文化ファッションインキュベーション

お申し込みは、こちらからお願い申し上げます

<名古屋会場>

日時 6/17(日)13:00~14:30 (受付け開始 12:30)

会場 愛知県名古屋市東区大幸南1丁目1−1−10 カルポート東 4F ギャラリー矢田 第一展示場

お申し込みは、こちらからお願い申し上げます

 

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かぶるとLucky が訪れると人気が広まっているBlack Clover のLive Lucky. 友人からプレゼントしていただき、時々かぶっています。やはりなんだかその時にはいいことがあります。(そのように信じることがLuckyを招く秘訣なのかもね)。

 

写真のモデルは次男です。モデル料を奪取していったので、彼にとってはやはりラッキーね((^^;))


綿谷画伯作品集「STYLE」(小学館)刊行記念スペシャルイベントのお知らせです。

綿谷寛×世耕弘成経済産業大臣 「男のSTYLEを語る」
ナビゲーター 中野香織
ゲスト 銀座バー「TENDER」上田和男氏

日本を代表するバーテンダー、上田氏が振る舞う、伝説のギムレットとともに楽しむ大人のトークショーです。

場所:新宿伊勢丹メンズ館8階 チャーリー・ヴァイスのサロン
日時:6月3日(日) 18:00~19:30
会費:8000円+税 (綿谷画伯サイン入り書籍の代金を含む。シャンパン、カクテル付き)

 

この内容で8000円+税は安い。経費を引いたらほとんど残らない。というか赤字のはず。チャーリー・ヴァイスとは私もしばしばサロンをおこなってきましたが、お部屋は25名が限界というインティメートな空間です。そんな特別な空間で、シャンパンと、上田バーテンダーが作ってくれる伝説のギムレットを飲みながら、世耕大臣と綿谷画伯(←このおふたりはふだんから飲み友)による、世界の政治家の服装や振る舞い方に関する「ここだけの話」が聞けるんですよ!!! 私はナビゲーションのお仕事を忘れてすっかり聞き入りそうな予感しかしない。

これ、どう考えても一生に一度あるかなきかの贅沢な機会ですよ。

詳細・お申込み方法は、近日中にIsetan Men’s Net で案内されます。私も追ってお知らせしますが、まずは、Save the Date.

「TENDER」のオーナーバーテンダー、上田和男さんのご本。

 こちらはもう、当然、ご自分用に買っていらっしゃると思いますが(笑)、プレゼントにも最適ですね。

 

 実は広報のプロフェッショナルでもあった世耕大臣。

 

2年前、「紳士の名品50」出版記念のチャーリー・ヴァイスのサロンの模様は、こちらをご参考になさってください。

文中に出てくる「サプライズで登場し、花束を届けてくれた俳優Tさん」とは、もう、おわかりですね。笑


 

とても和やかで素敵なサロンになるのは確約ですが、画伯プロデュースとなると、何が飛び出すかわからないドキドキがあるのがポイント。シャーロックナイトのときには、オリジナルの「缶バッチ」を作成して参加者に配ってくださったのも記憶に鮮烈です。人生を楽しく生きる達人は、こんどはどんなサプライズを届けてくれるのでしょうか。

6月3日(日)大安の夜、一期一会のドラマをぜひご一緒に作り上げてみませんか。

よい気分で朝起きたらあらゆるロイヤルウェディング情報が出そろってました。こちらから情報をとりにいかなくても勝手にどんどん流れてくる。便利な時代になりましたね。もうロイヤルウェディングはお腹いっぱいというほど。

いくつかのニュースメディアからピックアップした情報を、(ほとんど自分のためですが)ランダムにメモしておきます。裏をとるべきものも混じっています。きちんとした考察は25ans で話す予定なので、しばしお待ちくださいね。

こういう情報洪水の時代には、「専門家」と呼ばれる人には、その情報をどのように見るのか?という視点と表現力が問われることになりますね。しかも誰もが「評論家」になれる時代なので、無難な(客観的な)ことを言っても誰も耳を貸さない。独自の芯が通っていないと存在価値もなくなる。特異な方向にエッジをとがらせ続けないと生き残れないので、「好き」でやってる人しか残らない。だから「変人」にはいい時代だ、きっと。

 

・通常、ロイヤルウェディングでは花嫁は馬車の右に乗るのに、メーガンは左側に乗っていた

・ヘンリー王子は 花嫁のベールを上げるのを10分忘れていた

・メーガンのネイルはEssie のBallet Slippers という色だった。8ドル

・ゲストのスーツ姿でひときわ際立っていたのはデビッド・ベッカム。ブランドはディオール・オムだった

・ヘンリー王子が着用したのは、イギリスの近衛騎兵連隊ブルーズ・アンド・ロイヤルズの制服。髭をそってなかったのはいつものヘンリーらしいと逆に好評。ページボーイたちが着用していたのも、ブルーズ・アンド・ロイヤルズのミニチュア版だった

・祭壇までメーガンをエスコートしたチャールズ皇太子。実はメーガンが皇太子に一緒に歩いてくれるよう依頼していた

・メーガンのウェディングドレスはジバンシイのクレア・ワイト・ケラー。ケラーはイギリス出身。デザイナーはイギリス出身者、しかしブランドに関してはアメリカでもなくイギリスでもない、フランス。このようなブランドを選んだのは彼女なりの配慮??

・ヴェールのデザインもクレア・ワイト・ケラー。長さ5mだった。ドレス本体はシンプルだったが、ヴェールにはお約束のイギリス連邦53国、それぞれの国の花が刺繍されていた

・メーガンのティアラは、メアリー王太后(エリザベス女王の祖母にあたる)のダイアモンドバンドティアラで1932年に作られたもの。ブレスレットとイヤリングはカルティエ

・ブーケ製作はフィリッパ・クラドック。使用した花の一部をケンジントン宮殿の庭園でつんだのはヘンリー王子。ダイアナ妃が好きだった「フォーゲットミー・ノット」のほか、スイートピーやスズランがアレンジされていた

・シャーロット王女のドレスもジバンシイのクレア・ワイト・ケラー。靴は「アクアズーラ」

・誓いの言葉からは「obey」がカットされていた(ダイアナ妃もキャサリン妃もカット)。誓いの言葉を言う時、2人が手をがっちりとつないでいたのはロイヤル婚では前例なし。(ウィリアム王子は上品にキャサリンの手をとっていたが、ここまでがっちりとつながなかった)

・美男のチェロ奏者はなんと19歳のシェク・カネー=メイソン。2016年にBBCヤングミュージシャンのコンクールで優勝した新人。メーガン自ら電話で演奏を依頼していた

・二人の結婚指輪を制作したのは、クリーブ・アンド・カンパニー。メーガンの結婚指輪に使われているのはウェールズ地方だけでとれる貴重なウェルシュゴールド。王室では、このゴールド100%の結婚指輪をおくるのが伝統。ヘンリー王子のそれはプラチナである

・レセプションのケーキも前例やぶり。「ヴァイオレット」のシェフ、クレア・タックがデザイン。シチリア産のレモンやオーガニックの卵を使ったフレッシュなケーキ。これまではドライフルーツや洋酒を使った長期保存できるものだった(それを一周年に食べる)

・セレモニーの間、ウィリアム王子のとなりが空席として開けられていたが、それはダイアナ妃のための席だった?

