芦田淳先生の追悼文です。共同通信配信で、各地の新聞に掲載していただきました。

新潟日報。

河北新報。


京都新聞。


日本海新聞。ほかにも続々。一人でも多くの方に芦田淳先生の功績と、幸運な人生を引き寄せたお人柄と生き方が伝われば幸いです。

見出しは各紙でつけるので、それぞれ違うのですね。

本文にも書きましたが、エレガンスというのは、たんに表面的に上品に取り繕っていることとは関係ないのですね。日々の時間の過ごし方、人や仕事との接し方など、長い時間の蓄積から生まれる、骨太で繊細なものです。コミットメントと愛なきところから、本物のエレガンスは生まれない。芦田先生から学んだこと。(私などはぜんぜん到達できてない高いレベルのお話。)Elegance Forever.

 この本もお勧め。

Table 9 Tokyo にて、ハバナ・ソーシャルクラブ「ハロウィーンセッション」。

グリーンを基調にハロウィーン仕様に飾られたTable 9 で、キューバのバンド、Alexander L.P & Puros Habanos によるライブ演奏を聞きながら、Tokyo Fusion Dining のコースを楽しめるハロウィーンスペシャルナイトでした。

仮装した大人のグループもいて、よい雰囲気。

バンドの演奏に合わせ、男女のダンサーがラテンなバネの効いたすてきなダンスを見せてくれました。

駐日キューバ大使ご一行もいらしていたのですが、途中から立ち上がって一緒にダンス、ダンス、ダンスでノリノリ。見ていたらこちらまで幸せに。(白いシャツの方がキューバ大使。) 踊り慣れていらっしゃるのよね。

 

キューバにちなむカクテルを披露するカクテルタイムも。数々の受賞歴を誇る門間輝典氏による派手に火を使ったパフォーマンスとクールなトークを楽しみながら、カクテルの完成までを鑑賞。ハロウィーン仕様のおしゃれなカクテル……というのはよいのですが、半分以上、生クリームでできているのを見てしまったからには飲み干すわけにもいかない。とても美味しいのですが、ジレンマでした(^^;)

Tokyo Fusion Dining はメニューも一新され、さらに美味しくなりました。


タスマニアサーモンのミキュイ キャビアのアクセント。サーモンがこんな厚切りで供されるのは珍しい。すっと溶けるような柔らかなサーモン。


キノコのクリームスープ カプチーノ仕立て。


真鯛のポワレ。


オーストラリア産牛フィレのグリル レフォールオニオンソース。

 

フロアスタッフもこんなふうに仮面でハロウィン風、360度夜景もほぼ満月つきで鉄板の美しさ。すばらしいホスピタリティでした!

 

Asprey とリッツカールトンホテルがコラボレーションし、アールデコスタイルのカクテルトローリーが作られました。お披露目に伺いました。

Aspreyは、1781年の創業以来、”It can be done(もちろん承ります)”の哲学であらゆるビスポーク製品を作り続けてきました。今回もリッツカールトンの気風に合うカスタム仕様とのことで、世界に3台しかないそうです。こちらはアジアに一台だけのトローリー。

下の段の左にあるのは、シルバーでできた飛行機型のカクテルシェイカー。宝石も埋め込まれており、あまりの美しさにしばし見入ってしまいました。

 

受注生産もしているそうです。トロリー本体は約420万円、デキャンタなど付属品を含めると、約900万円。

2019年春夏のバッグコレクションも展示されておりました。春夏にふさわしいパステルが多かったのですが、やはり間近で見ると、精緻な作り込みにため息が出ます。とボキャ貧になるしかない迫力のバッグ。

価格に糸目をつけず作られた、度はずれて美しいものというのは、強いエネルギーをもっていますね。エネルギーのおすそ分けをいただいた気分です。

リッツカールトンのハーブティー、香りも味も意外にしっかり濃くて好み。これはローズヒップがメインの「ビューティー」と名付けられたハーブティーでした。

 

