プリンスホテル東京シティエリア2020ブリティッシュ・フェアのカルチャー部門セミナー、「変わりゆくラグジュアリー」。12月5日(土)16:00 ~17:30、ザ・プリンスギャラリー東京紀尾井町にて、予定通り開催です。

安心・安全のためのプリンスガイドラインにしたがった対策が徹底的におこなわれております。最終的な打ち合わせに行き、プロフェッショナルな配慮の数々に納得してまいりました。どうぞご安心のうえ、道中、お気をつけてお越しください。

刻々と変わりゆくギャラリー最上階からの夜景、料理長自らセミナーのために考案した軽食(分量は軽いものの内容は豪華)、お飲み物、おみやげつきで、激変するラグジュアリーの最前線をご紹介します。

詳細・お申込みは、こちらから。

こちらはホテルのロビー。明日からはクリスマスツリーも入り、ドラマティックが加速します。

「サライ」にご協力したこの記事を見て、テレビの番組制作者の方から何度もお問い合わせをいただきます。民放からも、NHKからも。

クイズ番組や「へ~っ」と思わせる番組では、「ビニール傘は日本で発明されたんだよ」というストーリーがウケるのだと思われ、「これ(=ビニール傘は日本のホワイトローズ社が発明した)は事実といって間違いないのか?」という問い合わせをいただくことになるのでしょう。

いちおう、日本の傘業界ではそのように周知されており、ホワイトローズ社のHPでもその旨を書いています。どこからも反証はなく、今に至りますし、私も反証するつもりなど毛頭ありません。

ただ、昭和女子大学経由でお問い合わせをいただいて大学にご面倒をおかけしたり、あまりにも「まちがいないですね?」と念押しされたりするので、いちおう、私の見解を書いておきます。

 

ホワイトローズさんはまず、ビニールの傘のカバーを作りました。1953年ごろから。
ビニール傘の完成形が世に出たのが1958年。

一方、イギリスのフルトンの創業が1956年です。フルトンは女王陛下のビニール傘でも知られていますね。

このころ、ニューヨークで大ヒットしている鳥かご型ビニール傘「バードケージ」はフルトンのもの。

ですから、何をもってビニール傘とするかによって微妙です。
傘のカバーをビニール傘に入れてしまうなら、記録がある日本が初でよいのではないでしょうか。ただ、完成形をもって「初」とするなら、フルトンの初期の記録も徹底的に調べる必要があるかと思います(ブランド創世期の記録はあいまいだったり、残っていなかったりすることも少なくありません)。

 

これ以上の断言は今のところできかねます。1956年から58年の間に、ビニール傘が新しいものとして世界で同時多発的に広まっているという状況が想像できるのみ、というところ。どうしても厳密に知りたい、という場合、傘の研究をご専門になさっている方にお伺いすればさらに詳しい状況がわかるかもしれません。

 

 

 

集英社クオータリー「kotoba」2021年冬号、12月4日発売です。

連載「スポーツとファッション」。<スポーツと政治>がファッションになった事件を扱いました。

特集は司馬遼太郎。amazonでも予約が始まっております。

 

 こちらはイギリス学の学徒にお勧め。すでにベストセラーですが、安定の君塚直隆先生による『悪党たちの大英帝国』。

 

 

 こちらは伝説の名著の復刻日本語訳版。ニック・コーンの『誰がメンズファッションをつくったのか?』。わくわくしますね。近日中にレビューを書く予定です。

静かな会食なるものが笑いのネタになっておりますが。

最近、複数の方から偶然に同じような質問をいただきました。「男性のドレスコート指定のクリスマスパーティーにお招きいただいたが、女性は何を着たらよいのか?」と。

年末のパーティーに関しては、広い会場でフィジカルディスタンスを保つ、着席にするなどの注意を払ったうえで開催するところも少なくないのですよね。

で、ドレスコードの質問をいただくのです。「ダークスーツでお越しください」という指定がある場合、あるいは「カクテル」と書いてある場合、女性は何を着たらよいか?と。

質問をくださったそれぞれの方には、会場も主催者も趣旨も異なるので、別の回答をしたのですが、一般論として、私の考えを書いておこうと思います。

「ダークスーツ」指定、「カクテル」指定、(いずれもほぼ略礼装)というのはいちばん悩むところかもしれませんね。主催者がどなたか、会場がどこか、他にどのような出席者がいるのか、あなたの立場はどのようなものなのかで、まったく考え方は変わってきます。

