プリンスホテル東京シティエリア2020ブリティッシュ・フェアのカルチャー部門セミナー、「変わりゆくラグジュアリー」。12月5日(土)16:00 ~17:30、ザ・プリンスギャラリー東京紀尾井町にて、予定通り開催です。

安心・安全のためのプリンスガイドラインにしたがった対策が徹底的におこなわれております。最終的な打ち合わせに行き、プロフェッショナルな配慮の数々に納得してまいりました。どうぞご安心のうえ、道中、お気をつけてお越しください。

刻々と変わりゆくギャラリー最上階からの夜景、料理長自らセミナーのために考案した軽食(分量は軽いものの内容は豪華)、お飲み物、おみやげつきで、激変するラグジュアリーの最前線をご紹介します。

詳細・お申込みは、こちらから。

こちらはホテルのロビー。明日からはクリスマスツリーも入り、ドラマティックが加速します。

「サライ」にご協力したこの記事を見て、テレビの番組制作者の方から何度もお問い合わせをいただきます。民放からも、NHKからも。

クイズ番組や「へ~っ」と思わせる番組では、「ビニール傘は日本で発明されたんだよ」というストーリーがウケるのだと思われ、「これ(=ビニール傘は日本のホワイトローズ社が発明した)は事実といって間違いないのか?」という問い合わせをいただくことになるのでしょう。

いちおう、日本の傘業界ではそのように周知されており、ホワイトローズ社のHPでもその旨を書いています。どこからも反証はなく、今に至りますし、私も反証するつもりなど毛頭ありません。

ただ、昭和女子大学経由でお問い合わせをいただいて大学にご面倒をおかけしたり、あまりにも「まちがいないですね?」と念押しされたりするので、いちおう、私の見解を書いておきます。

 

ホワイトローズさんはまず、ビニールの傘のカバーを作りました。1953年ごろから。
ビニール傘の完成形が世に出たのが1958年。

一方、イギリスのフルトンの創業が1956年です。フルトンは女王陛下のビニール傘でも知られていますね。

このころ、ニューヨークで大ヒットしている鳥かご型ビニール傘「バードケージ」はフルトンのもの。

ですから、何をもってビニール傘とするかによって微妙です。
傘のカバーをビニール傘に入れてしまうなら、記録がある日本が初でよいのではないでしょうか。ただ、完成形をもって「初」とするなら、フルトンの初期の記録も徹底的に調べる必要があるかと思います(ブランド創世期の記録はあいまいだったり、残っていなかったりすることも少なくありません)。

 

これ以上の断言は今のところできかねます。1956年から58年の間に、ビニール傘が新しいものとして世界で同時多発的に広まっているという状況が想像できるのみ、というところ。どうしても厳密に知りたい、という場合、傘の研究をご専門になさっている方にお伺いすればさらに詳しい状況がわかるかもしれません。

 

 

 

集英社クオータリー「kotoba」2021年冬号、12月4日発売です。

連載「スポーツとファッション」。<スポーツと政治>がファッションになった事件を扱いました。

特集は司馬遼太郎。amazonでも予約が始まっております。

 

 こちらはイギリス学の学徒にお勧め。すでにベストセラーですが、安定の君塚直隆先生による『悪党たちの大英帝国』。

 

 

 こちらは伝説の名著の復刻日本語訳版。ニック・コーンの『誰がメンズファッションをつくったのか?』。わくわくしますね。近日中にレビューを書く予定です。

静かな会食なるものが笑いのネタになっておりますが。

最近、複数の方から偶然に同じような質問をいただきました。「男性のドレスコート指定のクリスマスパーティーにお招きいただいたが、女性は何を着たらよいのか?」と。

年末のパーティーに関しては、広い会場でフィジカルディスタンスを保つ、着席にするなどの注意を払ったうえで開催するところも少なくないのですよね。

で、ドレスコードの質問をいただくのです。「ダークスーツでお越しください」という指定がある場合、あるいは「カクテル」と書いてある場合、女性は何を着たらよいか?と。

質問をくださったそれぞれの方には、会場も主催者も趣旨も異なるので、別の回答をしたのですが、一般論として、私の考えを書いておこうと思います。

「ダークスーツ」指定、「カクテル」指定、(いずれもほぼ略礼装)というのはいちばん悩むところかもしれませんね。主催者がどなたか、会場がどこか、他にどのような出席者がいるのか、あなたの立場はどのようなものなのかで、まったく考え方は変わってきます。

主催者および趣旨、会場のレベルや規模、他の出席者を考慮して、「浮かないことを第一にしたい」ということであれば、上半身が華やかなブラウスとアクセサリーをメインに据えたコーディネート(今ではパンツスタイルもありです)、またはワンピースドレスが鉄板です。ドレスアップに慣れないようであれば、靴だけでも普段とは異なる華やかな靴にする。そうすれば、主催者に対しても他の出席者に対しても失礼になることはありません。

