長期戦になりそうな重たい空気が続いておりますが、ヴァン クリーフ&アーペルズより心がふわっと明るく軽くなるお花が届きました。

ヴァン クリーフは今年、フランスで数々の受賞歴をもつアーティスト、アレクサンドル・ベンジャミン・ナヴェを迎え、花々をモチーフにした新しいコレクションを探求していくとのことです。一瞬の躍動感の美しさを永遠に形としてとどめるのが宝石。どのようなコレクションが生まれるのか、楽しみです。

 

#VCAfrivole
#VCAaflora
#VanCleefArpels

#ThankYou

 

ロックダウンへ向かうぎりぎりの緊迫感が先週の比ではないことを肌感覚で実感します。

多様な情報が飛び交うなかですが、あわてふためいても騒いでも誰にも何もいいことがない。

社会的距離を保ちつつ、オンラインを駆使して、自分ができることを着実におこなうのがまずは基本姿勢ですね。

コンサルタント案件、大学の講義など、対面でおこなわれていた仕事はZoomになりました。これはこれで慣れていかなくては。

 

〇WWD Japan で「アパレル全史」をご紹介いただきました。こちらです

ありがとうございます。


自著は別として、読んでみたい本がいろいろ紹介されています。次は「アパレル興亡」読みます。移動が少なくなる期間は読書のチャンスととらえたい。

 

〇WWD Japan では、アクリスAi バッグへのコメントもオンライン上に掲載されました。こちらです。

 

“Reading maketh a full man; conference a ready man; and writing an exact man.” (By Francis Bacon)

Netflix で配信されているソダバーグ監督のContagion 。2011年の作品ですが、まさに現在、世界で進行中のことが生々しく描かれている。そして遠くない未来。おそらくこのままいけばこの映画のようにワクチンをめぐる闘争も起きるのだろう。

描き方もソダバーグらしく、淡々淡々と起きていることを映していくことで生々しく感覚を刺激する。ラストに持ってきた「起点らしきもの」の描き方もあながちSFとは思えず。


予言のような映画。Social Distancing の様子など、当時から9年後を見ていたかのような。

非常事態と日常は地続きで、境界線などないのだということもよくわかる。

“Somewhere in the world, the wrong pig met up with the wrong bat.”

 

 

<追記>

志村けんさんがお亡くなりになったとの報道がありました。なんと悲しく、怖ろしいことでしょうか。SF映画が刻々と現実になっていく空恐ろしさがあります。志村けんさんのご冥福をお祈り申し上げます。現在、闘病中の方々も、少しでも早く回復されますように。

「シン・ニホン」に続き、安宅和人さんの本。「イシューから始めよ」。聞いたことがあっても実態がよくわからなかったコンサル用語もバンバン出てきて勉強になるとともに、ビジネスパーソンは基礎的教養として読んでおくと互いに「今自分たちが何をやろうとしているのか」についての理解が早まり、仕事が進めやすくなる類の本。もっと早く読んでおくべきだったと背筋が伸びる思いがした。とはいえ、知的生産の方法としては、人文学の訓練でたたきこまれた「論文の書き方」にも通じるなと納得。ただ、人文学は人間の在り方にも関わるので「犬の道」的な回り道がともすると逆説的な豊かさに結びつくことがある。でもビジネスでこれをやっていると疲弊するだけ。そこが人文学とビジネスの成果主義との違いかなあ。人文学は経済的に余裕のある豊かな時代しかまともに成立しえないということ、あらためてひしひしとわかる。

以下、備忘録的なメモです。これだけ読んでも何のことやら、と思われたら本書をお読みくださいね。

・「悩む」=答えが出ない。「考える」=答えが出るという前提のもとに建設的に考えを組み立てること。

・バリューのある仕事は、イシュー度と解の質から成る。イシュー度とは、自分のおかれた局面でこの問題に答えを出す必要性の高さ。バリューのある仕事をして世の中にインパクトを与えようとするなら、イシュー度こそが大切。

・意味のない仕事を断ち切ることこそが大切。「正しい問題」に集中した「正しい訓練」が成長に向けた鍵となる。

・情報をかみしめる人、つまりさまざまな意味合い、価値、重さを正しく理解できる人。

・そもそもこれは何に答えを出すためのプロジェクトなのか、というイシューを明確に共有すること。

・よいイシューの表現は、whyではなく、where, what, howのいずれかの形をとることが多い。何について白黒はっきりさせるのかを明確にする。

・よいイシューの条件は、本質的な選択肢である。深い仮説がある。答えを出せる。

・常識を否定する=Counter Intuitive (直感に反したもの)。肌感覚の常識が反証されたときのほうがインパクトが大きい。

・新しい構造で説明する=共通性の発見、関係性の発見、グルーピングの発見、ルールの発見。

・コールドコール=知らない人に電話でインタビューを申し込むこと。

・聞き手の想定=賢いが無知。聞き手は完全に無知だと思え。聞き手は高度の知性をもつと想定せよ。

・本質的でシンプルをめざせ。「本当に大切」だけがあればよい。

・Complete Staff Work. スタッフとして受けた仕事は完遂せよ。プロフェッショナルの世界では努力は一切評価されない。すべての仕事は結果がすべてであり、結果があるレベルの価値に到達しないと、その仕事は価値を持たず、多くの場合害悪になる。人から褒められることではなく、生み出した結果によって変化が起きることが報酬。

 

時折読み返して自分の仕事をチェックするものさしとしたい。

 

“The fundamental issue is the moral issue.” (By David Attenborough)

おそらくファッションがテーマであろうと、モラルに関するイシューを見つけることができれば、領域を超えて多くの人に響くのだ。

 

婦人画報.jpの連載を更新しました。こちら

こんな時代にフォーマルウェアなんて。

なのですが。こんな時代にもこれほどすばらしいフォーマルウェアを作り続けるデザイナー、白のバリエーションをこれだけ豊かに作れる桂由美さんのようなデザイナーがいるということ。日本は誇るべきだと思います。

 

本文より一部抜粋↓

 

「世界がどのような状況にあろうと、個人の人生は続きます。人生における一生に一度の節目、かけがえのない幸福の瞬間は、丁寧に祝いたいものです。苛酷な世界の状況に無頓着でいいというわけではありません。考えなくていいわけがありません。

ただ、最悪に見える状況のなかでも、私たちは幸福を分かち合うこと、愛を育てていくこと、支え合うこと、成長することができる。そんな人間としての尊厳を、世界が苦境にあるからこそいっそう大切にしたいと思います。一生に一度の神聖な節目は、堂々と祝いましょう。大勢を招く必要はありません。感謝したいごくごく大切な少数の人たちとともに。いやむしろこの時期であれば、パートナーと二人だけ、あるいは自分ひとりだけでもいいではありませんか。新たな門出に立つことができたこれまでの努力をねぎらい、より強い未来を創る覚悟を決めるために、神聖で清らかな光を放つ白いフォーマルウェアを着て、晴れやかに祝いましょう。」

