北海道初上陸。ニセコ取材です。

新千歳空港からパークハイアット・ニセコHANAZONOのリムジンに乗って延々と続く白樺林を2時間半。途中、林の向こうに見える支笏湖が雄大でした。

一休みしてから、ニセコ町役場の龍さん、百恵さんにご案内いただき、ニセコ髙橋牧場。


余って捨てていた牛乳をアイスクリームやお菓子に加工して販売することで有効利用しようと始まったビジネスが、地元の方々はじめ道内の方々に支えられて大繁盛しているそうです。

北海道もなかなか暑く(でもからっとしている)、撮影中、手に持ったアイスクリームがみるみる溶けるレベル。

トップ写真は羊蹄山です。こちらは牧場の建物のひとつ。

いまは「花の季節」とかで、いたるところに花が。とりわけアジサイがピークでした(ここにはありませんが)。

打ち合わせに指定された壹眞(かずま)珈琲店がちょっとすごいところだった、と気づいたのは退店時。(おそい……)
北野たけしさんの絵がずらりと飾ってあり、陶器はすべてマイセンはじめ名陶、リヤドロの置き物もぎっしり。水のグラスにいたるまでこだわり抜いた個性派。

都内に4店舗(銀座だけで3店)ある老舗とのことでしたが、存じあげませんでした。ハイストリートがどんどんカジュアルに変化している銀座ですが、小さな通りはまだまだ奥深いですね。こちらは晴海通り店です。

今秋、マリークワントブームが展覧会、映画、本と連動して到来することは何度か書いておりますが、私は展覧会の展示物テキスト監修、映画のパンフエッセイ寄稿に加え、クワント本の監修も担当させていただきます。

幸いにして翻訳者が素晴らしい方ですので、英語と日本語を整合させながら細部の正確さを極めていくのが仕事の一つになりますが、大型ハードカバー、224ページ、各ページに2段に分かれて文字ぎっしりというなかなかの分量です。

イギリスでは2019年にV$Aから展覧会にあわせて発売されていますが、綿密な調査に基づき書かれた内容がすばらしいだけでなく、写真も初登場のものが多く、amazonの評価には74個のレビューがつき欠けるところなき5スターズ。

思わず覚えておきたい名言も多く、たとえばこんな感じとか。

From the grey of post-war Britain, ‘necessity’ wasn’t the mother of invention, fun was.

「戦後英国の薄暗い時代において、発明の母となったのは<必要>ではなく、楽しさだった」

作業中におお!という名言に出会ったらTwitter (kaorimode1)で即時紹介していきますね。

 日本語版はグラフィック社より12月初旬に発売予定です。

 

取材予定の方がコロナにかかってキャンセル、とか担当編集者がコロナに、というケースが続くようになりました。みなさまどうかくれぐれもご自愛ください。私は睡眠・運動・バランスよい食事・大量のビタミンC・高麗人参粉末という5大防御(免疫力強化)を意識的に行っています。それでもどこにリスクが潜んでいるかわからないのが怖いところですね。仕事のご迷惑をおかけしないためにも、最大限の緊張感をもって過ごそうと思います。

よい一週間をお過ごしください。

(もう会うこともないだろうけど)またな! っていう「ターミネーター」のシュワちゃんの名セリフ”Hasta la vista, baby!”をここぞで使うボリス・ジョンソン。

ハワード・モートマンさんの投稿から。

最後までボリスらしくて、終始にこやかにさせてくれて、ちょっとだけ泣けた。

それにしても議員たちの多様性と賑やかさと活気ときたら。席の距離感の問題だけじゃないだろう。

ボリスについては読売新聞の連載「スタイルアイコン」でも書いていましたよ。こちらでご清覧ください。

トップ写真はオフィシャルポートレートです。ウィキメディアコモンズより、著作権フリー。

 

Forbes JAPAN 連載「ポストラグジュアリー360°」第20回は、観光と新ラグジュアリーの関係をテーマにしました。

「観光とラグジュアリーの未来 雪国の温泉宿ryugonの場合」

ラグジュアリー観光議連」なるものもあるそうですが、一晩一億の世界はたしかに利益を考えるうえでは重要。ただそんな「旧型」とは別に、次世代の価値観にあう新ラグジュアリーの視点でのインバウンドを考えることもこれからは必要なのではと思い、ryugonのプロデューサーである井口智裕さんと、ディレクターのフジノケンさんにインタビューしました。