会場がホテルのボールルームのようなところであれば、照明に映える生地やアクセサリーを考え、「ちょっとやりすぎかな?」と思うくらいのドレスアップをしてちょうどいい、ということが多いです。暗いのにシャンデリア照明、という独特の光のもとでは、光を受ける生地やアクセサリーがないと、浮かないどころか沈み込んでしまいます。笑 何度も書いておりますが、「迷ったら格上」ですね。カジュアルダウンで、会の雰囲気をもり下げる失礼よりはましです。

上はいずれも「浮かない」人でありたい、という時の考え方。会場の照明を考えることは、けっこう重要。

私は、あくまで趣旨や参加者などの状況によっては、ですが、「記憶に残る人」であることを選ぶことがあります。「目立つ」ことと「記憶に残る」ことは全く違います。準備には相当のエネルギーを要しますが、どうせ同じ時間を過ごすなら、浮かない努力をしたあげく忘れ去られるよりも、同じ時間を過ごした方々の記憶に残るための努力をしたほうがいい、と考えます。いずれにせよ、会の成否を決めるのは参加者なので、どういう形であれ、自分の存在そのものが否応なく何らかの貢献になっているという自覚をもっておきたいものです。

くどいですが、すべての状況を考慮して、「浮かない」ことを優先するか、「記憶に残る人になる」ことを優先するか、自分のありかたを自分で決めて対応します。(そこまでは他人が助言できません)

 

いずれにせよ、この時期はマスクも必須だと思いますし、名刺交換に代わる挨拶も臨機応変に考えたほうがいいですね。面倒と思えば、今の時期ならあっさり欠席という返事をしても失礼にはならないと思います。ただこの時期にあえて開催しようという主催者は相当の覚悟と準備をしていると思うので、欠席と返事される場合はそれなりのフォローをするとよいと思います。

感染症予防に最大限の注意を払って、それぞれの納得のもとに、年末のよきシーズンをお過ごしください。

 

 

 

 

お仕事ついでに日比谷公園。あじさいの季節にゆっくり訪問したことはありますが、秋に訪れるのは初めてかもしれません。

ヨーロッパのような雰囲気。

 

赤・黄・緑のみごとな共演。

この季節の陽の光は澄んでいて柔らかい。

霞が関・日比谷のビル街に囲まれているというのも日比谷公園特有の景色を形づくっています。

右にちらと見えるのは松本楼。テラス席は満席でした。

水に映る光景で美しさ二乗。

 

 

10歩、歩くたびに違う表情になる。

 

 

樹齢の見当もつきません……

秋の薔薇。風に吹かれてよい香りがあたり一帯に漂っています。ひときわ強い薔薇の香り。

なかにはテニスコートあり、図書館あり、音楽堂あり、池も複数あり、レストランやカフェも数軒あり。広くて贅沢な公園です。紅葉はまさに今、見ごろ。人の少ない平日の午前や、2時、4時、といったレストランも空いている時間帯がよさそうです。

箱根は近場でもあるので数えきれないくらい訪れているのですが、実は「観光」なるものをしたことがありませんでした。ロープウェイにも乗ったことがなかったので、混雑が予想される前の9時台に初挑戦。ほとんど誰もいないのですんなり乗れました。(降りて帰ってきたら10時台ですでに行列。少し時間をずらすだけでまったく違う環境になるのだな。)

 

かなりの急勾配をのぼります。実は紅葉が見たいと思って乗ってみたのですが、箱根の山の上部はもう終了でした。冬の枯れ木が広がるのみ。それはそれでよき景色でした。

 

大湧谷では火山ガスが激しく噴き出しています。

というか、このガス、かなりゴンドラの中まで入り込んできます。帰途には、緊急放送が入り、「火山ガスの濃度が危険なレベルに達したので非常用の箱から酸素ボトルを取り出して身を守ってください」と。緊張しました。酸素ボトルを取り出したはいいものの、使い方がわからず。もたもたしているうちに危険領域を通過し、なんとか生還できました。酸素ボトルはビニールを外してしまったのでおみやげにお持ち帰り。

 

崇高な感覚というのは、こういう感覚を言うのかなという澄みきった絶景。

写真で見ていると幽玄ですが、遠くから見ると、ゴンドラがガスに包まれているのがわかる。

火山ガスが噴出しているということは、火山が生きているということなのですよね。

強羅に戻り、バス待ちの間に紅葉狩り。

 