 

私には縁のなかったアニバーサリーではありますが、そのような幸せがあるということは理解できますし、心から祝福できます。だからこそ書きました。世界が祝賀自粛ムードであっても、どうぞ堂々と、アニバーサリーを祝ってくださいね。

桂由美さんの圧巻のデザインにはあらためて敬服します。

 

“We are not the same persons this year as last; nor are those we love. It is a happy chance if we, changing, continue to love a changed person.” (By Somerset Maugham)

 

読売新聞連載「スタイルアイコン」。昨日はおそらく今世界でもっとも注目を浴びる10代、ビリー・アイリッシュをとりあげました。

 

From Wikimedia Commons (Photo by Glenn Francis)

“Versace designs have always been bootlegged. Now it’s Versace bootlegging the bootleg for the bootleggers to bootleg the bootleg.”
(By M.I.A.)

感染症拡大防止対策のため、東京コレクションも中止となりました。各ブランドは動画でコレクションを配信したり、デジタルでルックブックを配信したりという形で、秋冬コレクションを発表しています。

ここ10年以上、毎シーズン、エッセイを寄稿してきたJun Ashida の広報誌JA誌も今シーズンは中止となりました。代わりにカタログブックが作られることになったそうです。

Tae Ashida 2020 AW デジタルブックはこちらから。全ルックをご覧いただけます。

ちなみに個人的にいちばん好きなルックはこちらでした。技術力が映えるレザーのボトム。上半身にクロスするレザーのアレンジもどこか戦士的で(!)今の時代感をとらえているように感じます。

メンズもことさら区別されることなくさりげなくちりばめられているのがいいですね。男性、女性、どちらが着てもいいデザインです。ことさらジェンダーを主張せず(そもそも問題にすらせず)、自分が着たいものを着ればいい、というのはまさに今のモード界の流れです。ユニリーバも履歴書からジェンダー記入欄をなくしてしまいましたが、モードが主導して社会を変えていくこの流れは今後ますます加速すると思われます。


ボリュームのあるテイラード型のダブルジャケットもゆとりのあるシルエットのボトムも、女性が着てもぜったいかわいいはず。


スポーツテイストのボトムは引き続き人気。黄色に黒ラインのスカートもあり。


社交シーンに着てみたい一着。


これもクール。着てみたい(自分が)。ほかにもショーの最前列で実際に見てみたかった作品ばかりです。素材の迫力はやはり生でないと実感できないところがあります。秋にはぜひショーが再開できるよう事態が収束していますように。

Richesse 2020 Spring 発売です。特集「スポーツで輝くハイライフ」。巻頭にて、ハイソサエティとスポーツの関係について語りました。


東京オリンピックに合わせての特集でしたが、校了後にオリンピック延期が決まりました。状況が刻々と悪化していっていますね……。

 

“Many men go fishing all of their lives without knowing that it is not fish they are after.” (By Henry David Thoreau)

 

“Sports are a microcosm of society.”(By Billie Jean King)

 

 

 

25ans 5月号発売です。カルチャー欄にて「アパレル全史」をご紹介いただきました。ありがとうございます。

沖縄行きの機内とハレクラニで読み通したのが安宅和人さんの「シン・ニホン」。

膨大な量のデータと産・官・学にまたがる圧倒的な経験から導かれた未来への具体的提言。半端ではないボリュームなのですが、とりわけ後半の人材教育の部分がうなずくことばかりで、こういう方がリーダーシップをとって日本の教育のスキームを作り直していかねばならないのだと納得。現在の日本の現状が世界と比べてどれだけ悲惨なことになっているのかも客観的にわかる。この本で出された提言をベースに、具体的な改革が進むことを切望します。

安宅さんは富山市の出身であることを知りました。なんと。

 

以下は、備忘録を兼ねて印象に残ったことのなかからメモ。

・日本は妄想では負けない(攻殻機動隊、アトム、ドラえもん……)。

・ご破算にしてやり直すことのできる力。キャッチアップのスピードの速さ。若い人に託せる信頼。不揃いな樹を組み、強いものを作る力。こうした能力を活かし、もう一度ゲームチェンジを仕掛けられる。

・未来の鍵を握るのは異人。まずは軍事教育の名残り、校則や決まりを廃止せよ。

・”If a man does not keep pace with his companions, perhaps it is because he hears a different drummer.” (By Henry David Thoreau)  「もしある人が他の人と歩調を合わせていない時があったら、きっとその人は別の太鼓の音を聴いているのだ」

・起爆人種、参画人種、応援人種、無関心人種、批判人種。起爆人種はハードコア異人。

・異人化の教えは2000年前から存在した。「狭き門より、入れ。滅びにいたる門は大きく、その道は広い。そして、そこから入っていくものが多い。命にいたる門は狭く、その道は細い。そして、それを見出すものは少ない」

・実質的な無競争区間を生み出せるかどうかが、幸せへの鍵。競争から解き放たれたとき、人も事業も自由になれる。

・運、根、勘、チャーム。

・古代ギリシアで生まれたリベラルアーツ。当時のギリシアは奴隷(非自由民)と自由民で成り立っていた。使う側の自由民に求められた基礎教養、基礎的なスキルこそがリベラルアーツ。

・空気を読む国語ではなく、文法学・論理学・修辞学の三学に。感想文ではなく、論理的かつ建設的にものを考え、思考を組み上げる構成能力を育成せよ。

・若者が未来を創るために、人間の物語を理解しておくこと。

・仕事=力×距離 (force × displacement)

・若い人へリソース配分を。「老人を生かさんがために、若い人を犠牲にするような国に未来はない」

非常に感銘を受けたので、安宅さんの「イシューから始めよ」も購入。こちらについてはまた。

〇Men’s Club 5月号発売中です。

スーツ特集のなかで、Vゾーンについて寄稿しました。

 

各国が次々とロックダウンしていき、日本にも同様の危機が迫る中でこうしたファッション記事を書いていることの意味を考え込んでしまいますが、どのような状況にあっても粛々とご依頼に応え続けることもまたプロの責務と思うことにしています。

 

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〇ザ・プリンスパークタワー東京そばの桜から見る東京タワー。刻々と世界の状況が変わっていきますが、どうかみなさまご自愛ください。

“Being your own person and standing for what you believe is a critical aspect of a good professional life.” (By Patrick Pichette)

〇 日経連載「モードは語る」から入試問題が出されました。東海大学医学部の小論文の課題に、2019年5月11日付「美徳『危険物』の時代」が使われました。受験生のみなさん、日経の連載もチェックしておいてくださいね。笑

