Day 4のテーマは、「映画」。

1980年代の終わりから1990年代にかけては映画コラムの連載をいくつかもっていたこともあり、1年に300本以上映画を観ていた時期があります。

まだCGがなかった時代、映画の文法を蓮実重彦さんや山田宏一さんの本から学びました。ヒッチコックの「サイコ」のシャワーシーンでは、実際にはナイフが肌に一切触れていないにも関わらず、編集だけでいかにも惨殺されたように見せるテクニックが使われていたと知ってスローモーションにして確認したり。ヒマだったのか。「映画術」は相当読み込んだ本です。

映画コラムは滝本誠さんのデイヴィッド・リンチを語るにぴったりないかがわしく危なっかしい文体に魅了されて滝本推しの映画は全部観ていました。
CG時代になってから映画をとりまく世界も一変しましたが、2010年代の状況は、宇野維正さんと田中宗一郎さんの対談でおおよその流れがわかります。

 

このコロナ禍で映画業界も大きな打撃を受けていますね。「今週の映画ランキング」欄が延々と空白という事態がほんとうに悲しい。映画のお仕事に携わるみなさま、お辛さはいかほどかと拝察します。どうかがんばってください。

#BookCoverChallenge
#Day4
#FourBooksforFourBatons

みなさま、どうぞお健やかにお過ごしください。

Day 3のテーマは、「美と醜の境界」です。

「美」に普遍的な基準はあるようでいて、案外、時代に応じてころころ変わりうるということが歴史を概観するとわかります。絶対的不動の美というものがあったとしても、常にそれはNo.1の地位にいるわけでもなく、人は飽きて、それさえないがしろにすることがあります。(また復権するんですけどね。)

そんな「美」の歴史は「醜」の歴史とあわせ読むことで、より輪郭がくっきりとしてきます。ウンベルト・エーコ編著の大作。

また「美人」の基準となると、さらに変動激しいのですが、それぞれの時代の「美人」は必ずといっていいほど同時代社会の視線にけなげに応えている。その応え方、および応えるための涙ぐましくも時に意味不明な「美人」の努力の歴史の本。「美人」は社会の産物であることがわかります。

#BookCoverChallenge
#Day3
#FourBooksforFourBatons

みなさまどうかお健やかに、安全にお過ごしください。

Day 2のテーマは、「匂い」です。

書棚の一列分は、匂いや香水に関する本で占められています。
見えないけれどダイレクトに本能へ届き、確実に人間の行動に影響を及ぼすもの、それが「匂い」。こういうつかみどころのない相手を言語化することが、長年の課題であり続けています。

人類学者、評論家、調香師、小説家、それぞれの立場から匂いの本質に迫ろうとした本、4冊をピックアップしました。

高砂香料の調香師でもある鈴木隆さんは、「悪臭学」のほかにも匂い関連でおもしろ本を多くお書きになっています。「悪臭学」もかなり「うわ~~~」(絶句)という世界で、息を止めながら爆笑したり人間の奥深さにうならされたりします。


パトリック・ジュースキントの「香水」は映画化もされていますが、究極の香水を完成させた天才調香師が仕掛けたクライマックスとその後の末路は思い出すだけで鳥肌が立ちます。善悪の基準などはるかに超絶した、壮絶に何かを追究する人間の物語。映画版の主人公は、「007」のQのベン・ウィショー。この映画が実質的な出世作になりました。

#BookCoverChallenge
#Day2
#FourBooksforFourBatons

みなさまどうぞお健やかに、ご無事に、お過ごしください。

 

 

 

 

Facebook でのブックカバーチャレンジ。FBをフォローしてくださっていない方のために、こちらに転載していきますね。

☆☆☆☆☆

干場弓子さん、丸川夏央留さん、神山敦行さん、穂積和夫さんという素敵な4名の方々から、ほぼ同時期にバトンをいただきました。思い出していただき光栄です。ありがとうございます。

ただ、チェーンメールまがいという批判的な意見や「もう飽きた」という意見も多々、見られます。すでにウォールは本であふれ、今さら同じことをしても、内心飽き飽きなさっているかたも少なくないと思われます。

とはいえ、お声掛けいただきましたお気持ちはとても嬉しく、私なりに「ルール」を拡大解釈して7日間続けます。4本のバトン分、一投稿につき4冊。テーマを決めて、できるだけ楽しんでいただけるような投稿にしたいと思います。(もう本の表紙は見たくないという方、ミュートにしてくださいね)

一日目、テーマは「痴性」。

知的なフリするのは意外と簡単ですが、その知性がほんものかどうかは、下ネタや下世話な話をいかに品よくチャーミングに語れるかという点で判別できます。というか、語り方に本来の品性が表れます。