とにかく混まない場所、人がいない時間、を狙っての移動だったのでおそらく観光ビジネス的にはすべてが異例づくしの時間だったと思います。でもおかげで密な状態にある時間が皆無という、比較的安全な移動ができました。帰途のロマンスカーは早い時間だったので一車両に一組という貸し切り状態。

感染症拡大予防のためには、全員、家にこもっているのが理想。でも、旅行業界で働く人たち(私もその一端にいます)はいったいどうやって生計を立てろというのでしょうか。政府が延々と末端まで補償してくれるでもなし。

旅行をすべて自粛とするのではなく、分散型にするというのも一つの方法ではないでしょうか。場所も時間帯も、集中しないように、散らす。それが可視化できるようなアプリか何かを開発する。今のところ私は、早寝早起きができることを活かし、人がいない時間に移動することに極力努めています。

グループ旅行でついおしゃべりがはずむという状況を避け、できるだけ一人旅または言葉が少なくても意志の疎通のしやすい人同士ふたりぐらいで行動し、大声ではしゃがないようにする。消毒はこまめに徹底。そのように細心の注意を払って合理的に、冷静に、感染防止を心がけていくことで、旅行業界に与える打撃も小さくできるのではと思います。

御殿場アウトレット調査。出していないのは、シャネル、ヴィトン、エルメス、ディオールくらい。あとはほぼ全ブランドがアウトレットに参戦している。クチネリまで。ドルガバも。なにをやらないかを徹底できるというのは、逆にすごいことなんだな。

Hyatt Regency Hakone.

朝も美しい日の出と出会うことができました。

 

朝日に映える、夕陽に映える、というのは重要な条件ですね。

 

2階から見下ろした中庭。

説明不要の絶景。

昨年は朝食ブッフェのあまりのすばらしさに心底感動したのですが、今年はセットメニューとなり、これで3800円(⁺税)というのは、いかがなものか? 夕刻のシャンパンフリーフローのサービスがあまりにもすばらしいのでそれと相殺して仕方ないかなと思えるのですが、そうじゃなかったら……。

混まないうちに早々にチェックアウト。時節柄、人の多い場所や時間は極力避けて通ります。

総合的に、やはりとても居心地のいい大好きなホテルです。足りないものはサウナと露天風呂くらい。また状況がよくなったら、夕刻のシャンパンタイムだけのためにでも訪れたい。

ほぼ一年ぶりのハイアットリージェンシー箱根。

やはりここは最高です。お部屋の使い勝手もすばらしく、ハイテクすぎることなく、何のストレスも感じないように品よく配慮されています。和風温泉のいいところ(浴衣で過ごせる)を取り入れつつ、基本はホテル。純和風旅館特有のサービスには実はかえって気疲れをしてしまうこともあるので、干渉されないこのスタイルがもっとも寛げます。ラウンジでサービスされるシャンパンをはじめとしたフリーフローも、このホテルならでは。

ゆったりとした配置で、ゲストが変わるごとに徹底的な消毒。感染予防対策が万全になされていることも安心です。

暖炉前でいただくハイカロリー食……。別格のおいしさです。

本物の火なので、薪が燃える香りにほんのりと包まれます。

感染防止に合理的な最大限の留意をしつつ、お世話になっているホテル業界を微力でも支えながら、心身の健康を保つ努力をしていきたいものです。

都心の休日の快晴の朝というのは、新鮮です。いつもとは違う世界。

道路を挟んで右側が緑豊かな皇居。左側が大手町のオフィスビル街。朝は皇居ジョギングの方も多く、ホテルとしては本当に恵まれた立地です。

見上げるとこんな。34階から39階までがフォーシーズンズ。

 

スパも別格です。スパのフロントは何気なくショップになっているのです。ホテルで使われているバスローブやヴェトモンのTシャツなども売っていて、インテリアかと思えば小さく値札があるというさりげなさ。

暗闇で光るゴージャス。

朝の光を受けるプールがすばらしい。奥にはテクノロジーを駆使したエナジープールもあり。

そして温浴施設。東側を向いているので、なんと入浴しながら日の出を見ることができます。スカイツリーのおまけつき。大手町からの日の出なんて想像もしなかった。(オープン直前の時間に、スタッフの許可を得て撮影しています)

スパオープン直前の6:30ごろ。12月になってもっと日の出の時間が遅くなると、ビル群から上る日の出のドラマをじっくり楽しめるのでは。

 

フィットネスも快適です。目の前に広がる景色がすばらしすぎて、ランニングマシン画面の海外風景の映像も不要なくらい。

いつもお世話になっている日本経済新聞社のビルも眼下に。見下ろしちゃってごめんなさい。

手前に皇居が広がり、奥の方に富士山が見える。

朝食前のロビー。

アメリカンブレックファストのコースでは、こんな意識の高いサラダも選べます。スモークサーモンとアボカド、チーズ、ナッツ……。オムレツやソーセージではコレステロールが気になるという方はこういうヘルシーサラダがありがたいですよね。