 

〇 Oceans 5月号発売中です。「イノベーティブな働き方」(にふさわしいスタイル)をテーマにご依頼を賜り、コラムを書きました。

 

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〇 ザ・プリンスギャラリー東京紀尾井町での仕事のあとレヴィータ。ほっとする空間です。


暗くなるとLevitaの文字と桜吹雪が映し出されます。


このカウンターから見る夕暮れの景色は最高です。東京もロックダウンの可能性が出てきました。この美しい景色も、見ることができるうちにしっかり見ておこうっと。


紀尾井町の桜。6分咲きくらい。

 

“Our wretched species is so made that those who walk on the well-trodden path always throw stones at those who are showing a new road.” (By Voltaire)

サンセットシャンパンがあまりにも美味しくすすみ、部屋に戻り爆睡してしまったため、おすすめされたハレクラニホテルの夜の演出を見のがしてしまいました。火がビーチサイドの庭園のあちこちにともされ、ライトアップされて、それはそれはロマンティックな光景なのだそうです。わーん。ばかじゃないか私。いやしかし、これは次回のお楽しみということで。

さて朝は朝で散歩がとても気持ちよく、珊瑚のかけらなど拾いつつ(あとで箸置きに)海辺をかなり歩いた後、クラブラウンジの朝食です。


各テーブルには蘭がこのように繊細なアレンジをほどこされて飾られています。

アサイ―ボウル、ヨーグルト、しぼりたてフレッシュジュースなどはこうして端正に並べられ冷蔵庫に。


朝は時間帯も長めなためか、パン、焼き菓子類はこうしてひとつひとつ包まれて提供されていました。


野菜やフルーツもこのようなラップで覆われて提供されます。それはそれで安心でした。


広大な芝の手入れは、ロボットが。中央に見えるかぶとむし状の黒いロボットが、芝をきれいに整えていっています。間近で見ると、けなげに働いているさまがかわいい。


やはり度はずれたスケールのハレクラニでした。備品のドライヤーも「復元」ドライヤーだったり、カーラーも備えて貸与してくれたりと、すべてにおいて、細部までぬかりなく最高を追求していることがうかがわれました。衣類のクリーニングも頼みましたが、新品と見まがう完璧な仕上がり。唯一の不満はスパ(くどいけど。笑)。クラブフロア向けにスパのアクセスをご検討いただけば嬉しいです。

2020春の沖縄シリーズ終。

ゼニアから男性向けに新しいフレグランスが発売されたことにちなみ、J B press autograph にてビジネスエグゼクティブの香水に関する記事を書きました。

こちらです。「日本のエグゼクティブに”匂い”はあるか」

“Smell is a potent wizard that transports you across thousands of miles and all the years you have lived. ” (By Helen Keller)

 

イタリアは新型コロナの影響で生活に必要のないものの生産中止を余儀なくされておりますね。ファッションや香水なんて、「必要のないもの」の代表格でしょうか……。せめて何らかの形でイタリア製品を応援したい。がんばれイタリア。

なんだか場違い感もマックスなのですが、「社会福祉法人 富山県社会福祉協議会 富山県いきいき長寿センター」が発行するVITA No. 120 (2020年3月20日発行)で3頁にわたるインタビュー記事を掲載していただきました。

お恥ずかしながら、今の仕事に至るまでの経緯や、健康の秘訣などについて語っております。


お世話になりましたインタビュアー、カメラマン、ライター各位、そして撮影場所をご提供くださいましたザ・プリンスパークタワー東京に心より感謝申し上げます。

 

 

ハレクラニの夜は、完璧なサンセットを眺めながらシャンパンをいただく、という至福の時間を堪能しました。

クラブラウンジのテラスは、ホテルスタッフが「沖縄でもこれだけ条件が揃ったすばらしい景色を眺められるのはこの場所だけ」と言い切るほどの絶景ポイント。17時ころからすでに期待も高まるというもの。


日中は本を読むだけでお腹もすいていなかったのでほとんど食べませんでしたが、カクテルタイムのフードもすばらしい。上質な素材を使った料理がこの上なく美しく盛り付けられて供されておりました。


このようにブッフェもとくに覆いなどせず、通常のスタイルで提供されています。入り口での手の消毒は全員に促されていました。

シャンパンはルイ・ロデレール。フリーフローといっても一杯一杯、スタッフがていねいにグラスに注いでもってきてくださいます。


スタッフの制服も素敵なのです。ロングタイトのスカートながらスリットが入っており、上半身がきちんとしたテイラード。シアサッカーの涼し気な素材です。「少しでも太ったらすぐに目立つので、常に体型の変化には気をつけていなくてはならない」そうです。


日焼けをものともせず、最高のシチュエーションで、ありがたき時間。

まったく奇遇なのですが、フォーブスのお仕事を通じて知り合ったKさんご夫妻とこのラウンジで遭遇。お二人はニューヨーク旅行がキャンセルになって、3泊の予定でハレクラニ滞在にふりかえたとのこと。東京でもなかなか会えないのに、南の島でばったり会うなんて、こんなこともあるものですね。


ドラマティックで崇高な、一瞬のサンセット。こういう一瞬が人生のなかにあってほんとうによかった、としみじみ思いました。ありがとうハレクラニ。

2日目はハレクラニ沖縄泊。

どこまで広がるんだという圧倒的に広大な敷地のなかに2つのエントランス。サンセットが楽しめるサンセット・ウィングとビーチサイド・ウィング。今回はクラブレベルが研究対象でもあり、クラブラウンジのあるサンセット側に宿泊しました。

 

 

海が見渡せる開放感あふれるロビーにいきなりうっとり。

 

まったくの別天地。クラブラウンジでウェルカムドリンクをいただき、あまりにも芳しい海からの風の香りに期待値が最大になります。

館内には花もあふれているのですが、このように廊下にも蘭の花が。

オーシャンビューの広々とした部屋。エントランスからゆったり空間がとってあり、クローゼットの中でも余裕で着替えることができる、贅沢な設計です。

ベランダも広々。目の前にはダイヤモンドヘッドと海。ほかの建物が何も目に入らないという究極の非日常設計です。

バスルームからも海を見ることができます。

アメニティはハレクラニとROJAとのコラボ。オリジナルですが、とても香りがよく、上質です。
総支配人からのギフトがテーブルに。泡盛とオリジナルのお菓子。ちなみにターンダウンのときはハレクラニ柄のブックマークが添えられていて、センスのよさにうなりました。

クラブレベルではアフタヌーンティーもついてきます。和牛のハンバーガーやサーモンサンドイッチが一口サイズの超ミニチュアなのに本格的で、一品一品に感動しきり。コロナ対策としては入り口で手の消毒を促されること。このようにふつうにブッフェスタイルですが、トングなどこまめにとりかえられているようでした。

