テレビ朝日の「スーパーJチャンネル」に取材を受けた内容が、23日の夕方に放送されたようです(私はテレビを所有しないのでオンタイムで見られません)。

とはいえ7分ほどのラストの1コメント(いつもの話)のみが紹介されています。こちらに概要。

ローナ―のハンドバッグが話題の中心だったようです。『女王陛下のハンドバッグ』など本も出ているので有名な話なのですが、多くの日本人には初めて触れる話かもしれませんね。服にブローチに帽子にバッグ‥‥‥。ニュースを製作される方のご苦労がしのばれます。NHKではブランド名を出してはいけなかったのですが、民放はむしろフィーチャーするのですね。ローナ―にとっては大きなPR効果がもたらされるのでは。

 

今回の一連のメディア取材では、画面には便宜上、「イギリスの王室ファッションを研究する……」と紹介されておりますが、これだけやっている王室ファッション専門家というわけではありません。イギリス文化⇒スーツ⇒ダンディズム⇒ファッション史⇒モード事情⇒ロイヤルスタイル⇒ラグジュアリースタディーズ、と研究領域を広げてきた流れの中に「イギリス王室ファッション」が位置しています。一つのことだけに特化した専門家のほうがかっこいいし権威もありそうなのは重々承知していますけれど、そういう在り方はあまり性に合わなかったようです。

 

 

ダイアナ妃のドキュメンタリー映画『プリンセス・ダイアナ』が30日に公開されます。

コメントを寄稿しました。

 

これはひいき目抜きによくできたドキュメンタリーです。「注目される」ことで、人はよくもわるくも「化けて」いく。多くのことを考えさせられます。おすすめ。

9月19日の国葬の日にNHK「ニュースウォッチ9」で放送された内容が文字化されました。「イギリス エリザベス女王 ファッションに込めた思いとは」。

時間の都合で番組内で話しきれなかった内容も盛り込まれています。

 

過去のメディア出演に関しては、本サイト「Media Appearance」に収蔵しています。

Forbes Japan 連載「ポストラグジュアリー360°」更新しました。「英王室と美術館から考える、『旧型』の意義と存続条件」

新型ラグジュアリーの研究を進める中で、歴史の見え方も変わってきました。

19世紀ダンディズムは、王室に代表される権威(旧型)に抵抗する、当時の「新型ラグジュアリー」であったことに気づいたのです。

旧来のシステムのなかではどうあがいても影響力をもてなかった元祖ダンディ,ブランメルは、<自ら評価を上げるべくコンテクストを創造する>(安西さんの表現)ことをやってのけたのでした。

21世紀のラグジュアリーにとっても、評価を上げるためのコンテクストを創ることがカギになりそうです。

「新型」「旧型」の対比における「新しさ」とか「旧さ」は、中身そのものではなく、文脈も含めた総合的なあり方なのだ、ということを後半の安西さんのテキストが示唆してくれます。

 

過去のウェブ連載は、本サイトWorksカテゴリーの「Websites」に収蔵しています。

Forbes Japanにおける連載「ポストラグジュアリー360°の風景」はこちらにまとめてあります。

Men’s EX 秋号発売です。

特集記事のなかでブリティッシュ・ラグジュアリーについて解説しました。雑誌の性格上、マテリアリズムの世界全開ですが。

よろしかったら本誌でご覧ください。

本誌写真はイギリス大使館にて撮影していただいたものです。もう一枚の候補?だった没バージョンがこちらです。

19日におこなわれたエリザベス女王の国葬に合わせて、NHKのニュースウォッチ9にお招きいただき、ファッション解説をしてきました。

とはいえ生放送の緊迫感並大抵でなく、当初の予定の半分も話せずじまいでした。

NHKが夜のニュースでファッション解説をやる、しかも国葬に合わせてくる、ということが時代の進歩に感じられます。

国葬と台風という話題にはさまれて楽しげにファッションのテーマを話すわけにもいかず、なかなかの試練でした。服装も葬式に出席するわけではないので黒喪服は不要、でも華美はNGで地味めにという制約あり、結果、ダブルのスーツの上を使ってブレザースタイルに。イギリス人もあまり言わないチャールズ新国王のファッションの可能性を話せたことだけはよかったかも?