・レセプションのために着替えたドレスはステラ・マッカートニー。指にはダイアナ妃がつけていたアクアマリンの指輪

・メーガンのまとめ髪はいつもどこかほつれているのだが、今回もほつれていた(見直してみて発見)。イギリスのタブロイドを見ると、”Fashionably messy updo”  あるいは”Messy bun” なんていう表現がされていた。なるほど。そばかすを隠さないナチュラルなメイクも、肩の力が抜けていて斬新

・レースもパールもフリルもついてない、素材のよさと構築性だけで見せるドレスは、自信にあふれた抑制と呼びたくなるもの。ワシントンポストのロビン・ギヴァンはこれを”Confident Restraint”と表現。さすがうまいな

 

・ダイアナ妃が残した言葉 ”If you find someone you love in life, you must hang on to it and look after it, and if you were lucky enough to find someone who loved you then one must protect it.”  こういう母の教えをハリーは守ったのね。

・批判をごちゃごちゃ書いてる人もいたけど(こういう人はいつでもいる)、いや、この時代に必要な「多様性の統合」のこの上ない象徴として最高だったと思う。英王室はいつだって「統合の象徴」なのだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハリー王子とメーガンの結婚式。完璧な晴天のウィンザーにて。Royal Family が最初から最後までSNSで動画を配信してくれたおかげで、細部までしっかり全部見ることができた。ありがたい。

なんかもう、何もかも美しすぎて目が腫れるほど泣きっぱなしだった……。笑 サセックス公爵夫妻となったおふたり、ほんとうにおめでとうございます。

このロイヤルウェディングについて25ans でコメントする仕事が控えているため、明日以降、もう少し冷静になっていろいろ考えると思うが、とりあえず動画をオンタイムで見ながら直感で感じたことだけメモとして列挙しておきます。明日になって読めば「なんだこれ?」と思うようなメモもあるような気がする。

 

・”I do” じゃなくて ”I will”なんだ!

・メーガンのお母様、メーガンそっくり

・スキャンダルやら病気やらいろいろあって結婚式を欠席することになったメーガン父に代わり、一緒にバージンロードを歩くチャールズ皇太子! ファミリーみんなであたたかくハリー王子とメーガンを守ろうとする感じが伝わってきて泣けた

・のどかなウィンザーでおこなわれた結婚式は、ロンドンの聖ポール寺院でのロイヤルウェディングほどの威厳や格式はないけれど、あたたかでくつろいだ空気があって、肩の力が抜けて風通しよく、何よりもこの二人にふさわしく、愛に満ちていた

・イギリス文化とアメリカ文化の融合

・黒人のプリ―チャーがアツくLove Love LoveとLoveの尊さを説く。最初は感動したがやや長すぎて少し飽きた

・黒人ばかりのコーラスがStand By Meを歌う。ゴスペルが流れている。メーガンへの心遣いか、感無量

・黒人の弦楽器の演奏家によるアヴェ・マリア。美しい。

・シャーロット王女がもうあんなに大きくなって立派に務めを果たしてるんだ。ジョージ王子もかわいすぎる

・ブーケが意外と小さい

・「Suits」の共演者たちもいて、ドラマの続きみたい

・ジョージ&アマル・クルーニー夫妻、デヴィッド&ヴィクトリア・ベッカム夫妻、エルトン・ジョンなども列席していて、王室の格式よりもむしろセレブリティの華やかさが目立つ

・人種の分け隔てをしなかったダイアナ妃のスピリットがハリー王子のなかに生きている

・女王は「God Save The Queen」を歌わないんだ

・メーガンのドレス。本体にレースが使われていないデザインで(ヴェールのレースがいい感じでドレスにかかっている)、鎖骨がきれいに見える。彼女に似合っている

・教会内でハリー王子がずっとメーガンの手をにぎったりさすったりしている。本当に愛し合っているんだなということがわかって、微笑ましい

・沿道にI Want to Marry Harry と描かれたTシャツを着た美女軍団がいて、ハリーに手を振っている。笑

・アメリカではまたしても高校で銃乱射事件が起きていたり、中東では戦争していたり、イギリスではスコットランドが離脱しそうだったり、日本では政治が完全に崩壊していることに国民がマヒしていたり、なんだか世界が変な方向へ行きそうな暗雲がたちこめていたところに、今回のロイヤルウェディングがおこなわれた意味はとても大きい。人種や国や階級の違いによるバッシングや家族の不和によるスキャンダルなどあらゆる障壁を乗り越えて愛によって結婚した二人がなんだか人間社会の救世主に見えて、ほっと穏やかで幸せな気持ちに包まれた。いろいろあって不幸も困難も乗り越えてきたエリザベス女王率いるロイヤルファミリーは、愛を貫くカップルを守ろうとしており、それをあたたかい目で見守り祝福する国民も優しい。やはりイギリス王室は最高。God Save the Queen!