TOPのうっとりものの写真はフジノさまご提供です。(Forbes掲載のryugon写真もフジノさま。本欄のTOP以外および近辺地域の写真は中野撮影です)

MATCHAの青木優さん、ご紹介ありがとうございました。

後半を書いている安西洋之さんは、観光地の地元民の生活を切り売りして観光ネタとして見せることを「文化の盗用」になぞらえ、注意を促します。たしかに、新ラグジュアリー視点では、地元民のライフスタイルの切り売りを地元民が快く思っていないとすれば、それを消費することは避けたいところ。盲点でした。

きものやまと秋冬展示会。トップ写真は加賀友禅。

正統派の凛とした絹のお着物から、日本の織物産地とコラボした木綿着物、アバンギャルドな折衷スタイル、デザイナーコラボ、アウトドア着物、ジェンダーフリー着物にいたるまで。上の写真は大島紬。

片貝木綿。

久留米絣。

「なでしこ」のラインはアバンギャルドな折衷型。下にパーカーをあわせるのがユニーク。ファーがついた下駄など、着てみたいもの多数。

こちらも着てみたいと思ったレース製の着物。ドレスのような迫力あり。

スノーピークとのコラボ。アウトドア仕様になっています。

スーツ地を使ったY & Sons のシリーズも相変わらずスタイリッシュです。井上ブラザーズとコラボしたアルパカの着物もありました。

現代にふさわしい多様な着物のあり方を見せていただきました。こうでなければならないという偏見から自由になりさえすれば、着物は無限の可能性を秘めていますね。

 

 

 

 

9月30日(金)から公開の『プリンセス・ダイアナ』ドキュメンタリー、試写拝見しました。アーカイブ映像のみを使って悲劇のドラマを創り上げていくエド・パーキンズの斬新な手法。普遍的な問いをいくつも投げかける傑作になっています。

配給: STAR CHANNEL MOVIES

今年の秋には、さらに、クリスティン・スチュワート版のダイアナ映画もきます。前半はエリザベス女王でしたが、後半はダイアナ妃ブームですね。

ある自治体の意見交換会に委員として出席しました。

すばらしいビジョンをもつ知事のもと、識者による理想的な目標が立てられていて、それはそれで賛同しました。

ただ、引っかかったことがいくつか。事務局にも伝えたのですが、もしかしたら多くの日本の組織が似たような問題を抱えているのではと感じたので、こちらでも書いておきます。

〇25歳から35歳の女性の流出が最大の問題となっている、というわりには、会議にその年齢の女性がいない。おじさんばかりでその問題を推測・議論してどうなるのだろう。その年齢の女性を委員に加えることから始めるのがシンプルで、当然のことなのではと思います。

〇スピーチするひとたちががそろいも揃ってグレーの背広の似たようなおじさんばかり。スーツも眼鏡も髪型も似たような感じで、話し方も顔つきも似ているとなれば誰が誰なのか区別がつきません。そういう方々が、相変わらず多様性の重要性を語っています。この「多様性を語るグレースーツ」問題は、コロナ前からずっと指摘していましたが、コロナを経てもまだ変わってないのかと愕然とします。多様性がそんなに重要なら、おじさんはいったん引っこんで、女性や若い人を壇上に出す、というシンプルなことがなぜできないのでしょう。多様性は、語らなくていいです。多様であればよいだけのこと。機会さえ与えられれば、女性も若者も立場にふさわしく成長します。

〇「なにもない」というけれど、自分たちのいいところがまったく理解できていないだけ。ずっとその環境にいてあたりまえすぎて意識にすらのぼらないものと思われます。ゆえに広報がぜんぜんできてない。外部の目からよいところを発見してもらい、言語化してもらうということを一度きちんとおこなってみては。

 

偉そうに放言、失礼しました。風通しの良い先進的な自治体への変貌を、応援しています。

 