それにしてもテレビの反響凄くて多くの方から写真やメッセージをお送りいただきました。1-3枚目はその中から使わせていただきました。ありがとうございました。

語り切れなかったネタは、番組のウェブ版で文字化されるときに補足させていただきますね。

ご一緒させていただいた税所さんにスタジオで撮っていただきました。

金沢、ひがし茶屋街あたり。

街並みは情緒があり、写真映え最高です。

映画のセットかと見まごうような…。

照明も考え抜かれています。高い美意識を感じます。

川縁はフィレンツェかという趣きです。

このあたりは本格的な料亭街。へたすると看板も出ていない。

ちょっとなにか食べたり飲んだりしようとすると、痛い目に遭います。歩く分には美しいですが、一見さんが「中に入る」には非常にキビシイ町でございました…。

備後木綿の着物と帯状ベルトは、大阪の音遊。
バッグは京都のカドゥ・ド・ラ・パート・ド・京都。

着付けができなくでもベルトで簡単に着られるように作られてます。そういうカジュアルきものなので、きものポリスさんのチェックはナシでお願いしますね。

15日付読売新聞夕刊、モード欄にて、女王の装いについてインタビューを受けた記事が掲載されました。

 

年を重ねれば重ねるほどチャーミングになり、ますます敬愛されるようになっていくという女王のあり方はまさにお手本ですね。「老害」にならない年の重ね方は、女王に学びたい。女王スタイルは、生涯かけて作られたもの。そこには当然、受け取る側の人生に届くメッセージがあります。

 

 

インタビューを受けた記事は、本サイトWorks カテゴリー内「Various Works」の第二部、「Interview」に収蔵しています。第一部「Copywriting」の項目を下の方に行っていただくと、第二部「Interview」にたどりつきます。

富山の散居村地域に10月5日にオープンする「楽土庵」。一足早く取材に行きました。

歴史の継承と地域の幸福、自然との現代的な共存を視野に入れた「新ラグジュアリー」の世界を体現するアートホテルです。

家具一つ一つに、意味とストーリーがあります。お部屋は全3室。すべて異なるテーマで創られています。

詳しくは来月の北日本新聞「まんまる」にて。3ページにわたり紹介されます。

プロデューサーは林口砂里さん。下の写真左です。砂里さんがなにものなのか? なぜこのようなホテルを? というインタビューもあわせて誌面で紹介されます。お楽しみに!

14日、山縣良和さんの「ここのがっこう」で新・ラグジュアリーの講義をしてきました。ファッション関係の方々にこの話をするのは初めてかも? 政治・経済界からのご依頼が多かったです。

さすが山縣さんのがっこうだけあり、質問がレベル高いし熱心度が違うしで、がっちり手ごたえがあり、楽しかったです。唯一の正解がない分野で議論を重ねるって大事ですね。(それこそ贅沢なことなのかも)

トップ写真は、「ここのがっこう」がある浅草橋の風景です。上の写真、左が山縣さんです。writtenafterwardsのデザイナーでもいらっしゃいます。

 

過去の講演、トークイベントに関しては、本サイトWorks 内「Lecture / Seminar」にまとめてあります。

ニセコのラグジュアリーを考える記事、JBpress autograph にて公開されました。

前編 「ニセコHANAZONOリゾートだから実現できる、壮大な光のアートを体感

後編  「根源的で先進的な民主主義。ニセコに独創的なラグジュアリーが生まれる理由

紅葉のニセコ、もう一度行きたいな!

 

内閣府の地方創生推進事務局でお話してきました。永田町合同庁舎なんてこんな機会がないとなかなか足を踏み入れられず、楽しかったです。

話題は地方創生と新ラグジュアリー。スタッフの方々が『新・ラグジュアリー』を読み込んでくださっていて感激でした。雪国観光圏、有松、ニセコの記事も目に留まっていたようです。さすが、永田町の方々は感度が高いと感心いたしました。ローカリティの幸福に根ざす新しいラグジュアリーは、地域創生とダイレクトに結びついているのです。

 

 

11日、日本テレビ「バンキシャ」のリモート取材を受けました。

「英エリザベス女王が死去‥‥‥ファッションに込めた思いと隠れたメッセージ」。インターネットでもご覧いただけるようになっています。こちらからご覧ください。

私の家にはテレビがないので、私もオンタイムでは見られなかったのですが、反響が多くて驚きました。新聞や雑誌にこれだけ書いても誰も読んでないみたいなのに(笑)

新国王チャールズIII世のスピーチ。

母の死を悲しみつつ国王としての最初の演説をしなくてはならない複雑な局面でのポケットチーフはこうくるのか。チャールズIII世は今後も世界のスーツスタイルのお手本として君臨されるでしょう。ちなみにトップ写真のチャールズII世は1666年に衣服改革宣言を発し、メンズスーツのシステムを創ったイングランド王です。この宣言によって、上着+シャツ+ベスト+下衣+タイ、というスーツのシステムの基礎が作られます。以後、メンズウェアは細部を改良しながら連続性をたもって変わりつつ、今に至ります。

 2000年に出版し、すでに絶版となっている「スーツの神話」の電子書籍版が、「スーツの文化史」です。なんとkindleで0円で読めるよ!!