 

 

 

 

 

 脚本家の旺季志ずかさんから、新刊『誰かのためも大切だけど、そろそろ自分のために生きてもいいんじゃない?』(Gakken)をご恵贈いただきました。帯には「どん底からすべてを手に入れる女の過激な生き方マニュアル」と書いてあります。

志ずかさんがこれまで手がけられた脚本(「佐賀のがばいばあちゃん」「女帝」「屋根裏の恋人」「ストロベリーナイト」などなど)から名セリフを紹介し、そのセリフが生まれた彼女の人生の壮絶な背景、そしてそれに対する人生観がつづられています。

ずっと一匹狼、けもの道独歩系で生きている私には「過激」どころかごく正統派の、まっとうな「生き方マニュアル」だと感じました。でももしかしたら、周囲の顔色をうかがいながら生きざるをえない方々にとっては、「過激」に見えるのかもしれませんね。

私が「過激」だと感動するのは、むしろ志ずかさんの変貌そのものなのです。はじめてお会いしたのは、レジーナ・ロマンティコのトークショウで、ゲストとしていらしていた時だったでしょうか。「脚本家の先生」と紹介され、「先生」と呼ばれるにふさわしい(という表現にも私の偏見があらわれておるな。笑)、落ち着いた印象の方だったのを記憶しています。その後、やはりレジーナのチャリティパーティーでご挨拶した時にはたしか金髪になっており、今はSNSで写真をお見かけするのですが、ピンクの髪です。そして文字通り、背中には翼が生えています。なーんと痛快。なんてかっこいいのでしょうか。そしてついに「吉本坂46」の投票で一位を獲得。面白すぎる!

そんなふうに、「不幸のオンパレード」状態からの苦闘の末に獲得した思考を、ことばで書くだけでなく、そのまま自分の人生で「大逆転ドラマ」として体現している志ずかさんですから、説得力がありすぎる。

女優として最初にもらった仕事が「遺体」の役だったころから、どこにいても圧倒的な存在感を放つ現在にいたるまで。その変貌の過程そのものが興味深いうえ、変貌の鍵を握るのが、「自分の心」に他ならなかったというストーリーは、そのまま「ドラマ化」してほしいくらいです。

 

どきっとするセリフがちりばめられていますが、たとえば、

「人間ってのは、人の不幸が楽しくて、『うちの子どもはバカでバカで』って言ってれば人間関係まる~く収まるのよ」

子どもたちが小さかったころ、ママ友ランチなどではこの「自分の子どものバカ自慢大会」が必ずあって、それに乗ってしまう自分自身に心底げんなりして、ママ友ランチ付き合いをすっぱりやめました。それで情報がこなくなって、子供には大変な思いをさせていたかもしれない。情報根回しできなかったためにPTA会長までやる羽目になりました。がまんして付き合っていれば「子供のために」よかったのかどうか、今もわかりません。

でも、嫉妬をおそれるあまり自己卑下をしたり不幸自慢をしたりするメンタリティってやっぱりずるいし、何よりも自分が気持ち悪くなるよね。

いやなことをがまんしなきゃいけないコミュニティでつくり笑いしなきゃいけないくらいなら、孤独の方がはるかにすがすがしい。

 

 

すみません、話が本から飛んでしまい、つい自分の経験を引き合いにだしたくなってしまいましたが、要は、価値基準を自分に置け(志ずかさんの表現を借りれば「操縦席に座る」)ってことですよね。

 

自分や、自分をとりまく世界に幸福や感謝を十全に感じながら、「心」に嘘をつかない表現や行動を続けていけば、現実そのものも自分の心が思う通りに変わっていくはず、と(志ずかさんは実証済み。翻って自分の哀しい現実を見るにつけ、やはり心のあり方が間違っているのだろうかと頭を抱え込むことしきり……)。

 

パワフルなセリフ。もう一つ。

「笑ってるには力がいるねん。その力つけるんは自分にしかでけへんのやで」

自分自身に力をつけるために、まずは「心」に忠実に自分自身を大切に扱い、メイクアップ&ドレスアップも人目を気にせず楽しんで、翼をつけて(!!)、飛べ。そうすることで他人も社会も幸せになっていく。志ずかさんが身をもって示すメッセージ。ますますの、文字通りのご飛躍を楽しみにしています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

半・分解展もいよいよ来週に迫り、主催の長谷川彰良氏とトークショーの打合せをしました。

じっくり話を聞くとあらためて衝撃だったな。これは世代的な違いなのか(彼は29歳)、あるいはカルチュアの違いなのか、はたまた完全に時代がそちらにシフトしているということなのか。彼が言うには、

 

「某百貨店のメンズ館には視察のためにときどき行きますが、あそこは退屈です。つまらなすぎてまったく何の感動もない」

 

彼のさらなる説明によれば、売られているモノそのものがつまらないのではない。あの環境そのもの、いわばモノを売るためのコミュニケーションじたいが古くさいのだと。

 

ではなにが面白いと思うのかと聞けば、クラウドファンディングで資金を募り、制作現場から販売まですべて見せている某集団とか、noteはじめSNSで積極的に発信しながら販売につなげている女性であるとか、つまり既存のメディアをまったく無視して、「個人メディア」として発信しながらモノづくりをしたりそれを販売したりしている「人」に魅了されるのだと。その服やモノがもっとも素敵に見えるようなコミュニケーション環境を独自にデザインしている、そういう魅力的な活動をしている「人」からであれば、10万円であれ20万円であれ、惜しまず買い物をするのだと。

 

翻って、長谷川彰良は考えるのだ。では、自分が作る服がもっとも魅力的に見える「環境」は何なのか?

それが、ほかならなぬ「半・分解展」であるという。

 

半・分解展で自分が伝える目標や美意識や技術に感動してくれた人は、おそらく自分と同じ価値観の持ち主であり、結果、自分の服も買ってくれるだろうと彼は言う。

 

100年前の技術に涙した自分の思いを、100年後にも伝えていく。これが半・分解展の目標ではあるが、彼はその先のビジョンとして自分のブランドの展開も見ている。(前回の展示ではここまで考えていなかった。)

 

では人に涙を流させるほどの要素は何かと考えるとそれは、強い感動しかない。強い感動を与えるために、今回は、前回以上に、マニアックで先鋭的なアプローチをとるという。キャプションにしても、前回はできるだけ「客観的」にしようと努めたが、今回は「自分の目にこの服がどう映っているのか?」ということを前面に押し出す。モノとしての古着の説明ではなく、「この服と僕の物語」を書く。

 

前回は、お客様の感想を先に聞こうとした。でも、自分の思いをはじめに伝えずに相手の意見を聞こうとすることは「ずるい」ことだし、相手も本音を言ってくれないことに気づいた。だから今回は、まず自分から本音で話し、本音で書く。そのほうが、相手の引き出しも開くのだということがわかった、と彼は言う。

 

自分と同じ気持ちで感動できる人を集めたい。同じ価値観を共有する人たちとつながり、新しい時代を創るためのゆるやかなコミュニティの基盤としたい。半・分解展はそのためのプラットフォームでもある。

 