昨晩、満室で行けなかったピニェートのテラスです。

祝福されている場所だなあ。次回は夜のアペロ、しっかり予約していきたいものです……。

 

フロントロビーの天井画。思い切った「和」のイメージに不意打ち。

インテリア、ホスピタリティ、空間設計、アメニティの選択と配置、グローバルホテルのローカリゼーション、あらゆる要素の最先端を学べました。

今年オープンで評価の高いホテルのひとつ、フォーシーズンズホテル大手町に宿泊してみました。


いつもお世話になっている読売新聞東京本社の斜め前にそびえたつビルの39階がフロント。1階のエントランスの期待感から39階でエレベーターを降りた時の高揚まで、もう最初からけた違いでやられました。

フロントは日本語がネイティブではないスタッフが多かったのですが、親身な対応。

皇居側の眺めはすばらしく、広い広い皇居の奥に沈む夕陽の美しさときたら。

室内は一つ一つの調度品、お茶、冷蔵庫内、すべてが超一流品で選び抜かれ、考え抜かれており、完全に敗北を味わうレベルです。笑 だってアメニティにしてからがフレデリック・マルですよ? 最愛ブランドのひとつ、マルのアメニティ。パリのホテル・ルテシアのアメニティがエルメスだったとき以来の衝撃です。ボディローションをたっぷりつければ香水不要で全身まろやかにマルの「マグノリア」が香ります。なんという幸せ。

サービスの山椒のおせんべいも洗練の味わい。


宿泊したら必ずリクエストする女性用の基礎化粧品セットは、なんとなんと、カルトゥージア。修道院ブランドで、ここの「メディテラニア」は永遠の定番なのですが、化粧品も作っていたとは。通なセレクションのすばらしさに言葉を失いました。というかもうこれはレアすぎて使えない。持って帰る。いったい何のためにリクエストしたのか。笑

とにかく5stars は軽く超えているレベルであることを見せつけられるホテルです。中も、外も、これまでの5 stars のスタンダードを塗り替えるのではないか。

ライブラリもため息ものです。

ピニェートでアペリティーボをと思っていたのですが、満席で入れない。予約しなかったのが悪いのですが、なんだかなあ。そりゃあ、話題のレストランとなれば仕方ないですね。

ホテル内の施設では飲めないということになり、せっかくの快晴の夜なので、徒歩圏内にあるパレスホテルまで遠征しました。

ここの6階にあるプリヴェは週末の夜でも意外に入れます。眺めは絶景、サービスは5 stars 級で、期待以上のおもてなしをしてくださって、ほっと寛げます。写真は1970年代にコンテストで優勝したオリジナルカクテル、「エルメス」。洗練の余韻が続く、飽きないおいしさです。お料理もおいしい。

金曜の夜でしたが、窓際のロマンティックな席はずらりと女性の二人連れで占められていました。最近は珍しくなくなった光景ではありますが、おそらく日本特有なのでは。

 

それにしても徒歩圏内にシャングリラもアマン東京も東京ステーションホテルもペニンシュラも帝国も、なんならフォーシーズンズ丸の内も星のやもある。この時代に、この激戦区で、すべて経営が成りたつというのはすごいことなのでは。

岩田健太郎先生が、11月11日の朝にこんなツイートをなさってました。

 

『マナーって難しいですね。日本の医学部にいると、中で「マナー」と称されているものは偉い人のわがままな価値観の押しつけがほとんどです。一度、目上の人に会うとき白衣で行ったら「作業着を着たまま俺に会う気か」と怒られて、なんてめんどくさい人か、と唖然としました。』

憶測にすぎませんので違ったら恐縮なのですが、岩田先生はその時、もしかしたら、ぺらぺらのポリエステルの白衣を着ていらしたのでは? テイラーの技術で作った見るからに上質な「クラシコ」の白衣を着ていかれたら、先方の反応も違ったのでは?とふと思いました。

「白衣=作業着」という反応をする偉い人にもたしかに問題はあるとは思いますが。

 

ここぞのときの服が相手に与える印象、ひいては場に与える効果って、ほんとうに大きいですね。もちろん、もっとも大切なのは本質的に重要な仕事であることには変わりないですが、こうしたささいな印象の差が、翻って自分のキャリアに跳ね返ってくることもあるので、やはり少しの気遣いをするのにこしたことはないですね。

 