 

Forbes Japan 12月号発売です。

パリでケリング会長フランソワ=アンリ・ピノー氏にインタビューした記事を書きました。4ページにわたり、本文のほかにケリンググループの最新情報が詳細に掲載されています。


 

 

 

アートやサステナビリティをどのように経営にとりいれるのか? あらゆる分野のビジネスパーソンのヒントになれば幸いです。

 

変わるラグジュアリーの定義、老舗ブランドのDNAとのつきあい方など、最新のラグジュアリービジネスを考えるうえで押さえておくべきことも満載です。私自身も、今年(現時点までで)もっとも勉強になり、意識の変容を経験した仕事です。ぜひ、ご一読いただけますと幸いです。

ラグジュアリーファッションとサステナビリティについて学びたい方へ。

ロンドン・カレッジ・オブ・ファッション×ケリングが提供しているオンラインコースというのがあります。こちら

もちろん全部英語、イギリス英語ですが、無料コースでトライしてみて、さらに学びたくなったらアップグレードという手もありますね。アップグレードしても$59なので、勉強のための投資としては安いくらいでは。

ファッションとサステナビリティという話題について議論するときに、少なくともどういう観点から議論がおこなわれているのかを知っておくのは、基本でしょう。

無料コースでは以下のトピックがあります。

  • Week 1 – Why Sustainability in Fashion?
  • Week 2 – Contextualising Sustainability for a Changing World
  • Week 3 – Material Dimensions: Sourcing for luxury fashion
  • Week 4 – Informed Decision Making: Tools and methods
  • Week 5 – Creative Possibilities
  • Week 6 – Creative Realisation

かくいう私もアウトプットの仕事ばかりでなかなかまとまった時間をとって新しいことを学べないので、移動など細切れの時間をどうやって使うかが試されるところです。

 


(17世紀の病院をリノベーションした、ケリング本社)

各紙が追悼記事を掲載していますが、読売新聞は一面、21面、36面と3面にわたり、芦田淳先生の功績、評伝を大きく報道しています。

私も僭越ながら、21面でコメントを寄せています。

「戦後の日本にプレタポルテ(高級既製服)の概念を持ち込んだ草分け的存在。常に時代の感覚を反映しながら、決してエレガンスと品格を失わなかった。芦田さんの服を着れば、国際的にどんな舞台にたっても日本の品格を表現できた」。

 

まだ伝えたいことは本当にたくさんあったのですが、紙幅の都合がありますね…。

洋裁師が注文に応じて服を縫っていた戦後日本に、「プレタポルテ」(高級既製服)をもたらしたのが芦田淳先生なのです。

プレタポルテは、日本の女性を半世紀の間に加速度的に美しくしていくのです。プレタポルテへの憧れ→着こなすためのヘアメイク、体型メイク、立ち居振る舞いなどの努力→あかぬける。

 

ほかにもきりがないほど功績がありますが、追って、お伝えできる機会があればと思います。

 

*共同通信社に追悼文を寄稿しました。本日、これから配信されるそうです。明日以降、活字として掲載されましたらお知らせ申し上げます。

行きたい展覧会シリーズ。11月10日から、Downton Abbey: The Exhibition がパームビーチで開催されます。詳細こちら

ニューヨークでの好評開催を終えて、今度はフロリダへ。

この展覧会、日本にも来ないかな~。誰か招致してくれないかな。ZOZOの前澤社長とか。

 

ダウントン映画版の製作も進行中とのことで、今から公開が楽しみですね。New York Times の記事はこちら。写真では、現代の服を着たキャストが勢ぞろい。コスチュームプレイのキャストを見慣れていると、不思議な感じがしますね。

 

 

ニューヨークのFITのミュージアムではヴァレリー・スティールがディレクションするPink: The History of Punk, Pretty, Powewrful Color 展が行われています。

