GQ 誌上でのDavid Marxさんとの「現代のジェントルマン」を考える対談が、全文、ウェブでも公開されました。

最新のイギリスメンズファッションの動向、日本の「紳士的」ビジネス、グローバル資本主義の価値観の次を提示する日本の伝統産業まで話題がつながっています。どうぞご高覧ください。

対談をまとめてくださった平岩さん、編集部の高杉さん、イラストレーターのNaoki Shoji さんにあらためて感謝します。

きものやまと社長、矢嶋孝行さんにインタビューした北日本新聞「ゼロニイ」連載記事が、ウェブ版に公開されました。

英語版も公開しています。

試写拝見しました。アダム・ドライバーが59歳のエンツオ・フェラーリを銀髪で演じて違和感なし。ペネロペ・クルスはお色気封印で好演。

ミッレミリアのすさまじい迫力もさることながら、1957年のメンズファッションが眼福です。アニエッリまでシャツの上に時計という伝説のスタイルでちらっと登場する。フェラーリは女性関係においてもイタリアン・マチスモ全開。ザッツ・映画という複雑な感慨が豊かに残ります。

「うまくいく場合、見た目も美しい」。

昨年9月に丹後まで取材に行き、その後、折に触れ日経新聞やNewsPicksはじめ、各種講演でご紹介させていただいているkuska fabricが念願の帝国ホテルアーケードに進出することになりました。おめでとうございます。

丹後ブルーのネクタイやジャケット、バッグなど。バレッタ、イヤリングなどアクセサリーもあります。レザーの糸で作られたスーツケースやスニーカーなども。

 

楠さんオリジナルのハイテク手織り織機も展示されています。手織りによって、ソフトな風合いと光沢ある発色が表現できます。

ここから丹後の織物を世界に発信していくという決意を語る楠泰彦さん。世界中からゲストが訪れる帝国ホテルアーケードは最適な場所ではないでしょうか。日比谷公園の散策がてら、みなさまもぜひ立ち寄ってみてください。

 

「スコットランド・ファッションの再定義」続きです。

今回、メインに飾られていたブランドが、Walker Slater. 高品質なスーツ、ジャケットを得意とするツイードウェアのブランドです。

女性ジャケットもツイードの堅さを和らげるヴィクトリアン風味のシルエット。全体的にスコッツらしい堅実で武骨な雰囲気が醸し出されていますが、洗練されすぎないこの感じがいいのだ、というファンも多いだろうと推測します。

このブランドに関連し、スコティッシュツイードについて、スコットランド国際開発庁のフィオナ・マクラクランさんにレクチャーを受けましたので、その概要を日本語訳して以下にメモします。やや雑な日本語のままのところもありますが、ご寛恕ください。関連サイトに飛べるようにしてありますので、各自、関心に応じて深めていただければ幸いです。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

Q: スコットランドツイードがイングリッシュツイードと異なるのはどのような点か?

A: 違いの多くは歴史的なものです。ツイード生地はウールから作られ、有益な天然の性質を持っています。通気性があり、完全に生分解可能であり、雨を吸収しますが、雨天ではそれが暖かさになり、そのためアウターウェアに理想的です。

Q: ツイード という言葉の起源は?

A: 議論の的であり、意見が分かれています。一部の人々は、スコットランドの国境地帯にあるトゥィード川から来たと言います。そこは羊が豊富で、紡績や織物にとっての羊毛の供給源でした。他の人々は、「ツイル(生地の構造)」を意味する”Tweel”というスコットランドの言葉から来ていると信じています。19世紀のあるとき、丈夫な外套にTweelと書くべきところをTweedと間違って書かれていたことからこのように広まった、と。

HawickのLovat Millは、初めてのTweed 生地の記録を持っていると主張しています。どちらが正しいかは確認できません!

Q: ハリスツイード®とはどのようなツイード?

A: 世界で唯一、議会法によって保護されている唯一の生地であり、ウールは100%ブリテン島で供給され、等級付けされ、クリーニングされ、その後再び島の工場に送られて繊維染色され、次に紡績され、梁に巻き取られます。その梁は、足ペダルで駆動される、電気を使わない手織り機に送られます。織られた布は、繕い、洗い、仕上げるために工場に返されます。ハリスツイード委員会は、各仕上げロールの生地を検査し、品質と起源のシンボルとして布に宝珠(Orb)の刻印を押します 。宝珠はイギリスで最も古い認証マークです。この認証は、世界中で模倣から生地を保護します。詳細はこちらをご覧ください。

Q: エステートツイード とは?

A: 各地の労働者が着用していた布のデザインであり、それぞれが彼らが働いている土地に特有の柄でした。色はカントリー向きに設計され、鹿猟や射撃時に地形に溶け込むようになっていました。ジョンストンズ・オブ・エルガンのジェームズ・サグデンは、その起源とデザインについての本を書いています。

Q: タータンとは?

A: スコットランドでは、タータンは氏族のために作られ、忠誠心と姓によって結び付けられた家族が着用するためのものでした(たとえば、私はマクラクランタータンを着用できます!)。タータンは、もともと地元の染料とセット(デザイン)を使用して作られたチェック柄であり、縦糸と横糸の両方で同じ色と模様を使用し、それぞれの特徴が独特でした。時間が経つにつれて、より明るい色が利用可能になり、連隊用の軍用タータンが作られ、それらを識別するために使用されました。ブラックウォッチは、見えないように意図的に暗いのです! スコットランド国立登録所(The Tartan Register)は、タータンが登録され、保護および記録される機関です。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

フィオナさんの丁寧な解説に感謝します。ちなみに、日本でも純日本産のツイード、J. Shepherdsが生産されています。尾張一宮の国島が、毎年異なる柄のツイードを展開しています。このツイードを使ってアジャスタブル・コスチュームがノーフォークジャケットを作ったプロジェクトに関わったことがあります。詳細の背景はこちらの記事をご覧くださいませ。

 

W. David Marx氏と対談しました。GQのお仕事です。3月に活字になります。Davidとは2010年ごろからの知り合いで、明治大学時代にはゲスト講師に来ていただいたりもしましたが、きちんと対談したのは初めてかもしれません。ステイタス、カルチャー、新ラグジュアリー、多様性、ジェンダーフルイド……といった要素を無視できない現代社会とジェントルマンの関係。どんな記事になるかな?

鈴木正文さんが編集長だった時代のNAVIに連載していた「スタイリッシュ・カリズマ」、アーカイブにアップしました。全6回です。この連載がもとになって『スーツの神話』が生まれました。もう四半世紀も前の話ですが。

 

ANA 「翼の王国」に連載していた「WHO’S  WHO」もアップしました。第4回、第5回を掲載した本誌だけがどうも見つかりません…。アーカイブが入手できそうな伝手、おわかりになる方はなにとぞご教示くださいませ。各地の目立たぬ、しかし匠の技を駆使した仕事をなさっている職人さんたちを取材した連載です。あれまら17年ほど。みなさんまだお元気でご活躍でしょうか…。

 

トップ写真は寺家町のひまわり。もう枯れ始めております。まだまだ猛暑が続きそうですが、夏も終わりに向かいますね。台風の上陸も予想されています。どうぞお気をつけてお過ごしください。

 

 

CFCLとバレエダンサーのコラボが始まりました。デザイナーの髙橋悠介さんと対談しました。今の「日本らしさ」や西洋ファッションとバレエの関係、身体と衣服の話など。髙橋さん世代にはすでに洋服が当たり前のオリジンとしてあるんですよね。「和」にこじつけない日本オリジン、再考する機会になりました。CFCLの公式ウェブサイトに掲載されています。

やまと2023秋冬展示会にお招きいただきました。伝統的なきものも美しく展開しているのですが、Double Maison や Nadeshiko 、Y & Sons といった各ブランドの斬新な解釈にもワクワクします。総レースのきものは同色の帯と合わせてドレス感覚で講演の機会などに着てみたい(スポンサー大募集(笑))。

インバウンドの延長で、広義での日本のファッションにも関心を引きつける大チャンスが到来しています。きものの可能性はこれからますます開花しますね。
大島紬をめぐる地域との協力のお話が興味深く、近日中に記事化します。

Vulcanize London にお招きいただき、チャールズ国王の愛するメニューをいただきながら、皇太子時代のチャールズに8年間仕えた経験をもつフェイフェイさんの話を聞くというランチョンに参加しました。メゾン・デュ・ミュゼにて。

リアルな宮廷のお仕事の話や、フェイフェイさんが現在日本で進めている教育の話が本当に面白くて、こちらは追って記事にしますね。

Vulcanize さんがギーヴズ&ホークスから借りたという本物の近衛兵の制服も着用させていただきました。重い暑い。

英国紳士世界のOSの、人間性を熟知したユニークな素晴らしさを再確認した機会になりました。フェイフェイさん、BLBG社長の田窪さんはじめPRの井上さん、室岡さん、ご一緒させていただきましたみなさま、ありがとうございました。

ランチョン後はVulcanie London に移動し、メンズの秋冬コレクションを鑑賞しました。

高松太一郎さん取材。福岡市出身ながら、富山市に移住し、この秋、アトリエを備えたテーラーメイドの店舗を開きます。メンズスーツ、レディースドレスとスーツ。準備中ながらすでに多くのプロジェクトを進行中。

東京造形大→セントラルセントマーチンズ→プラダ→ドルガバ→ディオール、というキャリアです。イタリア、イギリスの違いも経験していらっしゃいます。

Hosooさんとのプロジェクトも。八重洲ミッドタウンHosooに飾られているパジャマは高松さんの制作。さらに新しい作品も進行中です。

学生時代から私の本をお読みくださっていたとのことで、心尽くしのおもてなしをしていただき感激でした。ご紹介くださいましたのはKaori Takeuchi Miller さん。ありがとうございました。食の富山ばかりがフィーチャーされますが、衣の富山も盛り上がるとよいですね。

日本経済新聞夕刊「モードは語る」。男女ともにトレンドが続いているジレの進化について書いています。電子版はこちら。写真はエストネーション2023/24 秋冬展示会より。

各地でたいへんな雨でしたね。夜中の警報で不安な夜を過ごされた方も少なくないのではと拝察いたします。被害に遭われた方々に心よりお見舞い申し上げます。

 

本日の日本経済新聞夕刊「モードは語る」で「カシミヤを着た狼」のレビューを書きました。ウェブ版にも掲載されています。お時間ゆるすときあればぜひHulu で本編全4章をご覧になってください。

高知信用金庫で3日間、職員のみなさまのスーツスタイルを指導する講師の仕事でした。クリエイティブな美意識の高い理事長の方針に基づき、3シーズン目です。

 

GQ JAPAN 5月号に寄稿しました。エトロの新・クリエイティブ・ディレクター、マルコ・デ・ヴィンチェンツオ氏と新生エトロについて。2月の来日時に、文化服装学院での講義→ランチ→インタビュー→撮影、とほぼ半日ご一緒に過ごすなかで、オフの場面での話も入り混じっております。GQ本誌でご覧くださいませ。

カメラマンに撮っていただいた記念写真です。2月の風の強い日だったので、もこもこの防寒仕様ですね。

エトロのイタリアチーム、ジャパンチーム、GQスタッフに大変お世話になりました。ありがとうございました。

共同通信から取材を受け、チャールズ国王のサステナ哲学とチャールズパッチについてコメントしました。多くの地方紙(紙版)で掲載されました。ウェブ版にも掲載されています。

 

また、英語版も発信されています。

 

ウェブサイトで読める記事は、本サイトWorks カテゴリーの「Websites」にまとめてあります。

 

 

フジテレビ「イット!」において、チャールズ国王のサステナブルファッション、英王室のメンズスタイルの継承について話しました。

ロケ場所として「ル・パラン」にご協力を賜りました。ありがとうございました。

本番組は、FNNの公式サイトに記事化されています。

 

過去のメディア出演に関しては、本サイトWorks カテゴリーのなかの「Media Appearance」にまとめてあります。

 

 

Nikkei The STYLEに「The Godfather スーツの歴史絵巻」を寄稿しました。

ウェブ版にも掲載されています。

 

 

過去のエッセイは本サイトWorks カテゴリーの「Essays」に収蔵しています。

ウェブ記事は、同カテゴリー「Websites」にまとめてあります。

産経新聞から取材を受け、チャールズ国王のサステナビリティとファッションについて話しました。本日の朝刊およびウェブ版に掲載されています。

 

取材を受けた過去記事は、本サイトWorksカテゴリーの「Various Works」欄第二部の「Interview」に収蔵されています。「Copywriting」の項目を下っていくと、第二部の「Interview」にたどりつきます。

 

Forbes Japan 連載「ポストラグジュアリー360°」更新しました。「英王室と美術館から考える、『旧型』の意義と存続条件」

新型ラグジュアリーの研究を進める中で、歴史の見え方も変わってきました。

19世紀ダンディズムは、王室に代表される権威(旧型)に抵抗する、当時の「新型ラグジュアリー」であったことに気づいたのです。

旧来のシステムのなかではどうあがいても影響力をもてなかった元祖ダンディ,ブランメルは、<自ら評価を上げるべくコンテクストを創造する>(安西さんの表現)ことをやってのけたのでした。

21世紀のラグジュアリーにとっても、評価を上げるためのコンテクストを創ることがカギになりそうです。

「新型」「旧型」の対比における「新しさ」とか「旧さ」は、中身そのものではなく、文脈も含めた総合的なあり方なのだ、ということを後半の安西さんのテキストが示唆してくれます。

 

過去のウェブ連載は、本サイトWorksカテゴリーの「Websites」に収蔵しています。

Forbes Japanにおける連載「ポストラグジュアリー360°の風景」はこちらにまとめてあります。

Men’s EX 秋号発売です。

特集記事のなかでブリティッシュ・ラグジュアリーについて解説しました。雑誌の性格上、マテリアリズムの世界全開ですが。

よろしかったら本誌でご覧ください。

本誌写真はイギリス大使館にて撮影していただいたものです。もう一枚の候補?だった没バージョンがこちらです。

19日におこなわれたエリザベス女王の国葬に合わせて、NHKのニュースウォッチ9にお招きいただき、ファッション解説をしてきました。

とはいえ生放送の緊迫感並大抵でなく、当初の予定の半分も話せずじまいでした。

NHKが夜のニュースでファッション解説をやる、しかも国葬に合わせてくる、ということが時代の進歩に感じられます。

国葬と台風という話題にはさまれて楽しげにファッションのテーマを話すわけにもいかず、なかなかの試練でした。服装も葬式に出席するわけではないので黒喪服は不要、でも華美はNGで地味めにという制約あり、結果、ダブルのスーツの上を使ってブレザースタイルに。イギリス人もあまり言わないチャールズ新国王のファッションの可能性を話せたことだけはよかったかも?

それにしてもテレビの反響凄くて多くの方から写真やメッセージをお送りいただきました。1-3枚目はその中から使わせていただきました。ありがとうございました。

語り切れなかったネタは、番組のウェブ版で文字化されるときに補足させていただきますね。

ご一緒させていただいた税所さんにスタジオで撮っていただきました。

新国王チャールズIII世のスピーチ。

母の死を悲しみつつ国王としての最初の演説をしなくてはならない複雑な局面でのポケットチーフはこうくるのか。チャールズIII世は今後も世界のスーツスタイルのお手本として君臨されるでしょう。ちなみにトップ写真のチャールズII世は1666年に衣服改革宣言を発し、メンズスーツのシステムを創ったイングランド王です。この宣言によって、上着+シャツ+ベスト+下衣+タイ、というスーツのシステムの基礎が作られます。以後、メンズウェアは細部を改良しながら連続性をたもって変わりつつ、今に至ります。

 2000年に出版し、すでに絶版となっている「スーツの神話」の電子書籍版が、「スーツの文化史」です。なんとkindleで0円で読めるよ!!

 

チャールズIII世は、スーツのかけはぎ、革靴のつぎはぎでも有名。愛着をもって服を長く大切に着るという態度も、時代の要請にかなっているように見えます。

もはや「先細る一方」とされるスーツですが、チャールズ効果で少し上向きになることを願っています。

 

 

 

suzusan 有松店にてsuzusan秋冬展示会。

ショップでは代表の村瀬さんのお姉さまである瀬霜千佳さんが歓迎してくださいました。その後、訪れる工場では、お父さまや弟さんにもお目にかかることになります。ファミリービジネスなのですね。

村瀬さん自身が描いたデザイン画。次のシーズンのテーマは「サークル」だそうです。抽象度の高いこのデザイン画から商品を作っていくスタッフ、すごいな……。

「もう廃れてなくなる」と言われていた有松絞の技術を世界で認めさせ、ラグジュアリーマーケットに食い込んでいく勢いのsuzusan。お宝を見つけるには、足元を深く掘れ。の好例でもありますね。ハウツーをガン無視して自らのキャラクターで淡々と前例なきビジネスを進めていく村瀬さんの「あり方」が一番のカギだとは思います。

 

サンナマリン首相のダンス動画が話題になっておりますが。

フィンランドのラグジュアリーについて、大使館上席商務官に取材した記事を書きました。

本日より3回に分けて掲載されます。

1日目の今日は、フィンランドの幸福感とデザインの特徴についてです。JBpress autograph でお読みいただければ幸いです。

 

サンナマリン首相のダンス動画流出に関しては、英ガーディアン紙の反応がいちばんクールでした!モラルの是非は問わず、各国首脳のダンス映像とひたすら比較して、だれが一番うまく踊れるかという論点にすりかえてしまった記事。こういう反応、とてもイギリス的で痛快です。

きものやまと秋冬展示会。トップ写真は加賀友禅。

正統派の凛とした絹のお着物から、日本の織物産地とコラボした木綿着物、アバンギャルドな折衷スタイル、デザイナーコラボ、アウトドア着物、ジェンダーフリー着物にいたるまで。上の写真は大島紬。

片貝木綿。

久留米絣。

「なでしこ」のラインはアバンギャルドな折衷型。下にパーカーをあわせるのがユニーク。ファーがついた下駄など、着てみたいもの多数。

こちらも着てみたいと思ったレース製の着物。ドレスのような迫力あり。

スノーピークとのコラボ。アウトドア仕様になっています。

スーツ地を使ったY & Sons のシリーズも相変わらずスタイリッシュです。井上ブラザーズとコラボしたアルパカの着物もありました。

現代にふさわしい多様な着物のあり方を見せていただきました。こうでなければならないという偏見から自由になりさえすれば、着物は無限の可能性を秘めていますね。

 

 

 

 

中目黒にてカポックノット展示会。

今期から「ラグジュアリー」という言葉をはっきりと出してきたのが頼もしい。

新型ラグジュアリーは、サステナビリティーを当然の前提として含めます。旧型(の一部の性格)は、いまのままだとGenZからはダサいと見られてしまいます。10年後を考えると新型の考え方にシフト、少なくとも配慮したいところ。時代の急速な変わり目を感じます。

これってラグジュアリーではないでしょ?という声も旧世代から聞こえるのですが、シャネルが最初に装飾を省いた帽子を出した時、あるいはアクリルのアクセサリーを出した時も同じような声が起きていたことを思い出します(いや、見たわけじゃないけど)。今のGen Zが求めているのが何なのか、その「願い」の方向に次世代ラグジュアリーが形成されていきます。「兆し」や「種」を見て、育てていきたい。きらっきらに完成されたものを資本の暴力でマーケティングされ、受け身でありがたがれという世界はもうムリ、という世代が10年後、市場を主導していきます。


デザインのバリエーションが増え、ファンも確実に増えており、猛暑のなかでのダウンの試着、大盛況でした。

トップ写真、左がデザイナーの満汐国明さん、右が代表の深井喜翔さん。伸びしろの大きい、日本の次世代ブランドです。

目黒川の周辺はおしゃれな店がひしめくウォーキングに最適な場所ですね。桜の季節はあまりにも混むので避けていましたが、今度ゆっくり歩いてみたい場所です。

 

 

Gucci CEO、マルコ・ビッザーリ氏にインタビューした記事がForbes JAPANのウェブサイトにて公開されました。

コロナ後初の来日のタイミングでの独占インタビューです。編集部のもろもろのご配慮に感謝します。

2mはあると思われるマルコさん。

社会のできごとに対し、これからの企業は「中立」ではありえず、立場を明確に表明すべき時代になっている、という言葉が印象的でした。それが従業員にとっても誇らしいことになる、と。

数年前とは激変した価値観のひとつです。新疆問題でも「ノーコメント」はありえなくなっているということが記憶に新しいですね。スポーツ選手はスポーツだけやっていればいいという時代ではなくなっていることは、大坂なおみの行動を支持するラグジュアリーブランドの動きをみてもわかる。ラグジュアリー領域は変化に最も敏感に反応し、先手、先手で動いています。

 

カメラマン小田駿一さん、編集は鈴木奈緒さんです。小田さんによる写真は、マルコさんが大変気に入り、公式ポートレートに採用されたそうです。(袖口のタグに注目!)