私が「クラシコ」の広報担当者なら、すぐに岩田先生に一着、白衣をプレゼントするんだけどな。お似合いになりそう。で、その後の同じ方の反応を聞いてみたいです。笑

ザ・プリンスパークタワー東京の33階レストラン、ブリーズヴェールでは、ボンドのディナーだけではなく、これからの季節にふさわしい祝祭的なメニューを展開しています。

 

Forbes 4 stars 獲得記念メニュー、スペシャリティ。メニュー詳細はこちらです。こちらのメニューに、ソムリエ厳選による各料理に合うワインを合わせていただきました。

クリスマスイルミネーションが始まっております。

007限定のシャンパン、ボランジェからスタートです。やはり華やかさが違って感じられるのはこのマークの力も大きい。

フォワグラの料理に合わせるのは、かげ干しぶどうから作った貴腐ワイン。(ポーションは私のみ小さくしていただいているので、レギュラーで提供されるお料理はこちらの2倍のボリュームがあります)。

コースの前半に貴腐ワインなのですがフォワグラにはこれしかないだろうと感じさせるくらいのすばらしいマッチングです。

こちらは貝のとりあわせ。

カマスとマツタケのお料理+日本酒(写真撮り忘れ)のあと、メインに選んだのは、黒毛和牛の希少部位、「クリ」の赤ワインソース。ポムロールとよく合います。

レギュラーはこちらの2倍の量があります。せっかくのお料理を満腹で残すのがいやなので、最初からポーション小さめに頼むことが多いです。ワインはレギュラーの1.5倍は飲むことが多いのですが。笑

デザートも2種続くという、ブリーズヴェール渾身のフレンチフルコース。美しい夜景に囲まれてのハイレベルなお料理です。

アエラ・スタイルマガジンの藤岡編集長と、アエラでも連載する綿谷画伯にご一緒いただきました。画伯が着ているフランネルのスーツは、1930年代のフレッド・アステア・インスパイアードでbatakの中寺社長制作だそうです。こうしてスーツの伝統を実際に着て継承していけるのも、ビスポークの醍醐味ですね。

綿谷画伯のインスタグラムは、こちらです。

北日本新聞別冊「まんまる」連載「ファッション歳時記」

No. 111 「うどん屋はどうやって国際的ブランドを築いたのか」

まんまるは来月、創刊200号記念です。私は2011年から連載しているので9年間。感慨深い。

NewsPicks にて、コロナ後のファッションの変化と、そこから見える価値観の変化について語りました。かなり読み応えあるかと思います。お時間ゆるすときに。こちらです。

以下は、Pick に添えたコメントです。

 

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ミラノ、パリコレクションが終了した時点で、コロナがどのようにファッションを変えたのか、「ニューノーマル」なファッション状況から読み取れる人々の価値観の変化は何なのかを整理してみました。

・ニューノーマルというけれど、ノーマルってそもそも何なのか?
現実が非日常的という状況のなか、ノーマルとアブノーマルの区別はいったいどこにあるのか?

・日常を機能的で味気のないもので満たしてそれでいいのか? 日常をこそ輝かせることに、これからの私たちは意識を向けるべきではないのか?

・ファッションエリート都市よりもむしろ、日常を豊かに満たす個性的なローカルにしっかりと腰をすえ、そこから発信していいのではないか?

・あふれかえるラグジュアリーブランドは、本質的な意味でラグジュアリーではなくなっていたのではないか? ラグジュアリーの本来の価値が改めて問われており、その意味と表現が変わりつつある時に来ているのではないか?

・とはいえラグジュアリーブランドも世の中に対してアクションをとっている。それはいったいどのようなものなのか?

・歴史は繰り返す。かつて今と同じような動きがあった時代があり、そこから学べることがあるとしたら、それは何なのか。

それぞれのファッションブランドの具体的な動向から考えてみました。お読みいただければ幸いです。

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こちらからどうぞ。

〇先日のダノンビオのトークイベントの概要です。共同通信。こちら

11月22日までYoutubeで配信されているそうです。

 

〇English Journal 12月号に書いた「イギリス文化論:ファッション編」がウェブでも読めるようになりました。とはいえ、途中から有料会員様限定ですが……。こちら。本誌と同じ記事です。

 

〇NewsPicks 洋服の青山が400人の希望退職を募るという記事に対するコメントです。会員ではない方のために、以下、コピー。

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歴史をたどると男性服には「下克上の法則」があって、
標準とされる服は常に「格下」のカジュアルな服にその地位を譲り渡してきています。

かつてビジネスの世界でもモーニングコートが昼間の標準的正装でしたが、カジュアルウェアとしてのラウンジスーツ(現在のスーツ)にその地位を奪われ、いまはモーニングはフォーマルの世界で生息しています。