その意味での「痴性」がすばぬけているのが、リリー・フランキーと開高健。リリー・フランキーのエッセイはばかばかしさが最高で、読めば読むほど愛がわいてくる。表紙のボロボロぶりから愛情が本物であるとおわかりいただけるでしょう。開高健にいたっては好きすぎて帯のコピーまで書いています。ちょっとほめすぎましたが、賢いふりをする男性より100倍は信頼できます。

*もうリレーはやめよう、の声もふえたみたいなので私の番でアンカーとさせていただきます。ってなにかっこつけてんのか。

みなさま、どうかお健やかに、安全にお過ごしください。

日本経済新聞夕刊連載「モードは語る」。25日付は、「ビッグシルエットの効用」。

 

SNSでにぎわっている「ブックカバーチャレンジ」。4名のリスペクトする方々(干場弓子さん、小学館の神山敦行さん、穂積和夫先生、丸川夏央留さん)からバトンをいただき、4本バトンで始めます。とはいえ、もうみなさんすっかり飽き飽きしてきたころかと思うので、適宜ルールを独自解釈してゆるゆる走ります。


こちらは干場弓子さんがアップしてくださった「シャネル、革命の秘密」。世界観がシャネルそのまま!

 

“Do more than is required. What is the distance between someone who achieves their goals consistently and those who spend their lives and careers merely following? The extra mile.” (By Gary Ryan Blair)

読売新聞夕刊連載「スタイルアイコン」。24日付の夕刊では、NY州知事、アンドリュー・クオモ氏について書きました。

ちなみに、知事就任時に職員に配布したピンバッジがこちらだそうです。

婦人画報.jp ウォーマルウェア連載 第6回更新しました。

「ひまわり」公開50周年を記念して、ソフィア・ローレンの持続的な魅力の本質を、彼女のフォーマルドレススタイルを通して解説しました。80歳を超えても30歳代と変わらずフォーマルドレスを楽しんで人生を謳歌している稀有な女優のマインドセットを探りました。こちら

 


コロナ禍でフォーマルシーンは壊滅です。冠婚葬祭もほぼゼロ。そんな状況ですが、ハードな現実をうるおす束の間の眼福として、しばし、お楽しみいただけたら幸いです。

 

〇ニューヨークのクオモ知事が語る「Build Back Better  (BBB)」(以前よりよい復興、創造的復興)ってよいスローガンですね。本日の読売新聞夕刊連載「スタイルアイコン」は、そのアンドリュー・クオモ知事について書きました。読んでみてくださいね。

 

 

〇ある原稿の校正のプロセスで面白い発見をしました。

クリノリン(19世紀半ばの膨張スカート)が印象的に描かれたこのイラスト(著作権フリー)は何のために書かれたのか? ということを調べていたら、music sheet であることが判明。

music sheet ってなにか?と調べたら、楽譜のことなんですね。

で、このイラストは楽譜の表紙。元東京フィルにいらした松田亜有子さんに念のために聞いたら、すぐにさらなる詳細を調べてくださって、楽譜の中身は次のようなピアノ曲であることが判明。

 


クリノリン・ポルカ!

なんと。どんな曲なのかな。だれか弾いてみてください♪

 

〇イタリアのブルネロ・クチネリが事業を再開したとの朗報です。トンネルの向こうに一筋の光が見えるようです。

 

“Let it find you.  Serendipity: The effect by which one accidentally stumbles upon something truely wonderful, especially while looking for something entirely unrelated.”

 

 

〇おすすめです。シャネル公式の「ガブリエルシャネルと映画」。 シャネルと映画の関係が短い動画のなかに凝縮されて収められております。こちら

 

〇映画メモ続きです。

No. 7   The Man Who Knew Too Much (1956)  120min.

監督:アルフレッド・ヒッチコック  出演:ジェームズ・スチュアート、ドリス・デイ、ラルフ・トルーマン

「うますぎる。心拍数が上がってしまった。『ケセラセラ』の歌の使い方、アルバート・ホールに漂う緊迫感(楽譜、シンバル奏者の席、ゆれるカーテン)、大使館のドアからドアへのショット。それでいて、すっとぼけたラストシーン。もう、にくい、最高だ。ヒッチコックの頭がほしい。」(1992.11.5)

No. 8  The Graduate (1967)

監督:マイク・ニコルズ 出演:ダスティン・ホフマン、アン・バンクロフト、キャサリン・ロス

「ダスティン・ホフマンが出てくると聞いただけで貧乏くさいニューシネマを想像していたら、とんでもなく新鮮だった。ハードボイルドにニューシネマをアレンジしてくれた。ラストの数秒間のしらけた感じこそニューシネマ」(1992. 11.12)

No. 9  An Affair to Remember (1957)  106min.

