Australia Fair 2020 at Prince Hotels Tokyo City Area.

ザ・プリンス・パークタワー東京の広いバンケットルームで、ソーシャルディスタンスをたっぷりとり、最大限の注意を払ってレセプションがおこなわれました。

こんなソーシャルイベントは久しぶりだなあ。やはり人に会って話をするというのは、心があたたまりますね。

500人くらいは入る部屋に、ゲストはゆったーりと80名ばかり。

テープカットセレモニーでも、登壇者の間にはプラスチックの仕切り板が。

 

モダンオーストラリアの食とワインが楽しめるフェアは、9月1日から10月31日まで。

左から総料理長の三浦さん、ザ・プリンスギャラリーのソムリエ藤永さん、そしてエグゼクティブシェフソムリエの市村さん。


久々にお会いした、世界文化社の田上雅人さん(左)と大野陽さん(右)。まったくの偶然ですが、3人ともメンズファッションの特集タイトルになりそうな「青と白のコーデ」笑。私が来ているスーツとベストはH&Sonsの廣川輝雄さん作です。3年前のスーツに今年の替えベストを合わせてみました。ポケットチーフとマスクは、ベストの背面の生地とおそろいで作ってくださいました。ベストの表地は中外国島です。テイラードは年月が経てば経つほど、組み合わせのバリエーションが増えて楽しめます。


左は、一緒に仕事をしている藤本先生です。

26日は「研究・イノベーション学会 国際問題分科会」よりお招きいただき、Zoom 講演をさせていただきました。

「アパレルイノベーター」を基に、ファッションを通した社会改革について話しました。お招きくださいました学会とご参加くださいましたみなさまに、心より感謝申し上げます。

 

今週は、現場でのコンサルの後、Zoom での長めの取材やレクチャーが複数、という日が続きます。Zoomが活用されていない時代であれば、移動時間があるので一日に1件というレベルの仕事でも、Zoomがあれば2件3件は無理なく重ねられる。海外に住んでいる人とも同時に会議ができるし、ありがたいかぎりです。現場でなければできない仕事というものも当然あり、両方、それぞれのよいところを最大限に活かして丁寧に扱っていきたいですね。

 

“Innovation can only occur where you can breathe free.” (By Joe Biden)

Men’s Club 10月号発売です。

 

特集「仕事着の常識を疑え!」 巻頭エッセイを書いております。よろしかったらご覧くださいませ。

“Common sense is the collection of prejudices acquired by age eighteen.” (By Albert Einstein)

GQ10月号発売です。「コロナが変えるモード 未来へ移行中」というコラムを寄稿しました。お時間ゆるすときにでもご覧くださいませ。

 

それにしても、BTSというグループを知らなかった。世界中で大人気なんですってね。しかしこうして表紙になった顔を見ても、区別がつかない……。

 

★★★★★

朝日カルチャーセンター新宿での講座のご案内です。

「流行を作った変革者 ファッション史を織り上げるプレイヤー列伝」。

10月3日(土)13:00~14:30。お申し込みは、こちらから。

 懐かしい英文学の授業を受けているような感覚を与えてくれる、ロマン主義時代あたりのイギリス文化史。当時の文化人などの固有名詞についていけないと厳しいところもあり、専門性も求められる印象もあるが、新しい発見、忘れていたことの再発見などがあって、勉強になった。以下は、なるほど、と感心した表現の引用です(途中省略しているところもあるので、みなさんは本書を読んでくださいね)。

・ウィリアム・ギルビンが唱えた崇高美とは。「最初に押し止められたような、また押しもどされたような何か受け容れがたい、しかし抵抗しがたい力がまず働きかけてくる。人間を卑小に弱小に思わせるような力がはたらく。『綺麗』『優美』という日にはこうした衝動力は皆無」。

・「抑圧された意識から崇高美は生じてくる。抑圧から解放される衝動がともなうからである。急な拡張、自己を運び出されるような感じ、反動、制止、制限から一気に解放される衝撃が訪れる。これが崇高な美しさであり、しばしば歓喜をともなう」。

・1780年代は歩いて移動することは身分を表していた(貧しくて階層も下)。わずか10年ほどの間に、歩くことに対して態度が180度転換した。ペデストリアン・ツアーが生まれる。「古典美をベースにした、どこかにあるはずの理想的風景、アルカディアを求めていたイギリス人に、『自然の風景が美しい』という感性の変革が起こり、古典的修養という呪縛から解き放たれて、イギリス独自のアルカディアを求める契機となった」。

・「理性を重視する古典主義から、情熱、心情を重んじ、写実よりも想像を強調するのがロマン主義。主知的で形式、均整などを遵守する古典主義に対して対極的な人間観を懐胎しているのがロマン主義。ひとことで言えばそれは人間肯定の思想であり、人間を善なる存在と見て、その人間のなかに、無限の可能性が内在しているとみる態度」。

 

“There is only one step from the sublime to the ridiculous.” (By Napoleon Bonaparte)

 ユナイテッド・アローズのクリエイティブディレクター、栗野宏文さんの初めての本。わかりやすい言葉でファッションと社会の関係を語る、ファッション愛にあふれた本です。現在の社会状況の分析も面白い。栗野さんの主観が徹頭徹尾貫かれており、それが快い。以下はとくに興味深いと思ったところの備忘録メモの一部です。正確な引用ではないので、みなさんはぜひ本書を通して読んでくださいね。

 

・バーチャルグルメ、バーチャル健康など、自分が消費するのではなく、他人が消費しているのを見て、消費の気分に乗るというだけで満たされる、それは現在の消費社会の一特徴。

・本来、モードは特権階級と非特権階級という図式に依拠していた。しかし、ファッションブログ→インスタグラムを経て、完全にフラットになった。その意味ではモードは終わった。モードに変わる言葉は、ダイヴァーシティ。

・クリエイティブなビジネスとは、パクチー(ヘイト)である。世間に出るということは、たとえ嫌われてもいいからパクチーでいようということ。

・どんな変人でも、意地悪そうな人でも辛口な人でも、本質的に人間としてまともかどうかが、一番重要。これを「トラッドマインド」と呼んでいる。根本に服に対する深い理解と愛があるかどうか。「ひとりひとりのお客様と向き合い、いつの時代も多様なスタイルに応えるということ」がトラッドマインド。

・クオリティが高かったり、飽きがこなかったり、完成な度が高くて、それ以上いじりようがない原型、それをリアルシング(本物)と呼んでいる。

・ファッションには、人間が人間として、リスペクトされるための装置としての側面がある。その人の人間性がファッションを通じて外に醸し出されていく、その手助けをするようなファッションが、今一番求められている。

・どんなにスケールの大きなビジネスでも、一番大事なことは、そこにエモーションがあるかどうか。ブランドとはエモーションの塊である。(←名言)

・おしゃれに興味を持つということは、自分ときちんと向き合うということ、自分を見つめるということ。それができる人は、他人に対しても同じようにきちんと向き合える。おしゃれとは生き方の問題であり、その本質は結局、自分が自分らしくいるかどうか。

・ファッションにおいて一番よくないのは、過剰な足し算と妥協。多くの人は人の目を気にしすぎているわりには、自分に何が似合うか本質を見極めていないし、自分と向き合っていない。

・忖度というのは批判されないための防御。リクルートスーツ、お受験スーツなどは忖度しすぎてモンスターになっている。

・日本には西洋のような階級社会がない。日本のファッションにはセダクション=性的誘惑性がない。だからユニークで面白い。

・現代日本において男の着物姿は遊び人風に見えるが、女性の着物姿にはある種の威厳、「押し出しがある」。

“It is your work in life that is the ultimate seduction. “(By Pablo Picasso)

<おまけ 過去に栗野さんとご一緒させていただいた鼎談のなかから>

 