「ハリー・パーマー 国際諜報局」(イプクレス・ファイル)全6話がスターチャンネルで公開されました。


推薦コメント寄稿しました。公式HPに予告編ほか詳細があります。

アンチ007として設定されたハリーがじわじわくるんです。最初の2,3話はペースについていく忍耐が必要かもですが、後半、独特の感覚に乗ってくると俄然、面白くなっていきます。

ルーシー・ボイントンが着る60年代ファッションも眼福です。

ブリティッシュカルチュア、1960年代ファッション、英国スパイ映画の系譜、に関心がある方はまず見ておきたいドラマです。

Kingsman のハリーのモデルになったのがハリー・パーマーで、60年代当時はマイケル・ケインが演じていました。メンズスタイルも丁寧に再現されています。

©Altitude Film Entertainment Limited 2021 All Right Reserved Licensed by ITV Studios Ltd.

Forbes JAPANでのポストラグジュアリー360°連載、更新しました。「『柔らかい言葉』が新しいラグジュアリーをつくる」。

デュッセルドルフで起業した、有松絞り5代目でもあるsuzusan代表の村瀬弘行さんへのインタビューからスタートしています。

後半の安西さんによる論考は、<日本の伝統文化や技術を海外にもっていく>ときに留意したいことにふれています。新ラグジュアリーの文脈で海外進出を考える方は必読と思われます。

村瀬さんは、日本の伝統文化をヨーロッパという異文脈にもちこんで、まったくコネのない土地でファッションビジネスを成功させたユニークな方です。現地の方との関係の築き方からして驚愕(のち納得)でした。

村瀬さんは新しいラグジュアリーを理解し、それを自分なりの方法で実践する方でもあります。ヨーロッパにおける「旧型」の扱いの変化の話もあり、多岐にわたり示唆に富んでいて面白いと思う。よろしかったらぜひForbes JAPANのサイトでご覧ください。

Gucci CEOのマルコ・ビッザーリ氏が3年ぶりの来日、9日にインタビューの機会をいただきました。

私が子供のように小さく見えますね。5センチほどのヒールがある靴なので身長170センチです、これでも。マルコさんが2mくらいの身長なのです。

並木旗艦店の3階VIPフロアでインタビューが行われました。90分、非常に濃い充実した時間でした。マルコさんは当然と言えば当然ですが、ホスピタリティに富み、頭の回転が速く、場を明るくするオーラをお持ちの素敵な方でした。

今回の来日でのメディアインタビューはForbes Japan独占とのことです。これから原稿を書きます。お世話になりましたGucci、およおびForbesスタッフのみなさまに心より感謝します。

おもにラグジュアリービジネスに関するテーマで話を伺いましたが、本題とは関係のない、マルコさんのファッション(眼鏡やスーツの袖口のタグ)についても、雑談の中で面白い話を伺いました。これらについてはまた別の機会に!

 

マルコさんに「ナイススーツ!」と褒められたスーツは、廣川輝雄さんが魂を込めて作ってくださった作品。裏地が表以上にすばらしいのです。インナーは心斎橋リフォームの内本久美子さんに依頼して創っていただいたもの。襟元が半襟を重ねたようにダーツ状になっています。袖口のボタンはパールになっており、男性のカフリンクスのような効果もあります。さすが久美子さん、センス良く、希望を具体化してくださいました。

今回のようなブランドCEOやデザイナーを取材する場合、他のブランドを着ていくわけにもいかない。相手に敬意を表現できる程度にきちんと格を整えることができて、ブランドに煩わされない服……となると、テイラードに落ち着くのです。#GoTailored

 

プリンス・オブ・サステナビリティことプリンス・オブ・ウェールズ(チャールズ皇太子)が、サステナブル・マーケッツ・イニシアティブの晩餐会をバッキンガム宮殿で開催したというニュース。

新ラグジュアリーの旗手、ブルネロ・クチネリは、フェデリコ・マルケッティ率いるファッションタスクフォースに参加表明。再生ファッションのプロジェクトです。

こうして影響力のある方々がどんどん新ラグジュアリーのあり方の例を見せてくれるのは頼もしいですね。チャールズ皇太子は1980年代からすでに筋金入りのサステナ王子。「時が来た」という力強さを感じます。今後の展開にますます期待したくなります。

写真はブルネロ クチネリからのご提供です。この3人のスーツスタイルも語りどころ満載ですね(今はその場でない?)

Netflix 「ホワイトホット アバクロンビー&フィッチの盛衰」。

1990年代に排他的な戦略(白人・美・マッチョ以外は排除)がウケてカルチャーを席巻したブランドが、その価値を貫いたゆえに2000年代に失速,凋落。その過程に2000年代、2010年代にうねりを見せた多様性と包摂の動き、#metoo 運動など社会の価値観大変動がありました。関係者の証言で生々しく描かれる内部の様子が非常に興味深い。

それにしても、言葉遣いにいたるまできめ細かく設定された「エリート主義+セクシー+エクスクルーシブ(+伝統)」なアバクロのブランド戦略=排他的文化の構築に驚愕。

アバクロのモデルは服を着ないで服を売った。ファッションビジネスは、服を売るんじゃなくて文化を売る、ということがよくわかる例にもなってます。ふつうに良いものがあふれる今は、ますます文化に細心の注意を払う必要がでてきます。

とりわけラグジュアリー領域にその兆候が現れやすい。新ラグジュアリーが文化盗用や人権、包摂性やローカリティー、倫理観に対して敏感になり、新しい文化を創るのとセットになっているというのは、そういう文脈に則っています。ラグジュアリーが特権的で神秘的で選ばれた人のための贅沢品という思い込みのままなのは、1990年代で止まっているのと同じ。あらゆる文化間に「上」「下」関係を作るのがダサくなっている今、ラグジュアリーの概念も大変動を起こしています。価値観をアップデートしましょう。

 

?ファッションジャーナリストの宮田理江さんが『新・ラグジュアリー』のレビューをアパレルウェブに書いてくださいました。

?amazonでは連休中、その他の地域経済関連書籍部門でプーチンをおさえて一位。8日の現時点でまだベストセラーマークがついてます。ありがとうございます。

ブルネロ クチネリ表参道店の地下アートスペースで、細川護煕さんの作品が展示されています。地下といっても自然光が差し込む明るい空間です。

堂々たる六曲一双屏風の夜桜図の裏はピンク! 薬師寺慈恩殿に奉納した障壁画「東と西の融合」の下絵も展示されています。どなたでも観にいけますよ。

メディアお披露目会の今日は、サプライズで宮川社長のご結婚祝いも。世界では戦争も起きており、予断を許さない状況で、コロナで苦しむ人もまだまだ多い。そんな世界に深く思いを寄せながらもできるだけポジティブな側面も発信していきたいというお話が印象的でした。

表参道のおついでがあるときにでもぜひ、クチネリの旗艦店、地下のアートスペースを訪れてみてください。

 

Star Channel でこれから公開されるドラマの試写を拝見。『ハリー・パーマー 国際諜報局』全6話、一周まわってレトロでアナーキーなおもしろさがあります。

1960年代にアンチ・ジェームズ・ボンドとして設定された元祖黒縁眼鏡のスパイが、いやあ、反007だからこそ今っぽいというか。もっさりしたスピード感といい、ゆるい音楽設定といい、その中で際立つヒロインの60年代ファッション。やみつきになってます。

詳しくは媒体などで書きますのでこれ以上はここでは控えておきますが、英国スパイもの好きな方はネタ元を知っておくためにも必見でしょう。

それにしても今年は1960年代ものの仕事が多い…。秋は60年代ブリティッシュカルチャー、全開ですよ!

 

©Altitude Film Entertainment Limited 2021 All Rights Reserved. Licensed by ITV Studios Ltd

<作品情報>
『ハリー・パーマー 国際諜報局』
【脚本・製作総指揮】ジョン・ホッジ(『トレインスポッティング』)
【製作総指揮】ウィル・クラーク(『ホイットニー ~オールウェイズ・ラヴ・ユー~』)
【監督・製作総指揮】ジェームズ・ワトキンス(『ブラック・ミラー』)
【出演】ジョー・コール、ルーシー・ボイントン、トム・ホランダー、アシュリー・トーマス、
ジョシュア・ジェームズ、デヴィッド・デンシック ほか

有松絞のsuzusanの村瀬弘行さんにZoomでインタビューしました。現在、ドイツに滞在中です。

日本を離れて海外でビジネスを展開することの面白さを多角的な視点から伺えて非常に有意義でした。ほんとに楽しいインタビューでした。詳しい内容は、媒体で書きます。しばしお待ちくださいませ。

ありがとうございました!

 

ae Ashida 30th Anniversary Collectionは「ボレロ」で盛り上がり。

Takahiroさん振り付け、柄本弾さんのバレエで熱気をおびてきたスタジアムに、秋冬のドラマティックなファッションが披露され、ラストはボレロのサビに合わせて全モデルが勢揃い。

 

五大陸からのモデル300人がサッカースタジアムに勢揃いしたサンローランの伝説のショーを連想しました。

音楽は大沢伸一さん。多くの女優や有名人がフロントロウにならぶ華やかなショーでした。

30周年おめでとうございます!

 

3月13日にムーゼオ・スクエアでおこなわれたライブ鼎談が全文書き起こしとして公開されています。

純国産ツイードによるノーフォークジャケットの誕生ストーリー。どうぞこちらでご覧くださいませ。

Suzusan展示会。ドイツで活躍するデザイナーの村瀬弘行さん(写真、右から二人目)はじめスタッフのみなさま。村瀬さんは3年ぶりの来日。

 

 

有松絞を現代的に翻案した高級素材の製品は海外で人気があり、売り上げの75%がヨーロッパとのこと。

インテリアファブリックはホテルにも納められている。

照明のカバーに使われている布は防炎で、絞りが光に陰影をもたらします。ディオールにも納められているそうです。バッグも実績のあるハイブランドのデザイナーとコラボ。

日本発の新しいラグジュアリーとして栗野宏文さんが筆頭に挙げたのがこのブランドでした。村瀬さんのお話によれば、ヨーロッパでも脱・旧型ラグジュアリーが進み(=コングロマリットと契約しない)、新しいラグジュアリーに支持が集まっている(=規模は小さくてもクリエイティブで上質なものを作っているところと契約する)そうです。

LOVE という文字が柄になってます。

ハート型が柄になってる。いわれてみれば!


展示会場の裏参道ガーデン。このあたり一帯、この手のシブいおしゃれ感があふれすぎていて、心身ともに迷子になりました……(笑)


村瀬さんがドイツから持ってきてくださったオーガニックチョコ。おいしいすぎてついつい食べすぎ。

すでに海外大手メディアにも取り上げられたり、中学の教科書になったりしているようですが、いずれ名古屋まで行ってじっくり取材してみたいブランドです。村瀬さんはじめみなさんあたたかくて素敵で、Love?

人が素敵だと、その人がやっていることまで素敵に見えてくるってこと、確実にありますね。もちろん仕事それじたいも大前提としてすばらしいのですが。投資家が、ビジネスの内容ではなく人を見て投資するかどうかを決めるというのも理由があります。

仕事磨きやスキル向上も大切ですが、魂とか心とか、見えないものを磨くことは、それ以上にだいじ。ということまであらためて実感させられました。世界に向かって愛を放射する人でありたいですね。

 

新しいラグジュアリーの到来に備えましょう。

渋谷パルコのポップアップで「自由な背広」。


ユナイテッド・アローズ、ニューバランス、ギャルソンのコラボ企画です。


ギャルソンのスーツがファスナーであれこれアレンジできて形が変わり、ワクワクしました。

スーツの首元にも新しい提案。

新しい時代を作ってきたのはいつだって新しい服。


時代の大きな変わり目に、ほんと、もっと自由な背広があっていい、と気分明るくなりました。


代々木公園の桜。

アジャスタブルコスチューム展示会。初日の19日に訪れました。


マニアックな方々とご一緒になり、メンズファッションの沼をかいま見ました。

アジャスタブルコスチュームとJ Shepherdsコラボのツイードを使ったノーフォークジャケットを解説する小高さん。

ベルベットのスモーキングジャケット。チャイナボタンとコード刺繍は職人技が施されています。日本の職人が刺繍をおこなっています。左のトランクに入っているのは、ブレーシズ。サスペンダーのことです。


スモーキングジャケットを着用して、靴デザイナー坪内浩さんと記念写真。


アイヌ柄をあしらったネクタイ。アイヌ柄なる柄が存在することじたい、初めて知りました。スコットランドのタータンみたいな、意味があるものだそうです。


国島J Shepherdsのご紹介。新作ツイードの見本も展示されています。

ゴッドファーザーのヴィトー・コルレオーネが着ていたベスト。左側です。ポケットの柄、ひじあて(裏地に目立たないように施されている)まで再現。箱までビンテージを取り寄せるという、徹底したこだわり。ちなみにBGMはゴッドファーザーです。


マニアックな世界に底はなし。どこまでも極める心意気、見習いたい、

 

 

JOJO Magazine 2022 spring 発売中です。

ジョジョの世界におけるファッションの意味を解説しました。

アウェイ感、満載です……。アウェイで恥をかきながら鍛えることで経験価値も高まります(多分)。機会をいただけるかぎり、アウェイでの挑戦を続けていきたいものです。

徐倫の強さにあやかりたい。

↓ click to amazon

東京ファッションウィーク開催中。表参道周辺はとんがった装いの方がいつも以上に多く見られますね。

表参道ヒルズにて、高橋悠介さん率いるCFCLのインスタレーションを鑑賞しました。

すべてニットです。サステナブル素材を使い、ジェンダーフリーであるのは当然の前提。

そのうえで、ひと目でこのブランドとわかる、独特の未来感覚あふれるシルエット。キッズラインもあります。

ほんと、「ああ、新しい時代!」というのを感じさせる斬新なシルエットですよね。ニットなので着る人の体型に合わせてなじみます。

マタニティの方にも、産前産後でおしゃれでいられると大好評だそうですよ。自分で洗濯可能なのもありがたい。

先月、おこなわれた展示会では、渡辺康太郎さんご夫妻にもお会いしたのですが、ここのニットウェアの大ファンだそうです。私も夏服を注文してみました。余剰を出さず在庫をもたない受注システムなのです。7月にできるそうですが、今から楽しみ。

14個のスピーカーから流れる音と、迫力ある展示で、世界観がはっきりと伝わってきました。

「帰らない日曜日」(Mothering Sunday)試写拝見しました。


原作はグレアム・スウィフト「マザリングサンデー」、監督はエヴァ・ユッソン。

1920年代のカントリーハウスを舞台に繰り広げられる天涯孤独のメイドと名家の跡取り息子の秘めた官能的愛。とくればカズオイシグオ的世界のなかにダウントン風人間模様。

淡く物悲しいストーリー展開にとって大切な役割を果たしているのが、眼福を与えてくれるインテリアや衣裳。

衣裳はサンディ・パウェル。「女王陛下のお気に入り」を手掛けた方です。20年代コスチュームにエッジを効かせて見せてくれます。絵画のように上品で「自然な」(ここ、強調しときますね)ラブシーンにはちょっと驚きますが。

5.27(金)全国公開

2021年/イギリス/104分
配給;松竹
© CHANNEL FOUR TELEVISION CORPORATION, THE BRITISH FILM INSTITUTE AND NUMBER 9 FILMS
SUNDAY LIMITED 2021

13日には、国島J Shepherds の生地を使ったAdjustable Costume によるノーフォークジャケット発売記念ライブをご視聴いただきありがとうございました。

ムーゼオ・スクエアのスタッフさんたちが丁寧に準備、配信してくださり、楽しいライブになりました。後日、文字化されてMuuseo Squareにアップされます。

 

また、繊研新聞にはすぐに記事化されました。感謝。

写真は、J Shepherds のインスタグラム・ストーリーより。

さて。発売前ではありますが、『新・ラグジュアリー 文化が生み出す経済10の講義』は、「思想・社会の法律」部門および「売買契約」部門でアマゾンのベストセラー一位になっております。ありがとうございます。それにしても「社会の法律」って!

『新ラグジュアリー 文化が生み出す経済10の講義』。クロスメディアパブリッシングより3月28日発売です。鮮やかなカバーもできました。クリックするとamazonにとびます。

どうぞよろしくお願いします。

北日本新聞「まんまる」4月号発行です。連載「ファッション歳時記」第127回は、「ナイトメア・アリ―」のコスチュームについて。

ギレルモ・デル・トロの世界が好きな方には全力おすすめの映画です。

 

©2021 20th Century Studios. All right reserved.