彼の成長ぶりにも感動するが、どんなに攻めの姿勢で突き進もうと、「中野先生が教えてくださった言葉、Be Prepared(備えよ常に)をいつも忘れないようにしています」という律儀で誠実な態度は一貫して保ち続けている。彼のこの態度は周囲のあらゆる人に向けられており、だから周囲が協力を惜しまないのだな。今回は長谷川彰良の奥様のご両親も含め、ファミリーほぼ総出の応援になる。

 

テーラードスーツにうるさい服マニアのみなさん。イギリスやイタリアの有名テーラーの追っかけもいいけど、果敢にチャレンジを続ける日本の次世代の応援もよろしくね。彼らの発想や行動から学ぶこともたくさんあるんだよ。

Be Prepared は、ただじっと待って備えておくという意味ではない。常に動き続けることによってチャンスを引き寄せよという意味である、ということを彼の行動を見てつくづく思う。

 

今度のトークショーでは、そうした現代のブランド価値の伝え方を中心テーマとして話します。人生のすべてを賭けてこの展覧会に挑む、長谷川彰良の考えをぜひ彼の言葉で聞いてみてください。そして私は、自分が取材してきた事例と、現在関わる諸事業のなかから見てとれるさまざまな事例からピックアップしたブランド価値の「コミュニケーション」について話そうと思います。あとの3分の1は、会場の皆様からインターネット経由で寄せられた、あるいはその場で寄せられた、質問に答える形でディスカッションをします。いったいどんな質問がとんでくるのか。ライブ感を共有できるトークショーになると思います。

お目にかかれますことを楽しみにしています。

 

展示スケジュール

東京-渋谷   5.23 ~ 28   ギャラリー大和田

開場 10:00~21:00   初日のみ 15:00 Open   最終日のみ 17:00 Close

愛知-名古屋   6.12 ~ 17   ギャラリー矢田

開場 10:00~19:00   最終日のみ 17:00 Close

 

トークショー 長谷川彰良×中野香織

<東京会場>

日時 5/26(土)14:00~15:30 (受付け開始 13:30)

会場 東京都渋谷区桜丘町23-21 10F 文化ファッションインキュベーション

聴講料 2,000円

お申し込みは、こちらからお願い申し上げます

<名古屋会場>

日時 6/17(日)13:00~14:30 (受付け開始 12:30)

会場 愛知県名古屋市東区大幸南1丁目1−1−10 カルポート東 4F ギャラリー矢田 第一展示室

聴講料 2,000円

お申し込みは、こちらからお願い申し上げます

 

 

 

 

 

 

 

Liberty and Freedom. 二種類の自由からスーツを語ってみました。
(それにしても宣伝ばっかりでどこからどこまでが本文なのかわかりませんね(^^;))

(Peak Lounge 朝バージョン)

先日、ご馳走したりされたりすることのEqualityについてちらっと書いたのですが、「ご馳走」はもちろん「ギフト」(モノでも行為でも言葉でもいい)に置き換えても言えることなのですよね。

人は「ギフトをいただいた」と感謝するとおのずから「お返し」を考え始めるものなのだと思っていました(だから政治家のギフトは禁止される。ここでは政治家や公人のギフトの例は考えないことにします)。

感謝の気持ちを表すために「お返し」すると、またそれに対する「お返し」が返ってきたりして、ぐるぐるぐるぐるギフトの循環で人生が成り立っているところがあるとずっと感じていました。

いただいた相手が「天」であれば社会に「お返し」するとか、「大先輩」からいただいたなら後輩に「お返し」するとか、とにかく自分のところで停滞させずにぐるぐるぐ回す。それがなんとか生きていくための秘訣ではないかと思っていたところがあります。

しかし、時折、それが誰かのところでストップしてしまうことがあるのですね。「頼んでもないのに勝手にくれたんだから返礼の必要はない」とか「こいつとはつきあうこともなさそうだから別にお返しの心配はしなくてもいい」とか、あるいはたんに「いそがしい」「めんどくさい」とか、ストップさせる理由は様々だと思いますし、それを咎めるものでもありません。

 

ただ。近頃、続けざまに「閉店のお知らせ」が2件、届いたのですが、実はその2件とも、私が開店に際してお花をお贈りしていたけれどもなんのご挨拶もいただかなかったところなのです。

まあ、頼まれもしないのに勝手にお祝いを贈りましたので、別に「お返し」なんてまったく期待していません。ただ、ひとことのお礼のことばもない、ずさんな扱いをされたことが、ちょっとひっかかっていました(そういうところ、まだ修行不足ですね。贈ったら忘れる、が鉄則なのに)。

負の感情は美容のために(笑)極力さっさと手放すことにしているので、そんなことも忘れていたころ、「閉店」のお知らせがきて、思い出した次第でした。

閉店に至ったのは、お花のお返し云々とは無関係かもしれません。でもほんの少し、ああ、やっぱりそうなるのか、という納得感もあったのです。

世の中は、ほんとうにデリケートな、あまり表立って口にされない、人の心の機微のぎりぎりのバランスの上に成り立っている、と思うことがあります。私への対応は氷山の一角だったのかもしれない。

偉そうに言っててうっかり忘恩してることがありそうなのがコワいですが。ブーメランにならないよう、受けた御恩はひとつひとつ受けとめて次に送り続けるということを意識的にやらないといけないですね。ということを「閉店」のお知らせを見てあらためて自戒したのでした。

某高校で聞いた村上世彰さんの講演では、お金は停滞させず投資し続けることが大事、そうすることで経済全体が豊かになっていき手元に返ってくるお金も増えていく、という話が印象的でした。同じことが、「ギフト」についても言えるんではと思った次第。「ギフト」は停滞させず、ぐるぐる贈り続けることで周囲が幸せになっていき、結果、いつになるかわからないけど手元に返ってくるサプライズも増える(ことがある)。経済も人生も循環こそが鍵。循環してないと生命体も死んでしまいますもんね。

 

 

 

 

 

 

 

さて。

プロフィル写真のデビ夫人風(マリアカラスと注文したんだけどなあ…(^^;))がいくつかの媒体からNGが出たので、おとなしく撤回し、撮り直しました。たいへんしつれいしました。2018年夏バージョンのリラックスモードとビジネスバージョンでございます(「誰もかあちゃんの写真なんか気にしてないからいっこでいいんじゃね?」と次男からつっこみが)。

 

これまでにいただいたたくさんの「ギフト」のお返しのつもりで、出力全開で仕事をしてまいります。試行錯誤も多々あるかと思いますが、どうぞよろしくご指導ください。

 

 

The Exhibition of Demi-Deconstruction, produced by Akira Hasegawa,  is approaching.

