今年は新しいご縁にも多々恵まれた一年でした。そのひとつ、English Journal が年明け早々に発売になります。ヴィヴィアン映画がきっかけで、執筆依頼を頂戴いたしました。

2019年1月5日発売です。amazonでは予約受付が始まっています。

特別企画「イギリスファッション史を彩るデザイナー」。そのなかで、「マリー・クヮントとヴィヴィアン・ウエストウッド」についてそれぞれコラムを書いています。

ポップでカラフルな全4ページ。写真もほかではあまり見られない個性的なものが選ばれています。ヴィヴィアンの映画中のセリフの一部も収録されています。付録のCDでこれを聴くこともできますよ。

発売前につき「予告編」のみですが、映画とイギリス文化と英語が好きな方はぜひ、年明けにお手にとってみてくださいね。

マリー・クヮントのことを知らない人(コスメやポーチのブランドだと思っている人)は、1月5日から公開される「マイ・ジェネレーション ロンドンをぶっとばせ!」を観てばっちり学んでくださいね。


ほかにもコリン・ファースとレイチェル・ワイズのインタビュー記事はじめ、世界を取り巻くリアルな英語事情の解説など、お楽しみからお役立ちまでよい記事が満載です。「女王陛下のお気に入り」の解説がさっそく載っていたのもうれしかったな。(「英国式庭園殺人事件」を連想したのは私だけではなかった!)

English Journalを読んでいたら、もう20年も前のことですが、東大の駒場で映画英語の授業をもっていたときのことを思い出しました。自分でオリジナル教科書まで作っていたなあ……(そんな体力もありました)。映画と言語と文化が交わる世界は、もしかしたら最も好きなテーマです。そのころはEngine 誌で「映画のなかの英語」という連載ももっていました。本HPのmagazine 欄で一部pdfを公開しています。お休みの間のDVD鑑賞のご参考にでもなれば幸いです。

2018年もご愛読ありがとうございました。公私にわたるあたたかなご交誼に心より感謝申し上げます。みなさまご健康第一に、どうぞよいお年をお迎えくださいませ。

23日は新高輪からそのままJ Waveへ。Diana Shows New Look に出演、ヴィヴィアン・ウエストウッドの映画について語ってきました。

話したいことが多すぎてなんだか詰め込み過ぎたし、話しておかねばと思うあまり早口になったりとちったりしたな、という反省。

ナビゲーターの玄理さんもとても映画好きな方。

こういう番組では「内容」そのものよりも聞いたときの心地よさが優先されるのよね。自分が求めるものがそうだったりする。出る立場になるとそれをすっかり忘れてしまう。そのジレンマの解決は、次の課題です。というかこの前も同じ反省をしていたような気がしないでもない……。

23日の生放送、25日の収録分と、二度にわたって機会をいただきましたこと、とてもありがたく、心より感謝します。

さて。

このプレスシートに掲載されている私のエッセイは、本HPのetc. 欄にpdfでアップしておりますよ。業界の方々より好評をいただいておりますので、よろしかったら読んでみてくださいね。

Merry Christmas.

あっさりとクリスマスのご挨拶を終え。

22日、石井竜也さんディナーショウに伺いました。。新高輪プリンスホテル「飛天」にて。

飛天の間はアプローチから華麗なのですが、この日もファンタジックな装飾
石井さんのコンサートに伺うのは2016年の4月以来!わくわくです。
正面、両袖の天使のオブジェも石井さん作。多才な方です。

会場はフォーマルドレスや着物の女性、およそ500人! 男性もいらっしゃいましたがカップルでという程度。9割ほどが女性だったのでは。ファンクラブのお約束なのか、赤いドレス、かつ、おそろいのサーチライト?を振っての応援が目立ちました。

サーモンと野菜のモザイク仕立て金箔飾り アブリューガ添え
鶏もも肉と茸、野菜のブイヨンスープ、パイ包み焼き パイはほんとうに熱々でした。この人数の宴会場でこれだけ熱々のお料理が出てくるのには感激
国産牛フィレ肉のパヴェ

