2019年2月11日
Netflix の映画 Rome. アルフォンソ・キュアロン監督によるモノクロ映画です。舞台は1970年代くらいのメキシコ、ローマ地区。あるブルジョワの家庭とその家で働く家政婦の日常。

とくに大事件が起きるわけでもなく、日常のいくつかのシーンがことさらな演出をされるわけでもなく、淡々と積み上げられていきます。有名俳優が出てくるわけでもなく、劇的な音響もなく、離婚があろうと不慮の妊娠があろうと感情の激発があるわけでもなくさりげなく日々が続いていきます。
最初は意図がわからず、当惑したのですが、最後あたりにきてじわ~っと感慨が深くなります。
どうやって人との絆が深まっていくのか。伏せてきた感情はどういう瞬間に吐き出されるのか。社会の動乱と個人の日常の関係。小さな選択、なんでもないように見える時間の積み重ねこそが「今」を作っていること。ほかにもいわくいいがたい感情や気づきが、見終わる頃に押し寄せてくるんですよね。あとからじわじわくる。ひるがえって、自分の「なんでもない」日常を映画にするとどういうふうに見えるんだろうなどと厚かましくも「監督」視点で見始めていたりする。
見方によっては観客を選びそうな映画を製作して配信するNetflixにもあらためて敬意を表したいです。
主人公の家政婦が子供たちに好かれて
いるのがいいですね。
この作品は物語の進行と同じように
撮影されたそうです。
波にさらわれそうになった子供を助ける
シーンは長く記憶に残ると思います。
>たけいさん
静かなのに一瞬先がわからない恐怖のリアリティがあって、
でもそんなリアリティを超えた美しさもあり、
忘れがたいシーンですよね。
観終ってから時間が経てば経つほど
じわじわと余韻が広がる映画でした。