Akira Hasegawa, an independent modelist still in his 20’s, dared to decompose the precious vintage clothes from the era of French Revolution to World War II.

As far as I know as a fashion historian, no historian in the world could ever put the scissors into such historical treasures.  Cannot imagine at all. But Mr. Hasegawa, who is also a brave researcher-creator and so keen to know the internal structure of the beautiful vintage clothes, did such an audacious folly.

Yes, a folly. But how academic and original folly it is.  He learned a lot of techniques from the decomposed clothes and will share all the excitement he has got from the process of unprecedented deconstruction.

The theme of the exhibition is “bodily sensation”, you can know the internal structure and pattern design of clothes 100 to 200 years ago by touching the exhibits directly.

In addition,  Mr. Hasegawa created the “trial fitting samples” which pulled out the pattern from the disassembled parts.  Such special samples are also exhibited and you can actually wear them all.

Please do not miss this extraordinary occasion and share the excitement with us.

Please apply for our talk session (Akira Hasegawa × Kaori Nakano) from here;

We look forward to seeing you soon.

 (This photo is from the Exhibition of Demi-Deconstruction 2016)

Miller Harris の新作発表会。CEOのサラ・ロゼラム氏が来日、プレゼンテーションがおこなわれました。南青山のAglaia Intellectual and Comfortにて。

新作は、Scherzo (スケルツォ)とTender(テンダー)。ともにサラが、スコット・フィッツジェラルドの「Tender is the Night 夜はやさし」から着想を得たそうです。

Scherzoの調香師は、フランスのマチュー・ナルダン。グラース生まれ、調香師の家庭で育った生え抜きの「ネ(nez 鼻=調香師)」ですね。


タンジェリン、ダヴァナから始まり、ハートにダークローズやピットスポウム(トベラ)、ナルシス、そしてラストにはバニラやウード・ウッドが残ります。

一方のTenderはベルトラン・ドゥシュフールが調香。ロックなパフューマーであり、環境に配慮したオリジナル作品を生み出すことでも知られます。

ピンクペッパーやグリーンヒヤシンスから始まり、ハートには徐々にインクブラックへと変貌していくブラックチューリップ、そしてラストにはアンバーやサンダルウッド、ミルラ、フランキンセンスが神秘的な印象とともに残ります。

インスタ映えよきように(!)本とともに美しく飾られたミラー ハリスの「Scherzo」と「Tender」。香水はやはり文学と相性がいいと納得したプレゼンテーションでした。

ちなみにパッケージデザインも考慮されており、万華鏡のように色が立ち上っていくイメージと、多様な香りが立ち上っていくイメージが重ねられているとのこと。なるほど、「アーバン」で「ボタニカル」なドラマティックなデザインです。

CEOのサラと記念写真。ファッションテキスタイルを勉強した後、アスピナルというバッグブランドへ就職、その後、香水業界へ転身し、ペンハリガン、ラルチザン・パフューム、モルトン・ブラウンなどを経験。香水愛があふれる、パッショネイトで知的な方でした。

ふたつの新作はともに5月25日全国一斉発売。(三越伊勢丹ではすでに先行発売中)

 

性差別に対して敏感な時代ですが、そんな時代においてなお名前にわざわざ「女史」をつけられることがあります。

これは性差別用語に相当するNGワードであり、名前にそのようにつけられた人が不快になるということを知った上で、意図的につけていると解釈してよいものでしょうか。持ちあげるふりして実は距離をおいて侮蔑している、そんなニュアンスが感じられて悲しくなります。

あるいはまったく無自覚に使っているのであれば、すぐにボキャブラリーから捨て去ったほうがよい言葉です。ふつうに男性と同じように「氏」でいいのです。「氏」で。

 

☆☆☆

 

性差別ついでに、「割り勘」についての私の考えをちょっこっと書いておきます。あくまで自分の社交上のスタイルなので、一つの例として、こういう考え方もあるのねという程度に読み流していただければ幸いです。

私は「割り勘」での食事をめったにしません。仕事であれ、プライベートであれ、ご馳走するか、ご馳走していただくか。その場で計算して割ったりすることはほとんどありません。レストランで小銭まで勘定して割り勘にする、そんな情景を繰り広げるのはレストランにも失礼ですし、せっかくの夢見心地がしらけてしまうので、お支払はできるだけどちらかがまとめてスマートにするものではないかと思っています。相手が女性でも男性でも、高級レストランでも大衆居酒屋でも、です。

ご馳走していただいた場合は、大々的に感謝し、次回どのように「お返し」をするか、真剣に考えます。後日、サプライズで花を贈ったり小物を贈ったり、仕事であれば期待される以上の成果を出したり、あるいは次回のレストランは自分が考えてこちらでもつとか、素敵なご縁や機会をご紹介するとか、その人にとって良いパブリシティを陰に陽にしてあげるとか、何らかの形で「結果として、平等かそれ以上」にもっていくように努力します。すると相手がまた予想外の「お返し」してくれたりして、そのようにしてなかなか楽しい人生が開けていきます。また、相手がご馳走するのが楽しいからしている、というような大物ケースでは、その場は派手に感謝して、「社会へお返し」のつもりで、今度は私が後輩にご馳走します。そうやって、結果としてぐるぐるぐるご馳走が循環しているというイメージです。

「お返し」を考えるのが心理的な負担になるほどのどうでもよい相手であれば、さくっと割り勘にしておくのがよいのかもしれないですし、その場その場ですっきり割っておくほうがわかりやすく「平等」なので気が楽という考え方も、もちろんわかります。ただ、私にとっての「平等」というのは、同等の金額を負担するということでは全くないのです。同レベルの喜びや価値を互いに与えあうことが「平等」だと思うので、ご馳走される時にはその場を盛り上げるためのドレスアップもしますし会話のネタも仕込んでいきます。さらに後日「お返し」を考えるわけですから、経済的な価値だけで見ればこちらの方が圧倒的に「損」しているように思うこともあります。笑

でも、感動ですとか非日常の楽しさですとか新しい何かの発見ですとか関係の構築ですとか、経済的な価値に還元されない豊かさの価値を考えると、やっぱりこうするほうが感謝も大きくなり、面白い人生を送れるのではないかという気もしています。たとえファーストフードであれご馳走されたり、機会であれご縁であれモノであれ何か贈られたりしたら、「ゲームが始まったな」と思って私はお返しを考え始めます。ゲームにふさわしい相手であれば、お返しラリーが続きます(途中、間延びすることもありますが、それでも価値観がそれほどずれていなければ、最終的なゲームオーバーにはなりません)。その場での割り勘は、ゲームをする必要がないという意志表示と受け取ります。