石井さんのノリのいいトークに終始笑わせていただき、そしてすばらしいパフォーマンスにうっとり。衣裳も考え抜かれており、前半は赤ベースの変形燕尾服にサングラス、後半はマジシャンのような大胆な非対称型のブラックフォーマルで、サングラスをとってステッキをアクセサリーとして登場させていらっしゃいました。バックコーラス、バンドを含めたビジュアルも美しく、なんてサービス精神豊かな方なのかと終始、感動。

全14曲(だったと思う)、たっぷり。最後は三方向に丁寧な「礼」が尽くされ、去り際の美しさまで見せていただきました。

ラストに歌われた「浪漫飛行」ジャズロックバージョンの余韻が残り、よい夢を見られました…。おいしいお料理とお酒、そして一流パフォーマンスをライブで楽しめるディナーショウってやはりいいですね。

終了後、楽屋にて。ジュンアシダ社長の山東英樹さん、奥様でデザイナーの芦田多恵さん、私服に着替えた石井竜也さん。写真を撮ってくださっている秘書の熊井美恵さんも含め、楽しいメンバーで最高のディナーショウを堪能しました。ありがとうございました。

毎日新聞12月17日(月)に掲載されました、芦田淳先生の追悼文です。

ことばの使い方から始まり、顧客を大切にする姿勢など、お仕事への向き合い方から多くのことを学ばせていただきました。模範を示してくださった方がいたというのは実に幸運なことでした。

お嬢様でデザイナーの多恵さんによると、日々の生活でも、どこに出かけても、芦田先生はふつうは見過ごすような細部に目が留まり、率直に反応されたとのこと。そのときはヒヤヒヤするけれど、あとから振り返るとその視点が的を射ていたことが多い、と。

大きな仕事をきちんと成し遂げる人は、肝の据わった豪放さと細部に気配りする繊細さをともに兼ね備えているものですね。

人から学ぶことはまだまだ多い。芦田先生からも、おそらくこれからも学び続ける。没後も作品やご著書のなかに、そしてファミリーや社員の方々の記憶のなかに、ずっと生きていらっしゃるのだ。


銀座ミキモトホールにて、西陣織の老舗、細尾さんによる「美しい日本の布」展が開催されています。

細尾真孝さんが日本全国を巡り集めている美しい織物。一枚一枚に地域のストーリーが織り込まれています。

ミキモトホールは入場無料です。銀座にお出かけのおついでにどうぞ。

ミキモトの店内にも細尾さんの織物が装飾として飾られておりますよ。

☆日経ウーマン・オンラインにて、ファッションジャーナリストの宮田理江さんが、監修した『服を味方にすれば仕事はうまくいく』(ディスカヴァー・トウェンティワン)をご紹介くださいました。こちらです。

的確なレビューで、とても光栄です。ありがとうございました。

Vivienne Westwood 映画についてのコメントが、朝日新聞12月20日夕刊に掲載されました。

さらに、ラジオ(J-wave)でも語ります。

☆12月23日(日) 11:30~11:40 「DIANA Shoes New Look」生放送 玄理さんナビゲート

☆12月25日(火) 13:45~13:55 「Good Neighbors  森ビル東京パスポート」(収録済み) クリス智子さんナビゲート

ほとんど「ヴィヴィアン映画のアンバサダー」と化しておりますが? こうして多方面からお声をかけていただけるのは光栄です。

打ち合わせに立ち寄ったTable 9 Tokyo 冬仕様。夜はこの上なくセクシーな空間ですが、昼間も美しい

来年4月公開ですが、スミマセン、一足早く拝見しました。

40歳で自殺したイギリスのデザイナー、アレキサンダー・マックイーンのドキュメンタリー映画です。

伝説として語り継がれるショーのハイライトも網羅。闇や死や醜と向き合い、そこから美を引き出した彼の功績と、恩人に対しても冷酷な一面、1990年代の激動のファッションシステムのなかでの幸運や裏切り。40歳の人生の春夏秋冬がエモーショナルに描かれます。