 

 

昨日の仕事は紀尾井町でした。建物の中にいる限り、気持ちのよい絶景ですが、外は37度の熱風。

 トガッチこと戸賀敬城さんの同タイトルの本の文庫化版。ソリマチさんの表紙イラストがセンスよく決まっています。

メンズファッション上級者に向けたものではなく、ビジネスでとにかく結果を出したいという初心者向けのマニュアルです。グルーミングやヘアスタイルにいたるまで。

「スーツは三万円で買い、三年で使い捨てろ」、「傘はビニール傘でいい、困っている人にあげてしまえ」という項目など、クラシックスタイル信奉者が聞いたら怒りそうな(笑)項目もありますが、トガッチ式ライフスタイルの中においては理にかなっており、なるほどなと思わせるところがあります。こうした考え方もあるという他者への理解や、気づきにつながればよいのではないでしょうか。

巻末のビームス中村達也さんによる解説が面白い。トガッチ式ビジネススタイルの本当のキモはどこにあるのか(少なくとも服装ではない)、さりげなく明かしてくれています。中村さんが引用するヴォルテールもいい。

「彼とは意見が違うけれど、彼が意見を言う場所は命をかけて守りたい」

ファンなのかアンチなのかわからない、自身でもよくわからないという中村さん、この解説は出色です。中村さんが描きだす戸賀さんという人物像を、本書の服装術を実践する男性と重ね合わせると、ぴたりと合うのです。

やはり人あっての服装観。クラシックスタイルを貫く人にはそれなりの行動様式が染みついています。戸賀スタイルには戸賀様式。そうした視点を持って読むと味わい深いと思います。人としての考え方や行動の裏付けがないのに表層のマニュアルだけ真似してもちぐはぐになるのは、あたりまえといえばあたりまえですね。

8月25日発売です。

 

“Spectacular achievement is always preceded by unspectacular preparation.” (By Robert H Schuller)

 

 

 

 

 

TMC2日目。(TMCそのものは5日目。)朝、ブリーズヴェールで完璧なブレックファスト。オレンジジュースは本物オレンジからしぼりたて。サラダのドレッシングも、ヨーグルトも、もちろんオムレツもパンも、ひとつひとつが基本に忠実で、この上なく丁寧に仕上げられている。満足感が本当に高い。

 

ザ・プリンス・パークタワー東京は、あるベストセラー作家さんはじめ、「日常の住まい」として暮らしていらっしゃる方が何人かいらっしゃるようです。ココ・シャネルも晩年はリッツのスイートに暮らしていましたね。「レジデンス」部分ではなく、客室に住むというのがポイントです。お掃除や洗濯をすべてやってもらえるし、災害のときにも絶対安心。

さて、15日、当初、チェックアウトしてすぐ帰ろうと思っていたのですが、昼の部もよかったら、と勧められて3ステージ目を見ることになりました。

アン・サリーとパリマッチ。お二組ともTMCファミリーというか、ほぼ初回から参加しているアーチストです。アン・サリーの透明な歌声で「銀河鉄道999」を歌われると違った「星」へのジャーニーに連れていかれるような。パリ・マッチの山下達郎のカバーもセクシーでした。もちろん、オリジナル曲も。彼女たちもやはりこうして観客の前で歌えることのありがたさ、貴重さを語っていました。

結局、3ステージ、どっぷり堪能いたしました。

東京シティエリア マーケティング統括支配人の林佳代さんとTMC2020の記念写真。マスクはとても2020的なのでそのまま外さず。

TMC総合プロデユースを務めたシティエリア統括総支配人の武井久昌さんは、学生の頃から音楽志向でした。一緒にステージを拝見しながら、武井さんがつぶやいた一言。「こういう仕事がしたいとずっと思っていたんですよね」。

音楽の道をいったんあきらめてホテリエとして〇十年、海外や日本のホテルで闘い続け、6年前、ホテルで音楽フェスを開催するというアイディアを思いつき、好きなアーチストにじかに声をかけてTokyo Music Cruise をスタートさせました。当初から参加しているアーティストがファミリーのようなのは、音楽のパトロン的な統括総支配人の力も大きいのです。

若い時に、進路が望むようにいかないことがあっても、(やむをえず)進んだ道で結果を出せるよう精進すると、いつのまにか昔の夢をかなえるチャンスを作ることができる力がついていた、という鮮やかな例ですね。

昨年はTable 9でDJデビューも果たしていらっしゃいます。

アーチストにもスタッフにも観客にも、それぞれのドラマがあったTMC2020。来年はマスクなしで開催できますように。

 

  イーロン・マスクの母、メイ・マスクの自伝。72歳で引っ張りだこのモデル、「スタイルアイコン」で紹介できるかな?と思って読んでみました。

長男があのイーロン・マスク、次男がエコ・ファーマーのキンバル・マスク、長女が映画プロデュ―サーのトスカ・マスク。そんな超優秀な子供たちを育てたメイはDVサバイバーで栄養士、モデルとして、離婚後一人で奮闘してきた自由と行動力の人。

メイの両親がまたずば抜けた人たちなんだな。飛行機を所有していて、子供たちを砂漠でもどこでもたくましくサバイバルできるように育てた。いやはや強力な遺伝子の家系。

・快適さは必要不可欠なものではない。ほんの少しで用は足りる。

ほんとこれ。

難局にぶつかったときの行動や考え方、ゼロから始めなくてはいけないときの行動など、勇気づけられるヒントも多い。

とにかく地道に、結果が出るまで、忍耐強く行動し続ける。結果が出るまでやるから成功する。シンプルなようで難しいことを、いつも繰り返している。これに遺伝子の力が加わるから最強ですね。

この母にしてあのイーロンありなのか。イーロン・マスクの見え方まで変わる。

 

Tokyo Music Cruise 2020 at The Prince Park Tower Tokyo.

今年はスピンオフ版。会場を一番広い宴会場と、最上階チャペルのみに絞り、8月11日から16日の間、TMC week として開催されました。

私は14日の夜から参加。検温、チェック、消毒、ソーシャルディスタンスは徹底され、マスク必須、前列の人はさらにフェースガードまで。盛り上げるのはもっぱら拍手で。ちなみにホテルのスタッフは全員PCR検査を受けており、陰性と確認されて会場に出入りしています。

畠山美由紀富田ラボ。アーチストたちは、観客のいるステージに立つのは半年ぶりだそうで、いかにそれが貴重でうれしくありがたいことなのか、何度も何度も語っていました。

音楽も映画も芸術も、人間にとって必要不可欠なものであることは自明。ロックダウンの期間、私たちは何して過ごしていたのでしょう? 音楽を聞いたりネットフリックス見たり本を読んだり画集を見たりしていたのではなかったか? 政府が「不要不急」扱いしてほとんど見捨てたに近い形になっていたこのようなジャンルで活動している方々が、どれだけ不安をやわらげ、孤独を癒してくれたのか。支援できるときには、できる形で支援すべきではないのか。

少なくとも音楽好きのシティエリア統括総支配人はそのように思い、最大限の注意を払って開催することを決定しました。アーティストたちにも音楽好きのゲストたちにも感謝され、「リスクをとって開催して本当によかった」と思っているとのこと。

開幕前と合間の休憩時間には、シャンパンをはじめとしたドリンクや、パークタワー自慢の料理のワゴンなどがまわってきて、ゆったりと楽しむことができます。

ローストビーフや和牛の岩塩焼き、サーモンロール、キャビアなど、シャンパンにあう料理もおいしいのですが、こんな食べやすいサイズのうな丼も。

ミッドナイトライブは、Neighbors Complain . 「近所迷惑」という意味。男の子4人のバンドで、それぞれとてもうまい。佇まいの抜け感も今どきで、楽しそうな演奏に癒されました。ミッドナイトライブの会場は東京タワーが至近距離に感じられる最上階ガラス張りの会場です。12時になると、東京タワーのライトが消えるのですね。その瞬間がまたロマンティックです。

