〇講談社FRaUにて、日本の新しいラグジュアリーを発信する連載が始まります。

予告編はこちら。

こちらはFRaUの8月号、SDGs特集です。SDGsの初歩から最先端の具体例を学べます。

 

〇上記のラグジュアリーとは別の路線での、社会改革と結びついたラグジュアリー研究会も引きつづき盛り上がっており、昨日、ZOOMにて第3回目が開催されました。第3回目のテーマは「ロマン主義」。ラグジュアリーにはロマンティシズムが欠かせないだけでなく、すべての「新規なイノベーション」がテクノロジーですぐに追いつかれ、平準化されてしまう現代においては、個人の情熱を起点とするロマン主義的経営に向かう一択しか生き残りの道はありえないのではないか? という視点をほぼ全員が共有していました。ビジネスプランナー、経営者、コンサル、メディア編集長ら10人による2時間半を超える白熱議論。公開できる機会が訪れましたら、ぜひ、聴いてみてください。


Wanderer above the sea of fog. by Caspar David Friedrich. 1818.  (from Wikimedia Commons)

 

読売新聞夕刊連載「スタイルアイコン」。

山本寛斎さんについて書きました。感謝と敬意をこめて。

 


日本人に眠るバサラな美意識の原点? 縄文の火焔土器。写真はウィキメディア・コモンズより。

Australia Fair 2020 at Prince Hotels Tokyo City Area.

ザ・プリンス・パークタワー東京の広いバンケットルームで、ソーシャルディスタンスをたっぷりとり、最大限の注意を払ってレセプションがおこなわれました。

こんなソーシャルイベントは久しぶりだなあ。やはり人に会って話をするというのは、心があたたまりますね。

500人くらいは入る部屋に、ゲストはゆったーりと80名ばかり。

テープカットセレモニーでも、登壇者の間にはプラスチックの仕切り板が。

 

モダンオーストラリアの食とワインが楽しめるフェアは、9月1日から10月31日まで。

左から総料理長の三浦さん、ザ・プリンスギャラリーのソムリエ藤永さん、そしてエグゼクティブシェフソムリエの市村さん。


久々にお会いした、世界文化社の田上雅人さん(左)と大野陽さん(右)。まったくの偶然ですが、3人ともメンズファッションの特集タイトルになりそうな「青と白のコーデ」笑。私が来ているスーツとベストはH&Sonsの廣川輝雄さん作です。3年前のスーツに今年の替えベストを合わせてみました。ポケットチーフとマスクは、ベストの背面の生地とおそろいで作ってくださいました。ベストの表地は中外国島です。テイラードは年月が経てば経つほど、組み合わせのバリエーションが増えて楽しめます。


左は、一緒に仕事をしている藤本先生です。

26日は「研究・イノベーション学会 国際問題分科会」よりお招きいただき、Zoom 講演をさせていただきました。

「アパレルイノベーター」を基に、ファッションを通した社会改革について話しました。お招きくださいました学会とご参加くださいましたみなさまに、心より感謝申し上げます。

 

今週は、現場でのコンサルの後、Zoom での長めの取材やレクチャーが複数、という日が続きます。Zoomが活用されていない時代であれば、移動時間があるので一日に1件というレベルの仕事でも、Zoomがあれば2件3件は無理なく重ねられる。海外に住んでいる人とも同時に会議ができるし、ありがたいかぎりです。現場でなければできない仕事というものも当然あり、両方、それぞれのよいところを最大限に活かして丁寧に扱っていきたいですね。

 

“Innovation can only occur where you can breathe free.” (By Joe Biden)

Men’s Club 10月号発売です。

特集「仕事着の常識を疑え!」 巻頭エッセイを書いております。よろしかったらご覧くださいませ。

“Common sense is the collection of prejudices acquired by age eighteen.” (By Albert Einstein)

GQ10月号発売です。「コロナが変えるモード 未来へ移行中」というコラムを寄稿しました。お時間ゆるすときにでもご覧くださいませ。

 

それにしても、BTSというグループを知らなかった。世界中で大人気なんですってね。しかしこうして表紙になった顔を見ても、区別がつかない……。

 