複雑な余韻がぐるぐる続く傑作です。詳しくはまたさまざまな媒体で書きます。

それにしても、クイーン⇒ヴィヴィアン・ウエストウッド⇒マリー・クワント(「ロンドンをぶっとばせ」)⇒アレキサンダー・マックイーン、と大好きなイギリスのカルチュアアイコンの映画が続きます。もう嬉しすぎて。

監督:イアン・ボノート
音楽:マイケル・ナイマン
配給:キノフィルムズ
2019年4月全国ロードショー *写真は配給会社より

東京藝術大学大学院の博士審査会(公開)で副査を務めさせていただきました。審査対象は清水千晶さんによる「衣服と環境の同化」をテーマにした論文と、「アナザートーキョーシナリー(もうひとつの東京の風景)」という作品です。

作品は、地方から東京に出てきた女性が7段階を経て環境と同化して自己を発見していく過程を、7体の服で表現したもの。アパレル業界で服作りの仕事をした経験もある清水さんならではの力作でした。

博士展では、ほかのジャンルの作品も展示されており、一般の人も鑑賞できます。絵画、ガラス造型、陶芸、ロボットなど、レベルの高い作品が多く、予期せぬ眼福でした。20日までです。芸大周辺は時が止まったようにゆったりしていて、心がほっと落ち着きます。かつてこんなふうに、ただただ純粋に、学問を追求できた時代もあったな……。とてもよい時代だったころの駒場の雰囲気やケンブリッジの街並みなどを思い出してちょっと切なくなったりね。

芸大近くの国立西洋美術館ではルーベンス展! 壮大な肉厚濃厚作品の迫力に圧倒されました。(身体に矢やら釘やら刺さって)痛そうな絵が多かったですが。

東京會舘が来年1月8日、新装オープンします。17日夜、新本舘開場記念特別晩餐会にお招きいただきました。


能楽の三番叟と老松からはじまる、古風な様式を踏まえた記念晩餐会。ゲストは各界から300人ほど。ドレスコードはブラックタイ。タキシード、ロングドレス、お着物姿で300人が集う光景は、なかなかの壮観でした。

300人ものゲストなのに、そつなく完璧なおもてなしぶり。さすがです。

ディナーは、伝統的な東京會舘のお料理をモダンにアレンジしたネオクラシックスタイル。


本マグロの小さなタルタル キャヴィア添え
東京會舘伝統のブイヤベース マルセイユ風 カトラリーや食器類もかなり上質です
和牛サーロインのローストビーフと温野菜 どのお料理も奇をてらわず、基本を押さえた美味しさ。
マロンプディング。手前のマロンクリームはバラの花びら型になっていました。甘すぎず、美味しい。
会場では大勢の知人に再会して楽しかったです。レオン編集長、副編集長、ジローラモさん
岩佐文恵さん、赤尾継子さんと。こういう場でのお着物は格調も高く華やか

東京會舘さまのご発展を心よりお祈り申し上げます。

それにしても日比谷、丸の内、銀座地区はますますホテル激戦区になりますね。この日、実は、東京會舘ご近所のペニンシュラホテルの中にあるビュートリアムでヘアメイクをしてもらって東京會舘に向かいました。ホテルマニアとしてはそれぞれに特徴のあるすばらしいホテルがたくさん建つのは嬉しいことです。2020年以降も変わらぬ集客が望めることを祈りつつ。

「ヴィヴィアン・ウエストウッド 最強のエレガンス」のパンフレットにコメントを寄せました。

2パターン提案しました。王道の、本質をすくいとって称揚するコメント。私が得意とするいつものパターンですね。

もうひとつは、他の方々が絶賛ぞろいだろうから、ちょっと外したパターン。

結局、外しパターンのコメントが採用されているという次第です。やはり他の大御所のみなさまは絶賛コメ。

ヴィヴィアンのこの映画に関しては、GQに書き、プレスシートに書き、来月出るEnglish Journal に書き、コメントも寄せ、さらにはラジオでも語ります。王道的な解説は、本HPのetc.欄にプレスシート解説のpdfを添付しておりますので、そちらをご覧くださいね。