 

ちなみに、冷蔵庫のドリンク20種類くらいがすべてフリーです。

ビーチウィングへの移動は、常駐するスタッフに声をかけるとカートで送ってくれます。

オーキッドプールは残念ながらメンテナンス中で入れませんでした……。涙


永遠に見ていたい絶景…。

クラブフロアの楽しみはなんといってもスパ(温浴施設)にあると思うのですが、ハレクラニに対する唯一の不満は、スパの利用がエステ利用者に限られていること。クラブレベルのゲストには、エステの利用に関わらず温浴施設のアクセスをフリーにすべきと思うのですが。

というわけで楽しみにしていたスパが使えなかったので、ひたすら太陽の下で読書しました。機内で半分ほど読んできた「シン・ニホン」読了。この本についてはまた後日。

Switch 4月号発売中です。

特集はリック・オーウェンス。フォロワーも独特の雰囲気の方々ですが、やはりデザイナーご本人も妖しい迫力がありますね。

この人はいつも堂々とありのまま。世間が漠然と決めた美醜の基準はまったく念頭にない。そこがとてもかっこいい。この人の強さ、あやかりたい。

さて、実は執筆者としてSwitchデビューの号なのですが、ミキモト×ギャルソンのパールネックレス発売にちなみ、「男に、真珠」というコラムを書きました。日経に同じテーマで書いておりますが、ボリュームは2倍以上、より時代背景を書き込んでおります。

よろしかったら本誌にてご覧くださいませ。

 

 

また、日本実業出版社のご厚意により、Switch 今月号のご意見ご感想をお寄せくださった方の中から3名様に「アパレル全史」がプレゼントされます。詳細は、本誌P.133 にてご確認ください。

 

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ランチはリッツカールトン沖縄で。

沖縄リゾートのラグジュアリーホテルは、程よい距離感で点在しており、それぞれ1000円前後でタクシー移動できるのですね。(那覇空港までは一仕事ですが)

 

ブセナテラスから坂を上っていき、タクシーでほぼワンメーターでリッツカールトンに到着。ここは首里城ですか?!という巨大なスケールのお城のようなホテルでした。

プールの先を見下ろすと広大なゴルフ場、その先には海が水平線まで広がる。なんとすばらしい立地なのでしょうか。

それにしても人がいないので、せっかくのお城もなんというか、立派過ぎる施設を持て余しているようでもったいない……。

 

広い敷地のどこもかしこも水が流れ、この維持費はさぞかしたいへんなのではと余計な心配をしたりする。人が全然いないので、ホテルのグラビア撮影?も楽々。

レストランはイタリアンも中華もクローズド(夜のみ開店)ということで、オールデイダイニングへ。沖縄の焼きそばを注文してみました。リッツカールトンで供される地元の超高級焼きそば。シュールな体験でした。とても美味しかったです。

箸置きは、珊瑚。リアル珊瑚。インテリアも食卓回りも沖縄の美しさを洗練された形で活かしており、ムード満点でした。珊瑚のかけらはなるほどこうして使うのか。


お水のグラスもブルーの模様が入った大きめのグラス。沖縄の海を思わせます。

それにしてもこんなに人がいなくて大丈夫なんだろうか、リッツカールトン。タクシーの運転手さんは、新型コロナの影響で沖縄のホテル全体の稼働率が30%以下とおっしゃっていましたので、これほど大きな施設はひときわ閑散として見えるのかもしれません。あるいはゲストはアウトドアに出かけられて日中はホテルにいない、ということもあるのかもしれませんね。

壮麗なエントランスにはアロマがたかれておりましたが、この香りにやや違和感あり。異国情緒の演出はよいのですが、南国の香料の癖が強すぎて頭が痛くなるのです。私ならココナツ系を少し減らしフランキンセンスをやや増やし高貴で穏やかな香りをと助言しますが(頼まれてないので余計なことは言いませんが)。

すばらしい施設なだけに、ずっと建っていてほしい。早く多くの旅行者が戻ることができる時期が訪れますように。

 

日本経済新聞夕刊連載「モードは語る」。21日(土)はナオミ・キャンベルのハズマットスーツを見て連想したことを書きました。

Hazmat = Hazardous Material.  ハズマットスーツとは、危険(汚染)防止スーツのことです。

 

 

ナオミさまがどのような姿で空港に現れたか?につきましては彼女のインスタグラムなどをご覧ください。

このようなスタイルのおしゃれバージョンです。


Tyvek 社のハズマットスーツ。写真はウィキメディア・コモンズより(photo by Jarek Tuszynski. 著作権フリー)。

 

 

 

それにしても世界が新型コロナ禍に苦しむこの時期、ファッション関連の連載記事のネタを見つけるのがほんとうに厳しい。いやしかし、大震災のときだってしのいできた。今そこにある現象をどうやってモードネタに関連付け、苦境にある方々を不快にせず読み物としてご提供できるか? ひたすら想像力を絞ります。

朝日の出とともに海岸線を歩くことができるという幸せ。


砂浜のとなりはうっそうとした森。途中にお墓もあったりして、映画だったら木の向こうから何か出てくるなというような、ちょっとした怖さもある。

こういう植物と水の中で遭遇したら、なんとも幻想的でしょうね…。

やや雲の多い朝日の出でしたが、荘厳な雰囲気。

ウェルネスを謳うホテルだけあって、朝食が完璧以上。細部が徹底しており、感動しました。オレンジジュースからして、このように自分でマシンの中に入れてしぼりたてをいただけます。

野菜、ドレッシング類がとにかく充実。初めて見る野菜もあります。今回、はまった沖縄野菜が「ハンダマ」という表が緑、裏が紫の葉野菜です。中央の貝殻型トレーに入っている野菜ですね。抗酸化作用、アンチエイジング効果があるそうです。

東京ではブッフェスタイルがもう行われていないのですが、沖縄はまだこんなふうにブッフェで自由に楽しめます。もちろん、入り口でのアルコール消毒などは徹底されております。

オムレツも作りたてをもってきてくださいますが、ソースも自然の味わいで、美味しい。ハムやベーコンなどの加工肉は一切提供されず、魚料理、肉料理、すべて原材料の形がわかる料理が出されていました。さすが。食材のレベル、種類の豊富さ、ヘルシー度、料理のおいしさ、すべてにおいてハイスコアだと思います。

チェックアウトまではタラソプールで遊びました。写真禁止区間なので、ホームページでご確認ください。温海水のジャグジー迷路プールといった印象ですが、数字の順番に歩いていくと全身、温海水でマッサージできるというしくみ。サウナなどもついていて、寒ければ身体を温めることもできます。

ブセナはオリジナルのお茶やお菓子も充実しており、とりわけ「デトックス」「リラックス」系のハーブティー4種が洗練されていてすばらしい。かさばることもないので、おみやげに買って帰りました。

この後もずっと快晴に恵まれた最高の一日になりました。

 

春分の日に公開されたBirds of Prey (「ハーレー・クインの華麗なる覚醒」).