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朝日カルチャーセンター新宿での講座のご案内です。

「流行を作った変革者 ファッション史を織り上げるプレイヤー列伝」。

10月3日(土)13:00~14:30。お申し込みは、こちらから。

 集英社文庫の担当者さんが「驚くほど売れている」とおっしゃっていたので買ってみました。50代、60代女性向けのファッション指南本です。

イラストもおしゃべりも楽しく、なるほどなるほどという指摘も多々。実際、表参道や青山には、ライダースにコンバース、モードなショートヘアのかっこいい女性が大勢歩いていらっしゃるので、こうした感覚は共有されているのだなとわかります。

ただ、これはこれで自分のキャラを無視してまねるとつらいことになるのかもしれない。何歳であっても、自分の好みを適度に貫くことができて、他人に気持ちを向ける余裕がある「引き算のあるおしゃれ」が好感度を与えるように思う。

大人な世代のお洒落に関し、湯山玲子さんが日経新聞の「なやみのとびら」欄にて的確な表現で書いていらっしゃいました。(8月22日土曜日)

「おばさん一人がおしゃれなカフェに入ったときにありがちな『軽く軽蔑が入るか、無視に近い店員の視線』が自分への興味と尊敬に変化する瞬間が、おしゃれの本格的な一歩です」

「閉じた人間関係の中だけでなく、真の他人に感動すら与えるおしゃれを目指しましょう」

“People don’t buy for logical reasons. They buy for emotional reasons.” (By Zig Ziglar)

 懐かしい英文学の授業を受けているような感覚を与えてくれる、ロマン主義時代あたりのイギリス文化史。当時の文化人などの固有名詞についていけないと厳しいところもあり、専門性も求められる印象もあるが、新しい発見、忘れていたことの再発見などがあって、勉強になった。以下は、なるほど、と感心した表現の引用です(途中省略しているところもあるので、みなさんは本書を読んでくださいね)。

・ウィリアム・ギルビンが唱えた崇高美とは。「最初に押し止められたような、また押しもどされたような何か受け容れがたい、しかし抵抗しがたい力がまず働きかけてくる。人間を卑小に弱小に思わせるような力がはたらく。『綺麗』『優美』という日にはこうした衝動力は皆無」。

・「抑圧された意識から崇高美は生じてくる。抑圧から解放される衝動がともなうからである。急な拡張、自己を運び出されるような感じ、反動、制止、制限から一気に解放される衝撃が訪れる。これが崇高な美しさであり、しばしば歓喜をともなう」。

・1780年代は歩いて移動することは身分を表していた(貧しくて階層も下)。わずか10年ほどの間に、歩くことに対して態度が180度転換した。ペデストリアン・ツアーが生まれる。「古典美をベースにした、どこかにあるはずの理想的風景、アルカディアを求めていたイギリス人に、『自然の風景が美しい』という感性の変革が起こり、古典的修養という呪縛から解き放たれて、イギリス独自のアルカディアを求める契機となった」。

・「理性を重視する古典主義から、情熱、心情を重んじ、写実よりも想像を強調するのがロマン主義。主知的で形式、均整などを遵守する古典主義に対して対極的な人間観を懐胎しているのがロマン主義。ひとことで言えばそれは人間肯定の思想であり、人間を善なる存在と見て、その人間のなかに、無限の可能性が内在しているとみる態度」。

 

“There is only one step from the sublime to the ridiculous.” (By Napoleon Bonaparte)

 ユナイテッド・アローズのクリエイティブディレクター、栗野宏文さんの初めての本。わかりやすい言葉でファッションと社会の関係を語る、ファッション愛にあふれた本です。現在の社会状況の分析も面白い。栗野さんの主観が徹頭徹尾貫かれており、それが快い。以下はとくに興味深いと思ったところの備忘録メモの一部です。正確な引用ではないので、みなさんはぜひ本書を通して読んでくださいね。

 

・バーチャルグルメ、バーチャル健康など、自分が消費するのではなく、他人が消費しているのを見て、消費の気分に乗るというだけで満たされる、それは現在の消費社会の一特徴。