ラジオはJ-Wave、23日(日)11:30~11:40 「Diana Shoes New Look」のコーナーで生出演で語ります。日曜の朝ですが、タイミングが合うようでしたら、聞いてみてね。

まんまる2019年1月号発行です。

連載「ファッション歳時記」第87回。「シャツの胸ポットは『あり』でいい、最後はスーツ2着でいい」。ご笑覧くださいませ。

昨日は尾原蓉子先生の「ブレイク・ダウン・ザ・ウォール」出版記念講演会でした。80歳の尾原先生、ますますお元気で、お話の内容も講演スタイルも情熱が感じられてすばらしかった。多くの方々がお祝いに駆けつける盛会でしたが、これも尾原先生のご人徳の賜物ですね。80歳になったときにどんな風になっているのだろう…?と想像するときに、尾原先生のように現役で、人に囲まれてご活躍されているロールモデルがいるということは、どれほど心強いことか。70歳になる横森美奈子さんも会場で一段と華やかな存在感を放っていらっしゃいました。こういう素敵なロールモデルがもっともっと増えてほしい。


さて、もう一か月も前の話になってしまったSuits of the Year 2018. ではございますが、Men’s EX編集部から本誌に掲載された写真の元版が送られてきましたので、調子に乗ってアップします。

タキシードはロッソネロ。大きめのボウタイもデザイナー社長の横山さんデザインによるもので、この日はネイビーです。袖口をターンバックするとゴールドの裏地が見えるというデザイン。男性タキシードのルールをしっかり踏襲するよりも、ちょっとはずしていたほうが抜け感があってよいという横山社長の考えです。外からははっきりとわからないけど、いちおうカマーバンドもつけてるのですよ。腹巻みたいであたたかかったです。


The Favourite 「女王陛下のお気に入り」試写。

Emma Stone stars in Fox Searchlight Pictures’ “THE FAVOURITE.”

18世紀初頭、アン女王時代のイギリスの宮廷が舞台。豪華絢爛な衣裳に身を包んだ女性3人のバトルの行方が、当時のイギリスの歴史を背景に描かれる。いやもう濃厚で過激。野心羨望嫉妬駆け引き憎悪淫猥愛情怨恨野蛮滑稽孤独哀愁陰謀下劣凄絶といった印象でしょうか。もう単語と単語の間に「・」もつけられないみたいなね。

終始、カメラワークも音響も不安をかきたてる。女優3人の演技もすさまじい。18世紀初頭の宮廷衣裳、メイクもすばらしい。衣装デザインはサンディ・パウエル。

Rachel Weisz, left, and Olivia Colman star in Fox Searchlight Pictures’ “THE FAVOURITE.”


アン女王のこのヘアスタイルね、17世紀の「フォンタンジェ」の名残りです。スカートは18世紀のパニエ。まだそれほど拡張していない。時代の変わり目のスタイルまで忠実に再現しています。

男性もこてこてくるくるの長髪かつらに白塗り、チーク、リップ、パッチの化粧。トーリー党とホイッグ党ではかつらの色まで違う、というところまで再現。

決してやすやすと「感動」できたり「すっきり」できたりする映画ではありません。むしろ2時間が不安感や不快感すれすれとの闘いで、なんだか凄絶なものを見た……という複雑な余韻が残ります。しばらく時間が経ってから思い出したのですが、この感じ、ピーター・グリーナウェイの映画を観たあとの感覚と似ている。「英国式庭園殺人事件」とか「コックと泥棒、その妻と愛人」とか、あのあたりの。グリーナウェイほど難しくはないですが。

監督はギリシアのヨルゴス・ランティモス。18世紀イギリス貴族の野蛮さや滑稽さもブラックユーモアでちらりちらりと表現しているのがたまりません。

紳士ネタで笑った会話が、侍女アビゲイル(エマ・ストーン)と、彼女に一目ぼれしたマシャム(ジョー・アルウィン)との会話。
アビゲイル「誘惑しにきたの? それともレイプしにきたの?」
マシャム「ぼくはジェントルマンだ」
アビゲイル「じゃあ、レイプね」

