英国建築の第一人者、小尾光一(おび・こういち)さんによる『英国ホテルに魅せられて』(British Pride)。

イギリス好き×ホテル好きにとっては時間を忘れる嬉しい本。写真が豊富で、解説も、あたかも小尾さんが現地を案内してくれるような語り口なのでヴァーチャル旅行を楽しめます。知らず知らずのうちに英国史や地理の知識もついてくる。

「あとがき」で、旧き良き「英国らしさ」を体現できるのは意外にも英国以外の国の建築家やデザイナー、という指摘があり、ああ、なんだかわかるなあ、と納得。

日本のイギリスマニアの多くにしても、「古き良き」イギリスのイメージを愛しており、今の多文化主義が行きわたり過ぎたモダンブリテンが偏愛対象ではないのですね。デパートの英国フェアに行っても、売れているのはノスタルジックなイギリスのイメージを売るグッズやフード。

それはそれでいいのです。たとえファンタジーに近くなっていても、こういう古の風格を残したイギリスのホテルは少なくともこれだけ現存していることは確かですし、なくならないでほしい。現実に疲れたら手に取ってうっとりしたい、美しい本です。小尾さんの会社(株式会社コッツワールド)にいつか英国風の家を建ててもらえるようにがんばろっと。

 

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