主催者および趣旨、会場のレベルや規模、他の出席者を考慮して、「浮かないことを第一にしたい」ということであれば、上半身が華やかなブラウスとアクセサリーをメインに据えたコーディネート(今ではパンツスタイルもありです)、またはワンピースドレスが鉄板です。ドレスアップに慣れないようであれば、靴だけでも普段とは異なる華やかな靴にする。そうすれば、主催者に対しても他の出席者に対しても失礼になることはありません。

会場がホテルのボールルームのようなところであれば、照明に映える生地やアクセサリーを考え、「ちょっとやりすぎかな?」と思うくらいのドレスアップをしてちょうどいい、ということが多いです。暗いのにシャンデリア照明、という独特の光のもとでは、光を受ける生地やアクセサリーがないと、浮かないどころか沈み込んでしまいます。笑 何度も書いておりますが、「迷ったら格上」ですね。カジュアルダウンで、会の雰囲気をもり下げる失礼よりはましです。

上はいずれも「浮かない」人でありたい、という時の考え方。会場の照明を考えることは、けっこう重要。

私は、あくまで趣旨や参加者などの状況によっては、ですが、「記憶に残る人」であることを選ぶことがあります。「目立つ」ことと「記憶に残る」ことは全く違います。準備には相当のエネルギーを要しますが、どうせ同じ時間を過ごすなら、浮かない努力をしたあげく忘れ去られるよりも、同じ時間を過ごした方々の記憶に残るための努力をしたほうがいい、と考えます。いずれにせよ、会の成否を決めるのは参加者なので、どういう形であれ、自分の存在そのものが否応なく何らかの貢献になっているという自覚をもっておきたいものです。

くどいですが、すべての状況を考慮して、「浮かない」ことを優先するか、「記憶に残る人になる」ことを優先するか、自分のありかたを自分で決めて対応します。(そこまでは他人が助言できません)

 

いずれにせよ、この時期はマスクも必須だと思いますし、名刺交換に代わる挨拶も臨機応変に考えたほうがいいですね。面倒と思えば、今の時期ならあっさり欠席という返事をしても失礼にはならないと思います。ただこの時期にあえて開催しようという主催者は相当の覚悟と準備をしていると思うので、欠席と返事される場合はそれなりのフォローをするとよいと思います。

感染症予防に最大限の注意を払って、それぞれの納得のもとに、年末のよきシーズンをお過ごしください。

 

 

 

 

お仕事ついでに日比谷公園。あじさいの季節にゆっくり訪問したことはありますが、秋に訪れるのは初めてかもしれません。

ヨーロッパのような雰囲気。

 

赤・黄・緑のみごとな共演。

この季節の陽の光は澄んでいて柔らかい。

霞が関・日比谷のビル街に囲まれているというのも日比谷公園特有の景色を形づくっています。

右にちらと見えるのは松本楼。テラス席は満席でした。

水に映る光景で美しさ二乗。

 

 

10歩、歩くたびに違う表情になる。

 

 

樹齢の見当もつきません……

秋の薔薇。風に吹かれてよい香りがあたり一帯に漂っています。ひときわ強い薔薇の香り。

なかにはテニスコートあり、図書館あり、音楽堂あり、池も複数あり、レストランやカフェも数軒あり。広くて贅沢な公園です。紅葉はまさに今、見ごろ。人の少ない平日の午前や、2時、4時、といったレストランも空いている時間帯がよさそうです。

箱根は近場でもあるので数えきれないくらい訪れているのですが、実は「観光」なるものをしたことがありませんでした。ロープウェイにも乗ったことがなかったので、混雑が予想される前の9時台に初挑戦。ほとんど誰もいないのですんなり乗れました。(降りて帰ってきたら10時台ですでに行列。少し時間をずらすだけでまったく違う環境になるのだな。)

 

かなりの急勾配をのぼります。実は紅葉が見たいと思って乗ってみたのですが、箱根の山の上部はもう終了でした。冬の枯れ木が広がるのみ。それはそれでよき景色でした。

 

大湧谷では火山ガスが激しく噴き出しています。

というか、このガス、かなりゴンドラの中まで入り込んできます。帰途には、緊急放送が入り、「火山ガスの濃度が危険なレベルに達したので非常用の箱から酸素ボトルを取り出して身を守ってください」と。緊張しました。酸素ボトルを取り出したはいいものの、使い方がわからず。もたもたしているうちに危険領域を通過し、なんとか生還できました。酸素ボトルはビニールを外してしまったのでおみやげにお持ち帰り。