そのままパークタワー泊。もう何度も見ているはずなのに、「東京でいちばん<気>のよい場所」こと芝公園~増上寺~東京タワーが見渡せる場所に来ると、あらためてリセットされるような感覚を覚えます。コロナで経費節約のためか質を下げているホテルも少なくない中、客室のレベルがコロナ前の高いレベルに保たれていて、感激しました。

ただ、クラブラウンジだけはフードの提供をやめています。ドリンクと簡単なスナックのみ。代わりにインルームダイニングでの料理が好きな時間にサービスされるというシステムに変わっていました。こればかりは安全対策を徹底しようとすれば当面、仕方がないのでしょう。


このホテルには芝公園から湧き出る天然温泉があります。塩っぽくやや赤みを帯びた温泉なのですが、疲れはとれます。

日本経済新聞夕刊連載「モードは語る」。

本日は「クラシコ」の白衣について書きました。


取材にご協力いただいた「クラシコ」のみなさま。左上は広報の廣田さん、左下は創業者の大和新(おおわあらた)さん、右下はEC責任者の江村さんです。

 

電子版は、こちら

ありがとうございました! ますますのご発展を応援しています。

 

“Dignity, and even holiness too, sometimes, are more questions of coat and waistcoat than some people imagine.” (By Charles Dickens)

 三宅秀道『新しい市場の作り方』。

難解な用語をまったく使わず、市井の人に語りかけるようなイメージで経営学を説く。「余談の多い」経営学、と表紙にあるけれど、余談を聞きながらすいすい多様な事例を通して学べるし、その事例を起点として枝が広がるように考えさせられる。

ラグジュアリー市場に関してはやや手ごたえが薄いような印象も。でも「ステータスと仲間をつくれ」の章では、具体例を通してラグジュアリーにまつわる新しい表現というか見え方を示唆してもらった。以下は、備忘録を兼ねたメモで一言一句正確な引用ではありません。詳しくは本書をお読みくださいね。

・機能性、経済性といった科学的価値→芸術的価値→宗教的価値(あこがれの対象と自己同一化できるような感覚)

・織田信長が部下への恩賞として茶器を用いたこと。家臣は財産も手に入れ、権力も手に入れ、最後にはステータスを求めた。信長は巧妙に自らも茶の湯文化を尊んでみせることで名物である茶器をもつステータスを高めることに成功し、領地や権限以外の報酬を生み出すことに成功。

・正岡子規が東京帝国大学の学生時代にベースボールを輸入した。子規の本名「升」(のぼる)をいたずらで用いて「野」(の)「球」(ボール)→「野球」と訳されることになった。彼らに対するあこがれから野球はステータスを築き上げた。

・「ラグジュアリーブランドというのは、『華麗なるギャッツビー』、あの世界に出てくるものですね」

・デイジーの涙が、ラグジュアリーブランドという現象のどこかにまとわりつく哀しさを示している。

・大戸屋はなぜ一階にないのか? 「女のくせに自炊をさぼって外食している、と外から見る人に思われないかと心配せずにすんで助かる」 (←これには笑った。ここまで徹底的に考え抜いたブランディングだったのだ)

・ハーレー・ダビッドソンは、機能で他のバイクと競合しない。競合するのはむしろアウトドアライフスタイル。「家族の理解が得られるようになった」(ハーレーに乗っているパパがかっこいいと思われるようになった)からこそハーレーは成功した。ハーレーを乗る人たちのコミュニティ、帰属意識も満足させる。

・ハーレーに乗るライダーに「あなたは社会的階層のシンボルとして、この決して安くはないバイクに搭乗されているのですよね?」と聞いても、決して素直な答えは返ってこないでしょう。ことは人間の心のあまりにも柔らかなひだの奥に触れる話題なので、そこを意識すればこそ、ライダーたちは「いやいや、このハーレーの走りが、馬力がいいんですよ」と機能性にこだわった証言をするでしょう。商品のシンボル性にひかれたと、自分で素直に認められる方はそうはいないでしょう。(←これ、まさしく!! 人は虚栄心を認めない。この証言を言葉通りにとってモノづくりをしてはいけないのだ)

 

“God is a metaphor for that which transcends all levels of intellectual thought. It’s as simple as that.” (By Joseph Campbell)

 

 

 

北日本新聞別冊「まんまる」連載「ファッション歳時記」No. 108

「危機下での『服装の価値』です。

戦時中の貴重な資料を快くご提供くださいました「婦人画報」編集部に感謝します。

 

“This I consider to be a valuable principle in life: Do no thing in excess.”(By Terence)

 三宅秀道『新しい市場の作り方』。

難解な用語をまったく使わず、市井の人に語りかけるようなイメージで経営学を説く。「余談の多い」経営学、と表紙にあるけれど、余談を聞きながらすいすい多様な事例を通して学べるし、その事例を起点として枝が広がるように考えさせられる。

ラグジュアリー市場に関してはやや手ごたえが薄いような印象も。でも「ステータスと仲間をつくれ」の章では、具体例を通してラグジュアリーにまつわる新しい表現というか見え方を示唆してもらった。以下は、備忘録を兼ねたメモで一言一句正確な引用ではありません。詳しくは本書をお読みくださいね。

・機能性、経済性といった科学的価値→芸術的価値→宗教的価値(あこがれの対象と自己同一化できるような感覚)

・織田信長が部下への恩賞として茶器を用いたこと。家臣は財産も手に入れ、権力も手に入れ、最後にはステータスを求めた。信長は巧妙に自らも茶の湯文化を尊んでみせることで名物である茶器をもつステータスを高めることに成功し、領地や権限以外の報酬を生み出すことに成功。

・正岡子規が東京帝国大学の学生時代にベースボールを輸入した。子規の本名「升」(のぼる)をいたずらで用いて「野」(の)「球」(ボール)→「野球」と訳されることになった。彼らに対するあこがれから野球はステータスを築き上げた。

・「ラグジュアリーブランドというのは、『華麗なるギャッツビー』、あの世界に出てくるものですね」

・デイジーの涙が、ラグジュアリーブランドという現象のどこかにまとわりつく哀しさを示している。

・大戸屋はなぜ一階にないのか? 「女のくせに自炊をさぼって外食している、と外から見る人に思われないかと心配せずにすんで助かる」 (←これには笑った。ここまで徹底的に考え抜いたブランディングだったのだ)

・ハーレー・ダビッドソンは、機能で他のバイクと競合しない。競合するのはむしろアウトドアライフスタイル。「家族の理解が得られるようになった」(ハーレーに乗っているパパがかっこいいと思われるようになった)からこそハーレーは成功した。ハーレーを乗る人たちのコミュニティ、帰属意識も満足させる。

・ハーレーに乗るライダーに「あなたは社会的階層のシンボルとして、この決して安くはないバイクに搭乗されているのですよね?」と聞いても、決して素直な答えは返ってこないでしょう。ことは人間の心のあまりにも柔らかなひだの奥に触れる話題なので、そこを意識すればこそ、ライダーたちは「いやいや、このハーレーの走りが、馬力がいいんですよ」と機能性にこだわった証言をするでしょう。商品のシンボル性にひかれたと、自分で素直に認められる方はそうはいないでしょう。(←これ、まさしく!! 人は虚栄心を認めない。この証言を言葉通りにとってモノづくりをしてはいけないのだ)

 

“God is a metaphor for that which transcends all levels of intellectual thought. It’s as simple as that.” (By Joseph Campbell)

 

 

 

〇ディズニーシー、続き。

 