 

こういう考え方は、すべての人にあてはまるというわけではありません。くどいですが、念のため…。エラソーに聞こえたら、あるいは自慢たらしく聞こえたら、申し訳ありません。世代間でも価値観や役割感の大きな違いがありますし(私など息子たちにいつも化石人種と笑われています)、お互いの価値観が合っていれば、割り勘にもいいことがあると思います。それぞれの価値基準を大切にして、心によどみのない、快適な社交スタイルを作ってくださいね。

 

 

The worst form of inequality is to try to make unequal things equal. (By Aristotle)

 

 

 

 

 

ザ・プリンスパークタワー東京のレストラン「ブリーズヴェール」にて、マドリードの五つ星ホテルHesperia Madrid にあるレストラン、Santeceloni (ミシュラン☆☆)のシェフによる特別料理を提供するイベントが開催されました。


「オスカル・ベラスコの特選料理Vol.3」、最終日にあたる12日(土)に参加しました。好評につき、今年で3回目となるシェフ招聘スペインフェアです。

マドリッドの本店で供されているのと同じメニューに、プリンスホテルのエグゼクティブ・チーフソムリエ、市村義章さんがセレクションしたワインが合わせて供されるという、なんとも贅沢なコースでした。スタートはボランジェから。

ブリーズヴェールは、徐々に暗くなっていく夜景もすばらしいのです。レインボーブリッジ周辺の水が見えることで解放感もあるんですね。


お料理は(コーヒーと小菓子を含めると)全部で12品のコース。上は「ぶどうの枝でスモークした平目のソテー スイートポテトのフォンダン」。シェフがスペインから持参したぶどうの枝でスモークしてあります。深みのあるよい香り。


お料理に合わせたワインが全6種、そして食後にソーテルヌが供されます。グラスも個性的で、ワインに応じて異なる形。目でも楽しめます。


こちらはメインの肉料理。「神戸ビーフ サーロイン エシャロット風味赤ワインソース」。レア感ありながらしっかり火が通っており、柔らかくて口の中で溶けます。

デザートも「お口直し」「メインデザート」「小菓子」と3種も出てくるのですが、下はメインデザートの「苺とヘーゼルナッツのデザート サフランとバジルの香り」。イタリアともフランスとも異なる、最先端のスペイン料理を学ばせていただきました。


食後にサプライズでテーブルまで来て、メニューにサインをしてくださった、オスカル・ベラスコ氏。サイン入りの全メニューはこちら。



そしてワインセレクションをしてくださた市村ソムリエ。飲み口がちょっと変わったグラスですが、日本製だそうです。


ご一緒くださった、ミヤビブランドコミュニケーションズ代表取締役の田中雅之さん。市村ソムリエとの記念写真です。みなさま、ありがとうございました。

 

 

 

下の写真はクラブラウンジから見える東京タワー。ライティングにバリエーションがあり、何度見ても飽きません。スペインフェアは終わっても、ブリーズヴェールは続きます。眺めよく、サービスもあたたかく、もちろん味もよい、すてきなフランス料理のレストランです。機会がありましたらぜひ訪れてみてくださいね。

綿谷画伯の「STYLE」出版記念パーティーが、パークハイアット東京で華々しくおこなわれました。司会は谷原章介さん。自ら「司会をつとめさせてください」と申し出てくださったのだそう。アシスタントはNHKアナウンサー、と本格的。

赤坂芸者さんの舞あり、


穂積先生や世耕大臣のスピーチあり、


いでさん、そして画伯本人の熱唱あり、ファミリーの花束贈呈式あり、愛と笑いと涙にあふれた2時間。


(左が画伯の息子さん、中央が奥様) 最後も、230名もの出席者一人一人をファミリーでお見送りなさるなど、人生の節目をお祝いするにふさわしいビッグイベントとして大成功でした。あらためて、おめでとうございます。

 

 

いちばんの飲み友達でもある世耕大臣のスピーチを拝聴する画伯、それを撮る中野香織、さらにその図を撮ってくださったのんちゃん。(のんちゃん、ありがとう!) 人は案外、前からよりも後ろから見られていることの方が多いものですね。この日の「女装」用ヘアメイクはパークハイアット内のハツコエンドウでお願いしました。アップヘアの後ろは自分では見られないのですが、自然な感じになっていて、さすが業界トップランナーのお仕事。「ウェディングのお仕度もぜひうちでやらせてください」というリップサービスもいやみなく(とはいえもちろん笑ったが)、この技術と接客ならばホテルが安心して任せるのも納得。

 

私はみなさんのお酒がかなり回ってきたころのスピーチでしたが、会場が騒がしいままで話すというのはかなり気が滅入るものですね(^^;)。世耕大臣はそんななかでもめげずに注意をひきつけて笑いをとっていらしたので、政治家のパワーを見せつけられた思い。

私などすっかり気落ちしたまま、原稿を読みながらなんとかグダグダでおつとめ終了。がっくり。

誰も私の話は聞いてなかったけど、舞台には一緒に「SP」が登壇してくれて(慣れないジミーチュウで転んだとき用)ビジュアル的にはちょっと面白かったようです。

左からユニオンワークス社長の中川一康さん、バタク新宿御苑店店長の川部純さん、中野、バタク社長の中寺広吉さん、そしてイラストレーターのソリマチアキラさん。ありがとうございました。



なんと谷原さんも一緒にメガネをかけてSPごっこに混じっていただきました。笑 このアドリブ力が谷原さんの魅力ですね。


のんちゃんこと堤信子さん、山内美恵子さんが撮影してくださっていました。ありがとうございました。

 

ピークラウンジで二次会。画伯の奥様や息子さん(パークハイアット勤務)、本の製作に関わった方々などと。ジミーチュウが限界だったのでフラットシューズに履き替えてようやくほっとできました…。

Off dutyのSP(笑)、ソリマチさん、川部さん。

この後、何人かはゴールデン街⇒締めラーメンと4次会、朝4時までいらしたそうです。みんなタフで濃いな。画伯のお友達はみな体力も情熱もサービス精神もずばぬけて高い。類友。

おみやげのピエール・マルコリーニのマカロン。箱のイラストは画伯によるものです。

この日はパークハイアット泊だったのですが、お部屋に戻るとなんと、プレゼントが届いていました。本にも収録されている似顔絵の原画がきれいに額装されておりました。うわーここまでやってくれるんだ! なんとあたたかなお心遣いでしょうか!