この映画のケイト・ブランシェットのクラシックな髪型にしてみようかと思ってしまうほど磁力が強い。

配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
3月25日より全国公開

kotoba 春号 ゴッドファーザー50周年記念特集。本日発売です。

このような目次です。これは永久保存版でしょう。

 

拙稿「マフィアとスーツ」では、バー「ル・パラン」の本多啓彰さん、「アジャスタブルコスチューム」の小高一樹さん、「スローンレンジャートウキョウ」の大西慎哉さんに取材のご協力をを賜りました。ありがとうございました。

ご覧のように、小高さんは「パートII」でのヴィトー・コルレオーネのスタイルを再現した装いで取材に応じてくださいました。マニアックを極めた観察力で多くのご指摘をいただきました。

いよいよ初校ゲラが届き始めました。

『新・ラグジュアリー 文化が生み出す経済 10の講義』(クロスメディア・パブリッシング)、3月末に発売予定です。Forbes JAPANでの連載の共著者、ミラノ在住の安西洋之さんとの共著になります。連載の方向は踏襲しつつ、内容、形式は大幅に書き換え、ほぼ書き下ろしです。

 

 

次の本も(というか本来そちらが早いはずでしたが逆になってしまい)淡々と進めております。

 

 

日経新聞土曜夕刊連載「モードは語る」。

本日は、テーラード業界を救う?女性のテーラード需要と女性テーラーの話を書きました。

サヴィルロウでは象徴的存在だったギーブズ&ホークスの親会社が倒産。老舗も続々実店舗を閉めました。代わりに台頭しているのが女性のテーラード需要に応える店舗と女性テーラーです。

 

写真は廣川輝雄さんの蒲田オフィスで仮縫い中の筆者です。何年か前の、まだ「仮縫い」「中縫い」が新鮮に思えていたころの(笑)写真です。

電子版ではこちらからお読みになれます。

ゴッドファーザー」生誕50周年記念の原稿8000字近く脱稿しました。書き上がるまでかなり苦悩して長い「旅」になりました……。

20世紀の実在のマフィアのボスのスーツスタイルを調べつくしてやたらこの分野に詳しくなりました。

だからってまったく何の役にも立ちませんが、そんな無駄なことが意味もなく楽しいから困ります。(ちょっとは役に立つ人間になりたい)

その仕事の意味は? 意味ある仕事と感じられる時は幸せでしょう。一方、「意味ない」と感じられることもあります。「意味のなさ」にも二種類あって、虚しすぎて意味ないと感じ、疲労ばかりが増していく「ブルシットジョブ」もあれば、社会的な意味なんかまったくないんだけど没頭しているだけで脳がフル回転して元気になっていくという「意味のなさ」もありますね。私はどちらかというと後者の無意味にひたっているのが得意(?)で、無意味を極めるための苦労は苦しいんだけど苦しくない。そういうことを何の疑問も抱かずやっている変人を見つけたらお仲間としていたく共感を覚えがちです。

 

取材にご協力くださいました方々、ありがとうございました。

「アジャスタブル・コスチューム」の小高一樹さん、ヴィトー・コルレオーネ スタイルでの熱いお話ありがとうございました。


「スローンレンジャー・トウキョウ」の大西慎哉さん(右)、スーツの細部に関するマニアックなお話ありがとうございました。

そしてルパランの本多啓彰さん、ありがとうございました。


同、上村卓さん。ありがとうございました。

紙幅の関係で豊穣なお話のごく一部しか引用できなかったのが残念極まりないのですが。3月に活字になります。

 

雲一つない空の暗闇、目の前には2022年最初の満月。

House of Gucci. 14日から公開になりましたね。

ファッション史に興味があってもなくても飽きさせず、2時間半、目が釘付け。

 

ノリノリの70年代末~80年代ミュージックと感情揺さぶるイタリアンオペラがいい感じで「意味まみれ」。衣裳は眼福、俳優は驚愕。

ジャレットレトを探せ。史実を知っていたらなお面白くなる。(「アパレル全史」参照。笑) ちょうどゴッドファーザーの原稿を書いていて、アルパチーノの演技に歴史を重ね見てじわり泣きました… とにかく必見です。

 

写真はすべて、© 2021 Metro-Goldwyn-Mayer Pictures Inc. All Rights Reserved.

 

House of Gucciで印象に残った人間観察のひとつに、「人と違う個性や才能をアピールすることは、実は凡庸さの頂点である」というのがあります。本当に革新的なやり手は、最も静かで平凡に見えたアノ人だった!という事実に基づくオチが渋い。画期的な変化を起こす人はいちいち人と違うアピールなんてしない。静かな意志を、平凡に着実に淡々と貫き、その暁に結果を出す。そんなもんです。

 

 

 あわせて読むとよりいっそう面白さが増す原作本。

 下巻末の解説も理解を深めてくれます。

 映画の中に出てくるトム・フォード、ドメニコ・デ・ソーレ、アナ・ウィンター、カール・ラガーフェルドがどんな位置づけの人なのか? 占い師役のサルマ・ハエックの現実世界での夫がどんな人なのか(グッチを傘下におさめるケリングの会長)? 今のグッチをもりあげるアレッサンドロ・ミケーレはどんな仕事をしていて画期的なのか? いつからファッションのメインプレイヤーが資本家になったのか? などなどご参考になる点いろいろあるかと思います。電子書籍版もあり。

13日、神保町の小宮山書店で、GQ編集長を退任されたばかりの鈴木正文さんと、栗野宏文さんのトーク。テーマは「読書とおしゃれ」。フィレンツエで開催中のピッティ・ウオモでも同時中継されました。

おふたりとも、よい表情ですね。存在感そのものにおしゃれな空気感が漂ってます。

こちらは開始前の待ち時間に、大住憲生さんが撮影してくださった一枚です。デザイナー、ジャーナリスト、編集者など、おふたりに縁のある方々が「今読んでいる本」「好きな本」を披露。またまた読むべきリーディングリストができました。こういう場がもっとあるとよいな。

それにしても小宮山書店の5階、6階にこんなすてきなところがあるとは。神保町おそるべし。

 

オペレーション・ミンスミート」試写拝見しました。

1943年のリアリティある軍服&ファッション、耳に心地よいイギリス英語、世界の命運をかけたナチス相手のギリギリの(難しすぎる)頭脳戦と妻帯者コリンファースの淡い淡い曖昧なロマンスにしびれます。暗号解読に活躍したのは女性たちだったことも描かれる。イアン・フレミングも登場してイギリス・スパイものファンにはワクワクものです。実話に基づく緊迫感あるストーリー

監督:ジョン・マッデン
出演:コリン・ファース、マシュー・マクファディン、ケリー・マクドナルド

2月18日公開。

Forbes のポストラグジュアリー連載、更新です。今回はラグジュアリーとマナーとの関係。

連想されがちな「ファーストクラスのなんたら」とか「一流のどうたらこうたら」とは全く次元が違うアプローチです。前半が安西洋之さんで想定外の視野からの問題提起。後半を中野が英国紳士文化の視点から書きました。

こちらでご覧くださいませ。

 

 

また、これまでの連載がすべてまとめてアーカイブとして整理され、公開されました。「ポストラグジュアリー360°の風景」、まとめてどうぞ。

 

経産省「ファッション未来研究会」第3回の資料が公開されています。

第2回

第1回

それぞれ公開されています。

議論をすべて拾って資料をまとめ上げているのは、ローランドベルガーのスタッフです。

婦人画報フォーマル連載 Vol. 26 「フォーマルウェアの未来」

連載開始と同時にコロナ禍が始まり、コロナ禍でフォーマルウェアを考えるというハードルの高い仕事でした。いったん今回で最終回です。2年間のご愛読に感謝します。編集部のみなさまにも感謝申し上げます。

 

国島のJ Shepherds シリーズのツイードを使い、スローンレンジャートウキョウがデザインし、白洲次郎のお気に入りテイラーだった高橋光夫が制作し、綿谷寛画伯が着る、というノーフォークジャケット2021が26日、無事に完成しました。

 

詳しい制作のプロセスは、Men’s EXのウェブサイトで来年初めに掲載される予定です。どうぞお楽しみに。

本物の白洲次郎のスーツを作っていた高橋さんは、NHKドラマの「白洲次郎」で伊勢谷友介が着た衣裳も作っていたのだそうです。細部まで当時を正確に表現し。なんと。

 

こちら完成版です。フィッツジェラルドのように着たい、という綿谷画伯の希望は、ベルトを正確に再現することで可能になりました。このベルトは何パターンにもアレンジすることができます。

 

 

 

JBpress autograph 「モードと社会」第21回は、「革新的なコラボで西陣織を復活させた老舗『細尾』 細尾真孝の原点』です。

こちらは何年か前にミキモト本店で行われた「日本の織物」の展示でお会いしたときの細尾さん。日本各地の希少な織物の研究もされています。繊維といえどもR&Dなくして発展なし、と教えられます。

Forbes Japan 連載 「ポストラグジュアリ―360°」第12回がアップされました。「今年話題の2ブランドから考える、ラグジュアリービジネスの行方」

前半では中野がCFCLを通して「コンシャス・ラグジュアリー」を考え、後半では安西洋之さんがクチネリを通して「ヒューマニティ」を考えております。

 

 

本日付けの日本経済新聞連載「モードは語る」は、「スーツと着物に自由を」

「音遊」を展開する宮田真由美さんに取材しました。横浜高島屋でポップアップを展開中にお話を伺いました。

日本の伝統工芸に対するエンパワメントも担っています。

和男師のベルトを作るのは、宮田さんの夫君です。

音遊をご紹介してくださったのは、のぶさんこと関西学院大学の井垣伸子教授です。紙面にものぶさんの写真を掲載させていただきました。この備後木綿の着物、あまりにかっこよくて、私も同じものを購入しました! ベルトはさすがにちょっと違うものを(笑)。 身長、袖の長さ、身幅に合わせて作ってくださいます。届くのが楽しみです。

記事はこちら

12日、ブルネロ クチネリ メンズコレクション2022年春夏の発表会がおこなわれました。

最初にクチネリが人類のために手掛けたプロジェクト「ソロメオの普遍的図書館」についての解説。クチネリらしいプロジェクトです。2024年に落成を予定している「ソロメオの普遍的図書館」では、分野を哲学、建築学、文学、職人工芸に絞りつつ、世界中の出版物からなる膨大な蔵書を予定しているそうです(「ファッション」の分野がない、というのが痛快です)。


(こちらの写真は、今回プレゼンを聞き逃してしまったウィメンズより)

「皆が利用できる図書館、つまり人類が倫理的にも文化的にも最も深遠な成長をしていくうえでの愛すべき伴侶である数々の精神、古典をはじめ歴史上もっとも偉大な精神たちと対話できる、文化の殿堂のようなものを築こうと考えているのです」。

スポーツジムにオフィスにも行ける、いまどきのスタイル。とてもしっかりと構築されている。

オールホワイトのコーデ。白一色をかくもリラックスした雰囲気で。洗練のきわみです。

軍パンからヒントを得たパンツをタイドアップしたキレイ目のトップと合わせる。足が短く見えるんだけえど、かえってそれが余裕を感じさせて不思議なかっこよさを生んでいるというクチネリマジック。パンツは人間工学に基づいてデザインされています。

クチネリの色展開はいつもその名が詩的でじわじわ味わい深いのですが、こちらのベージュは、カモミール色の「カモミッラ」。

こちらの色は、キャベツの緑。ヴェルザ。

こちらの色はピンクにパープルがはいり、ベージュでトーンを落としたような「リリウム」という色。ほかにも多色を展開しており、カラフルでありながらすべてがベージュトーンで、大人の落ち着きを感じさせます。

 

オリバー・ピープルズとコラボしたアイウェアも今回の目玉です。グラス部分には最新のテクノロジーが駆使されています。


発表会のおみやげ、ソロメオ村のオリーブオイル。クチネリが整備したソロメオ村、2017年のピッティでチャンスがあったのになぜいかなかったのか、永久後悔ものです。行けるチャンスがある時には無理しても行っておこう。「次」はなかなか来ないのです。

ビーバームーンの月蝕はなかなかドラマティックでしたね。冬の晴れた空は空気が澄んでいて、月も星もいっそう神秘的に見えます。満月の日だからというわけではなく偶然ですが、髪を10㎝くらい切ってボブにしてみました。いろんなことが急スピードで展開しており、中身のOSも入れ替える時期に来ているようです(ダンプファイルはどこかに残しておこう(笑))。写真は夕刻の日比谷。

さて、経産省「ファッション未来研究会」第1回の要旨がすでに経産省HPにアップロードされています。早い。情報量もすごい。今回は合計5回開催される予定です。

ボストンテイラー訪問。


60年前の大胆な生地や既製服なども保管されており、歴史博物館を訪れたような感慨もありました。


いま、テーマになっているノーフォークジャケットも。


ここで着ているのは、ボストンテイラーが保管するクラシックなインバネスコート。日本語でトンビとか二重回しという呼称で呼ばれてましたが、シャーロックホームズが着てたアレです。和装にも合います。まさかここで出会えるとは。となりは店長?店番?駄洒落番頭?の川部純さんです。


川部さん、国島の伊藤社長です。

60年前に作られた生地や既製服のサンプルに触れることができます。ご興味のある方は川部さんにご連絡のうえ、訪れてみてください。

国島の国産ツイードJ Sheph国島の国産ツイードJ Shepherds × Sloane Ranger Tokyo による綿谷画伯のためのノーフォークジャケットの仮縫い取材。

作るのは白洲次郎お気に入りテーラーだった高橋光夫さんです。正しいノーフォークのベルトのあり方はじめ細部の学びが多かった。それより何より次郎最後の英国旅行に同行したエピソードなど初めて聞く数々の話に驚愕しました。

高橋さんがノーフォークを仕立てるのは三橋達也以来だそうです。

仕上がりは今月末。究極のクラシックな紳士のアウトドアジャケット、どんな服になるのか楽しみですね。

写真右は、Men’s EX編集部の橋本さんです。みなさまありがとうございました。erds ✖️Sloane Ranger Tokyo による綿谷画伯のためのノーフォークジャケットの仮縫い取材。


作るのは白洲次郎お気に入りテーラーだった高橋光夫さんです。正しいノーフォークのベルトのあり方はじめ細部の学びが多かった。それより何より次郎最後の英国旅行に同行したエピソードなど初めて聞く数々の話に驚愕しました。


高橋さんがノーフォークを仕立てるのは三橋達也以来だそうです。

仕上がりは今月末。究極のクラシックな紳士のアウトドアジャケット、どんな服になるのか楽しみですね。

写真右は、Men’s EX編集部の橋本さんです。みなさまありがとうございました。

 

4日は、日本フォーマルウェア文化普及協会のアワード授章式でした。アニベルセル表参道にて。

この日のイベントはドラマのように波瀾万丈で、長くなる話を端的に言うと、西野亮廣がいかにホンモノのジャパニーズハンサムであるかを目の当たりにしたので、その感動を伝えたい。

実はイベントの途中で芸能人ゲストのD夫人が、会場に響き渡る大声で怒り始めたの。「最低!」という暴言を30回ほど叫んで(多少、回数は盛ってるかも)凍りつく会場をあとに退場してしまいました。原因についてはここではふれません。

何人かがそれに続いて帰る中、ジャパニーズハンサムは会場に残りました。あとからわかったことですが、凍りついた空気をなんとかせねばと思い、後半の若い方々のアワードを盛り上げるつもりで戻ったようです。

で、若い方々の各賞発表。
ミスイブニングドレスが発表され、満面の笑顔で緑の女性が前に出たとき、ありえないことが起きました。いまのアナウンスはまちがいで、グランプリは他の女性です、という発表。

そんな残酷なことがあってよいのか。ざわつく会場。別の赤いドレスの女性が受賞している間、緑の女性はけなげに微笑んでいます。心中思うと、こちらが泣きそうでした。

その時です。ジャパニーズハンサム西野亮廣が「緑の女性には、ぼくから特別賞をあげます!」と宣言しました。彼は自腹で副賞のシャンパンを買い、特別賞を贈呈。会場は一気にあたたかく楽しい一体感に包まれて、もっとも盛り上がりをみせた賞になったのです。

D夫人の暴言からの一連のトラブルを全て伏線として回収し、大団円を演出して感動の西野劇場にしてしまったジャパニーズハンサム。いや、すごい。惚れるレベル。本当のフォーマルの精神を見た思いがしました。

主催者のみなさま、本当に(!)おつかれさまでした。予期せぬディザスター続きでしたが、西野亮廣さんのおかげで、かえって忘れ難い思い出深いイベントになりました。多くの人たちにインスピレーションをあたえる勇気と機転を示してくれた一人の美しい人間を目の当たりにした素晴らしい日でした。ガーター勲章が誕生したときのエピソードも連想しましたよ。「女性に恥をかかせない」これが紳士の心得として最も重要なことですね。(女性にとっての心得でもあります)

 

アイキャッチ写真で着ているブルーのドレス、こちらも内本久美子さんに昨年作っていただいたものです。

北日本新聞別冊「まんまる」11月号が発行されました。

鳥丸軍雪さんインタビュー、スピンオフです。JBpress autographのテーマから外れてしまった「エイジレスの秘訣」について、伺ったことを記事にしました。

 

これからのファッションは農業まで視野に入れることが避けられなくなります。

Farm to Fashionを掲げる木の実由来のファッションブランド「KAPOK KNOT」が、日本橋にて3月末までの期間限定の予約制ショールーム「Farm to Fashion Base」をオープンします。

レセプションに伺いました。トップ写真は、次世代ビジネスを先導する深井喜翔さん。数々のピッチコンテストで優勝しています。

天井も自分たちでペンキ塗りしたそうです。流木ハンガーなど、サステナ素材がいたるところにとけこんでます。

早くもコピーされるなど、悔しい思いもしているようですが、それは一流の証!と思って邁進してください。ココシャネルも、模倣されるのは一流の証、と言って動じなかった。でも悔しさよくわかる。追いつけないほどぶっちぎってトップになろう。目に余るようなら、いまはファッションローの専門家もいます。


一般来店は2021年10月15 (金)より。

深井さんの熱いお話、機会があったら一度は聞いてみてください。

朝日新聞 10月7日付朝刊でコメントが掲載されました。

認定式~組閣記念写真の大臣の装いはなぜ夜なのにモーニングなのか?