 

崇高な感覚というのは、こういう感覚を言うのかなという澄みきった絶景。

写真で見ていると幽玄ですが、遠くから見ると、ゴンドラがガスに包まれているのがわかる。

火山ガスが噴出しているということは、火山が生きているということなのですよね。

強羅に戻り、バス待ちの間に紅葉狩り。

 

とにかく混まない場所、人がいない時間、を狙っての移動だったのでおそらく観光ビジネス的にはすべてが異例づくしの時間だったと思います。でもおかげで密な状態にある時間が皆無という、比較的安全な移動ができました。帰途のロマンスカーは早い時間だったので一車両に一組という貸し切り状態。

感染症拡大予防のためには、全員、家にこもっているのが理想。でも、旅行業界で働く人たち(私もその一端にいます)はいったいどうやって生計を立てろというのでしょうか。政府が延々と末端まで補償してくれるでもなし。

旅行をすべて自粛とするのではなく、分散型にするというのも一つの方法ではないでしょうか。場所も時間帯も、集中しないように、散らす。それが可視化できるようなアプリか何かを開発する。今のところ私は、早寝早起きができることを活かし、人がいない時間に移動することに極力努めています。

グループ旅行でついおしゃべりがはずむという状況を避け、できるだけ一人旅または言葉が少なくても意志の疎通のしやすい人同士ふたりぐらいで行動し、大声ではしゃがないようにする。消毒はこまめに徹底。そのように細心の注意を払って合理的に、冷静に、感染防止を心がけていくことで、旅行業界に与える打撃も小さくできるのではと思います。

御殿場アウトレット調査。出していないのは、シャネル、ヴィトン、エルメス、ディオールくらい。あとはほぼ全ブランドがアウトレットに参戦している。クチネリまで。ドルガバも。なにをやらないかを徹底できるというのは、逆にすごいことなんだな。

Hyatt Regency Hakone.

朝も美しい日の出と出会うことができました。

 

朝日に映える、夕陽に映える、というのは重要な条件ですね。

 

2階から見下ろした中庭。

説明不要の絶景。

昨年は朝食ブッフェのあまりのすばらしさに心底感動したのですが、今年はセットメニューとなり、これで3800円(⁺税)というのは、いかがなものか? 夕刻のシャンパンフリーフローのサービスがあまりにもすばらしいのでそれと相殺して仕方ないかなと思えるのですが、そうじゃなかったら……。

混まないうちに早々にチェックアウト。時節柄、人の多い場所や時間は極力避けて通ります。

総合的に、やはりとても居心地のいい大好きなホテルです。足りないものはサウナと露天風呂くらい。また状況がよくなったら、夕刻のシャンパンタイムだけのためにでも訪れたい。

ほぼ一年ぶりのハイアットリージェンシー箱根。

やはりここは最高です。お部屋の使い勝手もすばらしく、ハイテクすぎることなく、何のストレスも感じないように品よく配慮されています。和風温泉のいいところ(浴衣で過ごせる)を取り入れつつ、基本はホテル。純和風旅館特有のサービスには実はかえって気疲れをしてしまうこともあるので、干渉されないこのスタイルがもっとも寛げます。ラウンジでサービスされるシャンパンをはじめとしたフリーフローも、このホテルならでは。

ゆったりとした配置で、ゲストが変わるごとに徹底的な消毒。感染予防対策が万全になされていることも安心です。

暖炉前でいただくハイカロリー食……。別格のおいしさです。

本物の火なので、薪が燃える香りにほんのりと包まれます。

感染防止に合理的な最大限の留意をしつつ、お世話になっているホテル業界を微力でも支えながら、心身の健康を保つ努力をしていきたいものです。

都心の休日の快晴の朝というのは、新鮮です。いつもとは違う世界。

道路を挟んで右側が緑豊かな皇居。左側が大手町のオフィスビル街。朝は皇居ジョギングの方も多く、ホテルとしては本当に恵まれた立地です。

見上げるとこんな。34階から39階までがフォーシーズンズ。

 

スパも別格です。スパのフロントは何気なくショップになっているのです。ホテルで使われているバスローブやヴェトモンのTシャツなども売っていて、インテリアかと思えば小さく値札があるというさりげなさ。

