Battle of Generosity

2019年4月17日

ノートルダムの再建のため、ケリンググループのフランソワ=アンリ・ピノーがまっさきに名乗りをあげ、1億ユーロ(126億円)を寄付。

遅れをとったLVMHのベルナール・アルノーはその2倍の額を寄付した。2億ユーロ(253億円)。

ファイナンシャルタイムズはこれを「バトル・オブ・ジェネロシティー」(善意の闘い)と名付ける。

ちなみにアルノーは現在、ウォーレン・バフェットを抜いて世界第3位の富豪。

いずれも24時間以内の行動。ただやはり、いち早く名乗りを上げたピノーの勝ちという印象ですね。いえ、勝ち負けの問題ではありませんが。

この二グループが先鞭をつけた形で、続々と寄付があつまり、現在6億ユーロ。再建に向けて世界中の技術や人が結束し、以前よりも強くて美しいノートルダムを造っていただきたいと願います。

「バトル・オブ・ジェネロシティー」から得たささやかな教訓:なんらかの行動によって世界にインパクトを与えようとするなら、スピードが勝負。「最初に名乗りを上げる」ことの価値は金額では測れない。


どさくさにまぎれ、写真は昨年Forbes の仕事で取材に訪れたケリングの本社。17世紀の病院を買い取ってリノベーションし、最先端装備を備える本社として使うなど、やはりピノーはセンスがよいと思う。

<追記>

その後も続々と富豪からの寄付が続き、マクロン大統領も修復の見通しを発表(モダンに変貌する可能性もにおわせる)。それに対し、昨年11月からデモを続けている黄色いベストの抗議運動参加者らは「不公平だ」といっそうの不満を募らせているという。

高額な寄付金は、かえって不信感をあおることになった。 「社会的な惨状には何もしないのに、わずか一晩で膨大な金を拠出できることを見せつけた」と。寄付金の一部を貧困対策に使うべきだという議論も出ている。この件はかえってフランスの分断を加速するのではないか。フランス革命直前の構図を見る思いがする。

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