新聞掲載のウェブ版はこちら

より詳細のデジタルバージョンはこちらでお読みいただけます。有料会員限定の記事で恐縮です。

 

 

Forbes  Japan の記事、後半も公開されました。「ユナイテッドアローズ栗野宏文が『農業』に注目する理由」。

 

日本発、世界で闘えるラグジュアリーブランドを創るために栗野さんにお話を伺った鼎談(栗野宏文さん、ミラノ在住の安西洋之さん、中野)の後半です。

異文化リテラシーがますます重要になっていくこと

ファッションが農業と結びつかざるを得なくなっていくこと

政治(労使関係、国際政治問題、人権)との関わりを考えることがファッションにとって必須になっていくこと、など。

LVMHプライズの審査員として初回から関わり、世界の状況を肌感覚で知る第一人者としての栗野宏文さんに世界の話を、ヨーロッパ、とりわけイタリアの実情をリアルに知る安西さんの話を、中野が聞いてまとめています。ユナイテッドアローズの商品の話には一言もふれていません。国内でのビジネスもここでは一切議論にあげていません。世界に照準を据えて、スタートアップを考える方はぜひご一読ください。

昨日に続き、本日もForbes Japan トップ記事の扱いです。ありがとうございました。

Forbes Japan 「ポストラグジュアリー360°」第10回は、ユナイテッドアローズ上級顧問の栗野宏文さんをお招きしての鼎談です。「きらびやかなラグジュアリーの終焉とLVMHという才能探し」

LVMHプライズの話は栗野さんにしか語れない。日本発、世界へ飛び立つラグジュアリービジネスをお考えの方はぜひご一読ください。本日は前編の公開です。後編は明日、公開されます。

ヴァルカナイズロンドン&ザ・プレイハウスが内も外もボンド一色になっております。10月1日公開まであと一週間となりました。

妄想炸裂なボンドイベント打ち合わせでした。怖いような愛しいようなボンドファンをいかに抱擁(概念として)するのか? 悩ましきところです。

 

イベントについては近々告知できると思います。

 

Worth the Wait. というのは解説も野暮ですが、ダニエル・クレイグがハイネケンCMでつぶやいた一言です。この3語から成る一言で2億円のギャラらしい(笑)。ボンド映画も3度の延期でようやく公開ですが、Worth the  Wait. な映画となってるかどうか?

 

☆現実を生きるダニエル・クレイグが、演じる虚構のジェームズ・ボンドと同じ海軍の名誉中佐に任命されたとのこと。ジェームズ・ボンドってほんと、イギリス社会の虚実皮膜の中に生きながら、イギリス文化の広報大使になっている。ロンドンオリンピック開会式でダニエル・クレイグが女王陛下をエスコートしてヘリコプターから降りてきたときも「あ、ボンドがエスコートか」という感じで何の違和感もなかった(笑)。

ここまでのキャラクターを育てられるってあっぱれ。

今年3年目に入った国島のThe J Shepherds のプロジェクトを、専門家ではない方にもわかりやすいように解説しました。The Rakeのオフィシャルページです。

これまで廃棄されていた羊毛を日本中からかき集め、ツイード生地としてオーガニックなプロセスで製品化しています。大きなビジネスにはまったくなりませんが、牧羊業を守ることにつながっています。ワインのように毎年、風合いが異なる生地なんてロマンティックではありませんか?

メイドインジャパンの生地がイタリアやイギリスの生地と比べて蔑まれていた(ホントです)のは一昔前の話。近年、目覚ましい洗練を遂げています。価格のつけ方、自分たちの製品に対するプライドの持ち方、ほんの少しの見せ方の違い、というところが案外、大きかったと思います。海外ブランドも実はひそかに使っている日本産の生地。これをいっそう世界に通用するラグジュアリーとして「育てていく」ことができるのも消費者の力だと思います。

MIKIMOTO ジェンダーレスパールの展示会。

真珠といえば白い光、という思い込みを覆す、黒をテーマにした真珠のコレクション。

「PASSIONOIR」。PASSION(情熱)とNOIR(黒)を合わせた造語だそうです。

真珠のさらなる可能性を大胆に展開していく最近のMIKIMOTO、ほんとにワクワクさせてくれます。

真珠がもつ無垢な美と、強さ・神秘・漆黒の世界が融合。

MIKIMOTOが黒に染まったのは初めてですね。


黒真珠といってもカラーバリエーションは豊か。

公開されている動画「FEEL」には、ニューヨークのスケーター、BRANDON SCOTT JAMESが出演しています。スケーター、ヒップホップの世界にも黒いMIKIMOTO がすんなりなじんでます。(HPでご覧になってね。)

 

広報のサイトウさんです。(男性です。)いつもすてきなファッションで楽しませてくださいます。足元はマルジェラ❣️

 

 

 

 

 

ワクワクさせていただきました!
よき本です。詳しいレビューは後日、媒体で書きますが、学びも共感も感動も多く、かくも付箋だらけになりました。

 (click to amazon)

次の仕事のために購入した本。今秋のトレンドカラーは赤なのだそうです。

赤の意味をあらためて探る長い旅。赤の話だけで200頁書くパストゥロー、凄まじき力量です。

 (click to amazon)

 

私のトレンドカラーは何十年も毎シーズン赤なので、いまさら意味もなにもないのですが(笑)。

栗野宏文さんがディレクターを務めるアフリカのファッションとカルチャーのポップアップショップが渋谷パルコに。

カラフルな色彩、大胆な柄の組み合わせは見ているだけで元気になれますね。

栗野さんチョイスによるアフリカの文化を伝える本やレコードも充実。

栗野さんおすすめのアート本を購入しました。装丁も大胆ですが、中はぎょっとするような「トランスフォーメーション」の図がいっぱいで。トラウマすれすれですが、ヨーロッパがアフリカに何をしてきたのか、あらためて考えさせられました。

ノエル・カワードの古典的戯曲『ブライズ・スピリット』をアップデートした映画が10日より公開されます。

JBpress autograph の連載「モードと社会」第17回で見どころを解説しました。よろしかったらご覧ください。

1930年代の「ハリウッド志向のイングリッシュネス」を表現したアールデコ建築、ファッション、インテリアは眼福です。

こちらからご覧くださいませ。

 

竹内絢香さんによる「60s UK STYLE 」(徳間書店)。

60年代にふさわしいカラフルで躍動感のあるイラストが満載。60年代スタイルの特徴も楽しく学べるよう工夫されています。ユニークな個性をもつファッションイラストレーターは貴重です。

この本をきっかけにファッション史に興味をもつ若い人がさらに増えるといいな。

 (click to amazon)

日本経済新聞連載「モードは語る」。

28日付では、鈴木健次郎さんに取材したパリのスーツのエレガンスについて書いています。

電子版は、こちら。

 

 

フランチェスコ・スマルトが圧倒的な技術力を示すためにフィッシュマウスのバリエーションを120も開発したと聞いた時に、19世紀のMノッチの意味が腑に落ちました。テイラーの技術力を示すための襟。

人はどこかで自分の力を示したい。テーラーの場合、その一つが襟なのですね。

GQ 10月号発売です。特集はニューロマンティクス。巻頭にエッセイを寄稿しました。「ロマンティシズム3.0」。

本誌でお読みいただければ幸いです。

 

(click to amazon)

鈴木健次郎さんが今年二度目の来日で、ペニンシュラ東京で受注会。

今回はパリのテーラリングの特徴について、詳細にうかがいました。記事は28日付の日本経済新聞夕刊「モードは語る」に掲載されます。チェックしてくださいね。

 

あの「DeLuxe」を書いたダナ・トーマスの新しい本。といってもしばらく前に出版されておりますが。”Fashionopolis”。

(click to amazon)

そしてチャーリー・ポーターによる”What Artists Wear”.  こちらは写真が豊富で英語が苦手な人でも見て楽しめる。

(click to amazon)

どちらもファッションスタディーズの学徒におすすめ。とりわけダナ・トーマスの本。

まんまる9月号発行です。「ファッション歳時記」N0. 120 「今日の絶望」、明日の希望」。

 

ニュースを見ていると、政界・経済界からインフルエンサーまで、日本のモラルが底なしにひどくなっているようで絶望します。

 

とはいえ他人を批判できるほど自分自身が「役に立つ」ような存在でもなく。もはやあきらめを通り越し、自分ができる範囲のことから、謙虚に淡々と行動していくのみです。

 

 

延期延期延期でようやく10月に公開になる007 No Time To Die。待ちくたびれぎみでしたが、Vulcanize London 秋冬展示会で再びハートに火がつきました。

気分を盛り上げるボンドコレクションが発売になります。パズルまでありますよ?

最注目は、最新作のためにN. Pealが特別に制作したアーミーセーターでしょうか。XXSサイズから展開とのこと(女性も着用できる)。007ロゴ入りギフトボックスに入れてギフトにするというのもよいですね。

N. Pealは1936年にバーリントンアーケードで創業した「キングオブカシミア」と称されるカシミアプランドです。今秋、本格日本上陸。デザインバリエーションが豊富です。

 

キャサリン妃愛用ブランドの数々も。下の写真はGOAT。

FRaU のラグジュアリー対談連載 vol 15は、アウトドアブランドです。「ラグジュアリーの原点に自然あり!  『憧れの人生の過ごし方』がここに」。

スノーピーク、パタゴニアの躍進の背景にあるものは。

FRaU公式サイトでご覧いただければ幸いです。

あーそれにしてもグランピングに行きたい……

スローン・レンジャー・トウキョウの秋冬展示会。

1924年のパリオリンピックを舞台にした名画「炎のランナー」は、ファッション史の学徒必見の20年代メンズファッションのテキスト的映画でもありますよね。

この映画の中で神のために走るエリック・リデルがスコットランドで着ていたツイードスリーピースが再現されました。

しかもツイード生地は、純国産。国島のJ Shepherds です。スリーピース一着分で3頭分の羊の毛を使います。

現在日本にいる羊は2万頭。日本の牧羊業を守りたいという国島のアツい思いがこもったツイードを使い、スーツ文化を守りたいというスーツ変態(!)のスローン・レンジャー・トウキョウが作りました。エネルギーと愛とサステナある未来を感じるスリーピースです。

こちらは英国クラブストライプの名門Bateman Ogden の生地を使い、ロウイングブレザー風に。パッチポケットであるべきところ、ひねりを入れてフラップポケット、ピークドラペルにしてあります。1960年代のオースチン・パワーズにもなってますね。

 

「ロウイング・ブレザー」より。

そしてこちらはキングスマン! Vゾーン高めの王道スタイル。背面はあえてカントリー風にピンチバック。コスプレ魂に火がつきます(違う)。

 

カワードの不滅の傑作コメディ、「ブライズ・スピリット」が2020年に何度目かの映画化。試写拝見しました。

監督は「ダウントン」を撮ったエドワード・ホール。やはりダウントン組のダン・スティーヴンスが主演。ほかにレスリー・マン、アイラ・フィッシャー、そしてジュディ・デンチが楽しそうに古典を演じている。

1937年のファッションと建築、インテリアは眼福もの。

メンズ、レディス共にたっぷり見ごたえあります。詳しくは別の媒体で書きますが、これはイギリス文化×ファッション史×映画史が好きな人にはたまらないと思います。カワードのワクワク洒脱なストーリーとともにお楽しみください。

©BLITHE SPIRIT PRODUCTIONS LTD 2020

配給:ショウゲート
9月10日 TOHO シネマズシャンテほか全国ロードショー

 

昨日に引き続き、鈴木健次郎さんのインタビュー、中編です。

フランスの税制、労働争議はじめ、生々しい経営のリアリティを語ってくださっています。

一着110万のスーツを作ってもなぜ利益が出にくいのか?

フランスでビジネスをするということはどういうことなのか。衝撃のお話が続きます。

JBpress autograph のウェブサイトでご覧くださいませ。こちら

JBpress autograph 連載「モードと社会」第14回は、パリのテイラー、鈴木健次郎さんのインタビュー記事です。

コロナ後のパリのテイラリング事情について、三回に分けてお届けします。

前編はこちらから。「衝撃告白!フランスNo.1 テーラー、鈴木健次郎の闘い」(前編)

私が当初予想もしなかった衝撃のお話がありました(とくに明日以降)。きれいごとなしの生々しいリアリティ。日本のテーラーさんもぜひご覧くださいませ。

 

撮影は山下英介さん、撮影協力はザ・プリンスギャラリー東京紀尾井町です。みなさまありがとうございました。

 

17日付の日経プラスワン、「なんでもランキング」は、ファッションの歴史クイズです。

僭越ながらアドバイザーを務めさせていただきました。

クイズの目的は、幅広い読者層にファッション関連本を手にとってもらうこと。担当の堀聡さんのご奮闘の賜物です。

電子版では、本紙に掲載されていない皇室ウェディングドレスの話題も載っていますよ。 本紙とウェブ、両方でお楽しみくださいませ。

日本経済新聞文化欄「文化の盗用」、下巻でもコメントしております。

本紙、電子版でお読みいただけます。電子版はこちら

 

Forbes Japan 連載「ポストラグジュアリー360°」、今回はアートとラグジュアリーの関係について考えてみました。

前半を中野、後半を安西洋之さんが書いています。こちらからどうぞ。

 

ファッションディレクターの干場義雅さんが新刊を出版。「これだけでいい男の服」(ダイヤモンド社)。

序文で、私がGQ Japan に寄稿したエッセイの一部を引用してくださいました。

 

光栄です。ありがとうございます。あらためて、ご出版おめでとうございます。

ちなみに、チャールズ皇太子に関するエッセイ全文はこちら

 

国立新美術館にてFashion in Japan 展。戦後の焼け野原に建てられた洋裁教室から、2020年の未来感あふれるファッションまで。力のある展示で、みごたえがあります。

とりわけDCブランド時代が強烈だったな。真剣に見たらぐったりしました。

写真撮影可能なのは、以下の最新のファッション、2010年から未来へ向かうファッションのみ。

アンリリアレイジのテントになるドレス。

ミキオサカベ。

リトンアフターワーズ。

ユイマナカザト。

西洋のファッション史とは異なる発展をしてきた日本の戦後ファッション史。関係者の労力に心から拍手を送りたい。ファッション史や社会学の学徒は必見ですよ。図録もわかりやすくまとめられており、必携の一冊です。

Forbes Japan 連載「ポストラグジュアリー360°」 第7回はラグジュアリーに必ずついてまわる本物と偽物をめぐる話です。

前半を安西洋之さん、後半を中野が書いています。(奇数回が安西さんスタート、偶数回が中野スタートです)

 

Forbes Japan website にてご覧くださいませ。

婦人画報連載「フォーマルウェアの基礎知識」vol. 20は真珠をめぐるストーリーです。

 

 

 

婦人画報.jpにてご覧くださいませ。

 

「テーラー 人生の仕立て屋」試写で拝見しました。

アテネ一のテーラーが主人公のギリシア映画。。スリーピース&ポケチとおそろいのネクタイ、のクラシックスーツを着る人がもういないという現実を示唆するシーンから始まる詩的な映像。セリフ少な目の豊かな語り口そのものがクラシック映画的で、いまや貴重になっていることに改めて気づかされました。いちいち心情がセリフで説明されてしまう某大ヒット映画の対極にある佳作です。

9月3日より公開です。配給は松竹。

日経連載「モードは語る」

5日付夕刊では、「グリード ファストファッション帝国の真実」→現実のファストファッション界を振り返る、という流れで書いてみました。

 

2日は、パリで活躍するテイラー、鈴木健次郎さんのインタビューでした。PCR検査を受けて4日間完全隔離、ペニンシュラと和光でのトランクショーを終えられてのインタビューです。週末には再び検査を受けて帰国の途へ。

パリでの経営の苦労についてお話くださいました。驚愕のエピソードが続々…。原稿までしばしお待ちください。

撮影に協力いただいたのはザ・プリンスギャラリー東京紀尾井町。ローズウィークの間、薔薇のオブジェが置かれています。

主役はあじさいにとって代わられつつあり、季節の移り変わりの速さを感じます。

集英社クオータリー kotoba 夏号発売です。特集はビートルズ。

連載「スポーツとファッション」第6回は「オリンピックとファッション」。

ファッションの力でオリンピック伝説となったアスリートのストーリーをとりあげました。ジョイナー、キャシー・フリーマン、そしてノルウェーのカーリングFab 4。ビートルズ特集ですから。

「グリード ファストファッション帝国の真実」、6月18日より公開です。

コメントしました。

©2019 COLUMBIA PICTURES INDUSTRIES, INC. AND CHANNEL FOUR TELEVISION CORPORATION

 

映画には多少誇張もあるものの、2000年代のファストファッションの愚行がなにをもたらしたのかは、知っておきたい。

公式ホームページでは11人のコメントが紹介されています。

 

昨年秋あたりにワシントン大学からご依頼をいただいて6月1日締め切りだった書評、なんとかセーフで書き上げました。

1500字ちょっとの英文ですが、原稿料なし、査読ありのアカデミックな雑誌への寄稿は超久々で、かなり気を遣いました…。何度かホテルにこもって読破、書き上げました。達成感ありました。これからさらに時間をかけて編集していくようです。

掲載された暁にはアップできるとよいですが。(制約も厳しそうで不明)

 

日本の出版社の方。これぜひ翻訳出版してください。包括的に日本の着物のことを考えた、良い本ですよ。(すでに翻訳が進んでいたらご寛恕ください。)

JBpress autograph 「モードと社会」第13回。ブルネロクチネリ表参道店とクチネリの哲学について書いています。

 

 

本文にも書いていますが、地下には「服を売っていない」贅沢な文化的スペースがあるのです。

 

以下、本文に詳細に書いておりますので、私が撮ったスナップ(という言い方も古くなったね)の写真集です。

 

ソロメオ村の様子も映像で見ることができますよ。

「趣味の良さ」を伝えるライブラリ。

日本のアーチストも支援します。定期的にアーチストの作品が変わります。

「クチネリの家」というだけあって、ところどころに本やチョコレートが置いてあり、ちょっと休めるようにできている。パートナーの試着を待ってる夫(妻)などにウケそうですね。

イタリアからもちこまれた家具にクチネロの服がよく映えます。詳細は本文。

忘れたころに服が登場。中はオペラニット。職人の創造性が炸裂しています。

 

 

ベランダに出て休むことも。この時期のアペリティーボは気持ちがよさそうですね。コロナ後になりますが。家具はすべてイタリアから持ち込まれています。


表参道店ファサード。ぜひ一度訪れてみてください。

婦人画報フォーマルウェア連載Vol. 19は、「英国王室メンバーが『喪のフォーマル』に込めた思い」です。

ジュエリーや勲章で、故人へのセンチメンタルな思いや敬意を表現していました。「意味」にあふれた喪のフォーマルです。個を徹底的に消そうとする日本のスタイルとは、対極にありますね。

 

北日本新聞別冊「まんまる」6月号発行です。

「ファッション歳時記 Vol. 117」は「勝者のブレザー」です。

JBpress autograph 連載「モードと社会」第12回。

ガイ・リッチー監督「ジェントルメン」の紹介です。「英国紳士のジェントリフィケーション」。

キャラクターの着るコスチュームの話から、ジェントリフィケーションの解釈まで。こちらからどうぞ。

 

H and Sons 廣川さんのところで仮縫いです。

 

廣川さんに作っていただくのはこれで8着目になるでしょうか。一年に一着くらいのペースですが、6年前の服も全部、今でも着ています。今回はスリーピーススーツです。ベストは通常なら背中はぺらんとした生地ですが、今回は背中も表地と同じ生地で作り、上着を脱ぐとワンピースのようにも着られるという仕様にしていただきました。生地はメイドインジャパンのKunishima。