ふたりのフラーティングもかなり野蛮すれすれで面白いのね。これは見ていただくしかないとして、こういう行動をすれば男性は夢中になるということを、アビゲイルは勇敢に見せてくれる。いやこれは農耕民族にはムリだろう……という感じで見てました。笑

というわけで、心の体力ががっつりあるときに見てね。重たかったのですが、ゴールデングローブ作品賞はミュージカル・コメディ部門にノミネートよ。重たくて不快もスパイスになる、新種のコメディ。

こんな滑稽な一部の人たちの思惑で国の重大事項が決まり、国民の命運が決まっていくなんて……という不条理は、現代も同じね。



2月15日(金)より全国ロードショー。写真は配給会社よりご提供いただきました。©2018 Twentieth Century Fox

Men’s EX 1月号では、紳士のためのジュエリーに関するエッセイも寄稿しています。

どのようなジュエリーがあるのか、他のページでは写真もご覧いただけます。ミキモトの社史も学べる充実のページになっています。ぜひ本誌でご覧くださいね。


ちなみに私は最近、イヤリングもネックレスも一切つけてないのですが(ミニマリズムというとかっこいいですが、実際はなくすことがあまりにも多いため(^^;))、レフ版効果が必要なときにはミキモトのブローチをつけていきます。落とす心配がないし、意外とブローチひとつで正装感が上がるんですよ。

帝国ホテル孔雀の間にて、芦田淳先生の「お別れの会」が開かれました。

ご遺影に向かって一輪ずつ献花するスタイルの、芦田先生にふさわしいエレガントなお別れの会でした。真っ白い花々の上に飾られた大きなご遺影を前にすると、生前のおことばや笑顔やコレクションなどが思い出され、あらためて悲しみがこみあげてきました。

 

 

ほんとうに多くの方々が続々と最後のお別れのご挨拶に訪れていらっしゃいました。先生のご人徳ゆえですね。

隣の部屋では、これまでのご功績や写真が飾られ、映像が流れ、偉大なファッションデザイナーの生涯と功績をふりかえることができるようになっていました。

名言集も配られました。上の展示は、名言集のなかの一つ。「信じる道を一筋に進む。たとえそれが『人通りの少ない道』であろうとも」。

昨日アップした、「信じることを貫く人たち」に続いて、芦田先生のこのメッセージ。こたえるなあ…。信じる道を進むというのは書いたり言ったりするのは簡単ですが、実はとてつもなく強い意志を必要とします。孤独で打ちひしがれそうになるし。私など心の弱さからいつもめげそうになったり妥協に走ろうとしてしまう。行動で成果を出した人だけが語れる言葉。だから「人」とセットになって初めて意味をもつ言葉でもある。名言集は折に触れ、読み返します。

それにしてもいつもながら感動したのは、芦田家、そしてジュンアシダの社員のみなさまの手厚いおもてなしぶりでした。このようにすばらしい「ファミリー」もまた芦田先生が作り上げたかけがえのない遺産だと実感しました。お悔やみを申し上げるとともに、深く感謝します。

 

 

そして実はこの会のあと、帰宅してみると、激励になるようなお仕事のお話を別々の方向から、3人の方からいただいていた。まったくの偶然かもしれないが、偶然がこんなタイミングで起きるのもなにかの意味があると思いたい。芦田先生から「人通りは少なくても、進め」と背中をおしてもらっているような気がした。

Men’s EX January issue.

先日のSuits of the Year の記事が掲載されております。

ゲストとして、小さいですが写真が掲載されています(左欄)。ロッソネロのタキシードを着ております。女性も一着タキシードをもっていると意外と着回しが効いて便利だと思いました。Special Thanks to Rosso Nero.