・本来、モードは特権階級と非特権階級という図式に依拠していた。しかし、ファッションブログ→インスタグラムを経て、完全にフラットになった。その意味ではモードは終わった。モードに変わる言葉は、ダイヴァーシティ。

・クリエイティブなビジネスとは、パクチー(ヘイト)である。世間に出るということは、たとえ嫌われてもいいからパクチーでいようということ。

・どんな変人でも、意地悪そうな人でも辛口な人でも、本質的に人間としてまともかどうかが、一番重要。これを「トラッドマインド」と呼んでいる。根本に服に対する深い理解と愛があるかどうか。「ひとりひとりのお客様と向き合い、いつの時代も多様なスタイルに応えるということ」がトラッドマインド。

・クオリティが高かったり、飽きがこなかったり、完成な度が高くて、それ以上いじりようがない原型、それをリアルシング(本物)と呼んでいる。

・ファッションには、人間が人間として、リスペクトされるための装置としての側面がある。その人の人間性がファッションを通じて外に醸し出されていく、その手助けをするようなファッションが、今一番求められている。

・どんなにスケールの大きなビジネスでも、一番大事なことは、そこにエモーションがあるかどうか。ブランドとはエモーションの塊である。(←名言)

・おしゃれに興味を持つということは、自分ときちんと向き合うということ、自分を見つめるということ。それができる人は、他人に対しても同じようにきちんと向き合える。おしゃれとは生き方の問題であり、その本質は結局、自分が自分らしくいるかどうか。

・ファッションにおいて一番よくないのは、過剰な足し算と妥協。多くの人は人の目を気にしすぎているわりには、自分に何が似合うか本質を見極めていないし、自分と向き合っていない。

・忖度というのは批判されないための防御。リクルートスーツ、お受験スーツなどは忖度しすぎてモンスターになっている。

・日本には西洋のような階級社会がない。日本のファッションにはセダクション=性的誘惑性がない。だからユニークで面白い。

・現代日本において男の着物姿は遊び人風に見えるが、女性の着物姿にはある種の威厳、「押し出しがある」。

“It is your work in life that is the ultimate seduction. “(By Pablo Picasso)

<おまけ 過去に栗野さんとご一緒させていただいた鼎談のなかから>

 

 

 

昨日の仕事は紀尾井町でした。建物の中にいる限り、気持ちのよい絶景ですが、外は37度の熱風。

 トガッチこと戸賀敬城さんの同タイトルの本の文庫化版。ソリマチさんの表紙イラストがセンスよく決まっています。

メンズファッション上級者に向けたものではなく、ビジネスでとにかく結果を出したいという初心者向けのマニュアルです。グルーミングやヘアスタイルにいたるまで。

「スーツは三万円で買い、三年で使い捨てろ」、「傘はビニール傘でいい、困っている人にあげてしまえ」という項目など、クラシックスタイル信奉者が聞いたら怒りそうな(笑)項目もありますが、トガッチ式ライフスタイルの中においては理にかなっており、なるほどなと思わせるところがあります。こうした考え方もあるという他者への理解や、気づきにつながればよいのではないでしょうか。

巻末のビームス中村達也さんによる解説が面白い。トガッチ式ビジネススタイルの本当のキモはどこにあるのか(少なくとも服装ではない)、さりげなく明かしてくれています。中村さんが引用するヴォルテールもいい。

「彼とは意見が違うけれど、彼が意見を言う場所は命をかけて守りたい」

ファンなのかアンチなのかわからない、自身でもよくわからないという中村さん、この解説は出色です。中村さんが描きだす戸賀さんという人物像を、本書の服装術を実践する男性と重ね合わせると、ぴたりと合うのです。

やはり人あっての服装観。クラシックスタイルを貫く人にはそれなりの行動様式が染みついています。戸賀スタイルには戸賀様式。そうした視点を持って読むと味わい深いと思います。人としての考え方や行動の裏付けがないのに表層のマニュアルだけ真似してもちぐはぐになるのは、あたりまえといえばあたりまえですね。

8月25日発売です。

 

“Spectacular achievement is always preceded by unspectacular preparation.” (By Robert H Schuller)