左右の手の長さの違い、フィット感の好みなどもこの段階で調整します。スマホを入れるポケットやスリットにあしらうファスナーなど細部のひみつの仕掛けもいろいろお願いできるのはビスポークの醍醐味です。このくらいのおつきあいになると、私の好みの裏地なども知り抜いていらして、何も言わないうちから用意してくださっていました。

完成までにおそろしく時間がかかる究極のスローファッションですが、ゆえに、古くならないサステナブルな服です。

 

連休中とはいえ、お弟子さんたちも忙しく働くアトリエでした。お仕事着として大量生産されるスーツは在宅勤務の増加によって壊滅していますが、こうしたビスポークは価値が再認識されているためか、コロナの影響をそれほど受けていないとのことです。

LEON 6月号発売です。縦縞特集でかたっております。


タテシマもヨコシマも英語ではStripes。いいかげん、ヨコシマをボーダーと呼ぶ習慣を廃しませんか。英語だと思い込んで得意げに英語として使うとちと恥ずかしい。身振り手振りイラストでなんとか通じれば問題はないとはいえ。

長谷川彰良さんの「半分解展」が今年も渋谷大和田ギャラリーで開催されました。

新作(というのも妙な言い方になりますが。笑)も加わり、いっそう研究を深めてますますバージョンアップしたデミデコ。


本当に心強く感じます。

 

ヴィクトリア朝の女性服「ヴィジット」も各種入荷。その立体の存在感に身近に触れることができて感動します。

今回は、長谷川さんと一緒に、「ツアー」という形で、各展示を一緒に解説させていただきました。とても学びの多い、楽しいコラボをさせていただきました。終了後も小一時間、質問やまず。ほんと、各方面で弟子に学ばせていただいているというか、あっさりと「師」を超えていく弟子を持てて心から光栄に思います。

 

着せていただいたのは、長谷川パタンによる、あきさん製作の18世紀風アビ。普通にそのへんで着てても違和感なさそうな素敵な服です。左右で柄が違うのもいい。着心地は抜群によいです。


あきさんもそうですが、この半分解展を通じたコミュニティが形成されているのもすばらしいことですね。

 

ご参加くださいましたみなさま、ありがとうございました。

 

〇二期会のハンサム四兄弟によるコンサート「とびきり甘い夜2021」が開催されました。紀尾井ホールにて。

それぞれに実力とルックスを兼ね備えたバリトンのスターが4人結集し、親しみやすく、別格の芸術的なパフォーマンスを見せてくれました。

パフォーマンスは圧巻で、合間のトークも楽しい。燕尾服の格の高い美しさにお色直し後の黒×赤のセクシーさ。目にもここちよい舞台でした。

 

(僭越で恐縮ながら、お色直しの衣裳に関しアドバイスをさせていただきました。赤いブトニエールを完全に正面に向かせるなど現場でのきめこまやかな配慮をされたのは二期会理事の谷口久美さんです。)

 

〇6月26日(土)、ザ・プリンスパークタワー東京で「ハンサム4兄弟プレミアムディナーショー」が開催されます。

ホテルで二期会オペラという初めての試み。長男の宮本さんはトークも面白く(エッセイも上手だし、プロデュース力も高く、ほんとにマルチタレント)、それぞれに華のある4人が結集したときの品格と迫力はもう、鳥肌ものです。ぜひ体験していただきたいです。

お申し込みはこちらからどうぞ。

 

〇プリンスホテル東京シティエリアのホテルの中から、ザ・プリンスギャラリー東京紀尾井町、高輪花香路が2021 Forbes 5 Starsに正式に輝きました。祝!

この快挙は、統括総支配人の武井久昌氏のお力によるところが大きいです。この数年、「ゼロ」から「3」へ、「3」から「4」へ、そして「4」を「5」にする地道な努力と大胆な改革が積み重ねられてきました。

いまだに10年前のプリンスホテルのイメージを引きずっていらっしゃる方がいらしたら(いらっしゃらないとは思いますが)、ぜひギャラリー、花香路を訪れて、その変化に驚いてください。笑 この2ホテルのほか、ザ・プリンスパークタワー東京、さくらタワーもおすすめです。この2ホテルは「4」ですが、逆に「5」を求めない上質な寛ぎがあり、泊まってみると実感するのですが、それはそれでひとつの別のカテゴリーのスタイルです。

昨夜の紀尾井町、ザ・プリンスギャラリーです(左の建物)。桜がライトアップされております。

〇竹宮恵子「エルメスの道」新版。

 

右のオレンジが旧版。左が新版です。新版には銀座のメゾンエルメス建設にまつわるエピソードも描かれ、さらに読み応えある一冊になっています。ここまでやるのか!という驚きの連続。ブランディングとはなにか、ラグジュアリーの真髄はなにか、考えさせられるヒントが満載です。

こういうのを見ると、感動を通り越して、エルメスにはかなわないなあ……と絶望に近い気持ちさえ生まれてきますね。(いや、超えよう。笑)

 

 

 

 (Click to amazon)

 

 

〇婦人画報.jp 「フォーマルウェアの基礎知識」連載Vol. 17  「ブリジャートン家」のコスチュームを解説しました。この時代はブランメル時代どまんなか、超得意分野でもあるうえ、目の保養になるメンズコスチュームが次から次へと登場するのでノリノリで書いております。ドラマ鑑賞にお役立ていただければ幸いです。

 

「グリード ファストファッション帝国の真実」。


ブラックな笑い満載のエンタメですが、労働力を搾取して栄えたファストファッション王国の構造描写がリアル。「ファッション誌編集者」として登場する女性がおそろしくふつうで地味、というのもリアリティあり。モデルは昨年破産したTOPSHOP創業者のフィリップ・グリーン卿。こんな映画を作れてしまうのがイギリスだなあ。監督はマイケル ウインターボトム。

セレブライフのおバカさかげんに笑いながらも、さしはさまれる格差の描写に、否応なく現代を考えさせられます。白すぎる歯がコワいね。

ファッション史の学徒はとりあえず必見です。

6月よりTOHOシネマズシャンテほか全国ロードショー

Ⓒ2019 COLUMBIA PICTURES INDUSTRIES, INC. AND CHANNEL FOUR TELEVISION CORPORATION

Men’s Club 4月号に寄稿したジャケットのルーツと変遷の話が、Esquire のウェブサイトに転載されております。こちら

こんなに早くウェブに記事が転載されるようになったのであれば、ますます雑誌を紙で出す意味を鮮明にしなくてはならないのでは。

 

 

 

 

 仕事の企画のために読んだ本。図版が豊富、メニューも興味深い。王室史を食卓という角度から見ることができて楽しい。英国ファン、王室ファン、お料理ファンにもおすすめ。

かつて、パイの中から生きた鳥が飛び出すという趣向を凝らした料理があったという。仔豚の頭と鳥の体を縫い合わせた料理も。「コックと泥棒、その妻と愛人」という映画のラストシーンを思い出した……。

JBpress autograph 「モードと社会」。20代男子が77歳に弟子入りする赤峰現象、「おしゃれの先生は77歳」後編です。

理由をじっくり考えてみました。こちらからご覧いただければ幸いです。

 

JBpress autograph 「モードと社会」更新しました。

 

「おしゃれの先生は77歳」。20代の男性が77歳に弟子入りしているユニークな現象を取材しました。まずは前編で概要を紹介します。背景を徹底考察した後編は、明日、公開です。こちら

〇GQ4月号、本日発売です。

チャールズ皇太子の最新の社会貢献情報を盛り込みました。

 

 

(Click to amazon)

 

 

 

〇Men’s Club 4月号、本日発売です。

 

ジャケットのルーツと変遷を解説しました。バーニーサンダースの「あの」ジャケットからライダースジャケット、ディナージャケットにいたるまで。通底するのは「太郎さん」感。

(Click to amazon)

本誌でご覧いただければ幸いです。

 

〇明日は25ans 4月号発売です。ケンブリッジ公爵夫妻ご結婚10周年を記念した特集で、キャサリン妃の功績について解説しています。

〇3月1日は婦人画報4月号発売です。今春のトレンド、リラックスした昼間のドレスアップについて解説しました。メンズトレンドではこれを「ホーマル(ホーム+フォーマル)」と呼んでますね。笑

〇集英社クオータリー、kotoba も3月5日発売です。特集は、将棋。連載「スポーツとファッション」ではボードゲームとファッションについて書きました。

そのほか、源氏名での連載記事掲載の雑誌も発売中です。お楽しみいただける記事がありましたら幸いです。

〇渋谷スクランブルスクエアにあるラウンジ、ちょっと驚きのコスパと快適さでした。

 

1時間1000円で高レベルのドリンクとナッツなどのスナックがフリーでついてきて、海外誌を含む雑誌も読み放題。1500円でアルコールも飲み放題になる。

一人作業に適したスペースもたくさんとってあり、混雑さえしなければ、ですが、使い勝手あります。適度な品位のある雰囲気をがっちり保って、飲み放題居酒屋にならないよう、維持していただけるとありがたいですね。

 

Men’s Club 4月号 2月25日発売です。

特集「改めてジャケット」。巻頭でジャケットとは何か? について書きました。チェックしてみてくださいね。

 

?本日のモームのお言葉。

「寛容とは無関心の別名にすぎない。」

「礼儀正しさは愚者が自分の愚鈍を隠す外套である。」

「あることがどれほど無害であっても、法律が禁止すると、大概の人はそれを悪いことだと思うものだ。」

価値が混迷するときこそ人文学に立ち返りたくなりますね。

GQ Japan 4月号、2月25日発売です。

 

特集「Fashion Hacks 2021」のなかで「チャールズ皇太子の服装術」について書きました。

プリンス・オブ・サステナビリティからプリンス・オブ・ジ・アースへと進化する皇太子の最新事情をたっぷり盛り込んでおります。チェックしてみてくださいね。

2019年のチャールズ皇太子。From Wikimedia Commons.

 

これまでもそうだったのですが、装いがその人の言動や哲学とどのように連動しているのかがますます重要になっているように思います。表層のおしゃれテクニックでなんとかなった気になっても、すぐに虚栄心の底が見えてしまう時代になっています。ごまかしがきかないことが実感されてきたゆえか、とりわけ起業家界隈では、「いい人」が増えてきたような気がする。笑

Forbes 連載「ポストラグジュアリー360°」。第三回目です。

バッグも香水も下着も、世界で生まれる新しいラグジュアリー」。安西さんスタートの回で、前半に安西さんがヨーロッパの動きから具体例を、後半に私が日本の起業家の例から具体例を3例、紹介しています。

コングロマリットに制圧されていない国は、この「戦国時代」において、ラグジュアリー起業を世界に送り出すチャンスを手にしています。

鮮やかな快晴。近所から撮影した昨日の空です。

ひさびさにNewsPicksコメントを転載してみます。ムラがあって恐縮です。全コメントをご覧になりたい方はNewsPicks でご覧いただければ幸いです。(転載にあたり若干の修正をしています)

〇まずは、WWDのビンテージショップ「オー・ユー・エー・テー」が伊勢丹メンズにポップアップを出して人気という記事につき。

 

「若い人がファッションに興味を持たないと言われて久しいけれど、若い人でファッション好きな方は『新しい」服を買わないのであって、むしろビンテージに熱狂している。

人気店の売り方も参考になる。『商品を売るよりも、投げかける。ウンチク語りはせず、<文脈を考える>余地を残す』

お仕着せ・押しつけをきらい、自分で考え、自分だけのストーリーを作りながらファッションを楽しみたいという消費者の思いが伝わってきます」

 

〇同じくWWDより。水道工事会社発のオアシスによるワークスーツがさらなる進化という記事。

「多様化複雑化するスーツ状況にまたニュース。

水道工事会社オアシスが手がける作業着スーツは、『WWS』とブランドを刷新し、アパレル界のアップルを目指すという記事。

『スーツであり、作業着であり、普段着という、ニューノーマル時代の唯一無二の“ボーダレスウエア”。5年後をめどに上場も視野に入れながらまずは時価総額1000億円、いずれは1兆円を目指したい』と強気。ユナイテッドアローズの重松会長がバックについているので、夢物語ではないリアリティも感じられます」

 

〇これに先立って、作業着のワークマンがリバーシブルスーツを発売したという記事がありました。

「作業着系スーツの複雑化多様化が止まらない。パジャマスーツにワークスーツ、水道会社に紳士服チェーンに作業着会社が入り乱れ、もうなにがなんだか、の混戦状態になってきました」

対抗する量販スーツの老舗AOKIは、今月あたまに一着4800円のアクティブワークスーツを発売、昨年12月にはパジャマスーツを発売しています。こんなカオスは日本ならではの現象かと思います。

むしろこういうスーツを海外に輸出すると受けるのか?

いや、少なくともヨーロッパでは、「スーツを着る職業&クラスの人」はきちんとしたスーツを着るし、それ以外の人はそれぞれの立場にふさわしいウェアを着る。日本はなんだかんだと誰もがスーツを着る。人口におけるスーツ着用率は世界一。だからこうしたハイブリッドなスーツに需要が生まれるのだろうと思います。

動きやすいのももちろんがんがん利用していいと思いますが、上質な仕立てのいいウールのスーツが心に与える満足感も時々思い出してね~。

 

 

Amazon Prime に入っていた「記憶にございません!」鑑賞。評判通り、よく練られた脚本に基づいたとてもセンスのいいコメディ。三谷幸喜さま監督脚本。魅力的な俳優陣もいい。とくに小池栄子には惚れ直した。ディーンフジオカは動いても動かなくても完璧でずるい。笑

Sloane Ranger Tokyo がオープン。おめでとうございます。

イギリスのヴィンテージクローズ、メイドトゥメジャーのお店です。店主は大西慎哉さんです。服飾博物館にしたほうがよいほどのコレクション。

店内には多くのお祝いの花やお酒が届いています。

開店記念ということでクラブハウスで公開取材をさせていただきました。

ネクタイは80年代の酔狂なコレクションがおもしろい。景気のいいときって、パ―ティー用なども多く作られるだろうし、作り手も遊び心解放し放題だったんですね。

この春から大学生になるお嬢様が制作したカフリンクスもユニークです。タッセル型が星の砂入り瓶風など、これまでのメンズの発想からは生まれ得ないカフリンクス。手元でこれくらい遊んでもよいと思う。


戦前から存在するという由緒ある銀座奥野ビルの4階です。奥野ビルのエレベーターは、映画みたいなクラシックなエレベーターで、一度乗ってみる価値あり。密を避けるためアポイントをとってどうぞ。

一粒万倍日の昨日、clubhouse の招待をうけ、登録しました。

夕方、ラグジュアリー研究会を主宰するミラノの安西洋之さんから唐突にお声がかかり、挨拶だけと思って参加したら、今度一緒に企画を始める経営学者の澤谷由里子先生がいらして、3人で話していたところオーディエンスの中に研究会主力メンバーのクラシコム代表青木耕平さんがいるのを発見して引き入れ、さらにミラノつながりで、ジル・サンダーのデザイナーも経験したことのあるHARUNOBUMURATAの村田晴信さんにもミレニアルズ代表として参戦してもらいました。

ディープなポスト・ラグジュアリー議論になって気がつけばかなりのオーディエンスが。しかもD2C界隈のキーパーソンズが大勢聞いていらして、途中からメッセージもいろいろ入り、ちょっとわくわくしました。

フラッシュモブみたいな、一瞬のお祭りのような、しかしとても知的な時間でした。居住地を越えてご一緒できるのもよいですね。テクノロジーありがたし。

 

青木さんは月一回のラグジュアリー研究会でも常に新しい見方を提示してくれます。おそらく今の若手ビジネス界でもっとも頭のいい方のひとりで、この時も、ハレの時間の頻度と濃度の関係について目から鱗が落ちるような指摘をしてくれ、現在のエブリディ・ラグジュアリーを新たな側面から見るための面白い視点を提示してくれました。

今後も時折、ポスト・ラグジュアリー議論が突然始まるかもしれません。(濃度維持のためにもそんな頻繁にはおこないませんが。)よろしかったらフォローしてみてください。@kaorinakano で登録しています。

 

*Forbes に連載しているポスト・ラグジュアリー360°の記事はこちら

 

 

 

 

Netflixの「ブリジャートン家」。いやーおもしろかった……。

1813年のロンドンの社交シーズンが舞台。社交シーズンの目的は、マッチング。結婚によって階級も社会的ステイタスも変わるので、各「家」も妙齢の男女も、根回しや駆け引きや準備その他に必死になるわけですね。

完全にジェーン・オースティンの世界なんですが、描かれ方が21世紀です。Rake!そのもののヘイスティング公爵はアフリカ系のレゲ=ジャン・ペイジだし、(現実でも)錯乱したジョージ3世の妃、シャーロット王妃は多人種の血をひくゴルダ・ロシュウェルで、それが原因ではないけどまったく高貴に見えない。笑 現実のシャーロット王妃も複数の人種の血を引く方でした。さらに社交界に出入りする貴族にアフリカ系、アジア系が大勢いて、とりたてて人種の話題は出てこない。新しい。

まったく見慣れない19世紀イギリスのコスチュームドラマに、「ゴシップガール」風の仕掛けが加わり、ハーレークイン風のベタなかけひきが満載で、若草物語風味も入れながら週刊誌中綴じ風のなまなましく過激なベッドシーンがあり、最後はロマンチックな愛の賛歌となる。古典的な話なのに斬新。19世紀ロンドンの話なのにクラシック感ゼロ。そのチープで下世話な感じの面白さに引っ張られて一気に8話見させられる。

コスチュームの基本は時代を正しくおさえており、男性はアダム型シルエットのカラフル燕尾服、女性は胸元切り替えのエンパイアスタイルのドレス。宮廷関係者は前時代のロココスタイル。ただアレンジが21世紀好みになってます。

とりわけ男性ファッションの美しさに刮目せよ、です。襟回り~胸元にかけてのシルエットといい、重厚な生地といい、リッチな色彩といい、男性をこれほどセクシーに見せる服はないのではないか。

ベッドシーンが過激すぎで15歳未満は鑑賞できません。

ブリジャートン家の当主、アンソニーを演じるジョナサン・ヘイリー(上の写真左)はじめ、個性的な美男ぞろいであるのも眼福。とりわけヘイスティング公爵役のレゲ=ジャン・ペイジは出色のダイヤモンドでしょうか。次回のボンド役の候補にもなっているという噂にも納得しました。この人のボンドはぜひ見てみたいです。

「単に多くの人に見られるだけでなく、文化のツァイトガイスト(時代を特徴づける思想)を形づくるヒットを生み出す」と宣言するネットフリックス。多様性社会にフィットする大胆なキャスティングでそれを証明してくれたという印象です。