何度も来ておきながらここでゴンドラに乗るのは初めて。制服もおしゃれでした。

漕ぎ手のお二人、「屋根のある」汽船をうらやましそうに眺めていらっしゃいました。炎天下のお仕事、ほんとうにおつかれさまです……。

 


今回、コロナ後はじめてのシェラトングランデのクラブフロアに泊まったのですが。コロナの影響でしょうか、クオリティが著しく下がっていました。カクテルタイムに出されるものもプレートに載った一律の「給食」状のスナック。朝も「キューピー」の袋入りドレッシングとか「QBB」のチーズとか、ペットボトルに入ったウーロン茶とかが、むき出しで供される。部屋のアメニティもぎりぎり最低ラインになっており、昨年までのシェラトンであればありえなかったようなサービスの数々になっています。ガーデンプールも予約制で入れず。今年はスタッフも少なくしてソーシャルディスタンスも必要なので仕方がないというところもあるのでしょうね。制約の多いコロナ禍の状況下にもかかわらず頑張って営業してくださってありがとう。開放感があって好きなホテルのひとつなので、早く元のクオリティに戻りますように。

〇JB autograph 連載「モードと社会」第4回です。「フェイクも包摂する時代」。

 

多様性と包摂を謳うことはよいことだ、というリベラルな態度はどこまで正しいのか。リベラリズムと多様性包摂の落としどころはどこなのか。『西洋の自死』を読んでからますます考えさせられます。フェイク礼賛のこのムードもまた、どこまでOKなのだろう。

“In our lives in a lot of ways it’s all about fake. You’ve got people wanting things for fake reasons.” (By Billy Corgan)

JB autograph 連載「モードと社会」第4回です。「フェイクも包摂する時代」。

 

多様性と包摂を謳うことはよいことだ、というリベラルな態度はどこまで正しいのか。リベラリズムと多様性包摂の落としどころはどこなのか。『西洋の自死』を読んでからますます考えさせられます。フェイク礼賛のこのムードもまた、どこまでOKなのだろう。

“In our lives in a lot of ways it’s all about fake. You’ve got people wanting things for fake reasons.” (By Billy Corgan)

 

 

〇ディズニーシー 続き。

 

ディズニーこそ多様性と包摂の象徴ですね。こうして平和に多様性が共存している世界はやはり、フェイクというか架空の世界でしかありえないのかもしれません。


荒れない海。サメのいない海。汚染されない海。

ほんもののヴェネツイアを見たら「ディズニーみたい」となりそうな作り込み。

 

ラグジュアリーな男性用パンツ「TOOT」を展開するCEO、枡野恵也さんの著書。枡野さんのキャリア論、人生論が展開されます。

枡野さんもラグジュアリー研究会に途中から参加くださっています。マッキンゼーにいらしただけあって、話を始めると引き込まれます。「ラグジュアリーとはバカすれすれなのではないか?」論には思わず膝を打ちました。ルックスもユニークでロマンティスト、現在のキャリアは必然、とだれもが納得する「ラグジュアリーな」方です。著書も読むと元気が出ます。

“Without deviation progress is not possible.”  (By Frank Zappa)

 

 

〇ディズニーシーの続き。

もう何十回来ているかわからないくらいなのですが、毎回、心に響く場所が違うし、それぞれの場所に違う思い出もある。

それぞれの場所に立つと、「あの時の選択」につい思いが及んでしまいます。これまで何度か人生の岐路を分ける選択を迫られましたが、その選択は振り返ってみるとすべて、社会の価値観から見ると「損」するほうでした。

「(社会的評価基準から見ると)間違った選択」ばかり繰り返して、時折こうして、選択をした当時の心境に戻れる場に来てみると……やはりその選択を非常に後悔します。あのとき、「左」ではなく「右」を選んでいたら、「西」ではなく「東」を選んでいたら、明らかに今よりも、トクしていた人生だっただろう。

そういう後悔はあるものの、その瞬間にタイムスリップして戻れるとしたら、やはり同じ選択をしてしまうような気もします。

いつも「ワクワクする」方を選んでしまい、その先はオールアローン、自分一人でなんとか切り開いていかねばならない孤独が待っているという。「なんの経済的保証もないけど、ワクワクする」ほうを選んでしまうのは、もはや病と思われる。The syndrome of making bad choices=SMBCとか。(どこかの銀行みたいな)

しかしそういう無謀な経験をしてきているゆえに、他人の選択に対してはいろいろな可能性を客観的に示唆できる。そういう経験が今、誰かの役に立っていたりする。だからどちらでもよかったのだと思うことにしています。

この作り込みの徹底ぶりにはやはり情熱を感じます。それが確実に伝わってくる。ディズニーはやはり「人を楽しませること」を考える時のインスピレーションに満ちています。

 中央大学ビジネススクール教授の田中洋先生の「ブランド戦略論」。個々の具体例も交えながら、教科書としてブランドにまつわる知っておきたい理論が網羅されています。田中先生には、ラグジュアリー研究会にも(ズームにて)お越しいただき、ゲスト講師として貴重なレクチャーをしていただきました。多謝。ラグジュアリーの原則中の原則は、新・旧それぞれに通じるところがあり、普遍です。この分野を語る際には、ぜひ一読しておきたい一冊です。

ちなみに田中先生によるラグジュアリーの条件は以下の通り。新旧ラグジュアリーにともに通じる条件かと思います。「非日常」のみ今は少し変化しており、日常的にラグジュアリーを感じるラグジュアリーがあってもよいのではという時代になっています。

・知覚入手困難
・日常との距離=非日常
・希少
・社会的価値(他の人が良いと決めたこと)
・個人的関連性
・非有用性

「社会的価値」に関しても現在は過渡期でしょうか。他の人や権威が「価値あり」と決めたことは関係がないという人も増えてきました。

「ラグジュアリーのジレンマ」なる言葉も教えていただきました。ある程度販路を広げようとすれば希少性がなくなる。それに対する解決法も本書に書かれておりますよ。

 中央大学ビジネススクール教授の田中洋先生の「ブランド戦略論」。個々の具体例も交えながら、教科書としてブランドにまつわる知っておきたい理論が網羅されています。田中先生には、ラグジュアリー研究会にも(ズームにて)お越しいただき、ゲスト講師として貴重なレクチャーをしていただきました。多謝。ラグジュアリーの原則中の原則は、新・旧それぞれに通じるところがあり、普遍です。この分野を語る際には、ぜひ一読しておきたい一冊です。

ちなみに田中先生によるラグジュアリーの条件は以下の通り。新旧ラグジュアリーにともに通じる条件かと思います。「非日常」のみ今は少し変化しており、日常的にラグジュアリーを感じるラグジュアリーがあってもよいのではという時代になっています。

・知覚入手困難
・日常との距離=非日常
・希少
・社会的価値(他の人が良いと決めたこと)
・個人的関連性
・非有用性

「社会的価値」に関しても現在は過渡期でしょうか。他の人や権威が「価値あり」と決めたことは関係がないという人も増えてきました。

「ラグジュアリーのジレンマ」なる言葉も教えていただきました。ある程度販路を広げようとすれば希少性がなくなる。それに対する解決法も本書に書かれておりますよ。

 

〇再開後、初のディズニーシー。

薄曇りでしたが、外気温は35度。

季節に応じた花々がディズニーの魅力ですが、この日はひまわりが全開。

この日一番の目的は、ソアリン(Soaring)。いつもは5、6時間待ちだそうですが、この日は60分待ちということで、それでも私としては苦痛に感じましたが、それほどの価値というのはどれほどのものか見ておこうと思い、待つことにしました。

マーメードのセクションあたりが最後尾で、延々と海底2万マイルあたりを経由して60分。ソーシャルディスタンスを保って待つよう、係の人がひっきりなしにチェックに来ます。マスク必須でいたるところに消毒液があり、徹底して感染症対策がおこなわれています。