150年くらい、ラウンジスーツの覇権が続いていましたが、いま、次の下克上が起きつつあるということなのでしょう。

これまで格下とされてきたタイレスのジャケパンスタイルやジーンズまでもが標準的なビジネスの正装になっていき、ネクタイ付きのスーツはフォーマルウェアの領域に近いところ、あるいはプライベートでのここ一番の勝負服や趣味的な服というステイタスで生息し続けるでしょう。

人を部品や歯車とみなすような画一的で味気ない黒の量産スーツは、そういう働き方が好まれなくなるとともに、なくなっていくと予想されます。

それにしても、青山商事だけではないですが、女性管理職の需要に応える、まともなビジネススーツの需要はこれから本格的になりそうなのに、なぜここに本気で取り組まないのでしょうか? リクルートスーツとはまったく別物の、管理職にふさわしいスーツがほしいのにない(選択肢が少なすぎる)、という声をあちこちから聞きますが。

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銀座の真ん中、かの泰明小学校のすぐ近くにこんなバーがあったとは。

十誡

地下へと降りてとびらをひらくと、こてこての世界観を感じさせる別世界。好事家のための本、3000冊がおいてあります。

ダークで妖しい知の深淵にようこそ。というインテリア。

女性スタッフはコルセットのコスチューム。呼ぶときは金の呼び鈴をちりんちりんと鳴らします。

お客様も、お着物の方やロリータ系のコスプレの方々。女性が多い。

80年代に一時期、はまったことのあるドグラマグラ系の本だったり人間の闇の部分をとことん扱う本だったり、「健全な」童話にしても、アリスや宮沢賢治やグリムなど、ちょっとダークがかったもの。

開高健の「洋酒天国」も全巻そろってる。

きのこ愛好症のことを「マイコフィリア」っていうんだって。知らなかった…。


宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」にインスパイアされたモクテル。金粉がきらきら流れ、脇に置かれた石が、光を当てると青く発光するのです。赤いラベンダーシロップを入れると、ドリンクが紫色に変わる。


私の本は置いてありませんでした。中途半端な本ばかり書いていて申し訳ありませんでしたと消え入りたくなりました…。精進します。

 

オーナーが銀座ヴァニラ画廊も経営している方だそうです。ヴァニラ画廊ではいま「シリアルキラー展」をやっています。やはり異色です。80年代の下北沢を思い出しました。グランギニョールとかButohとか……。近々、観にいこう。

日本経済新聞夕刊連載「モードは語る」。

7日には、カポーティ、カーダシアンにかこつけてSNSの泳ぎ方(のNG)について書きました。電子版は、こちらです。

 

それにしても、あちこちで書いてますが、「親しい友人など、内輪だけ」のパーティーをいちいちSNSにアップするっていかに観客の神経を逆なでするのか、よく理解したうえで、虚栄心との兼ね合いを考えて投稿したいものですね。人間の観察ができるという意味では非常に面白くありがたいサンプルなのですが。

 

ダノンビオのトークイベントでも「おすすめ本」として紹介しましたが、三島由紀夫の「不道徳教育講座」「行動学入門」でも再読して、人間の感情の扱い方をおさらいしておきましょう。


「約束を守るなかれ」「人を待たせるべし」「人のふり見てわがふり直すな」など逆説的真理のオンパレード。逆説を使って人を魅了する文章のテクニックもしびれます。

 

こちらもおまけに。

三島節に少し慣れたら、小説もぜひ。

感情は最も大切に繊細に扱うべきものですが、決して感情的な表現をしてはいけない。私が三島由紀夫やオスカー・ワイルドから学んだ、人づきあいの要諦の一つです。

本日の日本経済新聞「なんでもランキング」。言葉の専門家として審査させていただきました。テーマは事典です。どんぐり、きのこ、境界、色、文具、民具、エアポート、星……。世界を切り分け、分類し、編集し、深めていく知性のすばらしさに感動します。

私が一押しだった、きのこ事典はランキング入りしなかったな。これは装丁がきれいで、大きさもかわいらしく、いかにも魔女の本棚にありそうな魅惑的な本で、わくわくするんだけどなあ。私はプレゼント使いにします。

 

電子版は、こちらで

無料で10記事まで読めますが、それでも電子版の会員NGな方は、アナログの本紙でご覧くださいませ。

 

選ばれなかった事典のなかでは、この発想に驚いた!というものが「境界」に関する事典。こういう事典を作ろうという発想そのものに感動するし、実際に作るのはほんとうにたいへんだっただろうとねぎらいたい。

「日本戦陣作法事典」はランキング入りしてくれてよかった。戦陣のなかにも行商が来ていたことがわかったりして、「生活」と「戦争」がどのように折り合いをつけていたのか、いろいろ想像が広がって楽しい。