日本のラグジュアリーを紹介していくFRaU連載、今回は「和光」、とりわけ和光のセンスが光る「ちいさきもの」について語っております。

銀座のどんまんなかにあるのに(あるゆえか?)スルーされがちなのですが、品ぞろえも、老舗感のあるもののなかに意外と最先端が紛れておりますよ。

おつかいものに使うことも多いので、手の内をさらすようでほんとうはあまり紹介したくはなかった(笑)。

こちらからご覧ください。

JBpress autograph 「モードと社会」。

アンリアレイジの森永邦彦の初の著書「A to Z アンリアレイジのファッション」のレビューです。こちらからどうぞ。

前衛的な作品を作る彼の、意外なまでの「古さ」にやられました。次の時代を開くカギは、こんな「古さ」にあるのかも。

 

書籍はこちら↓ (Click to amazon)

〇就任式で、ある意味、一番人気だったバーニー・サンダースが、自身の写真をプリントしたスウェットシャツを45ドルで売り、売り上げをチャリティに回す。

こちらの記事。

誰もが笑顔になるこういうノリは好き。

 

 

NewsPicksでコメントランキング2位とな。いつも超マイナーな記事ばかりピックしているので「大気圏外」で悠々自適しているつもりでしたが。資生堂はやはり日本人の生活にも文化にも密着している企業なのですね。ビジネスパーソンの関心の高さがうかがわれました。

コメントではそこまで書きませんでしたが、資生堂内部で、「切り離される」プロジェクトに関わってきた方々は、さぞかし無念で悔しいだろうと拝察しております。

資生堂が、TSUBAKIなどの日用品部門を1500億円で売却するという記事に対するコメントでした。

〇現場コンサルの仕事の後、久々にレヴィータでさらっと一杯。

天井高く、衛生安全対策も万全なこちらのカウンターでのおひとり飲みは快適ですよ。気持ちを切り替えて次へのエネルギーをチャージするのに、20~30分でもこういう時間を持てるのは幸せなことです。

 

レヴィータは現在、15時~20時までオープンしています。土曜日のアフタヌーンティーの予約はほぼ満席をいただいているそうです。(おひとり、または家族に近いお二人でどうぞ。)20時閉店を求められるのはバーにとってほんとうに厳しいことなのですが、こうして日中に応援してくれるファンに支援していただけるのは、心強いですね。

何度見ても「好きだな~」と思える景色のひとつ。ザ・プリンスギャラリー東京紀尾井町の「顔」、レヴィータです。

 

Kunishima のウェブサイトが完成いたしました。中外国島は社名を「国島」と変更し、新しい時代にふさわしい生地メーカーへと舵を切りました。

 

これからコンテンツも少しずつ充実していく予定です。楽しみですね。

新しいウェブサイトは、こちらからご覧くださいませ。

Forbes Japan 連載「ポストラグジュアリー360」。第二回目が公開されました。

後半はミラノ在住の安西洋之さんが執筆しています。

こちらからどうぞ。

アメリカの新しい大統領が誕生しました。分断のない、風通しの良い社会になることを願ってやみません。

それにしても。就任式のニュースをアメリカと同時間で見ていたのですが、Qなんとかの陰謀論の方々は最後の最後まで大騒ぎして何かが起きると信じていたようです。まずは暴動もなく、つつがなく式典が終わったことに、ほっとします。

全世界が注目するこの瞬間は、新進デザイナーにとってのシンデレラ・モーメントでもあるわけですが。

ジル・バイデンはアレクサンドラ・オニールがデザイナーを務める「マルカリアン」。カマラ・ハリスはクリストファー・ジョン・ロジャース。

前夜のリンカン・メモリアルでのプレ就任式では、ハリスはカービー・ジャン=レイモンドがデザインした「パイアー・モス」のコートにオスカー・デ・ラ・レンタのドレス。バイデンはジョナサン・コーエンの紫のアンサンブルだったそうです。デ・ラ・レンタ以外は初めて名前を聞くデザイナーばかり。しばらくアメリカのファッション界に新しいスターが登場していませんでしたが、こうして名前がメディアに踊ることで、活躍のジャンプボードになるとよいですね。

紫は赤と青の融合で、あのミシェル・オバマも選挙戦を勝ち上がっていく途中でうまく使っていましたね。

 

レディ・ガガはスキャパレリの前衛的なドレスで国歌を熱唱。

若きアフリカン・アメリカンの詩人、アマンダ・ゴーマンは、「The Hill We Climb」を朗読(というか暗唱)。黄色いジャケットと赤のヘッドアクセサリーで強いインパクトを与えました。

 

伝統であれ新進であれ前衛であれハイブランドのフォーマルな装いで続々登場する政治家、著名人のなかにひときわ目立つ装いのお方が……と思ったらバーニー・サンダース! 若い世代に絶大な人気を誇る上院議員は、装いもSNSで大人気でした。

バートンのジャケット(いつもの)。ミトンのデザイナーはジェン・エリス……ってエセックスの教師だそうです。彼女からバーニーにプレゼントされたもの。「らしい」スタイルに笑顔にさせていただきました。就任式でもっとも印象に残ったのがバーニーでした。

1789年、ジョージ・ワシントンの大統領就任式。描かれたのは1903年。200年後の大統領は何を着ているでしょうか。

海岸通りを歩いていたらロンドンの地下鉄の標識を発見。

思わず吸い寄せられて地下に降りていくと、そこには50年代、60年代、70年代のロンドンカルチュアがひしめいていました。ビンテージのレコード、家具、小物、服飾品、ポスター、etc. お店の名前は、Rising Sun.

ロンドン好きなご夫婦おふたりでやっているお店だそうです。いまはロンドンからの送料が高くなっているんだとか。一点一点に興奮して時間を忘れて過ごしてしまいました。

おまけに、70年代のヴィンテージコートまで買って帰る羽目に。この時代の生地は作り込みが素晴らしく美しく、縫製も細部にいたるまでしっかりしているのでまったく古く見えないのですよ。

久美子さんにリフォームしてもらい、いまどきのシルエットにして着ます。楽しみ。

 

日本経済新聞「モードは語る」。

9日付は、植物由来のダウン、カポックノットの創業者、深井喜翔さんにインタビューした記事です。こちらをどうぞ。

木の実からダウンを作るKapok Knot の創業者、深井喜翔さんにインタビューしました。

日本橋の新オフィスもこれから形になっていく。あらゆるアプローチが新しいラグジュアリーに合致していて、ワクワクします。

年明け最初の日経連載に書きます。ミレニアルズは頼もしい。

これがカポックの実。

薄くて本当にあたたかいのです。

キャサリンには深井さんにおつなぎいただいたばかりでなく、インタビューの撮影助手まで務めていただきました。感謝です。

週刊SPA!にデビューしました。

22日発売の12/19, 1/5  合併号です。表紙の写真は福山雅治。踊る文字がちょい恥ずかしくアップできませんが、中は硬軟色とりどりですね。

Precious 、Nikkei The STYLE から週刊SPA!まで七変化も芸のうち。

 

Three Well Dressers のおひとり、日本のメンズファッションを牽引してきた鈴木晴生さんにインタビューしました。

SHIPS 銀座店にて。

鈴木さんは過去の企画書(手書き!)、メモ、新聞・雑誌掲載記事、デザイン画などすべて保存していらっしゃるのです!

新しいスタイルを考え、提案するための圧倒的な努力と熱量。天才が素振りを欠かさない、みたいな。仕事に向かう真摯な姿勢そのものに驚かされ、刺激を受けました。鈴木さんの若さの秘訣もこうした日々の研鑽の賜物なのだと思います。

詳しい内容は、来年1月にウェブ掲載の予定です。

今朝の日経The STYLE のコネリー追悼記事に関し、気を取り直して、謝辞と若干の補足の解説を。

James Bond と007は、使い分けが必要なのです。漠然としたファンにとっては同じようなものなのですが、James Bond はフレミングの原作に登場するキャラクターとして、たとえばプリンスホテル東京シティエリアで展開しているボンドメニューやボンドカクテルなどにも使用可能です。

一方、007となると、版権が映画製作のイオンプロにあります。したがって勝手にロゴを使ったりすることが見つかると、イオンプロから訴えられるおそれがあります。実はこれを知らずに007企画を進めて、直前でストップがかかり、ひやっとしたことがありました。以後、注意深く使い分けをしています。今回の原稿でも、そのあたり最も神経を使いました。

007と提携しているブランドも、映画ごとに変わっていますし、提携といってもいくつかの種類がある。このあたりのことについて、最新情報を反映し、原稿でミスがないよう、プリンスホテル東京シティエリアのボンドメニューでも監修いただいているBLBG CEOの田窪さんにご助言いただきました。

お話によればアストンマーチン、オメガ、ボランジェ、グローブトロッターはオフィシャルパートナー。ファミリーと呼ばれる組織のようなボンド組だそうです。お金を積んでも入れない、固い結束の世界。そのほかのブランド(スワロ、デュポンなど)は、作品ごとに出入りするとのこと。また、構成員にしてもなにか問題を起こしたりするとすぐにクビになるらしく、ターンブル&アッサーは「カジノロワイヤル」で問題を起こし、以後、ボンド組を外れているのだそうです。第一作のDr. Noから歴代のボンドシャツを作ってきたターンブル&アッサーですが、いまは007との提携はないのですね。驚きです。

しかし、ターンブル&アッサーは「ジェームズ・ボンド・コレクション」は展開している。この名は原作のキャラクターとみなしているからOKということですね。「007」は使えない。本国のターンブルのサイトには007のマークまで掲載してあって紛らわしいのですが、昔のよしみのような形で黙認されているか、イオンに見つかるとNGとなるかもしれないらしい。

そのような事情を知ったうえで、原稿からはターンブル&アッサーと007との関連を外しました。ボンドファンは本当に細部にうるさいということは、昨年の「ボンドの朝食」でいやというほど知らされたので、ひとつひとつ、あやふやな点をつぶしていきました。田窪さんのご助言にあらためて感謝申し上げます。

それほど神経をすり減らしても、基本的な場所でうっかりミスが出てしまう……。完璧とはなんと難しいことでしょうか。2020年のトリを飾るはずの仕事が、なんだかもう、情けない限り。これを戒めとして、さらに一つ一つの仕事をとことん丁寧に謙虚にやっていくことを来年の目標とします。

本日付の日本経済新聞The STYLE

コネリーのオビチュアリーとして「英国のブランド ショーン・コネリー」を書いています。

1か月以上前から原稿を送っていた渾身の記事で、校正ゲラを、おそらく20回くらいやりとりして、絶対にミスのないよう、ぎりぎりまで神経を使いました。The STYLEの今年の最後を飾り、コネリーへ捧げる完成度の高いページとなるはずでした。

 

なのに、一点、とんでもなく基本的な誤植が。

なぜこんなことに。日曜朝の一点の曇りもない快晴が落ち込みをさらに加速させます。調子に乗っていると天罰が下る、というような、冷や水を浴びたような朝。

 

 

(気を取り直し)。

「フォーマルウェア」となるべきところが「フォーマルウエアア」となっています。途中の校正では大丈夫のはずでしたが、改行などで最後、レイアウトを整える時になにか間違いが起きてしまったものと思われます。出てしまったものは戻しようがない……。

読者の皆様にも、お見苦しいものを見せてしまい、心よりお詫び申し上げます。ショーン・コネリーにもお詫びしてもしきれない。

 

今日は一日、追悼を兼ねて喪服を着て過ごします……。

 

 

 

Forbes にて新連載が始まりました。

新しいラグジュアリーを作るためのロジックを構築していく連載です。

 

ミラノのビジネスプランナー、安西洋之さんとの共同連載で、毎回、両者で書きますが、リードを交替します。初回は安西さんリードで中野は後半に書いています。

今年の6月から、ビジネス界の有志10人ほどでラグジュアリーの勉強会を重ねてきました。その成果をじわじわと公表していこうと思います。

AIにはできない技能をもつ職人が尊重され、調和のとれた環境のなかでひとりひとりが価値を感じながら生きることができる、ラグジュアリーが尊重される次の社会目指して。ポエムではないロジックで、新しいラグジュアリーを作ろうという人を応援します。

Forbes Japan のウェブサイトでご覧くださいませ。

 

 

勉強会の主なメンバーは、次の方々です(あいうえお順)。

クラシコムの代表、青木耕平さん。ボストンコンサルティングの岩淵匡敦さん。日本経済新聞The Style編集部の太田亜矢子さん。Forbes ウェブ版編集長、谷本有香さん。静岡大学大学院准教授の本條晴一郎さん。TooTの社長、枡野恵也さん。セント・マーチン美術大学出身後、ロンドンのセントマーチン美術大学を卒業後デザイナーとして活躍する松原優子さん。マザーハウスの副社長、山崎大祐さん。医師でアートコミュニケーターの和佐野有紀さん。ひと月に一度のZOOMですが、このほかに毎回、ゲストとして錚々たる方々が参加してくださいます。それぞれ超ご多用の合間を縫って、新しい知の地平を楽しんでくださっております。こうした方々の豊饒な知性と感性の応酬に支えられております連載であることを、お断りしておきたく思います。

2017年の映画、「チューリップ・フィーヴァー」。

チューリップへの投機に熱病のようにおかされていた17世紀アムステルダムが舞台。ラフ(首回りのひだ襟)が特徴的な、レンブラントの「夜警」風のコスチュームも眼福ですが、熱病のような一時的アフェアに人生を狂わされた人々の物語がしみじみ味わい深い。

鮮やかなブルーのドレスが重要な役割を果たしますが、フェルメールの「真珠の耳飾りの少女」のブルーターバンに使われたブルーと同じ貴重な顔料で描かれます(映画の中で)。17世紀ファッションの世界に浸りたいときにお勧めの映画。

 

Van DyckによるHenrietta Maria の肖像。1633年。なで肩のシルエット、大きなレースの襟、ふんわりふくらんだスカートの形が特徴的。Photo from Wikimedia Commons.

 

 

北日本新聞のお招きで富山で講演。テーマは「コロナ後のファッションと新しい価値観」。

プラスチックマスクをしてさらにアクリル板、客席は広くディスタンスをとる、という徹底した対策のもと、コロナ後の新しいファッション、ラグジュアリービジネスの変化を解説しました。

ミレニアルズくらいの若い世代のマーケターの反応がよく、希望を感じました。Z世代が主戦場に入る5年後の社会にいまから照準を合わせていきたいものです。

夕陽に照らされる立山連峰。崇高とはこのこと。

おせわになりましたみなさま、ありがとうございました。

ANA クラウンプラザホテルのロビー。

Mikimoto 展示会。

真珠の可能性はまだまだ広がる。ロックで斬新な真珠のコレクションにわくわくします。ヴィンテージのレザージャケットにじゃらじゃら合わせてもかっこいい。真珠のイメージが一変します。

メンズパールもさらに進化。このようにブラックパールを使ったグラデーションだったりすると、ミレニアルズやZにはもはや何の抵抗もないでしょう。

いつかは着たい、ボディジュエリー。中東の女性に人気だそうです。あの真っ黒な覆いの下にはとんでもなくゴージャスな装いが隠されていることがあるらしい。

ミキモトによる社会貢献活動。キャンドル(1万円)を購入すると、全額、医療従事者に寄付されます。

コンサバティブな真珠の世界も大胆に。右は10カラットのダイヤモンドを中央に据えた、羽根をモチーフにしたパールのリング。億単位の価格です。キティのロングネックレス3億が即売したことを思えば、これもすぐに売れるのでしょう。


写真では迫力が伝えきれないのがもどかしいですが、ぜひ、銀座ミキモトはじめミキモト各店で肉眼でご覧になっていただきたいです。羽根の繊細な美しさを真珠で表現するとこうなる、というアート。

 

このたび、スカーフも発売されました。肉厚のシルクでパールやミキモトロゴがモチーフとなっています。3色で展開。

スカーフは男性にもおすすめ。このようにアスコットタイとネクタイの中間のようなアクセサリーとして使うと、新時代を感じさせて素敵です。「結ぶ」よりテクニック要らずで簡単かも。写真はミキモト社員のサイトウさん。いつも大胆にさりげなく真珠をつけこなしていらっしゃいます。

スカーフリングとして使われているのが、大粒パールのMリング。なるほど、リングはこういう使い方もできますね。リアルに想像すると落としてしまうおそれがあるのがコワすぎですが。笑

新しいチャレンジを続けられる力こそ老舗ブランドの底力ですね。元祖ベンチャー、幸吉翁の笑顔が見えるようです。エラそうな記念写真でしつれいします。

ザ・プリンスギャラリー東京紀尾井町でのイブニングセミナー、無事に終了いたしました。

テーマは「変わりゆくラグジュアリー」。

ラグジュアリーの歴史から最先端の情報にいたるまで、アカデミズム、ビジネス、ファッションジャーナリズムという各視点からの最新情報を盛り込み、未来への展望までをお話しました。

安全・安心のための対策は徹底しておこなわれました。小学校形式でテーブルを並べ、アクリル板を設置。やりすぎなくらいですが、味気なくならないために、各テーブルにイングリッシュローズが飾られます。

軽食といってもかなりなボリュームの英国インスパイアのフードは、3コースに分けてご提供。

その間、シャンパンはじめ各種ドリンクはフリーフロー。ゲストになりたかったです。笑

 


たっぷりのスペースをとって、ぎりぎり余裕のある人数のお客様にお越しいただきました。満席です。ありがとうございました。

外の夜景きらきら。

この日のスーツはH and Sonsの廣川輝雄さん制作。中に着ているモリス柄のベストはアジャスタブルコスチューム小高一樹さん制作。小高さんがインスタにアップしていたベストの写真を見てすぐ連絡し、入手しました。この日の話のなかにはウィリアム・モリスも出てくるのでぴったり、と。メンズサイズでしたので、心斎橋リフォームの内本久美子さんに私のサイズにリフォームしていただき、着ています。ウィリアム・モリスのビジネスは、ラグジュアリービジネスに携わる方々の間で、今、大きな関心を集めているのです。

ロビーにはクリスマスツリー。

 

ゲストの皆様にはご希望の書籍をプレゼント。

重ねて、ゲストのみなさま、スタッフのみなさまに心よりお礼申し上げます。写真左からプリンスホテル東京シティエリア マーケティング統括支配人の林佳代さん、中野、フードコンサルタントの藤本先生、そしてザ・プリンスギャラリー東京紀尾井町総支配人の芝田尚子さんです。私が手にしているのはゲストからプレゼントいただいたアフリカンローズ。ありがとうござました。

各テーブルのイングリッシュローズは、ゲストのみなさまそれぞれにお土産としてお持ち帰りいただきました。

ご協賛のフローリスからは香水のサンプルセットのお土産をゲストひとりひとりに。ありがとうございました。

集英社クオータリー「kotoba」2021 winter 本日発売です。

連載「スポーツとファッション」第4回は、「アスリートによる大胆な政治的主張」です。

 

まるまる6頁。8000字くらいの長めの論考ですが、デリケートな問題をできるだけ丁寧に扱ってみました。よろしかったらご覧くださいませ。

 

 (Click to amazon)    特集は、司馬遼太郎。ファンは必読です。

 

 

 

以下、恒例の「季節の写真」集。笑 今の季節の高輪の日本庭園です。

グランドプリンス高輪のティーラウンジからの鑑賞+散策がおすすめ。

四季それぞれに違う顔。

角度によっても来るたびに違う顔を見せてくれるのが自然のいいところ。

もう冬ですね。2020年のラストスパート、くれぐれもお気をつけてお健やかにお過ごしください。

東京新聞夕刊「King & Queen 展 王室ファッション裏話」。連載3日目となりました。

本日はトマス・ホーカーによるチャールズII世の肖像。1680年。From Wikimedia Commons.

