「ファクトリエ」を立ち上げた山田敏夫さん(35)に取材。

実は山田さんとは2013年のブルガリのパーティーで、同じ熊本ご出身の大住憲生さんからのご紹介でお会いしていたらしい(熊本ご出身のファッション関係者はとても多いのです)。その時はまだ会社を立ち上げてほやほやの、ほぼ無名の青年だった。たった一人で、資本金50万円からスタートした会社だった。それが今やアパレルを救い、時代を牽引する頼もしき起業家として大活躍中。


お話はとにかく面白く刺激的だった。詳しくは活字媒体に書きますが、社会の課題を解決していくためのビジネスの発想がまさにミレニアルズ。(「庭」の白石樹里さんも33歳とほぼ同世代だし、「気仙沼ニッティング」の御手洗瑞子さんや、「aeru」の矢島里佳さんもこの世代。ほんとうにわくわくすることをやってくれる。)

これまで日の当たらなかった工場に取り分を回し、工場情報をオープンにし、工場で働く人に脚光を当てる。そうしてモノづくりの現場で働く人に誇りを取り戻してもらう。

それを初めてやったとき、某大手アパレルメーカーの役員室に呼ばれ、お偉い方々がずらりと並ぶ場で、「工場の守秘義務は知らないのか。そんな舞台裏を見せるようなことはやめてくれ」と脅されるようなこともあったという。でも山田さんは、みんなが幸せになる仕組みなのだからと信念を曲げなかった。

「行動が心を強くする」という考え方のもと、ひたすら手紙を1000通、書いたエピソード。

「まあまあ好かれる」を廃止し、顧客を熱狂させることをめざす戦略とゲリラ的な行動。

価格決定権を工場に引き渡すという、常識を覆した挑戦がもたらした数々の好影響。

いやもうインスピレーションに満ちた面白い取材でした。

(*これまでのアパレル業界の仕組みがあまりにも生産者を虐げていた、というか従来の仕組みはもはや時代錯誤であることが明らかになったわけですが、同じような不条理な構造は出版業界にも見られます。原稿料の決定権は、ある程度は執筆者にあるべき。それだけ高品質で商品価値のあるものを書くことができる、という前提条件付きですが。工場側がデタラメに高くしても内実がおいつかなければ注文が来なくなるので、結果的に全方位納得の適正価格に落ち着く、という事実はとても示唆に富む。)

 

数々のすばらしい製品も枚挙にいとまがない。

下の写真は汚れがつかない白いジーンズ! 赤ワインやお醤油をこぼしても、さっとふきとるとまっ白。捨てなくなるので、環境にもやさしい。この服地で、ワンピースやスーツを作ってほしいぞ。ほかにも永久保証ソックスなど。

今回は山田さんのお話を聞くことがメインの取材でしたが、次回、ゆっくり製品を手に取ってみてみたい。すべてがメイドインジャパン。国内の600の工場を回り、うち、55の工場と提携して作られた高品質な「工場ブランド」です。

 

 

 

 

 

 

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