ピンクという色をめぐる歴史に焦点を当てたファッション展。これもぜひ見たい展示。

podcastではヴァレリー・スティールの話も聞けます。英語で、30分くらいですが、こちらです

ヴァレリー・スティールは、私が大学院生だったころからファッション文化に関する刺激的な本をたくさん書いていた方で、追っかけておりました。今なおFITの名物教授として、ファッションに対してアカデミックに向き合っていらっしゃる方です。この人がいなかったらファッションで論文を書こうとは思いもしなかった。最近のインタビュー、紹介記事はこちら

ファッション・ジャーナリズムではアメリカのワシントンポストのロビン・ギヴァン。ピュリッツアー賞受賞者です。

こういう仕事をきちんとリスペクトして、社会的な貢献の場を与える土壌がアメリカやヨーロッパにはありますね。日本にはない……と嘆く前に努力が圧倒的に足りないのだろうけれど。

 

 

昨日のCampというトレンドとも関わってくるのですが、グッチはここまでキャンプになっているという話。

グッチのテイラリングキャンペーンの動画が発表されましたが、舞台になるのはイギリス北部のThe Campというフィッシュ&チップスの店。

(Gucciの新作を着てチップスを食べるハリー・スタイルズ)

生きた鶏を抱えたハリー・スタイルズがお店にブラっと立ち寄り、フィッシュ&チップスを注文して地元の子?と並んで立ち食いしてます。

BGMはビートルズの「ミシェル」。

ハリー・スタイルズがイギリス人なのでイギリス的な状況で撮りたかったらしいのですが。

最後にGUCCIのクレジットが出てきて、その絶妙な違和感にやられます。

顧客の先入観やイメージを脱力的に裏切り続けていくアレッサンドロ・ミケーレ。やはりアーティストですね。

プロモーションフィルムは、グッチHP、スーツコレクションのこちらからご覧ください。

こんなの見てしまうと、「スマートな、できる男」や「洗練された、ダンディぶり」なんかを強調したスーツのPRが、もはや響かなくなりますね(いやスーツの種類が違うし着る層も違うという異論があることは了解)。グッチ&チップスの破壊力、どこまでいくのか。

 

来年のMET Costume Institute 展示テーマが発表されました。Camp です!

わくわくしてきた。キャンプというのは、芝居がかかっていたり、皮肉が入っていたり、誇張があったり、悪趣味だったり、でもそこが素敵!というファッション感覚。20世紀には、ゲイ好みの感覚と言われてましたが、今はみんな好きね。

キャンプな人を挙げてみます。エルトン・ジョン、グッチのデザイナーであるアレッサンドロ・ミケーレ(そして彼のグッチの作品すべて)、レディ・ガガ、セリーナ・ウィリアムズ(あのチュチュのテニスウエア!)、そして多分アナ・ウィンターも。古くはオスカー・ワイルドとかルイ14世もそうであったかも。私がファッション史講座でキャンプを解説する時には、必ず「プリシラ クリーン・オブ・ザ・デザート」の写真や映像を使います。


思えばたしかに今、キャンプの時代なんですね。グッチがあんなにヒットするのだから。無難でキレイなものは飽き飽き、キャンプな感覚がぐっとくる、というところが確かにあるんです。

来年のメットガラは5月6日。キャンプファッションが勢ぞろいする光景はどんなでしょ。出席してみたい。笑

それにしても仕掛け人アンドリュー・ボルトンの毎年のテーマ設定がうまい。ニクイ。すばらしい仕事ぶりですね。リスペクト。

Gucci 2019 SS.