English Journal 12月号発売です。

特集「世界を創ったイギリス文化論」。美術、デザイン、音楽、文学、戯曲、ファッション。私はファッションの部を書いています。

 

イギリス人にしか通じないスラングの記事もあり、英語を学ぶ人、イギリス文化を学ぶ人は、必読ですよ。

(Click to amazon)

「トルーマン・カポーティ 真実のテープ」本日よりBunkamuraル・シネマでロードショーです。

パンフレットにも寄稿しています。

(写真は「トルーマン・カポーティ 真実のテープ」オフィシャルツイッターより)

川本三郎さん(評論家)、山本容子さん(銅版画家)、森直人さん(映画評論家)も寄稿していらっしゃいます。登場人物の解説もあり、監督とカポーティの養女ケイト・ハリントンさんインタビューも収録し、税込800円は安すぎるくらい。

ウェブでは得られない情報満載の充実したパンフレットだと思う。私も何度も参照しています。よろしかったら劇場でお求めください。

前記事でご紹介していたイブニングセミナーの詳細です。

 

こちらからお申込みいただけます。

夜景がひときわ輝く12月の紀尾井町でお待ちしています!

プリンスホテル東京シティエリアで第二回目となる英国フェアが開催されております。Timeless U.K. the British Fair 2020.

1日からの開催に先立ち、10月30日にザ・プリンス・パークタワー東京にてレセプションが行われました。

たっぷりとフィジカルディスタンスをとって、でも親しさの感覚は失わないような、着席スタイル。

開宴までは、カジノなどでおもてなし。参加賞のプレゼントが素敵で、なかなかの人気でした。スタッフはこのようにマスクの上にフェイスガードで、すべての領域で安心・安全を第一にサービスが提供されています。

ウェストミンスター寺院をかたどった氷の彫刻。いつもながら圧巻です。宴が終わると溶けていくだけなのに、この精緻な作りときたら。

フレグランスエキスパートの地引由美さんと写真を撮りましたが、会場がやや暗く、写真を明るくする編集をしたらアナ雪風に。私はドレスと共布のマスクをつけております。

心斎橋リフォームの内本久美子さんと。今回もご協力くださっている鎌倉アンティークスのコーナーにて。

イギリス最高峰のスパークリング、ナイティンバーがフリーフロー状態で注がれます。

会場にはアストン・マーティンも。

ウィンブルドン・ブリュワリーのビール。中世から修道院でビールの醸造が行われていた由緒正しき町、ウィンブルドンから日本初上陸。

 

駐日英国大使館から、マリー=クレア・ジョイスさん。

東京シティエリア統括総支配人の武井久晶さん。

恒例のテープカットセレモニーも華やかに。

今回の目玉企画の一つが、BLBG社長、田窪寿保さん監修によるジェームズ・ボンドのディナー再現。キッチンテストで試食しましたが、これはボンドマニアの男性同志で楽しんでも相当、盛り上がるのではと。笑

ボンドの世界観を表現したディナー。ベルーガキャビアからスタートします。あの原作、あの映画のあのシーンに出てくる料理の数々。

©Tomoko Kaneko. イラストの女性が誰かに似ていると話題です。

ロンドンのデユークス・バーとのコラボは、紀尾井町のザ・プリンスギャラリーで。ボンドマティーニ3種は、パークタワーやテーブル9でどうぞ。

ザ・ギャラリーのソムリエ、藤永希さん。

プリンスホテル全体のエグゼクティブ・ソムリエ、市村義章さん。

カルチャーの部では、私もイブニングセミナーを開催します。フェイスガードをつけて壇上で話しました。12月5日(土)16:00~17:30 。テーマは「変わりゆくラグジュアリー」です。昨年同様、ほぼフリーフローのドリンクがつき、ギャラリーのプチコース仕立ての軽食がつきます。おひとりさまでもどうぞ。昨年は、おひとりさまがほとんどで、ゲスト同志でお友達になってお帰りになりました。

この日、着ているドレスは、「007 No Time To Die」にも登場する「スペクター」でのレア・セドゥのドレスにヒントを得たもの。心斎橋リフォームの内本久美子さんに生地から選んでもらい、パタンを起こして作っていただきました。

バックスタイルにポイントがあります。共布のマスクも作っていただきました。さすがの久美子さん。昨年の英国旗ドレスに続き、久美子さんのセンスに惚れ惚れしております。


アストンマーティンと共に記念写真。ってアストンマーティン見えないじゃないか。左から、内本久美子さん、ヘアサロンのオーナーで毛髪診断士のMika Amata さん、中野、地引由美さんです。