お世話になった方への感謝の表し方やおもてなしの仕方、人への接し方など、画伯からはほんとうに多くのことを教えていただきました。言葉で「べき」論はいっさい語らないのですが、いつも行動できちんとお手本を見せてくれるんですよね。谷原章介さんが「画伯は僕にとって『未来の教科書』みたいな存在です」とことあるごとに語っており、実際、谷原さんが画伯を慕う様子を拝見してきました。世耕大臣が画伯には心を許すのもわかる気がします。いい男たちに慕われる本物の紳士ですよね。(今日はお祝いだからデフォルメのホメ)

これからは新しいチャプター、海外飛躍が待っています。多くの応援団に支えられて、いっそうの御活躍を!

 (Click to Amazon) 永久保存版です。

 

 

パークハイアットはさすがの貫禄というか、スパも含め、Lost in Translationな別天地。地上とは異なる時間が流れているような感覚の滞在を楽しませていただきました。

日本経済新聞土曜夕刊連載「モードは語る」。

本日は、話題の「スーツにスニーカー」について書きました。

お近くに日経夕刊がありましたらご笑覧くださいませ。

 

<追記>

 

 

 

 

のんちゃん、田中さんにいただいたお花は日に日に美しくなっていって、つぼみだった百合が大輪に咲き誇って強い香りを放っています。ピンクの百合というのも素敵ですね。あらためて感謝♡

昨秋、大好評だったNikkei Style 主催のメンズファッションサロンが、夏に向けてバージョンアップして開催されます。会場はオープンまもないミッドタウン日比谷です。土曜の午後、お友達とお誘いあわせの上、ぜひお気軽にどうぞ。

私は基調講演(「夏の装いの歴史から見るクールスタイル」)をおこないます。お早めにご応募くださいね。

日時:6月16日(土)13:30~16:00 (中野香織による基調講演は13:30~14:00)

場所:ミッドタウン日比谷8階

募集人数:150名

参加費:無料(お土産付き)

詳細、ご応募はこちらから。昨年秋の模様も、Nikkei Styleにアップされておりますよ。

もちろん女性も大歓迎です。男性の装いの歴史はおよそ知的好奇心のある女性にとって面白いものだと思いますし、男性の装いを見る「目」をもつことで、その人の見え方が変わってくることがあります。またパートナーを持つ人は当然、知っておかねばならないことも多々ありますよね。

お目にかかれますことを楽しみにしています。


(ミッドタウン日比谷から見える外の景色)

北日本新聞別冊「まんまる」6月号が発行されました。

 

連載「ファッション歳時記」第80回、「慣例やルールに確たる根拠はない」。

ご笑覧くださいませ。

2010年より、地中海のマヨルカ島セントレジスを会場に、5大陸から選ばれた傑出したシェフが腕を競いあうグルメイベントが毎年開催されています。その名も、Culinary Safari。今年は7月20日(金)の夜に行われることになりました。

5大陸から選ばれた今年の7人のシェフが発表されたのですが、その中の一人がなんと日本人。しかもザ・プリンスギャラリー紀尾井町の和食「蒼天」のシェフ、高橋賢さんなのです。祝!

ちなみに選ばれたシェフのリストです。

・Paolo Casagrande (Momument Hotel, Barcelona), ミシュラン☆☆☆
・Joachim wissler (Althoff Grand Hotel Schloss Bensberg, Koeln), ミシュラン☆☆☆
・Stephanie Le Quellec (Prince de Galles a Luxury Collection Hotel, Paris)、ミシュラン☆
・Francesco Genovese (The Ritz-Carlton, Vienn)
・Stanislave Polesskiy (The St Regis Moscow)
・Markus Wonisch & Miguel Navarro (The St Regis Mardavall), ミシュラン☆
そして、
・Ken Takahashi (The Prince Gallery a Luxury Collection Hotel, Tokyo)

五大陸から選ばれた7ホテル8人のうち、ミシュラン☆つきのレストランのシェフがなんと4ホテル5人もそろいます。このラインナップのなかに和食代表として高橋シェフが選ばれているわけです。

高橋シェフはどのような和食をお作りになるのかというと、ザ・プリンスギャラリーの「蒼天」にてぜひお試しいただきたいのですが、

コンテンポラリー・ジャパニーズ

なるスタイル。ベースには伝統的な和食に必須のだしや仕込みがあるのですが、素材や見せ方や調理法は自由自在。エルブジのような化学反応を起こすスタイルを取り入れたり、驚きの仕掛けがあったりと、食のアートとも呼びたい創作和食なのですね。

このようなスタイルは、日本の、とりわけ京都の伝統的な和食の世界からは「邪道」と見られることがあります。しかしむしろ、海外ではNobu といい、Zumaといい、こうしたフュージョン系和食のほうがむしろ最先端和食として親しまれています。

高橋シェフ自身は、「誰も見たことのないものを創る」という情熱をもち、東急ハンズで(!)インスピレーションを得たりなどしながら日々、新しい挑戦を黙々とおこなう職人気質の方です。ちなみに、ザ・プリンスギャラリーで大ヒットし、他のホテルも模倣し始めている「寿司アフタヌーンティー」は高橋シェフの考案によるもの。


「蒼天」にはSake Barもありますよ。

こちらは「蒼天」内の寿司カウンター。うっすらと仕切られている感じがとても居心地よいのです。モダンアートで飾られたインテリアに囲まれて、正統派のお鮨をいただける素敵な空間。ほかには、鹿児島の黒牛を扱う鉄板焼きコーナーなどもあり。天空にいるような絶景のなかでさまざまなジャンルの和食を楽しめます。


高橋賢シェフの、世界を舞台にした活躍を応援しています。

 

いよいよ明日発売ですよ。

 (Click to amazon)

還暦を迎えた綿谷寛・画伯の、イラストレーター生活40年の集大成。

世耕弘成大臣、谷原章介さん、穂積和夫さん、いであつしさん、中野香織も寄稿しております。充実の見ごたえ、読みごたえです。

ぜひ、お買い求めくださいね。

 

 

 

 

 

 この本のカバーイラストおよび中のロマンティック・カラーイラストも、綿谷画伯によるものです。こちらもあわせてお楽しみくださいませ。

ティエリー・マルクスへ行ったときに「また近々ぜひ行きたい」と願いましたが、それがなんと一週間もたたずにあっさりと叶えられ、併設のビストロ・マルクスに伺う機会に恵まれました。