北日本新聞 写真家テラウチマサトさんの連載「とやま多士彩才」」にとりあげていただきました。

撮影にご協力くださったのは、ザ・プリンスギャラリー東京紀尾井町です。こちらの部屋は、ギャラリースイート。お世話になりましたみなさま、ありがとうございました。

ミヤビブランドコミュニケーションズの田中雅之さんにお声掛けいただき、二期会オペラ歌手、与那城敬さんのバリトンリサイタルを鑑賞しました。浜離宮朝日ホールにて。

 

谷池重紬子さんのピアノ伴奏だけで、2時間、集中の切れることのない濃厚な熱唱。合間のおしゃべりも楽しく、アンコール3曲つき。ひとつひとつのハンサムな仕草でも観客を魅了する、すばらしいコンサートでした。会場の年齢高めなニキータ(笑)さんたちもあたたかさにあふれながらテンション静かに高く、なんというか、愛にあふれた時空でした。

与那城さんの装いはタキシードの下に黒いシャツ、タイレスとほぼ黒のグラデーションだったのですが、効いていたのが胸元のピンブローチ。2㎝くらいの小さなピンブローチでもその光は神々しく、広い会場でも圧倒的な存在感を放っていました。あとでお会いしたときに確認すると、ミキモトの音符型のピンブローチでした。さすが。

そして前半と後半で、ポケットチーフだけを替えて出ていらしたのですよね。前半は黒、後半は赤。これだけで印象が一変する。

私たちもマネできる、さりげないイメージチェンジの方法ですね。

そしてなんと憧れの谷口久美さんにもご紹介いただきました。初代クリスチャン・ディオール駐日代表、外資系ブランドPRの草分け的な存在で、今はオペラにも深く関わっていらっしゃいます。ご自身でも舞台にお立ちになるのです。25ansなどでもしばしば憧れマダムとして登場される方で、かねてからぜひ一度お目にかかりたいと願っておりましたが、その願いが叶い、感激でした。とても素敵な方です!

左から、田中さん、中野、与那城さん、谷口さん。ありがとうございました!

12日は、プリンセス・ユージェニーのロイヤルウェディング。ウィンザーのセント・ジョージ礼拝堂でおこなわれました。プリンセス・ユージェニー(28)は、ヨーク公アンドリューと、(離婚した)セーラ・ファーガソンとの間に生まれた次女で、エリザベス女王のお孫さんにあたる方。王位継承権は第9位。お相手はジャック・ブルックスバンク(32)、ワイン商で、テキーラのアンバサダーのお仕事もなさるソーシャライトです。

ユージェニーのドレスは、ピーター・ピロット&クリストファー・ド・ヴォスのデザインで、背中が大きく開いていることが目に留まります。そこには傷跡が。プリンスセスが12歳の時に受けた脊椎側彎症(脊椎が右または左に曲がる病態)の手術の跡で、この病気に注意を喚起するため、あえてこのような見せ方をしたのだそう。

ダイヤとエメラルドのイヤリングはブルックスバンクからの贈り物で、エメラルドのココシュニク・ティアラは女王から借りたもの。1919年にブシュロンが制作したものだそうです。

ヘアスタイリストはソニー・ジョー・マクファーレーンによる「ルーズ・シニヨン」。靴はシャーロット・オリンピア。メイクアップはハンナ・マーティンとボビー・ブラウンが仕上げたということなどなど、細部にわたる情報がいち早く発信されました。

ゲストは850人。ナオミ・キャンベルやリヴ・タイラー、デミ・ムーアらセレブリティも続々。

プリンセス・ユージェニーはたびたびロイヤルドレスコード破りを(あえて)おこなってきた気の強さを備える方。真っ赤なリップやミニスカート、胸の谷間見せやストッキングなしの素足、などなど。

傷跡見せドレスもなるほど彼女らしいなと納得。

末永くお幸せに!