フェアの詳しい情報は、こちら

中野のイブニングレクチャーのお申し込みは、こちら

地引由美さんが美しい写真とともにフェアの様子を詳しくご紹介くださっております。こちらです。

Mika Amata さんがインスタで詳しくご紹介くださっています。こちらをどうぞ。

内本久美子さんが、インスタでドレスのことを紹介してくださっています。こちら

イギリスが再度ロックダウンになってしまった今だからこそ、日本にいながらにしてUK擬似体験を楽しめます。ホテルはメディア。フェア期間、東京シティエリア8つのホテルそれぞれの特色を活かして、イギリス文化の魅力を発信していきます。

The Timeless UK British Fair 2020 。今年も開催されます。11月1日から2か月間(ホテルによって異なります)。10月30日、ザ・プリンスパークタワー東京にてレセプションが開催されました。レセプションの模様は次の記事で書きますが、ここではレセプションのどさくさにまぎれて宿泊したザ・プリンス・パークタワー東京のことを。

これだけ何十回も泊まると、もはや「ただいま」感もあり、こういうホテルとのつきあい方もまたよいものです。たとえば、カールドライヤーなどはもうわざわざ貸出をお願いしなくても、最初からバスルームにおいてある、など。リピーターだからこそ享受できる世界の片鱗をあちこちで見せてくれます。

いま、「涙活」宿泊プランを出しており、部屋には泣ける動画を集めたDVDと、泣ける本が置いてあります。

ただ私はよくある、いわゆる泣ける短い話というのにはどうも乗れず、どちらかというと、複雑深遠な物語の旅を経て、2時間、3時間の後に訪れる大団円のクライマックスで感動の涙、というのが好きですな。これは好みの問題ですね。ミストサウナが好きか岩盤浴が好きか、みたいな。

今回は、「ナンバー17」の部屋をアサインしてもらいました。各階の下二けたが「17」の部屋は、角部屋で、バスに入りながら東京タワーが真正面に見えるのです。ジャグジーなので、バブルバスを作ってシャンパンを持ち込んで東京タワーを眺めながら入浴タイム、ということが可能なのです。(だから何だ、という方もいらっしゃるかとは思いますが……笑)

イベント終了後にほっとしてクラブラウンジでシャンパンタイム。フリーフローです。これが何よりも楽しみ。

バスルームからの夜景こんな感じです。

夜もいいけど朝がそれにましてすばらしいのがこのホテル。近くに芝公園、増上寺もあるので、朝食前の散歩も充実したリフレッシュタイムになります。

写真ではわかりづらいのですが、鏡にはスカイツリーが映り込み(左)、リアル東京タワーと鏡の中のスカイタワーが隣同士で並んで見えるのです。マジカルな設計。

周辺の散歩コースは緑と光で祝福されています。

いつみても最高な景色(同じような写真が100枚はありそうな……笑)

薔薇もよい感じで咲いています。

増上寺の本堂は改築中でございました。


パワースポットです。芝公園~増上寺~東京プリンスへと抜ける道の散歩ついでにパークタワーのラウンジでお茶、というコースもおすすめ。

日本のラグジュアリーを伝えていくFRaUの連載、更新しました。

テイラリング、ビスポーク、女性のテイラードスタイルから、白衣まで。

どうぞこちらでご覧くださいませ。

『ヘルムート・ニュートンと12人の女たち』。一足早く拝見しました。


Arena, Miami, 1978 (c) Foto Helmut Newton, Helmut Newton Estate 
Courtesy Helmut Newton Foundation
稀代の悪ガキ写真家、ヘルムート・ニュートンの実像を、彼とかかわりのあった12人の女性の証言により
浮かび上がらせるドキュメンタリー映画です。


David Lynch and Isabelle Rossellini, Los Angeles, 1988 (c) Foto Helmut Newton, 
Helmut Newton Estate Courtesy Helmut Newton Foundation 

イザベラ・ロッセリーニとデイヴィッド・リンチ。80年代にはこの二人のコラボに夢中になってたなあ。

Helmut at home, Monte Carlo, 1987 (c) Foto Alice Springs, 
Helmut Newton Estate Courtesy Helmut Newton Foundation 

「魂なんてよしてくれ」、「アート、センスがいい、というのは汚い言葉」などの名言も多々。

Charlotte Rampling (c) Pierre Nativel, LUPA FILM

ミステリアスなシャーロット・ランプリングも語る語る……。
20世紀後半の写真、ファッション、映画に関心のある方にはとりわけお勧めです。 

12月11日(金)よりBunkamuraル・シネマ、新宿ピカデリーほか全国順次公開
2020年/93分/ドイツ/英語・フランス語・ドイツ語 /配給:彩プロ