監督:レオ・マッケリー  出演:ケーリー・グラント、デボラ・カー、キャサリン・ネスビット

「最後のシーン、うますぎる。涙腺ボロボロ。ケーリー・グラントがあんなにうまいなんて。セリフの展開、絵の使い方、前半の陳腐な船上シーンも美しくて許せる。それにしてもあのシーン。『その人は貧乏で、お金がなくて、そのうえ、そのうえ……(ここでケーリー・グラント、デボラ・カーがその人ではないのかと初めて気づく。そのまま次の間へ戻り、戸を開ける。鏡に映る、かの絵。ケーリー・グラント、一瞬、瞳を閉じる)』。これをメロドラマティックに音楽が盛り上げる。ケーリー・グラント、さすが。大根と思わせてあのうまさ!」(1992.11.14)

 

 

〇高校生、大学生、専門学校生でファッション史を学んでみたい方、10名さまに『「イノベーター」で読むアパレル全史』をサイン入りでプレゼントします。ご自宅にこもらざるをえないこの期間に、お役立ていただければ幸いです。ご希望の方は、コメント欄に学校名と送付先を書いてお送りください。コメント欄は承認制につき表に反映(公開)されることはありません。発送後、個人情報は私の責任においてすべてすみやかに削除いたします。先着10名様で締め切らせていただきます。書籍はもちろん新品ですが、サイン後、当方でオゾンによる殺菌処理をおこなって発送いたします。

↑ (追記)締め切らせていただきました。↑

 

“Coach said. “the quality of a man’s life is in direct proportion to his commitment to excellence, regardless of his chosen field of endeavor”.”   (By Sherman Alexie )

 

週明けから原稿4本、一つは7000字近いものだったのでぐったり消耗していたところへ、思わぬギフトが届いてエネルギーが戻ってきました。

Go Tailored でご協力いただいているテイラー廣川さんからの、高級手縫いマスク!

そして顧問先からも医療に使われる本格マスク!

この時期のあたたかいお気持ちが本当に嬉しい。ありがとうございました。

 

 

さて。約30年前の映画メモの続きです。

No. 4  Stalag 17 (1953)  119min.

監督:ビリー・ワイルダー 出演:ウィリアム・ホールデン、ドン・テイラー、オットー・プレミンジャー

「捕虜ものがこんなに面白くなるとは! 女優が全く出てこないというのに。目からうろこ。スパイ容疑がかけられたセットンがどう本物のスパイを料理するのか。あれこれ予想をたてながら見たが、ダンバー中尉を逃がす「筋」とセットンが脱走するのと、本物スパイをうまく処分するのとをみごとに収束させた手腕にはただうなる。うまい。ルビッチもそうだが、いくつかのプロットをうまく関係させながら一気に収束させドラマを盛り上げる手腕は名ディレクターの必要条件。ベティ・グレイブルのピンナップの使い方も絶妙で笑ってしまった。みごとな一作。」(1992.10.24)

 

No. 5 Foregin Correspondent (1940)  119min.

監督:アルフレッド・ヒッチコック 出演:ジョエル・マクリー、ラレイン・デイ、ハーバート・マーシャル

「見せ場が次々とこれでもかこれでもかと続く。アクション、アクション、アクション、の大戦直前ヨーロッパを舞台にした傑作。ヒコーキが墜落するシーンはコックピットにカメラをそなえつけ! 本社にニュースを伝えにいくときの巧みな芝居! 例のごとくラブ関係はとってつけたようだったが、これもご愛敬。最後はアメリカへのメッセージ。」(1992.10.26)


No. 6 Under Capricorn (1949) 117min.

監督:アルフレッド・ヒッチコック 出演:イングリッド・バーグマン、ジョセフ・コットン、マイケル・ワイルディング

「1830年頃のオーストラリア(元囚人ばかり!)を舞台にしたコスチューム・メロドラマ。みんな「いい人」ばかりで、悪役のはずのメイドのミリーも半端な悪役だから甘すぎる。ジェントルマン階級vs.下層階級の価値観というか美意識の違いをよく表すルビーのネックレスシーンはうまい。ジョセフ・コットンが貴婦人に立ち直った妻にプレゼントしようと後ろ手にかまえた手にネックレスがうつる。聞こえてくる会話は妻とマイケル・ワイルディングの『こんなところにルビーなんておかしい』という声。デコルテに首飾りは要らないのだ。ルビーのネックレスをにぎりつぶすようにして隠すジョセフ・コットン。映画に使われているコスチュームを扱ったテーマで何かできるはずだ。考えよう」(1992.11.3)

 

 

Netflix は「李泰院クラス」を見始めました。やはり韓国ドラマ、感情の揺さぶり方がすさまじい。続きを見るのがこわい。

 

 

Stay Safe. Stay Healthy.  食料品店やドラッグストアはどこも混んでいますね。必需品の買い物をするのもドキドキですが、そこで働く方はさらに不安でいらっしゃるでしょう。本当にありがとうございます。

 

“Maybe we need to shelter ourselves so we see the beautiful.” (By Joanna Coles)