三菱一号館でおこなわれているシャネル展のレビュー、JBpress autographのウェブサイトにて書きました。

タイトルにしたことば、Guilt is perhaps the most painful companion of death. これもシャネルのことばです。あまり引用されていませんが。

罪悪感をひきずるような生き方はしたくないですが、果たせていない約束とか、「つもり」はなくても人の心を傷つけてしまったことばとか、資金不足のためにかなえてあげられなかった夢とか、心残りなことは山ほどある。

楽しかったことは忘れても、こういうことは、意外と忘れず、ふとした拍子に浮上してくるものです。展覧会のレビューとしては書けなかったのですが、展覧会ではほぼシャネルの生きた時代に沿って作品が展示されており、いきおい、「これを作ったときには〇歳だった」「このときの愛人はルヴェルディだった」みたいなことを結び付けながら見ていました。

シャネルの自由奔放な栄光の壮年期を思えば思うほど、晩年の孤独と哀しみの深さも胸にせまるように感じていました。それに反比例して作品が円熟していく凄み。

シャネルの人生からも感じましたが、元首相の襲撃事件の背景を知り(完全な全容ではないとしても)、ダイアナ妃のドキュメンタリーを見ると、人間の積み重ねた行動には必然的な(そうならざるをえない)帰結といった「道理」のようなものがあることを思い知らされます。

断るまでもないですが、非業の最期を必然と言っているわけではありません。狙撃犯人の背景を知り、ダイアナ妃とメディア、王室の関係を知れば知るほど、導かれる方向がそうならざるをえないようにつながっていくという、シェイクスピアの悲劇に見られるような哀切で不条理な「道理」のことを指しています。

フォションホテル京都の「プレステージスイート」が、一日一室限定でコラボルームとして登場します。

フォションピンクがあふれ、HOSOOの西陣織テキスタイルがきらめく空間に、CARONフレグランスの限定デコレーションと、3種のテスターが用意されています。滞在中、テスターの香水は自由に使えます! バスアメニティもフォションで徹底されています。石鹸スタンドに注目。

さらにフォションロゼシャンパーニュとマカロン、加えてCARON からのおみやげが3種もつくというステイプランです。

スイート以外の通常のお部屋でも、コラボアフタヌーンティーセットをお部屋でいただける宿泊プランがあります。

8月1日から8月31日まで。

コラボ期間以外であっても、フォションホテル京都に宿泊するゲストには「グルメバー」がつきます。

部屋の中のシャンパンピンクのクロゼットの中に入っているフォションのスイーツ、すべてお持ち帰り可能とのこと。なんと太っ腹な。

スイーツブティックも華やかで、甘い香りが漂っています。

パリから直輸入されたスイーツやここでしか手に入らない限定品も。

フォションホテル京都はウェルス・マネージメントグループが投資、開発、運営をおこなっています。

ミヤビ・ブランドコミュニケーションズの田中雅之さん(中央)にご案内いただきました。ホテル・ウェルスマネージメントの栢加奈子さんにもお世話になりました。

フィンランド式カプセルホテルから禅コンセプトの隠れ家ホテル、パリの粋を集めたホテルにいたるまで。崩れ落ちそうなレトロ菓子店から洗練を極めたアフタヌーンティーまで。ラグジュアリーの多様なありかたの最前線を体験できた、実りの多い京都滞在になりました。お世話になりましたみなさま、ありがとうございました。

フォションホテル京都×CARON 初のコラボレーションによるアフタヌーンティーのプレス発表会に参加させていただきました。
噂に聞くフォションホテルの、一歩足を踏み入れたときの高揚感はもうとろけそうですね。徹底的にブランディングされた世界はそれはそれで美しいと感じます。(←「新型」「旧型」の中道を行くイギリス国教会の人(笑))
フォションはさすが食に対する圧倒的な自信がうかがえて、アフタヌーンティーはもう、まいりましたというレベルの高さ。

甘い物苦手な私ですが芸の繊細さと味の複雑な奥行きに感動しました。
グランティーマスターの吉川和孝さん。この日の紅茶は「ワンナイトイン京都」。ティールームでは吉川さんがブレンドした紅茶も何種類か提供されています。