待っているだけでサウナ状態ですが、ANA石垣インターコンチで知ったアロマおしぼりをたくさん持参していきましたので、比較的気持ちよく過ごせました。

いよいよソアリン城へ到着。乗り場までここからさらに15分ほどかかります。笑 待つ間も退屈しないよう、きめ細やかな工夫が凝らされているあたりはさすがディズニー。

いったいどのようなアトラクションなのか、まったく予備知識なしで行ったので、このあたりからあれこれ想像をふくらませつつ。

住みたくなるほど美しい庭。

中は「空を飛ぶ」「地球を知る」ことに関する博物館のようです。

ようやく乗れたソアリンは、10分間の空からの地球の名所一巡りといった印象のアトラクション。匂いつきで、リアリティがすごかった。物理的には高く昇っていないはずなのに、脳内でおそろしい高度まで上昇 (soar)するんですね。これは優雅でスリリングな世界一周。旅行に行かなくてもこれでOKと思わせる。また乗りたいけどもう待つのは十分。

 

 

“Refuse to be average. Let your heart soar as high as it will.” (By Aiden Wilson Tozer)

 ダグラス・マレーの『西洋の自死』。500頁以上ある本ですが、具体例が多いので読みやすい。 足元がすくわれるというか背筋が寒くなるというか、明日の日本の姿かもしれない。

ファッションのニュースばかり見ていると、多文化主義やリベラリズム、寛容と多様性と包摂はとてもすばらしいことのように見える。人種差別は撤廃されるべきだと思う。ああでも、ほかならぬこの「人種差別はいけない」というリベラリズムが長期的に見て自国の文化の死をもたらしているとしたら。なんというジレンマ。複雑な問題の奥にあること、個々の具体例がもたらしていることをよく見極めておきたい。移民をどんどん受け入れるとどのような未来がもたらされるのか、日本人も西洋の実例の背後を見極めてから考えたほうがいい。個々の人に対しては、リベラルでありたい。しかし自国の文化の保全を考えることは、また別問題である。

 

〇銀座の老舗の百貨店に、ロックダウン解除後、はじめて買い物するつもりで行ってみました。かねてからひいきにしていたコーナーで、コロナ前はワンシーズンに1~2着は買っていたところです。久々に伺ってみると、新しい売り場ご担当者がいきなり「このブランドはキャサリン妃の妹さんも愛用している云々」と稚拙なブランドの解説をえんえんと始め(よりによってそのブランドの記事を書いている私に)、しばらく聞いていましたが我慢しかねた段階で「少し見せていただいてよろしいですか?」と言って商品を見始めると、「黄色は夏らしくてすてきですよね」「ストレッチが効いて着やすいですよ」などの無意味なお勧め文句を連発し始め、片時も自由を感じなかったので適当にお礼を言って退散しました。販売員のマニュアルセールストーク、あれは拷問に近いです。もっと黙ってくれていたら買うはずだった客をひとり逃がしましたね。

こういう売り方が嫌われるのでECやユニクロなどの「販売員が余計なことを言わない、なんならいない」ところへお客様が走っていたことはすでにコロナ前から明らかだったのでは? 接客をするにしても、ひとりひとり客を見て、適切な対応ができればそれはそれで百貨店販売の良さもあると思いますが、一律マニュアル対応というのはまったく時代に合っていません。コロナの自粛期間を経て何か新しい変化がもたらされているのかと思ったら、旧態依然。

他の売り場を見ても、外気温35度のこの季節に分厚いコートがずらりと並んでいたりします。誰が今買いたいと思うのか(一部の大のファッショニスタさんでしょうか)。こういう顧客のニーズや季節需要と合わない商習慣をやめようという声明が、ロックダウン中に各ブランド「本国」で出されていたはずですが、それは実現されなかったということですね。

自粛期間は抜本的に変えるチャンスでもあったはずなのに、いったい百貨店は何を学んでいたのでしょう? クローズを続けるアメリカの老舗百貨店業界の状況を見たらさすがに何か変化の手を打っていてもよかったのではと思いますが。「百貨店の自死」がもたらされる原因がいたるところに元のまま、放置されています。

 

“Quality is not an act, it is a habit.” (By Aristotle)

 

「透明人間」(The Invisible Man)。「マッドメン」のエリザベス・モス(出演作としては「侍女の物語」のほうが有名だそうですが、私にとってはそんなイメージ)が主演のサイコスリラー。

まったく予備知識なしで見たので、2時間、先の読めない展開に緊張感持続のまま引っ張られました。死んだはずの男が透明人間となってストーカーに。周囲は誰も信じてくれず狂人扱いされていく。コワ面白かったー。

観終って落ち着いてからラストシーンを思い返した時に、ああ、あれは「ミッドサマー」と同じ物語だったのだと気づきました。ヒロインの笑顔が語ることは同じことだったのでは。

” There are forms of oppression and domination which become invisible – the new normal. “(By Michel Foucault)

 

イクスピアリの映画館で、日曜の昼間、観客は5人だけ。映画館は換気がよいし、密にならないよう座席は空けて販売しています。観客も検温マスク消毒必須。にしても他の映画もガラガラ。映画に救われてきた身としては、映画産業が存続できるよう応援したい気持ちが大きいけれど、力がなさすぎてたいした貢献もできないのが虚しい。

 サンモトヤマの創業者、茂登山長市郎さんが輸入ビジネスに賭けた一生のエッセンスを語りかけるように教えてくれる。戦後の闇市から現代までの日本におけるブランドビジネスの流れも学べる。

ファッションビジネスに携わる人だけでなく、多くの人に読む喜びを与えてくれる本だと思う。情熱、勇気、情、不屈の忍耐、人との交流の妙、損してトクする商売のコツなどなど、ひとつひとつのエピソードを通して学べることが多く、長い間積読していたことを後悔した。以下は備忘録を兼ねた茂登山さん「名言」メモです。

・心に軍旗を掲げ、その旗に忠誠を誓う。

・自分に会いに来る、自分を頼りに来てくれる、そんなお客さんを何人持っているか。「お得意さん」というのは、お客さんが得意になる、お客さんを得意にさせること。

・運、鈍、根、運、鈍、根……の循環を知る。

・運がめぐってくる可能性が高いのは、夢を売る商売。実際に売り買いするのは商品だけど、その中に夢やロマンが感じられるようなものを含ませて売りなさい。

・八方ふさがりでどうにもならない時は、大事なものだけ残してすべて捨てると、運が開ける。

・売る人と買う人と商品は三位一体。美しいものを売っていると、美しいものが集まってくる。それなりの物を売っていれば、それなりの人が集まってくる。儲かったら、商品の質もお客様も、そして自分も一段高く積み上げろ。(これはホテルビジネスを見ているとよくわかる。価格を下げると客層が下がり、意味不明なクレーマーが増えてホテルのスタッフが疲弊してやめていく。逆のパターンだとホテルスタッフも客によってどんどん磨かれていくのです。)

・自分で一流と言ったらおしまい。一流になりたかったら、一流の商品を売ること、一流のお客様とお付き合いをすること。(ラグジュアリーとは他称である、という考え方とも通じますね。やたら「一流のなんたら」というタイトルがついた本は、一流とはまったく無関係です。)

・商売も「やり過ぎ」「のり過ぎ」「マンネリ」は失敗する。

・セールスとは自分のすべてを売ることであって、物を売ることではない。「お客様に信用される自分」を売ることがセールス上達の近道。

・常にクオリティを追求しろ。クオリティを高めれば新しいお客様はつくが、落としたら誰も見向きもしない。

 

サンモトヤマは結局、長市郎さん一代限りで衰退に向かってしまいました。時代の流れもありました。茂登山長市郎さんは人間力が桁外れに高く、夢をもって商いを通して時代を作り続けた人でした。

