Floris の新製品発表会。ANA Intercontinental Hotelにて。

1730年、ジュアン・ファメニアス・フローリスがメノルカ島からロンドンに渡り、ジャーミンストリート89番で紳士のための理髪店を開店したのがブランドの始まり。それから300年以上、同じ場所で、王室御用達の理髪店および香水商として愛され続けているというのは、すばらしいことですね。

ジャーミンストリート89番の本店、ディスプレイ什器などは、イギリスの歴史的重要文化財に指定されているとのこと。(2,3度、本店で買い物をしたことがあるが、重要文化財とは知らなかった)

8月1日に全国一斉発売されるのは、「1927」。アメリカではジャズエイジ、イギリスではブライト・ヤング・シングズの時代。イヴリン・ウォー、セシル・ビートン、ノエル・カワードらが活躍した時代ですね。景気もよく、時代の勢いもあり、ラグジュアリーが肯定された時代への想像力を促すような香り。リッチで、快活なんだけど、ほんの少しの退廃の気配が魅力であるようなフレグランスです。品格はきちんと保っているのが、さすがのフローリス。男女ともに使えます。


発表会ではYUKIRINさんとフローリス ブランド担当の大石絵里さんによる楽しいトークショーもありました。

 

リーフレットに引用されていたセシル・ビートンのことば。「大胆不敵であれ。人と違うことをしろ。常識にとらわれるな。冒険をせず、ありきたりで、平凡の奴隷になることに抵抗して、高潔な目的、想像力に富んだビジョンを押し通すためには何でもやれ」

原文を探してみました。

“Be daring, be different, be impractical, be anything that will assert integrity of purpose and imaginative vision against the play-it-safers, the creatures of the commonplace, the slaves of the ordinary.” (By Cecil Beaton)

Be Impractical という英語を「常識にとらわれるな」と訳していらっしゃるのですね。なるほど。Practicalは、日常の、実地的な仕事を着実におこなうというイメージ。公務員的な。そうじゃないのが、Impracticalというわけです。こういうセシル・ビートン的な生き方ができたのは、1920年代だから、というところもある。ノエル・カワードのような「ファーストクラスで旅する人生」も20年代だから。今はそんな言動をとると浮きまくり、むしろ周囲の無理解に息苦しくなったり虚しくなったりすることがある。(公務員を蔑視しているわけではまったくないので念のため。うちの長男も母のように生きると人生を誤ると悟り、公務員としての生き方を選んでいる。笑) 率直な時代感覚ではどちらかというと、1930年代大不況から戦争に突入していく時代のムードに似ている。

1927年的な奔放な輝かしさに気持ちを誘う香水が今発売されるというのは、「冒険しない」時代、「ありきたりがいちばん」な時代への抵抗にも見えてくる。

 

 

 

 

 

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