南部鉄器のティーポットと、フォション印の砂時計がたまらなくかわいい。
シェフパティシエールの小野寺美江子さん。
こちらはパルフェ・サヴァラン。仕上げにリキュールをかけていただきます。斬新な味わい。

スコーン、ジャム、バターの盛り方もフォション的。すばらしいお仕事ぶりを見せていただきありがとうございました。
この日ものんちゃんとご一緒させていただき、楽しさ3倍増でした。それにしてもフォションのティールームの豪華さときたら。世界観が明確で、「フォションらしさ」で貫かれているのでゴージャスでも全くいやみなく、実に気持ちの良い空間とサービスでした。

二条城前にぽっかりとタイムスリップしたようなお菓子屋さん、その名も「どろぼう」。

レトロ演出ではなく、本気のどレトロ。
奥にはカフェ(と呼んでいいのか)があり、予約制で名物かき氷が食べられる。崩れそうな家屋ですが、えもいえない妖しい情緒があります。

店主は数々の受賞歴あり。

となりは隠れ家的ラグジュアリーホテル、ギャリア二条城京都。このあたりは時代劇撮影が最初におこなわれた地域だそうです。猛暑でも歩いてみると発見できるものがある。古く時代遅れであることを別に負い目に思わない。逆にそれを貫いていることで(開き直るのではなく、自分はこうだ、と)お客様を呼び寄せている。ほんとに強いブランディングとはこういうこと。

ギャリア二条城京都はウェルビーイング、ローカル重視を掲げていて、お料理にも考え方が反映されています。


レストランの名前は、「真蔵(singular)」。トップ写真は、ウェルビーイング・ブレックファーストです。日本各地の土地の恵みが身体にしみわたる感じ。

ディナーですが、素材を活かしたイノベーティブ懐石といった雰囲気のお料理です。目にも楽しい演出が凝らされていました。これはその後に出てくる牛肉を蒸し焼きにしている様子。

着物のハギレに、ナプキンが包まれていました。

一枚、一枚、異なる柄というのがよいですね。

照明も独特で、昼間とはまた違う幻想的な空間になります。

 

こちらは3日目朝の和食。一切の手抜きなしに、素材にこだわり、丁寧に供されていたことに感動を覚えます。

ギャリア二条城京都では、偶然ですが、のんちゃんことフリーアナウンサーの堤信子さんともご一緒になりました。

せっかくの機会でしたので、ノンちゃんとご一緒に、支配人代理の鈴木通晃さんにホテルをご案内いただきました。

武家屋敷の禅の美意識が貫かれ、自然と人の融合、地域らしさを活かすサステナビリティを考慮して創られています。

伝統の保持に関しては、たとえば、黒い琉球畳もそうですが、名栗加工の壁の装飾、さりげない部分での漆使いなどいたるところで見られます。

アートなオブジェは館内に90点。

最上階のスイートルームからは二条城の門が見えます。天皇陛下しか通ることができない門で、大正天皇が最後に通られて以来、閉じられたままだそうです。

二条城の見えるテラスも広々としており、ここで食事をしたりシャンパンを飲んだりできる、と。

ベッドルーム、リビングは一面、ガラス張り。

ミュージアムガラスという透明度の高いガラスが使われており、屋外にいるような解放感があります。

ビューバスも気持ちよさそうですね。

丁寧に解説いただきまして、見ただけではわからなかった細部についての新しい見方を学びました。ありがとうございました。

 

今回、宿泊したのは、二条城のそば、バンヤンツリーグループの「ギャリア二条城京都」。

ロビーには玄武岩が鏡面仕上げされたテーブルが置かれ、外の景色が映り込んでなんとも幻想的な光景になります。

二条城がある環境を生かし、「禅」がコンセプトの装飾がすっきりと置かれています。中央にあるのは、お茶道具。

25室だけの隠れ家のようなホテルで、宿泊に特化しているゆえに、隅々まで徹底したコンセプトで作りぬいてあります。

4階建てで、4階からは二条城が見えますが、1,2階は完全に森の中にいるような感覚を味わわせてもらえます。

武家屋敷がイメージされており、少し高くなった部分は、琉球畳です。靴を脱いでくつろぎます。漆の朱色がアクセントになっています。

 