 

エッセイも寄稿しております。MIKIMOTOとのタイアップページです。「紳士の装いに受け継がれてきたジュエリーという嗜み」。

 

 

 

そして巻末のサプライズ。笑 いであつしさんが、連載コラムのなかで、私のエッセイを引用してくれましたよ。グレイネッサンスに関する、「ファッション歳時記」の10月号の記事のことですね。Special Thanks to Ide-san.

 

 

 

 

NHK の世界150か国向けの海外番組Kawaii International 第100回目のゲストにお招きいただき、取材を受けました。

テーマはロリータ。

ロリータの歴史と文化について解説しました。西洋のファッションを日本人が独自の解釈で取り入れているのに、なぜ海外の人はそれを「日本のカルチュア」と認識するのか、などなど。

話をしながら気づいたのですが、西洋の方が日本の昔の着物をミックスして着たら「文化の盗用」と騒がれます。だから到底、そのようなファッションは発生しえない。しかし、日本人が西洋の昔のドレスをミックスして着ても「カワイイ」と賛辞を送られる。そして西洋人がどんどん「逆輸入」して楽しんでいる。笑

 

今回もザ・プリンスパークタワー東京に撮影のご協力を賜りました。この姫スイートは、ハーバーロイヤルスイート。インテリアも外に広がる景色もゴージャスです。ベイブリッジも見えるしスカイツリーも眺められる。世界に向けて「Tokyo Kawaii」を語るには最適の場所だと思いました。実際、海外の方が「kawaii」に夢見るものには、Tokyoのイメージが大きく重なっています。ご協力ありがとうございました。

今回着ているドレスとジャケットは、Tae Ashida です。世界に通用するJapan Brandです。

 

 

 

公開からずいぶん経ってしまいましたが、ようやく時間がとれて、鑑賞。


ボヘミアン・ラプソディ(楽曲)はフレディ・マーキュリーがファルーク・バルサラを殺して「なりたかった人になろうと決意し、なった」途上での混乱や栄光や絶望や孤独やなんかの物語だったのだな、ということをうっすらと思った。

ありのままの自分を受け容れて云々、などという手あかのついた教訓を受け容れるような人ではなかった。それゆえの栄光、それゆえの孤独。深い心の闇から逃げようとして手あたり次第に刹那の快楽を求め、その結果、フレディ・マーキュリーまでをも殺してしまったという物語。

 

フレディが髪をマッチョ系短髪にしたあとロジャーに「どうだ?」と聞いたときのやりとりは面白かったな。「Gayer」とロジャーが答えるんですよね。gayを比較級にしてgayer。さらにゲイっぽくなった、と。(字幕では「ゲイっぽい」) フレディは「髪じゃない、この家のことだ」と。

 

「家族」としてのバンドメンバーのつきあい方にも痛みを覚えながら共感。ひどい仕打ちをし、この上ない暴言をはいて、もう二度とその前に顔を出せないようなメンバーの前に、「君たちが必要だ」と戻ってくるというのは……。それを受け容れるメンバーもすごいな。規格外の「女王」ゆえん? いや、家族とはそういうもの?

 

Nothing really matters to me…  ボヘミアン・ラプソディの最後の歌詞の意味がようやく理解できたような思いがする。この虚無、孤独の深さがうつったようで、観てから2日経っても重たい気持ちが去らず、延々と残っている。

大学で「モードの神話学」という講座をもっていたとき、クイーンの講義にまる一コマあてていた。ボヘミアン・ラプソディも6分、全部ホールで流した。この映画を観たあとの現在なら、全然、違うことを解説するような気がする。

 

 

<追記>

映画を観て「モードの神話学」が楽しかったなーということなども思い出していたら、たまたま、フェイスブックで元学生くんが投稿に下のような言葉を添えていてくれたのを発見。こんなことばにふれると、私がやってきたことは決して虚無虚無というわけでもなかったと知って、救われます。ありがとね!

「Bohemian Rhapsody が素晴らしすぎました。
唯一好きだった大学の授業でFreddie Mercury に出会ってから、数々のコンプレックスがあったにも関わらず乗り越えて自分のスタイルを築き上げ、時代のモードを作った彼は僕のアイドルです。」