 

“People will buy anything that is ‘one to a customer.’ “ (By Sinclair Lewis)

 

“People will buy anything that is ‘one to a customer.’ “ (By Sinclair Lewis)

 

 

 

◯小浜島 続き。

夕暮れ、浜辺でシャンパンを飲むという小さい夢は叶いましたが、あいにくお天気が今一つで、途中から雨もぽつぽつ。

 

とはいえ雲が多いお天気ならではの「ロマン派的」なドラマティックな空を堪能できました。

 


誰もいない夜の浜辺は、写真で見るとキレイですが、風の音もあいまってちょっと怖い。

小浜島に星を見に来たと言ってもよいのですが、あいにくこの夜空。時折、雲の晴れ間にのぞく星空には感激しましたが。南十字星はまた次回、ということですね。

翌朝。朝日も輝かしくというわけにはいかず、ドラクロワ的。

それはそれで迫力があり、ひたすら砂浜を散歩しているうちに雲の合間からの日の出も拝むことができました。

 


 じっくり読む本というわけではない。カール大帝の鋭くウィットの効いたお言葉の数々に癒されたり笑わされたりする。どこから読んでもいいし、気が向いたときに1つ、2つじっくり味わうのもいい。装丁もきれいなので、お部屋のコーヒーテーブルブックとしても(そんなに大きくもないですが)おしゃれに決まります。

 

“The larger the island of knowledge, the longer the shoreline of wonder.” (By Ralph W. Sockman)

 

 

 

 

 

 

 

〇小浜島続き。(しばらく前の写真をアップしています)

自転車を借りて島をめぐります。全部回っても2時間で回れるという小さな島。とはいえ、アップダウンもあるので体力はかなり消耗します。

時間の流れがゆったりしている。

道の向こうには、必ず海が見える。島ならではの風景。

人には一人も会いませんでしたが、牛や羊には何度も遭遇。

気持ちがのびる……。

雲の形もドラマティック。

島には商店が1軒のみ。久々に自転車の感覚も懐かしく(高校の自転車通学以来)穏やかな時間にひたることができました。

講談社FRaU のウェブサイトで日本のラグジュアリーに関する連載が始まります。スタイリストの森岡弘さんとの対談形式です。第一回の対談はズームでおこないました。担当は吉岡久美子さんです。

アップまでしばしお待ちくださいませ。

ラグジュアリーの研究会を進めているタイミングで、別のルートからラグジュアリーに関する仕事をいただくというのは奇遇ですが、やはり今は、日本のラグジュアリー産業を真剣に考えるべきときという思いに支えられた行動があちこちで発生しているということなのかもしれません。祈ることも大事ですが、行動しなくては変わらない。

 

“Industry need not wish.” (By Benjamin Franklin)

 

 

 

 

 

〇小浜島続き。(しばらく前の仕事旅のなかから写真をアップしています)

 

キックスケーターもない(話が違う…)とのことだったので、スタッフにカートでビーチまで送ってもらいます。途中の光景は自然の栄光に包まれ過ぎてどこか「ミッドサマー」味あり。

プール越しにビーチ。パラソルの配色が白日夢。


ほぼ宿泊客だけのプライベートビーチ化してますが、人はほとんどいません。「ベニスに死す」のラストシーンを一瞬連想してしまった。

透明すぎる海。

誰もいないビーチをひたすら歩く。ときどき転がっている漂流物を見るとかえってリアルでほっとする。シュールなくらい「何もない、誰もいない」。

ビーチにしつらえられたブック&カフェ。営業しておらず、ここにもだれもいない。ここで映画を撮るとしたらなんだろう。やはり「ジョーズ」系かな。島だから「蠅の王」かな。「ミッドサマー」の海版かな。(←なぜこういうグロい系ばかり)

絵葉書になりそうな光景。

陸側にはガジュマル広場もあり。

すわったとたん、なにかの仕掛けが起動してこわいことになりそうなハンモック型のチェア(この時点でかなり、妄想はダークな方にしか働かなくなっている)。


地球にこんな時間が流れているのかと驚かされる絶景。

ベイルートの爆発。広範囲にわたり、凄惨ですね…。火薬庫に引火したとのことですが、立ち上がる雲が原爆を思わせる。100人以上がなくなり、負傷者も多数、30万人が家を失ったとのこと。コロナで経済がたちいかないこの状況で不条理極まりない事故である。あるいはテロなのか。突然に巻き込まれて命を落とす羽目になった方々の悔しさはいかばかりかと思う。ご冥福をお祈り申し上げます。

Beirut City. 2007. Wikimedia Public Domain.

折しも今日、広島に原爆を落とされて75年という日。

 

世界のいたるところに、もちろん日本にも、いつ何が起きてもおかしくない危険が潜んでいる。安全は紙一重、薄氷の上を歩いているようなものだと思う。日本では失策・欺瞞続きの行政のトップが10兆円を保留したまま危機のさなかに雲隠れ?? なぜ国会が開かれない?? 地方自治体のトップが幼稚園児のようなことを言って市場が振り回されている。スケールは小さすぎるけれど、遠景からこの光景を見るとやはり凄惨な図にしか見えないだろうと思う。

梅雨明けしたのもつかの間、明日はもう立秋ですね。暦の上では今日が最後の「夏」。暑さは続きそうですが、せめて自分の頭で考えて、納得できる行動で時間を充実させたいものです。引き延ばしは厳禁。明日はないと思って行動したい(←これは自戒)。

While we are postponing, life speeds by. (By Lucius Annaeus Seneca)

 

“Life is not accumulation, it is about contribution. ” (By Stephen Covey)

 

 

 

 

 

 

 

〇竹富島から石垣島へ戻り、小浜島へ。(しばらく前の仕事旅の写真をぼちぼちアップしています)

小浜島へのフェリーはオープンエアーで、水しぶきがふつうにかかってくる。途中、水の色が、ブルーから淡いエメラルド色へと変わる場所がある。鮮やかな水の色の変貌には目を奪われる。


小浜島。

星野リゾート リゾナーレ小浜島のお迎え車に乗り、ホテルまで。途中、延々とさとうきび畑が広がる。
リゾナーレの敷地入り口からもさらに長い長いアプローチ。当初は口コミ評価の高い「はいむるぶし」に泊まることが目的だったのですが、星野が7月オープンと知って、「最新の」リゾートホテルの状況を知るために急遽、こちらに変更。


フロントのある棟。部屋はいくつもの棟に分かれており、各部屋、各施設へ向かうためにはカートでの移動が必須。移動のたびにいちいちスタッフを呼ぶのもしのびなく、パンフレットにあったキックスケーターをお願いしましたが、この日はすでに全部貸し出し中で、「ない」とのこと(じゃあ、書かないでほしい)。 スタッフも少ないのか、後に何度か、フロントに電話をかけてもかけても誰も出ず、移動がまったく不自由だと思ったことしきり……。これは想定外でしたので、小浜島に行かれる方はあらかじめ移動手段を確認しておいたほうがよさそうです。

 


7月リニューアルオープンということでしたが、建物全体は旧いままで、アートを壁に張って新鮮味を出しただけ?  写真だときれいではありますが、根本的なところが旧いままで、全体に山荘特有の匂いが漂っています。そもそもウェルカムドリンクなどの配慮もまったくなくて、到着してすぐ水も飲めない。アメニティもぎりぎり最低限のビジネスホテル並み。タオルも並の品質で最低限の枚数以下。いくら物の移動が不便な小浜島といえども、東京の5☆ホテル以上の強気の料金をとるならばもう少しゲストへの配慮があってもよいのでは。