バスルームも質感が高く、たっぷりと広く深い。

アメニティ、ドライヤー、お茶まわり、すべてにおいて心遣いがあたたかく感じられる、静かで澄んだ緊張感のあるホテルです。

 

マヤホテル一階は、フィンランドのコンセプトカフェ、アールト。

店員さんのひとりもフィンランド人。
ジェンダー平等や人権意識の進んだ国らしく、トイレの性別表示も新しい。(写真4枚目)
飾らないけど質がよい、というすがすがしい美意識が一貫しています。

コンセプトが一貫しているので、ぱっと見て「フィンランドスタイル」とわかる。

短時間の滞在でしたが、多くのインスピレーションを与えていただきました。

フィンランド式ミニマル・イン・京都、を表現したマヤホテル。

フィンランド大使館商務官ラウラ・コピロウさんのおすすめで取材に来てみました。なんとカプセルホテルです。

小屋に見立てた三角屋根が特徴的なデザインのHUT( ハット )と呼ばれる大小2サイズのカプセル全60室。クリエイティブディレクションをハッリ・コスキネンが行なっています。

各部屋にはオリジナルデザインのコンセントプレート、タイマー式調光、ハンガーフック、ハンガーが取り付けられているほか、Marimekkoが制作したテキスタイルが、ロールカーテンやジャガード織りされたベッドリネンなどに使用されています。

共用ラウンジの食器はイッタラはじめ、すべてフィンランド製。(抹茶の道具だけは日本製)

ここからしばしばフィンランド文化の発信も行われているそうです。

ゴミ箱まで同じデザインで統一感があります。シンプル、ミニマル、近未来。フィンランドの異次元ライフスタイルの衝撃でした。

電撃取材にも快く応じてくださいましたマネージャーさんに感謝します。

同行のZ世代は、この世界観を「リミナル」と表現しました。

京都市内では祇園祭の準備が着々と進行中。外気温35度です。

歩くだけでサウナ。

毎回、一から創り上げていくことで伝統が継承される仕組みなのですね。

錦周辺のちょっと面白いと思った光景から。

わらびもちの山。

提灯屋さん。提灯専門店の底力を感じるディスプレイでした。

内科診療所。タイムスリップしたかのような診療所。

お薬屋さん?!

カエルに癒される。

猫まっしぐら。猫関連グッズ専門店。20年ほど前にもこの通りに来た記憶がありますが、かなり変貌していました。外国人バックパッカーが魚屋の店先でビールとイカ串焼きを食べていたりする濃い京都。

取材で猛暑の京都でした。参院選の結果を見て毎度のことながらもやもやします……。

当選された先生方、どうかよい仕事をしてください。

気を取り直して京都ネタをアップします。ガチな仕事ネタは別のメディアにてあらためて。

ミシュラン3年連続一位獲得の京都ラーメン、猪一離れ。初訪問です。

追い鰹だしに和牛トッピングの、和のラーメン。とろろ昆布のトッピングはフリー、スパイス類まで京都っぽい。美味でした。店員さんたちの感じもよい、素敵なお店でした。

本日の日経連載は、フィンランドから上陸するスキンケアブランド「ヘヌア」について書いています。創始者にインタビューしました。フィンランドの女性首相や党首たちがなぜあれほどカジュアルでリラックスした装いで公務を務められるのかについても。

紙版とともに、電子版ではこちらからお読みいただけます。

高知に日帰り出張。重要なミッションを担うことになりました。前例のない仕事で、大きなチャレンジをさせていただけることに感謝しています。

これから少なくとも9カ月間、行き来することになります。

帰途の飛行機から見た空と地上。「天使の階段」が雲の間から地上に降り、幻想的でした。

ちょうど安倍元首相の訃報が公式発表された時間でした。人の命のはかなさと重さをかみしめます。ついさっきまで元気に演説していた人がかくもあっけなく命を失ってしまう…。それでも地球は淡々と回り、空は刻一刻と姿を変える。宇宙視点から見たら、地上の争いなど取るに足らないことなのだ。地位も資産も来世にはもっていけない。意味のない争いにエネルギーを使うことはやめて、全生物が平和に豊かに共存するために知恵と限られた身体エネルギーを使いたいし、そうすべきときなんじゃないか?