 

チャールズIII世は、スーツのかけはぎ、革靴のつぎはぎでも有名。愛着をもって服を長く大切に着るという態度も、時代の要請にかなっているように見えます。

もはや「先細る一方」とされるスーツですが、チャールズ効果で少し上向きになることを願っています。

 

 

 

エリザベスII世からチャールズIII世へと治世が変わり、時代の空気も一気に変わる予感がします。

チャールズIII世は筋金入りのエコビジョナリーです。世間がまだバブルに沸いていたころから有機農業を始め、地球環境を説いていました。現在もこの分野で積極的にリーダーシップをとっています。

チャールズ新国王についても、おびただしい量の記事を書いてきました。いくつかは本サイト「ウェブ記事」でもリンクをはっています。書籍にもまとまっていますので、もしよろしかったらご参考に。(表紙がいまいちなのですが、カバーをとると品の良いネイビーのチェック柄の本が現われます。私はカバーをとって本棚に飾っています。)

昨日はエリザベスII世のファッションについてメディアからの取材をいくつか受けました。NewsPicksではコメントランキング1位……。こんなところで1位というのを狙ったわけでも嬉しいわけでもないのですが、ただ、日本人が英国女王の訃報にこれだけ反応するということにあらためて深い感慨を抱きました。

ファッションもさることながら、私はエリザベスII世を究極の「ラグジュアリーブランド」としてとらえています。そのありかたは、ウォルポール(英国のラグジュアリー統括団体)も「ブリティッシュ・ブランド」の模範としています。ウォルポールによる2022年度のBook of LuxuryにはBe More Queen という記事もあり、最後のまとめとして、エリザベスII世の顔の隣にこんな言葉が書かれています。拙い訳ですが、つけておきます。

Know what you stand for & against.

Know what is authentic, unarguable & unreplaceable about you.

Never be tempted to forget what you stand for, or try to be something you’re not.

Be authentic.  Be credible.  Be personal.  Be adaptable.

あなたが体現することと、相いれないことは何か、自覚せよ。

あなた自身について確かなこと、議論の余地なく取り換えのきかないことは何か、自覚せよ。

あなたが体現することを忘れてはいけないし、自分ではないものになろうとしてもいけない。

本物であれ。信頼に足る人であれ。個性的であれ。柔軟であれ。

 

 

メディアの方は、服の色がどうしたとかバッグのブランドがどこかとかスタイリストは誰かとかだけで話を終わらせないで、その先に見える本質として、エリザベスII世のラグジュアリーなありかたの方に焦点を当てた報道をしていただけると嬉しく思います。

*トップ写真は2~3年くらい前に書いた「English Journal」のイギリス文化論特集の1ページ。

 

 

26歳から96歳まで、70年間もの長きにわたり、英国女王という地位を超えて世界の女王という圧倒的な存在感で敬愛されていらっしゃいました。

プラチナジュビリーの祝典を終え、新首相を任命するという務めを果たし終えた後のタイミングでの崩御。最後まで君主としての責任を果たされたのだなあという深い感慨があります。バッキンガム宮殿には二重の虹がかかったようですね。

象徴としての地位を超えてお人柄がなんともチャーミングで大好きでした。個人的には、女王について著書や新聞・雑誌などで多数の記事を書かせていただき、そのたびに新しいことを学ばせていただきました。感謝してもしきれません。

長い長いイギリス史のなかでも、「エリザベスII世時代」はひときわ鮮やかに彩られることでしょう。悲喜こもごものカラフルなできごとがこれでもかと続き、それでも常に女王の不動の安定が「ザ・ユナイテッド・キングダム」を支えてきました。「ワンスタイル・マルチカラー」の女王スタイルさながらに。

ありがとうございました。ご冥福を心よりお祈り申し上げます。

 

“Grief is the price we pay for love”  エリザベス女王が9.11事件の後に述べた言葉です。

「新しいラグジュアリーが生み出す文化と経済」をテーマに講演しました。

講演概要は、「ぱとろな東京 Vol. 113」に掲載されました。

日本経済新聞「モードは語る」。先週、有松に取材したことのなかから書きました。。900字くらいではなかなかすべてを書ききれないのがもどかしいところではありますが。電子版でもお読みいただけます。

サディ・フロスト監督のドキュメンタリー英語「マリー・クワント スウィンギング・ロンドンの伝説」パンフレットに寄稿しました。

イギリス文化、60年代、ファッション、ヘアメイク、社会改革、アパレル産業、スタートアップ、夫婦で起業、アートスクール、といったキーワードにピンとくる方々は必見の、中身の濃いドキュメンタリーです。

11月26日、bunkamura ル・シネマでロードショー。

 

「ココ・シャネルは私を嫌った。理由もよくわかる」、とマリーは言います。シャネルは膝は醜いもの、と考えて決して膝を出すようなデザインはしませんでしたからね。そうした思い込みに反旗を翻したのがマリーでした。