ベッドルームも、少し戸を開けると虫やヤモリがすかさずはいってくるので要注意。まわりがブッシュなので当然と言えば当然です。ただ、クローゼットを開けるといきなり「ゴキジェット」が出てきて、これもリゾートホテルとしてはいかがなものなのか。見えないところに置いておき、スタッフから一言なにか声をかけて注意を促すとか、いくらでも方法はあるはず。さらに、私が支配人であればこの環境ならゲストを守るために「網戸」に相当するものをつけるかなあ。


ベランダの手すりにさわると手が汚れる。この時点で、初志貫徹しなかったことをかなり悔やみ始めました……。


遠くに海が見えますが、軽井沢の山荘にいるような感じです。このブッシュにしても、敷地内だけでも多少、手入れすれば見晴らしがよくなるし、虫も少なくなるだろうに、なぜジャングルのままなのか。島だからこその野趣がいい、という意見もあろうかと思いますが、ANA石垣の手入れがあまりにも行き届いていたので、対照的な印象。

翌日の朝食も、某ビジネスホテルにも及ばない。そもそも朝なのにブラインドを開けない暗い部屋にゲストを通すという感覚は何だろう。一品一品が安易で、そもそもフルーツが皆無というのはいったい。物流が悪いから、という事情を最大限に考慮しても、価格とサービスの内容があまりにも釣り合わない。チェックアウトのときも、ゲストをひとからげにしているゆえのスローな対応で、さすがに「これはないのでは」という問題が度重なりすぎでした。

リニューアル直後でスタッフの対応が追い付かないということはあるのかもしれません。今後の改善とご発展に大いに期待いたします。

ブランドの評判と価格で期待していただけに、落胆が大きかったので珍しく辛口連発で失礼しました。しかし、「私が総支配人だったらこうする」のアイディアがむくむく出てきたのでその意味では刺激になりました。このリゾートホテルの名誉のために言うと、感染予防対策は徹底されておりました。当方ももちろん、アルコール消毒、マスク、必要な場での手袋、公共の場所にあるものをむやみにさわらない、パーソナルディスタンス、できるだけ話さないを常時、徹底しています。

次回は小浜島のスペクタクルをアップしようと思います。

 

ラグジュアリー産業を考えるときに知っておきたい組織の続き。

イタリアのアルタガンマ財団、フランスのコルベール委員会に相当するイギリス版の組織が、ウォルポールです。

1992年創設。イギリスのラグジュアリセクターを統括する非営利組織です。250以上の英国ブランドが所属しています。イギリスの経済にとってラグジュアリービジネスが占める割合は極めて大きく、ウォルポールがこのセクターを守り、発展させることに貢献しています。

前記事でちらと触れた、フランスのコルベール委員会も初めて聞くという方のために。

コルベール委員会とは。1954年にジャン=ジャック・ゲラン主導のもと創設されました。コルベールの名前は、17世紀のジャン=バティスト・コルベールに由来します。

ジャン=バティスト・コルベールは、1661年にルイ14世の財政管理をし、王室の建物、美術品、製造品の管理をおこなっていた役人です。世界にフランスの技術力を広めることに貢献しました。外国の技術を取り入れながら手工業の創設を奨励したり、海軍の拡張や 港の整備に尽力したりすることで、フランス製品の輸出を強化しています。

コルベールはまた文化人でもあり、ローマにアカデミー・フランセーズ、パリにコメディー・ フランセーズを設立しました。

そのように、現在のフランスのブランド産業、フランスのイメージの基盤を作ったともいえるコルベール氏の名に由来するのが、コルベール委員会というわけです。1954年当時のメンバーは15ブランドでしたが、今日では81ブランドが メンバー。創設当初から、フランス独自の技術と美意識を体現し、13の分野にわたり、フランス流 「美しい暮らし」を象徴しています。

こうしたコルベール委員会に匹敵するものが、日本にもあればと思う所以です。「クールジャパン」はまったく違うものになってしまいました。サブカルではなく、ラグジュアリーを束ねることで、日本の産業も文化もしかるべきステイタスを帯びていくのではないでしょうか。

 

 

Truthful words are not beautiful; beautiful words are not truthful. Good words are not persuasive; persuasive words are not good. (By Lao Tzu)

 

 

 

 

〇竹富島。(しばらく前の仕事旅の写真をアップしています。今現在の状況だったらとても伺えなかった。)

石垣港から高速フェリーで10分ほどにある島です。

竹富島の海の水は、石垣島以上に透明度が高い。

ザ・南国。

ハンサムな水牛がひく牛車にのって島内めぐりをしました。


水牛くんのヒップ越しに町を見る。竹富島はサンゴ礁が盛り上がってできた島で、水などはとなりの石垣島からひいてくるのだそうです。


住んでいらっしゃるのは代々、土地を受け継いできた方々。「よそものには売らない、というのが基本姿勢です」とガイドさんは言いながら、新しく進出してきているリゾートホテルへのさりげない批判を。この意味がほんとうにわかったのは、翌日のことでした。


30分もあれば町の中を一周できるという小さな島。ハイビスカスが咲き誇り、バナナが実る美しい別世界でした。


出航まで時間があったので、グラスボートに。広いボートを貸し切り状態でした。水がきれいなのでサンゴ礁の細部までじっくり見ることができました。

ガイド兼ボートの運転手(という表現でいいのか?)が超ベテランで、どこにボートを止めるとどの魚が見えるのかを熟知しているのですね。たとえばニモことカクレクマノミが住んでいるイソギンチャク。近辺には4家族のカクレクマノミがいて、そのうちの一家族には今年1月に赤ちゃんが生まれた、という事情まで熟知していらっしゃるのです。各家族が住むイソギンチャクの上にぴたーっと正確に停止していくのです。このプロ精神には畏れ入りました。


あまりにも魚がいないときには、わざわざ餌をまいてきれいな魚を呼んでくださいました。

EMA『エマ、愛の罠』。オンライン試写で鑑賞。

              ©Fabula, Santiago de Chile, 2019 


舞台はチリ。不能の夫。放火。養子。消防士。その妻の弁護士。レゲトンダンス。どのように収束していく話なのかまったく予想がつかなかったのですが、最後にああ、そういうことだったのかとブラックなユーモアにニヤリとさせられます。

全編をレゲトンの音楽、ダンスが彩ります。レゲトン(Reggaeton)とは、80年代~90年代にアメリカのヒップホップの影響を受けたプエルトリコ人によって生み出された音楽。Reggae +ton (スペイン語で「大きい」の意味)。

新感覚のレゲトン系ファムファタール・ミュージカルと呼べるでしょうか。

予告編です↓

 

 

” There is no such thing as a moral or an immoral book. Books are well written, or badly written. ” 「道徳的な本というのも不道徳な本というものも存在しない。傑作または駄作があるだけだ」(By Oscar Wilde)

 

★10/2 (金) 新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷、ヒューマントラストシネマ有楽町、kino cinéma立川髙島屋S.C.館ほか 全国公開

★監督:パブロ・ラライン
★出演:マリアーナ・ディ・ジローラモ  ガエル・ガルシア・ベルナル  パオラ・ジャンニーニ  サンティアゴ・カブレラ  クリスティアン・スアレス
★フィルムデータ:2019年/チリ/スペイン語/107分/カラー/シネスコ/5.1ch
★レイティング:R-15+  ★配給:シンカ  ★公式サイト:http://synca.jp/ema

 

ラグジュアリーを学ぶ過程で必出する「アルタガンマ財団」とは。

アルタガンマ(財団)とは、デザイン、ファッション、食品、ジュエリー、自動車、ホスピタリティの各分野の企業で構成されるイタリアの高級ブランド業界団体です。フランスのコミテコルベール(コルベール委員会)と同様の機能を果たします。アルタガンマの意味は「ハイエンド」、その名の通り、ハイエンドを扱います。