動員が見込まれる大作が続々延期となり、映画館はあまりメジャーな動員を期待できない?作品や、過去の作品のリバイバル。過去作品のなかには見逃していた傑作も多いのでチャンスと言えばチャンスですが、今の時期に新たに公開されるのは……やはりおそれた通り……。

マーゴット・ロビーの魅力だけでなんとかもったという印象。異なる立場にある女性たちが連携して男たちをやっつけるというのは最近の流行なのかもしれないが。アクションシーンはかっこいいし痛快だけど、そこにいたるストーリーがいまひとつもたつき、落とし前が完全についていないのでくすぶりが残りました。ギャグも笑えない。ややもったいない。

六本木ミッドタウンの桜。三分咲きというところ? 本格的な見ごろは来週初めから半ばくらいでしょうか?

 

ミッドタウンのリッツカールトン45階のバーからのサンセット。


天井も高く、水が流れ、人工的ですが暖炉の火もあり、ワインも美味しい。

本格的に、春が始まりますね。

カミソリ倶楽部さんのウェブサイトで「アパレル全史」をご紹介いただきました。こちらです。ありがとうございます。

 

カミソリ倶楽部は、シェービングの歴史と文化を保存しながら、現代的にアップデートし続けている組織です。

スーツの歴史は、実はグルーミング(ヒゲと髪型)とセットで語るといっそう面白くなります。ヘアメイクとドレスが切り離せないように、グルーミングとスーツも不可分なのです。

 

横浜バーニーズでもバーバーを展開するカミソリ倶楽部with ヒゲ倶楽部。

 

“A decent beard has long been the number one must-have fashion item for any fugitive from justice.” (By Craig Brown)

 

夜はブセナ本館のほうを散策。

こちらはこちらで、壮麗。

 

ライトアップされたプールや建物は絵のような夢のような。

人がほんとうにいないので、「夢か」という感覚が加速される。

 

次回は夏、泳げるときに来たい。ちなみにこの日は20度くらい。暑くもなく寒くもないのですが、泳ぐには寒いという気温。

ふと思い立って沖縄へ。まだ新型コロナが出ていない場所だし、飛行機内は換気しているので安全度が高いとのこと。仕事のためのラグジュアリーホテル研究も兼ねて、比較的空いている今はまたとない機会でもあります。

那覇空港から恩納村までのアクセスが不便であまりにも遠いのは想定外でしたが、ほぼ丸一日かけて移動した甲斐のある別世界が開けていました。透明な海とどこまでも青い空、適度に湿度のあるさわやかな空気は、やはり南国の島ですね。

初日はテラス・クラブ・アト・ブセナに宿泊。ブセナのクラブラインです。

スタッフの制服も白とベージュのコロニアル風で明るい印象。インテリアともぴたり合っています。

入ったとたんにうわーっと気分が上がるコロニアル風のゆったりしたお部屋。

ベランダでも寝そべってくつろぐことができます。どのサイドも絶景ですが、こちらからもまるでディズニーランド?という南国風の景色が堪能できて、夜はとりわけムードがありました。

 


アメニティはタルゴ。女性用の基礎化粧品はテラスオリジナルの3点セットで量もたっぷりあります。なかなかポイントが高い。唯一残念だったのが、カールドライヤー系のスタイリングギアの貸し出しがなかったこと。ヘルシーを売りにしているので、そもそも滞在中は誰も髪を巻いたりしないのか……。笑

建物は通路に風がふきぬけていく作りで、解放感は抜群。鳥まで飛びぬけていきます。

クラブフロアに固執するのは、ひたすらシャンパンフリーフローのためです! こちらではパイパー・エドシックが提供されていました。フードはいまひとつ種類も少なめでしたが、海からの風を受けながらのシャンパンは最高。

ホテルスタッフがマスクをつけていない、ということにもほっとする。入口でのアルコール消毒など万全の対策はなされていますが、そもそも人が少なく、この開けた空間ではマスクがあまり意味もなさないのではと思われました。というわけで私も久々にマスクレスで過ごして深呼吸。

 

 

本日付けの読売新聞朝刊で、「アパレル全史」をご紹介いただきました。

ありがとうございます。

アクリスのAiバッグ誕生10周年おめでとうございます。

WWD 3月16日号広告カバーにて、Aiバッグについてコメントを寄稿しました。

“women with purpose” としてご指名いただきました。光栄です。感謝します。

 

Aiは開くとトートバッグになり、畳むと台形、すなわちアクリスの頭文字Aを想起させる粋な多様性をもつバッグです。ことさらブランドを主張する威圧感がないのに、人目でアクリスとわかる建築的で遊び心のあるデザインです。

 

“Don’t be satisfied with stories, how things have gone with others. Unfold your own myth.”
(By Rumi)

古い書類を片づけていたら、あるあるなのですが、いろいろお宝の発見があって結局片付けがすすまない……。

20年前に文春新書から「スーツの神話」という本を出しているのですが、柴田元幸先生が書いてくださったレビューが出てきました。「本の話」(文藝春秋)2000年4月号。

いまだに、この本を読んだので、と新規の仕事が来るのです。ちなみに絶版で、中古しか流通していません。

続編を書きたいとずっと思っておりましたが、チャンスがないままに20年。忘れたころに、今年、リベンジの機会が到来しました。やはり熱中して向き合っていたこととは、あとになって、思わぬ形でご縁がつながっていくものなのかもしれません。

それにしても、当時の文体の勢いよさからずいぶん丸くなった気がするな。私のクセの強い文体が嫌いだという方の批判の声に引っ張られて、気弱になって書けなくなった時期がありましたからね。しかし、一方、嫌われるその文体こそが取り換えがきかないので続けてください、という励ましもいただいた。そういう方はきちんとした仕事をくださるという形で具体的に応援してくださいました。そういう方々への恩義は忘れていないし、私も、人を励ましたいときは「具体的に」仕事を分担したり役割を担っていただいたりする、ということを心がけるようになりました。

人を故意に傷つけさえしなければ、全方向に好かれようとする努力はしばしば徒労に終わる。薄まった個性は「とりかえ可能」になってしまう。

“Always be yourself, express yourself, have faith in yourself, do not go out and look for a successful personality and duplicate it.” (By Bruce Lee)

 

 

 

 

本日の日本経済新聞The STYLE で中外国島に取材した純国産ツイードの記事を書いています。

北海道ツイードの物語が始まりました。継続できるよう、ぜひ、応援してあげてください。

下の写真はChugaikunishima 1850 2020年春夏コレクションボックスです。 私もこのなかから春夏用のスーツをオーダー中です。

 