 

ウェブ版はこちら

 

 よろしかったらこちらもどうぞ。

JB press autograph連載「モードと社会」更新しました。

中古品市場活況の背景を考えてみました。

 

こちらからどうぞ。

本日より5日間毎日、東京新聞夕刊にて「King & Queen 展 王室ファッション裏話」というコラムを短期連載します。

 

初日はヘンリー8世から。

 

ホルバインによるヘンリー8世。From Wikimedia Public Domain.

ルビーのつもりで使っていたものは、実はスピネルだったそうですが、コラムの字数ではそこまで細かいことは書きませんでした。あくまで当時はルビーのつもりでつけていた、ということで。

 

 こちらもあわせてお読みいただけたら嬉しいです。

 

<追記>

ウェブ版は、こちら

話題のジル・サンダーのおかげで『「イノベーター」で読むアパレル全史』が再び大きく展開されております。

ららぽーと豊洲有隣堂さん、ありがとうございます。

 

 

集英社クオータリー「kotoba」2021年冬号、12月4日発売です。

連載「スポーツとファッション」。<スポーツと政治>がファッションになった事件を扱いました。

特集は司馬遼太郎。amazonでも予約が始まっております。

 

 こちらはイギリス学の学徒にお勧め。すでにベストセラーですが、安定の君塚直隆先生による『悪党たちの大英帝国』。

 

 

 こちらは伝説の名著の復刻日本語訳版。ニック・コーンの『誰がメンズファッションをつくったのか?』。わくわくしますね。近日中にレビューを書く予定です。

静かな会食なるものが笑いのネタになっておりますが。

最近、複数の方から偶然に同じような質問をいただきました。「男性のドレスコート指定のクリスマスパーティーにお招きいただいたが、女性は何を着たらよいのか?」と。

年末のパーティーに関しては、広い会場でフィジカルディスタンスを保つ、着席にするなどの注意を払ったうえで開催するところも少なくないのですよね。

で、ドレスコードの質問をいただくのです。「ダークスーツでお越しください」という指定がある場合、あるいは「カクテル」と書いてある場合、女性は何を着たらよいか?と。

質問をくださったそれぞれの方には、会場も主催者も趣旨も異なるので、別の回答をしたのですが、一般論として、私の考えを書いておこうと思います。

「ダークスーツ」指定、「カクテル」指定、(いずれもほぼ略礼装)というのはいちばん悩むところかもしれませんね。主催者がどなたか、会場がどこか、他にどのような出席者がいるのか、あなたの立場はどのようなものなのかで、まったく考え方は変わってきます。

主催者および趣旨、会場のレベルや規模、他の出席者を考慮して、「浮かないことを第一にしたい」ということであれば、上半身が華やかなブラウスとアクセサリーをメインに据えたコーディネート(今ではパンツスタイルもありです)、またはワンピースドレスが鉄板です。ドレスアップに慣れないようであれば、靴だけでも普段とは異なる華やかな靴にする。そうすれば、主催者に対しても他の出席者に対しても失礼になることはありません。

会場がホテルのボールルームのようなところであれば、照明に映える生地やアクセサリーを考え、「ちょっとやりすぎかな?」と思うくらいのドレスアップをしてちょうどいい、ということが多いです。暗いのにシャンデリア照明、という独特の光のもとでは、光を受ける生地やアクセサリーがないと、浮かないどころか沈み込んでしまいます。笑 何度も書いておりますが、「迷ったら格上」ですね。カジュアルダウンで、会の雰囲気をもり下げる失礼よりはましです。

上はいずれも「浮かない」人でありたい、という時の考え方。会場の照明を考えることは、けっこう重要。

私は、あくまで趣旨や参加者などの状況によっては、ですが、「記憶に残る人」であることを選ぶことがあります。「目立つ」ことと「記憶に残る」ことは全く違います。準備には相当のエネルギーを要しますが、どうせ同じ時間を過ごすなら、浮かない努力をしたあげく忘れ去られるよりも、同じ時間を過ごした方々の記憶に残るための努力をしたほうがいい、と考えます。いずれにせよ、会の成否を決めるのは参加者なので、どういう形であれ、自分の存在そのものが否応なく何らかの貢献になっているという自覚をもっておきたいものです。

くどいですが、すべての状況を考慮して、「浮かない」ことを優先するか、「記憶に残る人になる」ことを優先するか、自分のありかたを自分で決めて対応します。(そこまでは他人が助言できません)

 

いずれにせよ、この時期はマスクも必須だと思いますし、名刺交換に代わる挨拶も臨機応変に考えたほうがいいですね。面倒と思えば、今の時期ならあっさり欠席という返事をしても失礼にはならないと思います。ただこの時期にあえて開催しようという主催者は相当の覚悟と準備をしていると思うので、欠席と返事される場合はそれなりのフォローをするとよいと思います。

感染症予防に最大限の注意を払って、それぞれの納得のもとに、年末のよきシーズンをお過ごしください。

 

 

 

 

岩田健太郎先生が、11月11日の朝にこんなツイートをなさってました。

 

『マナーって難しいですね。日本の医学部にいると、中で「マナー」と称されているものは偉い人のわがままな価値観の押しつけがほとんどです。一度、目上の人に会うとき白衣で行ったら「作業着を着たまま俺に会う気か」と怒られて、なんてめんどくさい人か、と唖然としました。』

憶測にすぎませんので違ったら恐縮なのですが、岩田先生はその時、もしかしたら、ぺらぺらのポリエステルの白衣を着ていらしたのでは? テイラーの技術で作った見るからに上質な「クラシコ」の白衣を着ていかれたら、先方の反応も違ったのでは?とふと思いました。

「白衣=作業着」という反応をする偉い人にもたしかに問題はあるとは思いますが。

 

ここぞのときの服が相手に与える印象、ひいては場に与える効果って、ほんとうに大きいですね。もちろん、もっとも大切なのは本質的に重要な仕事であることには変わりないですが、こうしたささいな印象の差が、翻って自分のキャリアに跳ね返ってくることもあるので、やはり少しの気遣いをするのにこしたことはないですね。

 

私が「クラシコ」の広報担当者なら、すぐに岩田先生に一着、白衣をプレゼントするんだけどな。お似合いになりそう。で、その後の同じ方の反応を聞いてみたいです。笑

NewsPicks にて、コロナ後のファッションの変化と、そこから見える価値観の変化について語りました。かなり読み応えあるかと思います。お時間ゆるすときに。こちらです。

以下は、Pick に添えたコメントです。

 

☆☆☆☆☆

ミラノ、パリコレクションが終了した時点で、コロナがどのようにファッションを変えたのか、「ニューノーマル」なファッション状況から読み取れる人々の価値観の変化は何なのかを整理してみました。

・ニューノーマルというけれど、ノーマルってそもそも何なのか?
現実が非日常的という状況のなか、ノーマルとアブノーマルの区別はいったいどこにあるのか?

・日常を機能的で味気のないもので満たしてそれでいいのか? 日常をこそ輝かせることに、これからの私たちは意識を向けるべきではないのか?

・ファッションエリート都市よりもむしろ、日常を豊かに満たす個性的なローカルにしっかりと腰をすえ、そこから発信していいのではないか?

・あふれかえるラグジュアリーブランドは、本質的な意味でラグジュアリーではなくなっていたのではないか? ラグジュアリーの本来の価値が改めて問われており、その意味と表現が変わりつつある時に来ているのではないか?

・とはいえラグジュアリーブランドも世の中に対してアクションをとっている。それはいったいどのようなものなのか?

・歴史は繰り返す。かつて今と同じような動きがあった時代があり、そこから学べることがあるとしたら、それは何なのか。

それぞれのファッションブランドの具体的な動向から考えてみました。お読みいただければ幸いです。

☆☆☆☆☆

 

こちらからどうぞ。

〇先日のダノンビオのトークイベントの概要です。共同通信。こちら

11月22日までYoutubeで配信されているそうです。

 

〇English Journal 12月号に書いた「イギリス文化論:ファッション編」がウェブでも読めるようになりました。とはいえ、途中から有料会員様限定ですが……。こちら。本誌と同じ記事です。

 

〇NewsPicks 洋服の青山が400人の希望退職を募るという記事に対するコメントです。会員ではない方のために、以下、コピー。

☆☆☆☆☆

歴史をたどると男性服には「下克上の法則」があって、
標準とされる服は常に「格下」のカジュアルな服にその地位を譲り渡してきています。

かつてビジネスの世界でもモーニングコートが昼間の標準的正装でしたが、カジュアルウェアとしてのラウンジスーツ(現在のスーツ)にその地位を奪われ、いまはモーニングはフォーマルの世界で生息しています。

150年くらい、ラウンジスーツの覇権が続いていましたが、いま、次の下克上が起きつつあるということなのでしょう。

これまで格下とされてきたタイレスのジャケパンスタイルやジーンズまでもが標準的なビジネスの正装になっていき、ネクタイ付きのスーツはフォーマルウェアの領域に近いところ、あるいはプライベートでのここ一番の勝負服や趣味的な服というステイタスで生息し続けるでしょう。

人を部品や歯車とみなすような画一的で味気ない黒の量産スーツは、そういう働き方が好まれなくなるとともに、なくなっていくと予想されます。

それにしても、青山商事だけではないですが、女性管理職の需要に応える、まともなビジネススーツの需要はこれから本格的になりそうなのに、なぜここに本気で取り組まないのでしょうか? リクルートスーツとはまったく別物の、管理職にふさわしいスーツがほしいのにない(選択肢が少なすぎる)、という声をあちこちから聞きますが。

☆☆☆☆☆

 

 

日本経済新聞夕刊連載「モードは語る」。

7日には、カポーティ、カーダシアンにかこつけてSNSの泳ぎ方(のNG)について書きました。電子版は、こちらです。

 

それにしても、あちこちで書いてますが、「親しい友人など、内輪だけ」のパーティーをいちいちSNSにアップするっていかに観客の神経を逆なでするのか、よく理解したうえで、虚栄心との兼ね合いを考えて投稿したいものですね。人間の観察ができるという意味では非常に面白くありがたいサンプルなのですが。

 

ダノンビオのトークイベントでも「おすすめ本」として紹介しましたが、三島由紀夫の「不道徳教育講座」「行動学入門」でも再読して、人間の感情の扱い方をおさらいしておきましょう。


「約束を守るなかれ」「人を待たせるべし」「人のふり見てわがふり直すな」など逆説的真理のオンパレード。逆説を使って人を魅了する文章のテクニックもしびれます。

 

こちらもおまけに。

三島節に少し慣れたら、小説もぜひ。

感情は最も大切に繊細に扱うべきものですが、決して感情的な表現をしてはいけない。私が三島由紀夫やオスカー・ワイルドから学んだ、人づきあいの要諦の一つです。

日本のラグジュアリーを伝えていくFRaUの連載、更新しました。

テイラリング、ビスポーク、女性のテイラードスタイルから、白衣まで。

どうぞこちらでご覧くださいませ。

Vulcanize London が生まれ変わりました。

英国を舞台にした新感覚の「劇場型」エンターテイメント・リテイルショーケース、The Playhouse.

BLBGと、完全オーダーメイド型結婚式「CRAZY WEDDING / クレイジーウエディング」を展開する株式会社CRAZYによる共同運営となります。

プレオープンのレセプションに伺いました。おめでとうございます。

左はBLBG社長の田窪寿保さん、右は鎌倉アンティークス代表、土橋正臣さんです。みんなマスクで息苦しそうな写真ですが。私が着ているドレスは、ダノンビオのイベントで着ていたものと同じもの。Hiromi Asaiの生地を使って廣川輝雄さんが制作してくださいました。マスクもおそろいです。

AERA STYLE MAGAZINE winter 2020 発売です。

「現代の贅沢品を考える」特集で巻頭エッセイを書きました。

もはや、かつてのラグジュアリーブランドは、ラグジュアリーとは言えないことも多い時代になっています。

ラグジュアリーの本質的な意味と、現代における新しい意味をすっきり解説しました。本誌でご覧くださいね。

ダイナミックなイラストは、前号に引き続き、早乙女道春さんです。

(Click to amazon)

 

二日連続で、リアルでのレクチャーでした。やはり人の顔をリアルに見ながら話すのは充実感が桁違いにありますね。ズーム疲れとは全く違う、心地よくさわやかな疲れ方。

高輪の日本庭園に癒されつつ。

 

☆ダノンビオ主催の「キレイのつくりかた」トークイベントは、本日です。こちらからどうぞ。

 

JBpress autograph 連載第6回は、ジャパンツイードによる牧羊業を救うプロジェクトのご紹介です。

 

こちらから全文をご覧ください。

「まんまる」11月号が発行されました。

連載「ファッション歳時記」第110回は、「戻る・戻らない・戻れない…」。

日本発のラグジュアリーを紹介していく連載の第5回は、マザーハウスです。

 

企業姿勢そのものが、これからの時代にフィットするラグジュアリーの条件を満たしています。

詳しくは、こちらをご覧くださいませ。

 

WWD Japan 9月28日号。「弁護士に聞く、『文化の盗用』問題」のページがあります。

他分野の専門家として取材を受けたコメントが掲載されています。

文化の盗用問題、何度も語っておりますが、日本人は海外の事情を知らなさすぎ(報道されなさすぎ)なのではと思うことがあります。ぜひ本誌でごらんくださいませ。

AERA STYLE MAGAZINE 2020 Autumn issue. 特集「スーツの現在地」で巻頭エッセイを書いています。イラストは早乙女道春さん。

よろしかったら本誌をご覧くださいね。

日本発のラグジュアリーを紹介していく連載の第4回は、アイウェアのアヤメです。

日本人の骨格を徹底的に研究して生まれたアイウェアとは。

部外者が業界を救うという例でもあります。こちらからどうぞ。

 

FRaUの日本発ラグジュアリー連載、第3回目は、「オーラリー(Auralee)」をピックアップしました。

日本的なセクシーさへのアプローチ、「エレガンス」の定義、ラグジュアリーと年齢との関係、ロマン主義との関係なども語っています。

お時間ゆるすときあれば、どうぞ。こちらです。

本日の日本経済新聞朝刊で、最近の日本におけるジェンダーフリー(ファッション)についてコメントした記事が掲載されています。17面のIn Focus (なんと一面まるまる)。電子版は、こちら

 

Z世代はほんとにジェンダーフリーネイティブ。性役割はもちろん重要なことも多いですが、それ以外の場面において、そもそもジェンダーなど問うことじたいが古くさいという時代になるとよいな。上の制服ラインナップに男子もスカートを選べるという選択肢が加わってほしいところですよね。ギャルソンやゴルティエ、あるいはトム・ブラウンやヴィヴィアン・ウェストウッドのメンズスカート、かっこいいよ。

 文化学園大学の橋本定俊先生よりご恵贈いただきました、「ヴィンテージ・ライフ・ブック」。先生の長年にわたるコレクションから選んだヴィンテージ服や家具などを撮影し、コメントをつけた写真集です。橋本先生のヴィンテージ愛が伝わってきます。

10月2日より文化服飾博物館で開催される「世界の藍」展に、文化の橋本定俊先生所蔵の貴重なビンテージも展示されるそうです。LEVIS506XX LEVIS501XX. 1890年代のラウンジスーツなど。レアな本物を見に行くチャンスですね。

文化学園服飾博物館の「世界の藍」展

AUXCA TRUNKの取材。

 

Auxca Trunk の赤坂サロンを取材しました。

こうして写真に撮るとなんということはないごくありふれた普通の服ですが、素材が選びぬかれ、独自の織り方で仕上げられており、きわめて贅沢で、袖を通してみるとその心地よさに魅了されます。

新しい時代のムードを着る、という感覚。スーツなのにジャージ着ているような感覚はいったい。

代表の隅谷彰宏さんは日本発のラグジュアリーをとことん考えぬいていました。詳しくはFRaU連載で語ります。

 

 

天皇陛下のシルクハットについて、取材を受けました。コメントが引用されています。


フォーマルウェアの体系において、第一礼装であるというアピールですね。シルクハットと手袋も含めて「モストフォーマル」な燕尾服のシステム。この場には第一礼装で臨んでおりますという最高レベルの敬意の表現です。

 

 

JBpress autograph の連載にて、栗野宏文「モード後の世界」のレビュー書きました。こちらをどうぞ。

 

 

複雑なモードの世界を、白黒つけようとせず、カテゴリーに収めようとせず、包括的に抱擁しようというファッション愛にあふれた本です。

世界でたたかえる日本のラグジュアリーを考えていく連載の第2回です。

今回は西陣織の細尾さんを通して。こちらからどうぞ。

 

 

日本経済新聞夕刊連載「モードは語る」

12日付では、ピエール・カルダン映画をご紹介しつつ、カルダンの功績と人生をまとめました。

この方が日本に果たした貢献は大きい。まだファッション後進国だった日本へやってきて、森英恵や高田賢三らとも交流し、松本弘子というミューズを世界で売り出し、日本女性の美しさにお墨付きを与えました。98歳でご存命です。力強く自由な生命力に感嘆します。

北日本新聞別冊「まんまる」発行です。

 

連載「ファッション歳時記」第109回は、『「役に立たない」至福の贈り物』。

贈り物のセンスがいい人って、やはりおしゃれだな!と思うのです。投資すべきは、服よりもギフト。

MIKIMOTO 2020 のカタログができあがりました。顧客さまに配布されるほか、店頭でもご覧いただけるようです。

ジェンダー・ニュートラルなパールネックレスについてのエッセイを寄稿しました。英語版もあります。


お目に留まる機会がありましたら、ご覧いただけたら幸いです。

 

秋にもう一媒体で新連載が始まりそうです。しばしお待ちくださいませ。ひとつひとつ、手を抜かず取り組んでいきたいと思います。

講談社FRaUのウェブサイトで新連載がスタートしました。

Everyday Life, Everyday JAXURY.