 

  80歳を超えてますます快進撃が続く行方昭夫先生の新著。『英文読書術 イギリスエッセイ編』(DHC)。

ルーカス、ミルン、ガードナー、リンドという4人の短編エッセイの名手の作品から選ばれた8編。

左から読むと、抽象度も高い、レベルの高い英文をどのように解釈していくかという英文解釈のレッスンになる。

右から読むと、日本語訳と行方先生による解説が楽しめる。

さらっと生活の一こまを切り取ったような短編ながら、イギリス人らしいねちねちとしたイジワルな心理描写や応酬がたまらなく面白い。

とりわけ笑ったのが、ルーカスの『私の著書、本当に読んだかね?(The Test)』。これ、本を恵贈されたり、また献本したりしたことのある人にはとりわけ痛快に読めるのではないか。ほめことばを連ねてあっても、実際、読んでないだろうと思われることが多いし、まあ、みんな多忙だからそんなもんだと思うので責めないけど、こうして作品としてねちねちとここまでやるかというのを示されると、もう爆笑するしかない。

解説によれば、1987年にアメリカの書店の店主が実際に実験をおこなったことがあったそうです。あるベストセラーの50ページめに「ここまで読まれたことに敬意を表して、この紙片と引き換えに本の代金を返却します」という紙片をはさんでおいた。ところが、ひとりも申し出がなかったそうよ。笑

現代だといっそうスマホにつかっている時間が長いので、本を通読する人なんてますます少ないのだろうな。

 

もう一作、私のツボにはまったのが、やはりルーカスの『N一文字の悲劇(The Letter N)』。banker と baker。「n」の一字が抜けたために起こる、とんでもない大騒動。浮かび上がる階級意識やら妙なプライドやらの応酬で最後はカタストロフに。当事者は災難だろうけれど、もう爆笑。すみません。

 

ほかの短編もピリッとスパイスが効いて、人間の本音というのは時代が変わろうが人種や国が変わろうが、それほど違わないのだということを教えてくれる。

Men’s Precious Autumn 2018 発売中です。

 

 

メインの特集は、2018年流Gentleman A to Z。

巻頭で、「21世紀の“紳士”概論」を寄稿しております。8ページにまたがる6000字超の解説。ファッション誌のエッセイとしてはかなり長い分量です。



ジェントルマンって? ダンディって? そもそもどういう人種をさすのか、その起源と歴史と現在を書いています。

お時間のゆるすときにでも、おつきあいくださいませ。

日本経済新聞 土曜夕刊連載「モードは語る」。本日掲載です。

ファッションテックの分野ではニューリテールもさくさくと進んでいます。

ニューリテールとは、リアル店舗とECを融合させたこれからの新しい小売り業の形です。アリババのジャック・マーが提唱したビジョン。

ニューリテール・プラットフォームとして国内最大級の規模に成長したアプリ、Facyを運営するスタイラー株式会社の代表、小関翼さんに取材した記事を書きました。

アジア市場にも詳しい小関さん。アパレルが厳しいと言っている場合ではない。アジアに視野を広げれば膨大な可能性が広がっている。渋谷にあるスタイラー株式会社の近くにて。ドトールコーヒー本店の前です。

Facy のサービスの流れ。

各地でプレゼンする小関さん。Facy 提供。ご協力ありがとうございました。

 

Men’s EX 11月号 発売です。

コート特集で、綿谷画伯と対談しております。

このほかになんと、画伯によるマジタッチ、マンガタッチ、それぞれのイラストまでついてますよ。コートを着たアイコンずらりのマジタッチ版は圧巻。これは保存版でしょう。

私はコートの歴史についてざっとレクチャーするというお役目でした。起源や歴史にはコートの本質的な意味も見出すことができます。ぜひ読んでみてくださいね。

 

今回は、カメラマンがすばらしく腕のいい方でした。本誌に掲載された写真(下)の夜景の映り込み方を見てもおわかりだと思いますが、ふつう、夜景を強調すると前景が暗くなったり、前景をはっきり写そうとすると夜景がぼやけたりするのですが、ともに鮮明に映っているのです。プロのテクニックですね。

 

 

カメラマンは椙本裕子さん、若い女性です。夜景だけでなく、人物のほうも、とてもソフトな感じに撮っていただきました。感謝です。下は、本誌にモノクロで掲載されている写真の元版です。

