The Establishment: And how to get away with it

2019年1月3日

新幹線のなかで読んだ本。『エスタブリッシュメント:彼らはこうして富と権力を独占する』。オーウェン・ジョーンズ著。この作者の大ヒット作『チャヴ』に続く第二弾。

戦後、とりわけサッチャー政権以降のイギリスに見られるエスタブリッシュメントの腐敗や内幕を、具体的な事件を通し、実名を挙げて赤裸々に描いていく。社会派映画を観ているような印象だが事実なのですね。既得権益を守るためなら「下層階級」に起きた事件の事実を歪めまくる。おそろしい。衝撃でした。

いわゆる「ジェントルマン」層とエスタブリッシュメントは重なるところが大きい。本書に描かれるようなネットワークは「ジェントルマンズクラブ」でその結束を強くするのだと思うと、複雑な気分になってくる。

権力と富を独占し、部外者を排除し、ますます「クラブ」の結束を固めていくという腐敗構造が見られるのはイギリスだけではない。お友達優遇やメディア抱え込みがあからさまな日本のエスタブリッシュメントだって例外ではない。

イギリスの問題として描かれてはおりますが、広く現代社会の問題を考えるのに、参考になる一冊です。作者はオクスフォードを卒業したまだ若い政治ジャーナリスト。「ガーディアン」にもコラムを書いているほか、自身のYouTube チャンネルももっている。こちら。早口できびきびとした口調。

広範な取材に基づいた記述なので説得力がある。こういう書き方のスタイル、YouTubeでも発信というスタイルがまさに今どきの人という感じ。勢いのある翻訳も読みやすい。『チャヴ』もあわせて購入してあるので近日中に読みます。


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