“I went to Cambridge and thought I would stay there. I thought I would quietly grow tweed in a corner somewhere and become a Don or something. ” (By Stephen Fry)

〇Voicy 荒木博行さんのbookcafe にて「アパレル全史」をご紹介いただきました。声によるレビュー。こちらです。

 

〇ロベルト・ベルガンティ「突破するデザイン」読了。私が「ラグジュアリー」についてこれまで書いてきたことと重なる部分も多く、ぼんやりと考えてきたことを言語化していただいたような感慨も深く、さらに、その実践をこのように公式化するのかと学ぶところが多かった。以下、「・」は覚えておきたいことの本文からの引用メモ(若干省略あり)、および最後に全体的な感想。

・ソリューションから、意味のイノベーションへ。意味、価値が感じられる贈り物を作れ。贈り物に意味を与えよ。

・毎日の生活の中で人々は意味を探し求めている。

・意味には3種。功利的な意味。ある行為が他者にメッセージを伝える象徴的な意味。行為の価値を表す情緒的な意味。

・生活レベルに関わらず、人間はダンス、歌、愛、そして意味の探索をおこなう。

・無限の選択肢は、解放よりも麻痺につながる。

・意味のイノベーションは贈り物として登場する。それはもともと人々が期待していないものだが、ひとたび目にすると虜になってしまう。

・私たちはよりよい性能ではなく、自分たちにとって意味深いことに心奪われる。よりよい性能を約束する人は、性能をめぐる孤独な闘いに参加する多くの人々の中で、寂しさを感じるに違いない。意味深く価値のある何かを愛する時、私たちは性能という観点で考えてはいない。私たちはユーザーではなく、人間とみなされる時に心を奪われるのである。そして永遠の愛、これが私たちが新たな意味について語る理由である。変わり続ける世界の中で、永遠の愛がやってくる。愛は分かち合いの旅である。意味は変化するが、永遠の愛は残る。

・意味のイノベーションのプロセスは、次の質問から始まる。「私たちが人々に愛してほしいものは何か?」

・批判とは、より深くものごとを解釈していく取り組み。批判は、ものごとの表層の下にあるものを掘り起こすことに努めること。

・自分の視点からの仮説を、他者からの批判にさらすことによって、私たち自身と他者は深いところに行き、私たちの仮説の基礎になっている前提を見つけ出す。その前提に、しばしば私たちは気づいていない。

・批判は、私たちを揺さぶり、前提をはっきりとさせ、もはや意味がないかもしれない過去を取り除く方法なのだ。

・スパーリングパートナー=不十分な直感を壊されることなく示すことができる信頼すべき相手。スパーリングパートナーはあなたの方を軽々と叩かないで、ハードパンチで応えてくる。それはあなたをノックダウンしたいのではなく、あなたを強くしたいからだ。

・画期的なイノベーションは批判精神によって鍛えられる。

・ラディカルサークルは、ビジョンを成長させるために必要な、建設的で共感的な相互批判に有益な環境。

・ラディカルサークルの間での信頼を創るのは、変化を志向する、共通の良き意志。共有された現状への違和感は、信頼の基礎となる。

・与えられた選択肢から選ぶことで、恋に落ちることはない。人は選択することも、選択肢を熟考することもなく、瞬間に、そして不可避に恋に落ちる。

・意味のイノベーションは深さに焦点を当てる。

・そこに愛が見えなければ、単にそれはまだ早すぎるということだ。その場合、私たちはさらに深く掘り下げて、何がうまくいかないのかを理解する必要がある。そしてビジョンを明確にし、批判によって新たな解釈をつけ足していく。新しい衝突と新しい融合を経て、意味が現れるまで、このプロセスを繰り返す。

・考えは深く、表現は軽く。

かつて80年代に、人文学の文学批評で盛んにおこなわれていたことと似たようなことが、いま、ビジネスの世界で行われているというような既視感がある。かつて「何の役に立つのだ……」とぼんやりと思いながら修行としておこなってきた文学の解釈の訓練が、おそらく、マーケティング、ないし「商品やサービスに意味を与えること」に役立つような予感がしている。

内から外へ。起点を自分に。量ではなく深さ。ただ一点の深さへ。それが永遠の愛につながる唯一の道、という考え方は、実は普遍的な真理として分野を変え、表現を変え、脈々と教え伝えられてきたものだ。

 



「新聞記者」日本アカデミー賞おめでとうございます。凱旋追加上映でようやく拝見することができました。

まさに日本で今起きている疑惑の数々を生々しく、畳みかけるように見せられる。新聞の輪転機が回っていくシーンは心臓が強く早く打つほどの緊張感で、主演の若い二人の表情にはぐいぐい引き込まれる。ラスト、これほどの「ホラー」はないのではと足がすくむ。

日本の女優がおじけづいて?出演できず、韓国のシム・ウンギョンが主演ということでしたが、ほぼノーメイクですばらしい演技。主演女優賞おめでとうございます。

受賞に関しては、やはり忖度され、報道しないメディアもありましたね。映画のセリフにあったように、いったい「誰を守っているのでしょうか?」

現在、国会で起きていることは、この映画が作られた昨年よりも事態が急速に進んでいることを示唆しているように思えてなりません。

 

北日本新聞別冊「まんまる」発行です。

連載「ファッション歳時記」、第102回『「琥珀のりんご」「龍の涎」の効き目とは』

 

“Here we are, trapped in the amber of the moment. There is no why." (By Kurt Vonnegut)

爽快で楽しい映画だった。引退してなおエネルギーにあふれているおじいさん、いい加減消えてくださいという暗黙のメッセージもよかった。

いまどきの女性たちのアクションもボンド映画かというくらいキレよく、ムダな衣裳替えも楽しく、もう最高。クリスティン・スチュワート。エラ・バリンスカ。ナオミ・スコット。エリザベス・バンクス。Love. 続編待望。

安西洋之さんの『「メイド・イン・イタリーはなぜ強いのか?』(晶文社)。

高級車、家具、ファッション、食、文具、セラミック、楽器、教育にいたるまで、メイド・イン・イタリーはなぜこんなにも特別感があるのか。セクシーでラグジュアリーなのか。その背景を個々の事例に沿って深掘りしていき、日本の中小企業が世界で戦うためのヒントも示唆してくれる。

基本になる考え方は、意味のイノベーションと、アルティジャナーレ。意味のイノベーションとは、モノやサービスそのものを変えるのではなく、それらがもたらす意味を変えること。たとえばロウソク。灯りをともすためのものではなく、ロマンティックな感情を喚起するための装置としての意味が与えられて、ロウソク市場は成長している。アルティジャナーレとは、手仕事による職人芸。この二つの要素を「メイド・イン・イタリー」の強さの源泉として具体的に解説してくれる。