安倍晋三元首相が銃撃を受けて67歳の若さで亡くなられました。

遺されたご家族の悲しみはいかほどでしょうか。まだお母様もご存命のはずでは…。心より哀悼の意を捧げます。

出張先の昼、クライアントさんと食事をしているときに第一報が飛び込んできました。そこにいた全員がショックを受け、動揺していました。まさか手作りの銃で要人を白昼に撃つなんてことがこの日本でありうるとは。その後の展開はなまなましい悪夢のようでした。

まだ犯人の動機の詳細が報じられていない段階ではありますが、政治信条に反対するテロというよりもむしろ、格差の底辺側にいて絶望し、自棄になった(怖いものがなくなった)人の犯行のようにも見えます。京アニ放火や京王線刺傷事件の方をむしろ連想させます……。落ちこぼれる人を出さない包摂性のある社会の実現、格差の解消が、解決すべき最優先課題なのじゃないか。「私たち」として考えることが結果として自身の安全につながる。いま、政治家に急務として求めたいことの一つは、その点です。それを考慮して、まずは選挙に行きます。

ご冥福を心よりお祈り申し上げます。

 

 

イッタラ表参道店にてフィンランドのラグジュアリーについて取材しました。


フィンランド大使館のラウラ・コピロウさんの話が面白すぎて延々と聴き続けたいレベル。「ヘヌア」の取材で会ったラウラさんがあまりにもユニークなので、もっとじっくりお話聞きたくなり取材を申し込んだのでした。
モノそのものがよいのは大前提。背景の思想や文化のストーリーをセットにすることで高く売れるのは、日本製品にも言えることですね。

詳しくは後日記事にします。

かねてからお伝えしていましたが、今秋、マリー・クワントが襲来します。

まず映画です。『マリー・クワント スウィンギング・ロンドンの伝説』。11月26日よりBunkamura ル・シネマほかで全国公開されます。

同時に、Bunkamura ザ・ミュージアムで、11月26日~2023年1月29日、『マリー・クワント展』が開催されます。V&A発の世界巡回展です。朝日新聞社主催。

さらに同じ時期に、V&Aから出ている『Mary Quant』の翻訳がグラフィック社から出版されます。

 

私は映画ではパンフレットに寄稿し、展覧会では展示物テキストの監修、翻訳本でも監修をおこないます。実りの秋に向けて佳境に入っているというところです。

周囲の大反対を押し切ってマリー・クワントを卒論で書いたのは40年ほど前。何の損得計算もしなかった(できなかった)ゆえに、その後、重要な場面で干されたり梯子を外されたりというエライ目にも遭いましたが、いろいろあって、こうしてどっぷりと日本でのクワント祭りに関われるのも何かのご縁というものですね。ほんとに何が起きるかわかりません。調子に乗らず、自暴自棄にならず、できることに淡々と取り組むのみです。あとどうなるかを決めるのは天の仕事。

 

マリ・クレール編集長コラムで、経産省ファッション未来委員会のことをとりあげていただき、「新ラグジュアリー」もご紹介いただきました。ありがとうございます。

 

〇関西学院大学ジェネラティビティ・ラボ『50代からの生き方のカタチ』応援メッセージを寄稿しました。井垣伸子先生にお声掛けいただきました。ありがとうございます。10歳くらいしか違わない方を上から目線で応援するなんて1世紀早い、という感じです。それぞれに成長も環境も違うことを思うと、上下関係なく誰もが「対等」ですよね(むしろ私の方が精神年齢は幼いように思うこともある)。身体的な「成熟」が先を行っているだけという。

本日のタイトルにした格言はまさに実感で、あまり世間の基準での「成功」「失敗」にはとらわれすぎないのがいい、という話。「成功」なるものにいい気になっているとそれが転落の始まりになったり、「どん底だ」と思っていたことが後から振り返ると幸運の兆しになったりするのはよくある話。幸運も、そうでないことも、長期的にみたプロセスの一部として、その瞬間での意味や感情をしみじみ味わったらさっさと「次」へ一歩を進める。これが安定したサバイバルの方法に見えます。

