一足早く拝見する機会をいただきました。
『芳華-Youth-』。中国映画です。1966年の文化大革命、1976年の天安門事件、文化大革命の終焉、1979年の中越戦争…。激動の時代に軍歌劇団として前線で生きる若者たちとその後を描いた映画。監督はフォン・シャオガン。アジア・フィルム・アワード最優秀作品賞受賞。

どんな時代、どんな環境にあっても、青春時代にある若者が経験するであろう、古今東西変わらぬ普遍的な感情やできごとが、みずみずしく切なく描かれている。いやもう涙で心が洗われました。



驚きは、軍歌劇団である文工団の可憐なダンサーたちが踊る、京劇とモダンバレエを融合させたような流麗なダンス。完成度の高い美しさに目が離せなかった。音楽もすばらしい。

こういう気負わない色彩感覚は、むしろ今のミレニアルズに訴えるかも? 作り込んでない普段着感覚がむしろ、さりげなくおしゃれと感じさせる。

一方、戦場のシーンの生々しい恐怖の描き方も圧巻。約6分、カットも編集もない長回しで戦争の非情な残酷さがひしひしと伝わってくる。

時を経たあとで再会してわかる、それぞれの人間の変化や、変わらない本質。

もう戻らない時代へのなつかしさやかすかな心の痛みなども蘇り、少し物悲しく、でもほどよい幸福感に満たされ、しみじみと余韻が続く佳作です。

◼ タイトル: 『芳華-Youth-』
◼ © 2017 Zhejiang Dongyang Mayla Media Co., Ltd Huayi Brothers Pictures Limited IQiyi Motion Pictures(Beijing) Co., Ltd Beijing Sparkle Roll Media Corporation Beijing Jingxi Culture&Tourism Co., Ltd All rights reserved
◼ 4 月12日(金)、新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町、 YEBISU GARDEN CINEMA ほか全国順次公開
配給:アット エンタテインメント
監督・製作:フォン・シャオガン(馮小剛) 脚本・原作:ゲリン・ヤン(厳歌苓) 音楽:チャオ・リン 撮影:パン・ルオ 編集:アン・ラカナン _ 出演:ホアン・シュエン(黄軒)、ミャオ・ミャオ(苗苗)、チョン・チューシー(鐘楚曦)、ヤン・ツァイユー(楊采鈺) 中国/中国語/2017年/ドルビー/シネスコ/135分/字幕:樋口裕子

レーティング: PG-12  (中野註:おそらく戦場のシーンの残酷さのためではないでしょうか)


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