教養世代・知的真空世代・実学世代 /『劣化するオッサン社会の処方箋』

2018年10月1日

台風の猛威すごいですね。横浜近辺は今(朝4時)ようやく風の音がおさまりましたが、雨風の轟音激しく、とても熟睡とはいえない夜でした。現在、北日本を進行中のようですね。憎らしいくらいにみごとに日本列島を縦断していきますが、被害がないように願っております。

 

そんななかで10月が始まりますね。2018年もあと3か月しかない。いや、まだ3か月もある。

 

☆☆☆☆☆

読書メモです。

 

 山口周さんの新著『劣化するオッサン社会の処方箋 ~なぜ一流は三流に牛耳られるのか』(光文社新著)

現状の日本社会のあらゆる不条理や殺伐とした光景をめぐる背景の見取り図が丁寧に解説され、新しい世の中の見方が得られた一冊。

現在の日本の多くの組織のトップがもう救いようもなく悲惨な状態であることはさまざまなスキャンダルや低レベルな事件からも露呈しているのですが、その原因のひとつが、彼らが「大きなモノガタリ」を生きた最後の世代でありながら知的水準において教養世代でもない実学世代でもない「知的真空世代」にあるから、という指摘には視界がクリアになった。なるほど彼らは教養のための読書をした経験もなければ、実学を学ぶ必要性もまったく感じてこなかった、「知的真空世代」。基本的な漢字すらまともに読めなくても恥を感じない人がトップにいるかぎり、教養の大切さやカルチュアの面白さを説いても、実学の重要性を説いても、若い人が学ぶ健全なモチベーションなど上がるわけがないだろう。

いまなぜ一流の人が組織から追い出され、三流ばかりが牛耳っており、しかも世代を重ねるごとに劣化を重ねているのかもとても明快に解説されていた。同時に虚無感とともに脱力した。

明治維新、第二次世界大戦終結、と80年に一度起きてきた「がらがらぽん」。現在の惨状は、2025年に来るべき「がらがらぽん」の前夜である可能性が大きいと著者は説く。この劣化の進行が止められないものであれば、子供たちの世代のためには、「がらがらぽん」に期待する。その後の世界のほうがはるかに自由でフェアであることに希望をつなぎたい。

 

内容に関しては、学ぶことで新しいOSがダウンロードできたような感動もあってよかったのですが、本の作りに関して。

重要な(と編集者が考えている)ところをマーカーで強調するのは余計なお世話。かえって読みにくい。

最後の章にも「まとめ」がおかれ、全体をすっきり平板に整理できるような懇切丁寧な作りになっているが、こういう親切すぎる工夫は、「月に一冊も本を読まない」という若者向けなのでしょうか?

 

 

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