暗闇で光るゴージャス。

朝の光を受けるプールがすばらしい。奥にはテクノロジーを駆使したエナジープールもあり。

そして温浴施設。東側を向いているので、なんと入浴しながら日の出を見ることができます。スカイツリーのおまけつき。大手町からの日の出なんて想像もしなかった。(オープン直前の時間に、スタッフの許可を得て撮影しています)

スパオープン直前の6:30ごろ。12月になってもっと日の出の時間が遅くなると、ビル群から上る日の出のドラマをじっくり楽しめるのでは。

 

フィットネスも快適です。目の前に広がる景色がすばらしすぎて、ランニングマシン画面の海外風景の映像も不要なくらい。

いつもお世話になっている日本経済新聞社のビルも眼下に。見下ろしちゃってごめんなさい。

手前に皇居が広がり、奥の方に富士山が見える。

朝食前のロビー。

アメリカンブレックファストのコースでは、こんな意識の高いサラダも選べます。スモークサーモンとアボカド、チーズ、ナッツ……。オムレツやソーセージではコレステロールが気になるという方はこういうヘルシーサラダがありがたいですよね。

昨晩、満室で行けなかったピニェートのテラスです。

祝福されている場所だなあ。次回は夜のアペロ、しっかり予約していきたいものです……。

 

フロントロビーの天井画。思い切った「和」のイメージに不意打ち。

インテリア、ホスピタリティ、空間設計、アメニティの選択と配置、グローバルホテルのローカリゼーション、あらゆる要素の最先端を学べました。

今年オープンで評価の高いホテルのひとつ、フォーシーズンズホテル大手町に宿泊してみました。


いつもお世話になっている読売新聞東京本社の斜め前にそびえたつビルの39階がフロント。1階のエントランスの期待感から39階でエレベーターを降りた時の高揚まで、もう最初からけた違いでやられました。

フロントは日本語がネイティブではないスタッフが多かったのですが、親身な対応。

皇居側の眺めはすばらしく、広い広い皇居の奥に沈む夕陽の美しさときたら。

室内は一つ一つの調度品、お茶、冷蔵庫内、すべてが超一流品で選び抜かれ、考え抜かれており、完全に敗北を味わうレベルです。笑 だってアメニティにしてからがフレデリック・マルですよ? 最愛ブランドのひとつ、マルのアメニティ。パリのホテル・ルテシアのアメニティがエルメスだったとき以来の衝撃です。ボディローションをたっぷりつければ香水不要で全身まろやかにマルの「マグノリア」が香ります。なんという幸せ。

サービスの山椒のおせんべいも洗練の味わい。


宿泊したら必ずリクエストする女性用の基礎化粧品セットは、なんとなんと、カルトゥージア。修道院ブランドで、ここの「メディテラニア」は永遠の定番なのですが、化粧品も作っていたとは。通なセレクションのすばらしさに言葉を失いました。というかもうこれはレアすぎて使えない。持って帰る。いったい何のためにリクエストしたのか。笑

とにかく5stars は軽く超えているレベルであることを見せつけられるホテルです。中も、外も、これまでの5 stars のスタンダードを塗り替えるのではないか。

ライブラリもため息ものです。

ピニェートでアペリティーボをと思っていたのですが、満席で入れない。予約しなかったのが悪いのですが、なんだかなあ。そりゃあ、話題のレストランとなれば仕方ないですね。

ホテル内の施設では飲めないということになり、せっかくの快晴の夜なので、徒歩圏内にあるパレスホテルまで遠征しました。

ここの6階にあるプリヴェは週末の夜でも意外に入れます。眺めは絶景、サービスは5 stars 級で、期待以上のおもてなしをしてくださって、ほっと寛げます。写真は1970年代にコンテストで優勝したオリジナルカクテル、「エルメス」。洗練の余韻が続く、飽きないおいしさです。お料理もおいしい。

金曜の夜でしたが、窓際のロマンティックな席はずらりと女性の二人連れで占められていました。最近は珍しくなくなった光景ではありますが、おそらく日本特有なのでは。

 

それにしても徒歩圏内にシャングリラもアマン東京も東京ステーションホテルもペニンシュラも帝国も、なんならフォーシーズンズ丸の内も星のやもある。この時代に、この激戦区で、すべて経営が成りたつというのはすごいことなのでは。