イタリアのメンズファッションの強さも「意味のイノベーション」と「アルティジャナーレ」という観点から説明されると、なるほどと納得。サルトリアのジーンズやテキスタイル業界で起こっていることなど、教えられることも多い。

私の仕事にも転用できるポイント ↓

・愛が根底に貫かれていること
・あえて余白を残すこと
・「好き」という超個人的な感覚を出発点とすること
・意味を問うことにこそ意味があるということ

日本の職人技を活かしたい企業が、今後、活路を見出すには、この本で書かれているような考え方に基づいてブランディングをおこなってくことが不可欠ではないか。21世紀的な「ラグジュアリー」を考えるヒントも満載で、本書で多々引用されていたベルガンティの『突破するデザイン』もすぐに購入。

 

ファッション界のイノベーターを分析してきた観点からもあらためて思うのだけれど、イノベーターにはやはり共通することがある。どこまでも個人を出発点としており、偏見にとらわれない自由な発想、生き方を貫いているのだ。今この瞬間に向き合う現実にくもりない目で誠実に向き合うからこそ、自由に発想することができ、そこから「意味のイノベーション」も生まれるのだと思う。

“Innovation can only occur where you can breathe free.” (By Joe Biden) 「自由に呼吸できる場所でのみ、イノベーションは生まれる」

 

 

心斎橋リフォームの内本久美子さんによる2冊目の著書。

自分に最適のサイズ感を意識し続けることの大切さ、それを日々習慣づけるための具体的な方法が書かれています。読後、思わず背筋と首筋が伸びました…。たとえ誰も見ていなくても、この姿勢をキープしなくては、と思わされます。

サイズ感や、服のしわの入り方を含め全身の見え方を意識することを通して、常に自分が決めた自分の最高の在り方をキープする。そのマインドや判断力、習慣は当然、仕事のパフォーマンスとも連動してくるという考え方は、心斎橋リフォームに足しげく通っていらっしゃるお客様の顔を思い浮かべても、納得。

久美子さんは本ブログでも何度かご紹介しておりますが、Go Tailored のキャンペーンに賛同してくださった有志の一人でもあり、モードなリフォームの第一人者ながら(第一人者だから、ですね)、実はデザイナーとしてもセンスがいいのです。

イギリスをテーマとする講演やトークショーで着用している英国旗柄のドレスは久美子さんによるデザイン&制作です。そして今、ボンド映画公開に合わせたイベントのためのドレスを依頼しております。新型コロナ騒動でイベントは11月に延期となりましたが、どんなボンドウーマンドレスを作っていただけるのか、今からワクワクしています。その日まで「サイズ感」意識でストイックに過ごさねば?

有楽町の心斎橋リフォームにて。ご出版おめでとうございます。

 

“Buy clothes the size you want to wear.”  (By Karl Lagerfeld)
「あなたが着たいサイズの服を買いなさい」

カール大帝のことばは正しい。サイズは、自分で決めるもの。そこに意識を合わせて行動を習慣化すれば、おのずとそのようになっていくってことですね。(実際、彼はエディ・スリマンのスーツ、理想のサイズのスーツを着ると決めて、30キロの減量に成功した)

2月14日に伺った「マイセルーチェ」のプレゼンテーションがご縁となり、当日、講演をおこなわれた伊藤実佐子先生が院長を務める「ウェルネスクリニック銀座」へお伺いしました。

 

ウェルネスクリニック銀座は、最先端の検査を取り入れた予防医学のクリニックであるとともに、美肌治療や身体のエイジングケア、コンディショニングを「切らずに」行える頼もしい美容クリニックでもあります。

せっかくの機会なので、どきどきしながら施術を受けさせていただきました。より浸透しやすい状態にトリートメントしたあと、マイセルーチェで使われていたヒト骨髄幹細胞培養上清をエレクトロポレーションにより入れ込んでいくというプロセス。エステの強力パワーアップ版という印象。心なしか引き上がったような。

写真は、伊藤実佐子先生です。メニューはホームページにも明記してありますし、伊藤先生は納得がいくまで優しく丁寧に説明してくださるので、不安材料は取り除いていけます。

 

新型コロナ騒動で過敏になっているこの時期は、いわゆる病院はできるだけ行かないほうがいいと言われておりますが、こちらのクリニックは病気の兆候が出てから行く病院ではなく、病気や老化を予防するための措置を行う場所なので、今の時期はむしろ穴場的エステのようなイメージでとらえていただくとよいかもしれませんね。

ウェルネス、というのはヘルスとどう違うのか?と考えた時に、このことばが助けになってくれます。

“Health is a state of the body.  Wellness is a state of being. ”  (By J. Stanford)

ヘルス&ウェルネスのための日常的な習慣として、(何度か書いていますが)私はビタミンCを長年、比較的大量に摂取しています。できる予防措置は、納得しながら、可能な限り行っていきたいですね。今はとにかくKeep Calm and Wash My Hands.

 

 

 

?日経新聞の書評効果に驚きました。


昨日は一度、アマゾン全体のランキング549位というのを目にしました。3桁というのは初めてです。ずっと見ているわけではないので、たまたまここまで上がった瞬間を目にしたのかもしれませんが、驚愕です。

 

?さてKeep Calm。

本日の東洋経済オンラインで、ベルナール・アルノーの巻が公開されました。こちらです。

 

?横浜中華街の聘珍楼で免疫力アップのための(?)ランチ。いつもは予約しないと絶対入れなさそうな人気高級店ですが、休日にもかかわらず、ガラガラでした。

 

テタンジェ もつけてしっかり栄養補給。野菜のトリュフ炒めが絶妙に美味しかった。接客もすばらしく丁寧で、感動。

 

飲食店、ホテルはどこもたいへんに苦しい時期をしのいでいらしゃることと思います。私も超弱小フリーランスに等しいので苦境には変わりないのですが、可能な範囲で機会をとらえて利用したく思います。お互いに助け合ってサバイバル、がんばりましょう。

“I don’t do damsel in distress very well. It’s hard for me to play a victim.” (By Scarlette Johansson)

本日付けの日本経済新聞の書評欄で取り上げていただきました。

ありがとうございます。

 

 

日経効果が追い風となって、アパレル・ファッションのカテゴリー1位となりました。みなさまにあらためて感謝します。

 

 

 (click to amazon)

予想以上の反響があったGo Tailored Season 1.  メンバーそれぞれにテイラードスタイルに関する相談やご依頼があったばかりでなく、私が着ていたジャケット+ドレスと「同じものがほしい」という方々が何人もいらして、各所におつなぎすることができました。

(生地はChugaikunishima 1850、制作は廣川輝雄さん、デザインアイディアは中野香織です)

確実に需要が存在することを実感したので、まずは続けることも大事かと思い、Season 2を始動します。春夏もののテイラード、こんどは3ピースで新しいデザインを考案しました。フルハンドで作ってくださるのはH and Sons の廣川輝雄さん、生地はChugaikunishima 1850の2020春夏の新作から選びました。

 

完成は4月下旬、その後に撮影なのでお披露目は5月となりそうですが、働く女性のライフスタイルに沿うサステナブルで汎用性の高いテイラードスタイルのご提案第2弾、どうぞしばしお待ちくださいませ?