ありがとうございました。椙本さんとご編集部のご了解を得ましたので、秋冬のプロフィル写真として使わせていただきます。

調子に乗ってもう一枚アップします。ごめん。笑

 

 

撮影にご協力いただいたのは、ザ・プリンスパークタワー東京です。編集部、ライターさん、カメラマンさん、ホテルスタッフのみなさま、ありがとうございました。

トレンドワードとして浮上している、スカンブロ(Scumbro)。

本日の読売新聞連載「スタイルアイコン」は、スカンブロを牽引しているとみなされているセレブリティのひとり、ジャスティン・ビーバーについて書いております。

Vanity Fair が紹介するScumbroの記事から。今年の7月にトレンドが命名され、瞬く間に話題に。

ベイビー・ビーバーが愛らしかったのはついこの間。少年はまたたく間に大人になってしまいますね。

 

Scumbroの訳語はずいぶん悩んだあげく……「好かん兄弟」にしました(©中野香織)。おやじギャグすぎて寒い? 失礼しました。

銀座ミキモト本店7階にて、パリで発表された新作ハイジュエリーJeux de Ruban(リボンの戯れ)のコレクションが展示されております。一般に無料公開されている贅沢な展示で、もうこれはぜひ銀座にお出かけになる時にご覧いただくべき。

天井から降りる5万本のリボンの装飾は圧巻です。ミキモトさんの意気込みを感じます。

伊勢でとれる真珠にちなみ伊勢海老? ではなくロブスターだそうです。花も、ロブスターもすべてリボンで作られています。あまりの精巧さに驚き。

こちらはモデルがジュエリーをつけている写真を、昔の肖像画風に加工したデジタルアート。じっと見ていると、モデルが動いたり変化したりするんですよ。

この装置の前に立つと、目の前の肖像画が自分の顔になります。他人の顔を見る分には(笑)楽しい。


ヘッドアクセサリーと左右異なるイヤリング、ブローチのジャズエイジ風競演。機会あればつけてみたいジュエリー。


このリボンのオブジェも今回の展示のためにわざわざ作られたそうです。そこに鎮座するジュエリーもため息ものですが、この大胆なオブジェと繊細なジュエリーのハーモニーには見惚れます。



こちらは名刺しか入らないパーティーバッグ。細部にいたるまでラグジュアリーの極みで、ぜひ間近に見ていただきたい傑作。

10月14日までです。それほど広くはない空間ですが、奥深く豊饒な世界が待っています。その後は大阪会場へ移ります。10月19日から21日まで、ヒルトンプラザのミキモト大阪店にて。

 

 

台風後は快晴になりましたが、庭の木は一本根こそぎ倒れ、雨どいは破壊され散乱し、雨戸もはずれて飛んでいっており、人間の力ではとても無理な状態で崩壊し散乱した状態が青空との対比でシュールレアリスムのアートのように見えました。

 

たまたま、昨日の仕事では今のセレブトレンドについて書いていたのですが、それが、「高価なブランドをみずぼらしく汚く着るのがクール」というトレンド。(金曜掲載)。

ずんずん調べていくと、スカムカルチャーというのがすでにあったんですね。汚れや散乱や絶望や醜さを称揚する音楽やアートが。アブジェクト・アート(絶望アート)というジャンルもあります。

現在のセレブのファッショントレンドはスカムカルチャーの延長にはないような印象ですが、無関係でもない。

こうした最低のもの、散乱したもの、醜いものを称える美学は、Messthetics と呼ばれているということも知りました。mess (散乱)の美学ですね。

台風後の自宅破壊風景にしても、一瞬、新鮮なものとして見とれてしまったので、このMesstheticsの感覚もじわり、わからないでもない。実際、心の中の情景がこんな感じというのはけっこうあったりするしね。

今日は倒木を一掃してきれいにしてもらう予定ではありますが。人間の感覚って無限の柔軟性があるものですね。