アルタガンマ財団の設立は、1992年。国際的に卓越しているイタリアのブランド、およびイタリア企業を保護するために設立されました。イタリアの産業とそれを支える伝統文化を促進するという貢献をしています。 含まれる企業は、革新性、品質、サービス、デザイン、名声、すべてにおいて高く評価されている文化的価値・起業家精神や哲学をもった企業ばかりで、単なる高級品のアイコンではありません。

日本のラグジュアリー産業全体を国際レベルで戦えるようにするには、まずはこのような組織が必要なのですね。

 

 

“We are what we repeatedly do. Excellence, then, is not an act, but a habit. ” (By Will Durant)

 

 

 

 

〇ANA Intercontinental Ishigaki Resort の続きです。(しばらく前の仕事旅の写真をアップしています)


日の出前の海岸。

いつどの角度から見ても新鮮な美しさのある庭園。

クラブインターコンチネンタルの朝食は、控えめに言ってもここ数年で食べた朝食のなかでピカ一のレベルだった。フレッシュフルーツ、シャルキュトリ、野菜、チーズ、ペストリーはブッフェ形式。感染症予防対策は万全にとられていました。

それとは別に、メインが各自でオーダーできるのですが、出色は「和食」。夜の料亭で出てきそうなフルコース級の和食で、これには感動を通り越して言葉も出ない。一品一品がすべて意味をもち、洗練されています。

和食についてくる卵焼きとデザート。

クラブラウンジ専用の贅沢な「景色」となっているプール(泳いでいる人をあまり見かけなかった。そもそもゲストも少なく、密になる場面も皆無)。

予想をはるかに超えたすばらしいホテルでした。ただ、残念だったことは、去り際の対応。帰り際の印象というのは滞在全体を左右するだけに、ここはちょっと「?」でした。


まだできたばかりの新しい棟&サービス形態なので、今後の改善に期待し、いっそうのご発展をお祈り申し上げます。

CSVとは。Creating Shared Value (共通価値の創造)。

CSVとは、社会価値と経済価値を両立する経営戦略のこと。企業が社会課題に取り組み、社会に対して価値を創造することで、経済的な価値がともに創造されること。社会の持続可能性だけを重視するわけでもなく、従来の資本主義にもとづいた企業利益だけを優先するわけでもない。
両者を両立したサステナブルな企業経営のあり方。
本業がそのままCSVになれば万々歳なのだが。それを実現している数少ない日本の企業があって、そがファーストリテイリングである。というなかなか興味深い話。NewsPicksの会員限定なのですが、もし会員でいらしたらお読みになってみてください。こちら。

“The ultimate value of life depends upon awareness and the power of contemplation rather than upon mere survival.” (By Aristotle)

コロナ禍を「サバイバル」して(まだ終わってはいませんが)、口では「価値観が変わる」とか変化がとか言いながら、以前とちっとも変わっていない人が多い気がする……。「覚醒」して行動やあり方を変えた人はどのくらいいたのだろうか。

 

 

 

 

〇ANA Intercontinental Ishigaki Resort の続きです。

夕方5時からカクテルタイムが始まります。ドリンクはシャンパーニュ(ペリエ=ジュエ)はじめ、各種ワイン、スピリット、カクテルがフリーフロー。


スタッフの制服も、美しいのです。男性は、コロニアル風シャツとミドル丈のパンツ。そして海をイメージさせるマスク。

女性は波と自然からヒントを得てデザインされたドレス。ホテルのインテリアにシックにとけ込み、リゾート感を演出してくれます。

ブッフェ形式ではなく、「アミューズ」「野菜」「スペシャル」「フルーツ」などいくつかのカテゴリーがあり、それを注文するとプレートに載ったお料理を運んでいただけるという方式。全部、順番に頼むとフルコースの料理をいただくことになります。お腹の具合に応じて、適宜、なにかをスキップしてほしいものだけいただけるというのはありがたいですね。フードロスにもつながります。

しかもお料理ひとつひとつのレベルが超高い。一口、一口、意味のある作り込みがおこなわれており、感動しました。サービスも丁寧で言うことなしのクラブラウンジです。

夕暮れの景色。

夜の海も澄んでいます。

石垣の夕陽。神々しい……

プールサイドも夕暮れはところどころで火がともり、ドラマティックに変貌します。


夜空には星。一晩中、睡眠を妨害しないゆるやかなBGM。

〇ラグジュアリーの勉強会は引き続き活発におこなわれております。

こちらは、勉強会主催者の安西洋之さんによる「パーソナリゼーション」の真の意味を考える論考。ネットでなにか買い物をしたら「あなたへのおすすめ」が次々でてきて、げんなりすることは多々ありますよね。ああいうマスマーケティングによる「パーソナリゼーション」はラグジュアリーの分野では無視します。年代、階層はまったく関係がない。ほんとうのパーソナリゼーションが与える幸福感について、もしよかったらお読みになってみてください。こちら。

 

“When we seek to discover the best in others, we somehow bring out the best in ourselves.” (By William Arthur Ward)

 

 

 

〇ANA Intercontinental Ishigaki Resort 続き。

クラブインターコンチネンタルは朝食、アフタヌーンティー、カクテルがフリーで含まれています。アフタヌーンティーから感動の連続。ホテルコンセプト「波と自然」にそったセイボリーとスイーツが、すてきな三段トレイ+アルファに乗せられて運ばれます。

魚の形をしたスコーン。クロテッドクリーム、ジャム、はちみつも一ひねりを加えた本格派。

マンタをかたどったチョコレート。波をイメージしたお皿にのせて撮ってみました。

隣接するクラブ専用のプールが常に視界に入り、リゾート感を盛り上げてくれます。

スパは本館のプールに隣接。

本館のプールも延々と続く広さ。場所によって形を変えるので飽きさせません。


時間があればカバナで半日ぐらい過ごすのも寛げそうですね。ここでシャンパン片手に洋書など読んでたらインスタ映え抜群でしょう(笑)。洋書の上下が間違っていないように気をつけよう。

 

〇(しばらく前の仕事旅行がらみの写真をぼちぼちアップしています) 石垣島では7月にオープンしたばかりのANA Intercontinental Ishigaki Resort のベイウィングのクラブフロアに滞在。目を見張るラグジュアリーリゾートでした。


別ウィングの作り方、フロントの作り方などは、ハレクラニ沖縄を意識しているのかな? とも感じる。


部屋のベランダから見える景色はどこどこまでも夢のよう。見下ろすとクラブラウンジ専用のプール。かなたにはエメラルド色の海。クラブインターコンチでは24時間心地よいBGMが流れていました。夜空は星がまばゆく、下を見ればライトアップされたプールにBGM。なんという演出。


家具、ファブリック、アメニティ、食器類、ドライヤー、どれをとっても、とにかくすべてが「ベスト」「最新」尽くし。


ティーセットも南部鉄器。ティーバッグはTWG。冷蔵庫の中身も、カトラリーも、グラスも、すべて最高峰でおしゃれ。感動するレベルです。

支配人からのメッセージとプレゼント。クラブフロアのゲストには日傘がプレゼントされるのです。手書きのメッセージに心があたたかくなります。


ナチュラルな木のイメージ×波のイメージを生かした館内(廊下)のインテリア。お部屋の鍵にいたるまでデザインにそのコンセプトが生かされています。

各階のエレベーター前には、個包装のマスクと、アロマウェットシートが。使い放題です。このアロマシートがあまりにも気に入ったので、即、アマゾンで購入しました。ラベンダーがお勧め。

 


マエサトビーチへの期待を盛り上げるアプローチ。

この標識のセンスのよさったら。

かぎりなく透明な海がどこまでも。


本館へと続く庭園も徹底的に演出がほどこされており、飽きさせません。

 

” The love of heaven makes one heavenly.” (By William Shakespeare)