H and Sons を訪問したら、偶然、Go Tailored のメンバー、アリサさんとアヤさんに遭遇しました。オタクな語彙が飛び交う生地談義、とても楽しかったです。ちなみに、おふたりとも廣川さんのお弟子さんでもあります。


前方左から中外国島の宮本雄三課長、テイラー廣川輝雄さん。後方左から日高安里紗さん、中野、中里彩さんです。(私はまとめていた髪をおろして撮影、留めグセがついたままのbad hair day です。お目汚し失礼しました)

 

Precious 4月号発売です。

ラグジュアリー特集内で、ラグジュアリーの7条件を引き出してみました。

 

不要不急ごとにほっと一息つきたくなられましたらご覧くださいませ。

 

?Men’s EX 4月号で、「アパレル全史」をご紹介いただきました。

 

ありがとうございます。

年始から準備していたボンド映画関連プロジェクトが中止決定。ボンド関連原稿もお蔵入り。トークショー用にオーダーしたドレスはどこで着るべきか。がっくり落胆…。ほかにも東京コレクションはじめ諸々のイベントのキャンセルの余波が押し寄せています。「ファッション」など不要不急の最たるものという扱い。

おそらく多くの芸術関係者が同じ思いをしていますね。落胆、危機感、不安、焦燥……これが続くと絶望がまじってくる。

気をとりなおし、なんとかこの時期をサバイバルできるよう、まずは体力を整えて来るべき機会に備えましょう。

 

 



こちらは数日前のビジネスランチで驚いた一品。帝国ホテル地下のブラッスリー、村上信夫さんのレシピで、エリザベス女王が1975年に来日したときに出されたグラタンです。これがグラタン?! 同席者が頼んだのですが、とても美味しかったそうです。この時期は料理の「シェア」も憚られますね。

ブラッスリーはいつも予約しないと入れないほどの人気ですが、この日はガラガラ。ホテル・飲食業界も厳しい試練を強いられています……。

イギリス最高峰のスパークリングワイン、ナインティンバーを試飲する機会をいただきました。

ブレグジットの日、賛成派は、フランス産のシャンパンではなく、英国産のナイティンバーを開けてお祝いしたそうです。

見た目は軽やかですが、シャンパンよりもどっしりとした味わいで、飲みごたえがあります。和食にも合います。

アート風に加工してみました。笑

ナイティンバーはウエストサセックス州に位置し、英国産スパークリングワインをはじめて英国内で作ったスパークリングワイン専門のワインメーカー。

エステートの歴史は、1086年まで遡ります。王族、貴族に所有されながら、1988年に本格的にワイン醸造用ブドウの栽培がスタート。2006年、現在のオーナーであるエリック・ヘレマがエステートを購入、2007年、醸造家のシェリー・スプリッグスとブラッド・グレイトリックスの夫妻がナイティンバーに参画したそうです。理念は、Perfectly British.

 

イギリスのブドウがおいしくなったのは、地球温暖化の影響なのですよね。複雑な心境です。

 

さて、お祝いごとの多い季節。大きな式典やイベントは中止になっておりますが、個人単位でお祝いされる機会もあろうかと思います。そんなときに、思い出してほしいスパークリングワインです。

 

 

集英社クオータリーkotoba 本日発売です。


新連載「スポーツとファッション」が始まりました。第1回は「乗馬と自転車 またがる女と社会改革」です。

私の連載に関しましては、?不要不急?の読み物でございますが、本誌で特集されている「悪の研究」は今こそ必要で、おこもりの友にどうぞ。

 

高輪の日本庭園にも河津桜が咲きました。

ピンクとブルーのコントラストが澄んだ空気に映えてすがすがしい。コロナにびくびくして精神的にやられてしまうより、せめてこの瞬間は、この解放感を楽しみたい。


グランドプリンスホテル高輪のロビーにも春。ホテルはあらゆる入り口でアルコール消毒液を設置するほか換気などにも万全の対策をとっているので安心度が高い。今の時期は比較的空いていて、ほっと一息つきたいときの癒しを与えてくれます。

 

For happiness one needs security, but joy can spring like a flower even from the cliffs of despair.  (Anne Morrow Lindbergh)

「幸福のためには安全が必要だが、喜びは絶望の淵からでも生まれる。絶壁に花が咲くように」

そういえばJoy という香水は、1929年のウォール街大暴落の後、ジャン・パトゥが「パリに来ることができないアメリカの顧客に、喜びを」という意図をこめて発売したものでした。

喜びまで自粛せず、この時期を乗り切りたいですね。

?Pen でご紹介いただきました。ありがとうございます。


?「アパレル全史」よりアルマーニの巻、東洋経済オンラインに掲載されました。こちらです。

 

 

 

 

?こもりながらじっくり読むのにお勧めの本。

 福沢諭吉の『文明論之概略』。齋藤孝さん訳のちくま文庫です。そもそもなぜ日本は和服に代わってスーツを取り入れた?? 当時の人々の思いを知っておくのも大切ですね。

 

 

Midsommar.

奇祭の儀式を「体験」させるまったりしたスピード感、明るい陽射し、美しい花々、リアルすぎる音、親切で優しすぎる人々の屈託ない笑顔が怖すぎる。共同体のために個を捧げ、個の自由意思がない。でも幸せという不気味。

こんな不穏な緊張を強いられた映画は久々。この状況で映画館満席。エンディングが透けて見える娯楽映画よりも、予測できない「体験」のほうがウケるのでしょうか。トラウマになる人がいそうなので決して万人にはお勧めしない。

ホドロフスキーはなんというか、神の視点があって、おどろおどろしいシーンもそれなりにOKだったのだが、これはカルトで気持ち悪すぎた……。見た経験はしばらく尾をひきそう。

JAL機内誌SKYWARD 3月号が発行されました。

連載「私のホテル時間」Vol.4 は、「3つのホテルが囲む奥深き都心のロマンティックオアシス」。ザ・プリンスさくらタワー東京/ グランドプリンスホテル高輪/ グランドプリンスホテル新高輪です。

JALに搭乗される機会がありましたらご笑覧くださいませ。