しかも、会社設立をサプライズで祝っていただきました。

ミヤビブランドコミュニケーションズ代表取締役の田中雅之さんと、ノートルメルシー代表取締役でフリーアナウンサーの堤信子さん。

デザートのあと、メッセージが描かれた美しいプレートが登場して感激していたら、ゴージャスなお花まで頂戴してしまいました。


花束が包まれていた紙もリッチ感があり、信子さんが「私のイメージ」として選んでくださったものだそう。なんと嬉しいことでしょうか。上の柄。まるでビロードの生地のような地厚の素敵な紙です。

ビストロ、というのでもっとカジュアルなのかと思ったらとんでもない、きちんとしっかり内容のあるコース料理がメインです。

どのお料理も見た目が美しいばかりでなく、とてもおいしい。


このデザートは、フランボワーズのアイスクリームなのですが、表面の金粉がアクセントになっていて、それはそれはきれいなこと。写真で美しさが伝わらないのが残念ですが。

シェフ・パティシエの江藤英樹さん。メッセージプレートも特注だそうで、表は上の写真のように白いのですが、裏がこのようにピンクです。美しい文字も、江藤さんが描いてくださいました。

和光の時計台が真正面に見える絶好スポットで記念写真。雨もまだ降っておらず、心地よい気温でくつろげました。田中さん、信子さん、江藤さん、スタッフのみなさま、ありがとうございました。

ミラコスタは想像していた通り、いたるところにミッキーが。アメニティもミッキー尽くし。

室内の質感もベージュ&グリーン&ゴールドでシック、水回りもとても快適な作りですが、なんといってもこれだけの客がごった返しているというのに、スタッフの対応がきめ細かく丁寧で、感動しました。実はプールバーに案内してくださったのも、レストランスタッフなのでした。ベラビスタ・ラウンジでお茶しようと思ったら満席で、あきらめて他に行こうと思ったら、後からスタッフが追いかけてきて、わざわざご案内くださったという次第。おかげさまで思い出深い休日になりました。

 


何度も来ているディズニーシーですが、やはり清潔と虚構感が徹底的に保たれていて、感心します。うそくささはとことん追求すれば感動を呼ぶ。ここまでやるか、という細部まで至れり尽くせりなのが愛される秘訣ですね。学ぶところ多し。

35周年おめでとうございます。

 

実は長男はこの日の前日までラオスに一人旅をしていたのですが、そこでお優しい日本の方に危機を助けてもらいました。

現地のカードシステムでなんらかのトラブルがあったらしく、長男は現金を引き出すことができず、ラオスからSOSを受けた私も、クレジット会社などにかけあってみましたが、うまくいかずじまいでした。結局、彼は旅先で出会った初対面の日本人男性に事情を話して現金を借りることができたのです。帰国後、長男はすぐに借りた分をお振込みをしてお礼状を書きましたが、ラオスという地でたまたま出会った長男を信用し、現金を貸してくださった方には、どんなに感謝してもしきれないくらいです。ありがとうございました。

このように受けた御恩のご恩返しはやはり、困っている人を今度は私が助け、信じることなのだと思います。そのような人助けが社会にめぐりめぐっていくことで、結果的に自分もまた助けられる……。世の中というのはそういうものなのかもしれませんね。長男を信じてお金を貸してくださったお方には、あらためて、心より感謝を申し上げます。

 

 

ゴールデンウィーク中も仕事三昧でしたが、唯一のレジャーらしきことが、ベタですがファミリーでディズニー。


ミラコスタの超穴場、プールバー。

パークはたいへん混雑しているようですし、ミラコスタ内のレストランもすべて満席。でも、ここだけは誰もいなくてコーヒーもおかわり自由、別天地です。とくにがつがつアトラクションに乗る必要もない大人ファミリーには、こういう寛ぎがいいんです。


スパのフロントから眺める景色も、なごみます。


時折、アトラクションの絶叫が聞こえてくる程度の、完璧な静けさ。静けさを幸せだと思えるのは、外から聞こえる時折の騒音があるからなのかもしれない、と気づく。


Great tranquility of heart is his who cares for neither praise nor blame. (By Thomas a Kempis)

ファミリーといっても息子二人、一人で育てるのは言葉にできない苦労がありましたが(まだまだ続きそうですが)、苦労してもラクしても同じ時間が流れていくんですよね。とすれば、苦労を選んでおいたほうが、後で振り返った時に、「物語」も感慨も深いものになるものですね。人生の岐路ではいつもいつも苦労する方ばかりを選んできて、ばかじゃないかと自分でも思いますが。

 

最近話題の「スーツにスニーカー」について原稿を書きました。

 

近日中に活字になるかと思います。

反論も目に留まるだけ見てみましたが、「スーツには革靴を合わせることになっています」という類の原理原則主義をかざす前に、やはり少し歴史を俯瞰してみるのもよいかと思うのです。原理原則をふりかざすならば、それはいつ誰が決めたのか、なぜそうなのかを明確にして、さらに日本人がそれに従う意味を論じなくては説得力がありません。

服装をめぐり、古今東西、「絶対的な正しさ」なんて存在したことはありません。その時代のさまざまな条件がからみあい、落としどころのいいところで落ち着いている。それが10年以上安定して続くようになればその文化圏のcostumeになり、やがて慣習customになっていきます。

 

日本の現行の「礼服」システムにしても、そもそも140年ほど前に宮内庁が定めたあたりからおかしな点が多々あることは、しばしば指摘されている通りです。「少なくとも自分が生きている間にはみんなそうしていたから、そういうものだと思っている」ということで慣習に従っているという人が大多数なのではないでしょうか。

 

 

だから時代が変われば服装の慣行も変わって当然。変化の兆しが訪れており、それが多くの人に支持されるとなれば、まさしく時代の変革期であるということでもありますね。ただのあだ花で終わるか定着するかは、これから10年かけて観察したいところ。

 

スニーカーがらみで。波乱万丈のナイキ創業者の物語。フィル・ナイトの赤裸々な「ヒーローズ・ジャーニー」から起業家精神を同時に学ぶことができる。感情を揺さぶられながらビジネスの発想も学べる。映画化希望。

今日はパリ五月革命から50周年。五月革命がもたらしたファッションの変化について解説しました。

Nikkei Style 電子版です。「パリ五月革命から50年。そのとき装いも変わった」

お時間がゆるすときありましたら、ご笑覧くださいませ。