 

 

モーガン・ハウセルの「サイコロジー・オブ・マネー」(ダイヤモンド社)。隙間時間に読んでなかなか勉強になりました。ファイナンスの問題を超えて、仕事一般に通用する話が多い。

〇収入-エゴ=貯蓄

〇称賛と批判は紙一重。運とリスクはドッペルゲンガー。何事も見かけほど良くも悪くもない

〇足るを知る

〇黙ってじっと待て。長期的に見る。たとえ途中で不運に見舞われたとしても長期的には成功できる

〇テールイベントの絶大な力。テールイベント(例外的なできごと)が莫大な利益を挙げたり特別に有名になったりすれば、残りはほぼ失敗だとしても、トータルで勝てる

〇周りの人間が正気を失っている時に、普通のことをする

〇ウェルス(富)は目に見えない。ウェルスはまだ取られていない選択肢。その価値は、将来的に今よりも多くのものを買う選択肢や柔軟性、成長をもたらすことにある

〇この世に無料のものはない。成功するには代償が必要である

〇自分のゲームを明確にし、他人にふりまわされない

続く円安に上がらない賃金。むしろ下がる一方の原稿料。厳しい時代が続きそうですが、 視線を遠くに見据えて憂いすぎず、見栄を張らず、選択と集中によりテールイベントを起こすべく、ひとつひとつ着実にこなして次へ、と進めるよう正気を保ちたいものです。

エベレストよりも高い美意識の持ち主、AMATA 代表の美香さんが、ついにその美意識を結集させたアロマオイルを完成、めでたくリリースされました。

ブレンドされたオイルそのものが最高品質であるのは当然。有田焼のボトル、ボトルを飾る伊勢志摩のパール,波止場承龍による家紋,紅白の水引などにいろどられたパッケージなど、とりまくすべての世界に美香さんの美意識と哲学が貫かれています。

添えられた手書きのお手紙の品格とあたたかさにとどめを刺されます。

究極の日本発アロマオイル。高揚のCD 、至福のBC、官能のSN。空間を変え、感覚を研ぎ澄ませる強いパワーが、「薫黒(くんこく)」の有田焼ボトルから溢れでるというイメージ。

妥協なき美の追求の姿勢にはいつも感銘を受けていますが、今回のプロジェクトもさらにレベルを上げてきました。妥協しない理想追求の価値をあらためて教えられた気分です。ほんとうにおめでとうございます。

猛暑の歩行者天国を抜けて、20代の人と「俺のフレンチ」銀座店。

店内ライブ演奏中で、20代と思しきゲストでほぼ満席。


フォアグラが牛フィレにどっしり搭載された「ロッシーニ」。かくも巨大なフォアグラが使われるのは、おそらくとんでもなく時代錯誤的で、いまではなかなか目にすることもできず、ゆえに感動しました。

昨日の動画撮影で質問に出たのは「UNIQLOは、無印良品は、(ラグジュアリーと見る若い一人も多いが)一般的にはラグジュアリーではないのか?」ということ。

UNIQLOにも無印良品にも俺フレンチにも「これで十分幸せ」な豊かさがあり、低賃金が続くいまの日本でラグジュアリーを議論するには、ここを避けて通るわけにはいかないであろう巨大な関門だと思いいたった次第です。

なみなみサービスも日本的ですね。

PresidentとKDDIとNHK エンタープライズが共同で提供する教養講座に講師として呼んでいただきました。新しいラグジュアリーについて話しました。秋に公開されるらしいです。お世話になりましたみなさま、ありがとうございました。

カメラが三方からぐるぐる回っているなかで画面相手に話すのはなかなか緊張しました。あとから「あれも話すべきだった」とか「こう言うべきだった」みたいなことがでてきて、自己嫌悪の嵐です……。あとは編集のお力頼みです。

それにしても、新ラグジュアリーの考え方が、確実にビジネスパーソンの必須教養になっていく大きな流れを実感します。

ネイビーのドレスはアクリスです。