日本初のオーセンティックなラグジュアリーを紹介しています。

ファッションディレクター森岡弘さんとの対談形式です。

第1回は、グランドセイコーを通して現代的なラグジュアリーや、日本らしさとは何か? などについて語っています。こちら

 

 

 

トルーマン・カポーティのドキュメンタリー映画を拝見しました。「トルーマン・カポーティ 真実のテープ」(The Capote Tapes)。

「ティファニーで朝食を」「冷血」で世界的に有名な作家カポーティ―の、きめこまかい人間描写にぐいぐい引き込まれる。

背が低い。ゲイ。声が女性っぽい。母は社交界に憧れて願い叶えられず自殺。孤独。愛されない。そんな生い立ちや背景を知ることで、数々の名作が立体的にエモーショナルに立ち上がってくる。

カポーティは作家であると同時にセレブリティだった。社交界の「道化」の役のような立ち回り。なぜそんな振る舞いをしたのか。人々が自分を「フリーク」として見る。そのぎょっとした視線を感じる。だから、カポーティはわめき、騒ぐ。そうすることで人々を気まずさから救ってやるために。「砂糖漬けのタランチュラ」「指折りの人たらし」「一度は会いたいけど二度は会いたくない有名人」「掛け値なしの奇人」などなど、彼を表現する悪態すれすれの呼称から、どんな印象を周囲に与えていたのかうすうす察することができる。

20世紀最大のパーティー、「白と黒の舞踏会」は、世界中から500人の著名人を選び抜き、招いた。ベトナム戦争のさなかに開催された、虚飾の極みのザ・パーティー。これについては25ansにも記事を書いておりますが、カポーティの生い立ちや立ち位置を知ることで、壮大なリベンジであることが感じられた。叶えられなかった母の祈りを、こうして叶えたのだろか。

スワンと呼ばれた社交界の華、当時のニューヨークのリッチ層の描写が豊富できめこまかく、文化史としての発見が多々ある。「白と黒の舞踏会」のセレブリティのファッションも、言葉を交わし合う当時の著名人たちの立ち居振る舞いも圧巻。

1977年のカポーティ。Photo by Arnold Newman Properties

セレブの秘密大暴露本でもある「叶えられた祈り」の発表がもたらした余波とバッシングのくだりも興味深い。いまにつながるゴシップ込みのセレブカルチュアは、この人から始まっていたのですね。文化史、文学史を学ぶ上でぜひ見るべき生々しいドキュメンタリーであると同時に、「特別な生き方」を貫こうとした一人の天才の栄光と転落、孤独と喧騒、愛と冷酷にも迫る見ごたえある映画になっています。

 

監督・製作 イーブズ・バーノー
配給 ミモザフィルム
11月6日よりロードショー

この問題作も読みたくなったのでポチリ↓

集英社クオータリー「kotoba」秋号発売です。特集はベートーベン。

連載「スポーツとファッション」、今回は「スーツとスポーツ」に焦点を当てて書いております。

 

 

スーツが廃れる? いえいえ、スーツはその意味を変えて輝かしく生き残っていくのです。ベートーヴェンのように。

プロスポーツ選手が着るスーツの意味とその影響とは。6頁にわたりぎっしり書き込んでおります。よろしかったら読んでみてくださいね。

「婦人画報」10月号。

ハンドバッグ特集で寄稿しました。

ハンドバッグには、アトリビュートないしシンボルとしての一面がありますね。

 

サステナ精神も求められる現在、バッグの「価値」の基準も変わりそうです。

 

そういえば、「研究・イノベーション学会」で講演をおこなったとき、質問タイムにブランドバッグについての話題も上がった。一部のバッグは、買う時には確かに高価だが、年月が経っても中古市場でさほど価格を落とさず売ることができるという現状の話をすると、「そのようなブランドバッグは通貨として機能しているのですね」という指摘がありました。なるほど、たしかに。鋭い指摘。

Australia Fair 2020 at Prince Hotels Tokyo City Area.

ザ・プリンス・パークタワー東京の広いバンケットルームで、ソーシャルディスタンスをたっぷりとり、最大限の注意を払ってレセプションがおこなわれました。

こんなソーシャルイベントは久しぶりだなあ。やはり人に会って話をするというのは、心があたたまりますね。

500人くらいは入る部屋に、ゲストはゆったーりと80名ばかり。

テープカットセレモニーでも、登壇者の間にはプラスチックの仕切り板が。

 

モダンオーストラリアの食とワインが楽しめるフェアは、9月1日から10月31日まで。

左から総料理長の三浦さん、ザ・プリンスギャラリーのソムリエ藤永さん、そしてエグゼクティブシェフソムリエの市村さん。


久々にお会いした、世界文化社の田上雅人さん(左)と大野陽さん(右)。まったくの偶然ですが、3人ともメンズファッションの特集タイトルになりそうな「青と白のコーデ」笑。私が来ているスーツとベストはH&Sonsの廣川輝雄さん作です。3年前のスーツに今年の替えベストを合わせてみました。ポケットチーフとマスクは、ベストの背面の生地とおそろいで作ってくださいました。ベストの表地は中外国島です。テイラードは年月が経てば経つほど、組み合わせのバリエーションが増えて楽しめます。


左は、一緒に仕事をしている藤本先生です。

Men’s Club 10月号発売です。

 

特集「仕事着の常識を疑え!」 巻頭エッセイを書いております。よろしかったらご覧くださいませ。

“Common sense is the collection of prejudices acquired by age eighteen.” (By Albert Einstein)

GQ10月号発売です。「コロナが変えるモード 未来へ移行中」というコラムを寄稿しました。お時間ゆるすときにでもご覧くださいませ。

 

それにしても、BTSというグループを知らなかった。世界中で大人気なんですってね。しかしこうして表紙になった顔を見ても、区別がつかない……。

 

★★★★★

朝日カルチャーセンター新宿での講座のご案内です。

「流行を作った変革者 ファッション史を織り上げるプレイヤー列伝」。

10月3日(土)13:00~14:30。お申し込みは、こちらから。

 ユナイテッド・アローズのクリエイティブディレクター、栗野宏文さんの初めての本。わかりやすい言葉でファッションと社会の関係を語る、ファッション愛にあふれた本です。現在の社会状況の分析も面白い。栗野さんの主観が徹頭徹尾貫かれており、それが快い。以下はとくに興味深いと思ったところの備忘録メモの一部です。正確な引用ではないので、みなさんはぜひ本書を通して読んでくださいね。

 

・バーチャルグルメ、バーチャル健康など、自分が消費するのではなく、他人が消費しているのを見て、消費の気分に乗るというだけで満たされる、それは現在の消費社会の一特徴。

・本来、モードは特権階級と非特権階級という図式に依拠していた。しかし、ファッションブログ→インスタグラムを経て、完全にフラットになった。その意味ではモードは終わった。モードに変わる言葉は、ダイヴァーシティ。

・クリエイティブなビジネスとは、パクチー(ヘイト)である。世間に出るということは、たとえ嫌われてもいいからパクチーでいようということ。

・どんな変人でも、意地悪そうな人でも辛口な人でも、本質的に人間としてまともかどうかが、一番重要。これを「トラッドマインド」と呼んでいる。根本に服に対する深い理解と愛があるかどうか。「ひとりひとりのお客様と向き合い、いつの時代も多様なスタイルに応えるということ」がトラッドマインド。

・クオリティが高かったり、飽きがこなかったり、完成な度が高くて、それ以上いじりようがない原型、それをリアルシング(本物)と呼んでいる。

・ファッションには、人間が人間として、リスペクトされるための装置としての側面がある。その人の人間性がファッションを通じて外に醸し出されていく、その手助けをするようなファッションが、今一番求められている。

・どんなにスケールの大きなビジネスでも、一番大事なことは、そこにエモーションがあるかどうか。ブランドとはエモーションの塊である。(←名言)

・おしゃれに興味を持つということは、自分ときちんと向き合うということ、自分を見つめるということ。それができる人は、他人に対しても同じようにきちんと向き合える。おしゃれとは生き方の問題であり、その本質は結局、自分が自分らしくいるかどうか。

・ファッションにおいて一番よくないのは、過剰な足し算と妥協。多くの人は人の目を気にしすぎているわりには、自分に何が似合うか本質を見極めていないし、自分と向き合っていない。

・忖度というのは批判されないための防御。リクルートスーツ、お受験スーツなどは忖度しすぎてモンスターになっている。

・日本には西洋のような階級社会がない。日本のファッションにはセダクション=性的誘惑性がない。だからユニークで面白い。

・現代日本において男の着物姿は遊び人風に見えるが、女性の着物姿にはある種の威厳、「押し出しがある」。

“It is your work in life that is the ultimate seduction. “(By Pablo Picasso)

<おまけ 過去に栗野さんとご一緒させていただいた鼎談のなかから>

 

 

 

昨日の仕事は紀尾井町でした。建物の中にいる限り、気持ちのよい絶景ですが、外は37度の熱風。

 トガッチこと戸賀敬城さんの同タイトルの本の文庫化版。ソリマチさんの表紙イラストがセンスよく決まっています。

メンズファッション上級者に向けたものではなく、ビジネスでとにかく結果を出したいという初心者向けのマニュアルです。グルーミングやヘアスタイルにいたるまで。

「スーツは三万円で買い、三年で使い捨てろ」、「傘はビニール傘でいい、困っている人にあげてしまえ」という項目など、クラシックスタイル信奉者が聞いたら怒りそうな(笑)項目もありますが、トガッチ式ライフスタイルの中においては理にかなっており、なるほどなと思わせるところがあります。こうした考え方もあるという他者への理解や、気づきにつながればよいのではないでしょうか。

巻末のビームス中村達也さんによる解説が面白い。トガッチ式ビジネススタイルの本当のキモはどこにあるのか(少なくとも服装ではない)、さりげなく明かしてくれています。中村さんが引用するヴォルテールもいい。

「彼とは意見が違うけれど、彼が意見を言う場所は命をかけて守りたい」

ファンなのかアンチなのかわからない、自身でもよくわからないという中村さん、この解説は出色です。中村さんが描きだす戸賀さんという人物像を、本書の服装術を実践する男性と重ね合わせると、ぴたりと合うのです。

やはり人あっての服装観。クラシックスタイルを貫く人にはそれなりの行動様式が染みついています。戸賀スタイルには戸賀様式。そうした視点を持って読むと味わい深いと思います。人としての考え方や行動の裏付けがないのに表層のマニュアルだけ真似してもちぐはぐになるのは、あたりまえといえばあたりまえですね。

8月25日発売です。

 

“Spectacular achievement is always preceded by unspectacular preparation.” (By Robert H Schuller)

 

 

 

 

 

日本経済新聞夕刊連載「モードは語る」。

本日は「クラシコ」の白衣について書きました。


取材にご協力いただいた「クラシコ」のみなさま。左上は広報の廣田さん、左下は創業者の大和新(おおわあらた)さん、右下はEC責任者の江村さんです。

 

電子版は、こちら

ありがとうございました! ますますのご発展を応援しています。

 

“Dignity, and even holiness too, sometimes, are more questions of coat and waistcoat than some people imagine.” (By Charles Dickens)

〇JB autograph 連載「モードと社会」第4回です。「フェイクも包摂する時代」。

 

多様性と包摂を謳うことはよいことだ、というリベラルな態度はどこまで正しいのか。リベラリズムと多様性包摂の落としどころはどこなのか。『西洋の自死』を読んでからますます考えさせられます。フェイク礼賛のこのムードもまた、どこまでOKなのだろう。

“In our lives in a lot of ways it’s all about fake. You’ve got people wanting things for fake reasons.” (By Billy Corgan)

JB autograph 連載「モードと社会」第4回です。「フェイクも包摂する時代」。

 

多様性と包摂を謳うことはよいことだ、というリベラルな態度はどこまで正しいのか。リベラリズムと多様性包摂の落としどころはどこなのか。『西洋の自死』を読んでからますます考えさせられます。フェイク礼賛のこのムードもまた、どこまでOKなのだろう。

“In our lives in a lot of ways it’s all about fake. You’ve got people wanting things for fake reasons.” (By Billy Corgan)

 

 

〇ディズニーシー 続き。

 

ディズニーこそ多様性と包摂の象徴ですね。こうして平和に多様性が共存している世界はやはり、フェイクというか架空の世界でしかありえないのかもしれません。


荒れない海。サメのいない海。汚染されない海。

ほんもののヴェネツイアを見たら「ディズニーみたい」となりそうな作り込み。

 

 中央大学ビジネススクール教授の田中洋先生の「ブランド戦略論」。個々の具体例も交えながら、教科書としてブランドにまつわる知っておきたい理論が網羅されています。田中先生には、ラグジュアリー研究会にも(ズームにて)お越しいただき、ゲスト講師として貴重なレクチャーをしていただきました。多謝。ラグジュアリーの原則中の原則は、新・旧それぞれに通じるところがあり、普遍です。この分野を語る際には、ぜひ一読しておきたい一冊です。

ちなみに田中先生によるラグジュアリーの条件は以下の通り。新旧ラグジュアリーにともに通じる条件かと思います。「非日常」のみ今は少し変化しており、日常的にラグジュアリーを感じるラグジュアリーがあってもよいのではという時代になっています。

・知覚入手困難
・日常との距離=非日常
・希少
・社会的価値(他の人が良いと決めたこと)
・個人的関連性
・非有用性

「社会的価値」に関しても現在は過渡期でしょうか。他の人や権威が「価値あり」と決めたことは関係がないという人も増えてきました。

「ラグジュアリーのジレンマ」なる言葉も教えていただきました。ある程度販路を広げようとすれば希少性がなくなる。それに対する解決法も本書に書かれておりますよ。

 サンモトヤマの創業者、茂登山長市郎さんが輸入ビジネスに賭けた一生のエッセンスを語りかけるように教えてくれる。戦後の闇市から現代までの日本におけるブランドビジネスの流れも学べる。

ファッションビジネスに携わる人だけでなく、多くの人に読む喜びを与えてくれる本だと思う。情熱、勇気、情、不屈の忍耐、人との交流の妙、損してトクする商売のコツなどなど、ひとつひとつのエピソードを通して学べることが多く、長い間積読していたことを後悔した。以下は備忘録を兼ねた茂登山さん「名言」メモです。

・心に軍旗を掲げ、その旗に忠誠を誓う。

・自分に会いに来る、自分を頼りに来てくれる、そんなお客さんを何人持っているか。「お得意さん」というのは、お客さんが得意になる、お客さんを得意にさせること。

・運、鈍、根、運、鈍、根……の循環を知る。

・運がめぐってくる可能性が高いのは、夢を売る商売。実際に売り買いするのは商品だけど、その中に夢やロマンが感じられるようなものを含ませて売りなさい。

・八方ふさがりでどうにもならない時は、大事なものだけ残してすべて捨てると、運が開ける。

・売る人と買う人と商品は三位一体。美しいものを売っていると、美しいものが集まってくる。それなりの物を売っていれば、それなりの人が集まってくる。儲かったら、商品の質もお客様も、そして自分も一段高く積み上げろ。(これはホテルビジネスを見ているとよくわかる。価格を下げると客層が下がり、意味不明なクレーマーが増えてホテルのスタッフが疲弊してやめていく。逆のパターンだとホテルスタッフも客によってどんどん磨かれていくのです。)

・自分で一流と言ったらおしまい。一流になりたかったら、一流の商品を売ること、一流のお客様とお付き合いをすること。(ラグジュアリーとは他称である、という考え方とも通じますね。やたら「一流のなんたら」というタイトルがついた本は、一流とはまったく無関係です。)

・商売も「やり過ぎ」「のり過ぎ」「マンネリ」は失敗する。

・セールスとは自分のすべてを売ることであって、物を売ることではない。「お客様に信用される自分」を売ることがセールス上達の近道。

・常にクオリティを追求しろ。クオリティを高めれば新しいお客様はつくが、落としたら誰も見向きもしない。

 

サンモトヤマは結局、長市郎さん一代限りで衰退に向かってしまいました。時代の流れもありました。茂登山長市郎さんは人間力が桁外れに高く、夢をもって商いを通して時代を作り続けた人でした。

 

“People will buy anything that is ‘one to a customer.’ “ (By Sinclair Lewis)

 

“People will buy anything that is ‘one to a customer.’ “ (By Sinclair Lewis)

 

 

 

◯小浜島 続き。

夕暮れ、浜辺でシャンパンを飲むという小さい夢は叶いましたが、あいにくお天気が今一つで、途中から雨もぽつぽつ。

 

とはいえ雲が多いお天気ならではの「ロマン派的」なドラマティックな空を堪能できました。

 


誰もいない夜の浜辺は、写真で見るとキレイですが、風の音もあいまってちょっと怖い。

小浜島に星を見に来たと言ってもよいのですが、あいにくこの夜空。時折、雲の晴れ間にのぞく星空には感激しましたが。南十字星はまた次回、ということですね。

翌朝。朝日も輝かしくというわけにはいかず、ドラクロワ的。

それはそれで迫力があり、ひたすら砂浜を散歩しているうちに雲の合間からの日の出も拝むことができました。

 

ラグジュアリー産業を考えるときに知っておきたい組織の続き。

イタリアのアルタガンマ財団、フランスのコルベール委員会に相当するイギリス版の組織が、ウォルポールです。

1992年創設。イギリスのラグジュアリセクターを統括する非営利組織です。250以上の英国ブランドが所属しています。イギリスの経済にとってラグジュアリービジネスが占める割合は極めて大きく、ウォルポールがこのセクターを守り、発展させることに貢献しています。

前記事でちらと触れた、フランスのコルベール委員会も初めて聞くという方のために。

コルベール委員会とは。1954年にジャン=ジャック・ゲラン主導のもと創設されました。コルベールの名前は、17世紀のジャン=バティスト・コルベールに由来します。

ジャン=バティスト・コルベールは、1661年にルイ14世の財政管理をし、王室の建物、美術品、製造品の管理をおこなっていた役人です。世界にフランスの技術力を広めることに貢献しました。外国の技術を取り入れながら手工業の創設を奨励したり、海軍の拡張や 港の整備に尽力したりすることで、フランス製品の輸出を強化しています。

コルベールはまた文化人でもあり、ローマにアカデミー・フランセーズ、パリにコメディー・ フランセーズを設立しました。

そのように、現在のフランスのブランド産業、フランスのイメージの基盤を作ったともいえるコルベール氏の名に由来するのが、コルベール委員会というわけです。1954年当時のメンバーは15ブランドでしたが、今日では81ブランドが メンバー。創設当初から、フランス独自の技術と美意識を体現し、13の分野にわたり、フランス流 「美しい暮らし」を象徴しています。

こうしたコルベール委員会に匹敵するものが、日本にもあればと思う所以です。「クールジャパン」はまったく違うものになってしまいました。サブカルではなく、ラグジュアリーを束ねることで、日本の産業も文化もしかるべきステイタスを帯びていくのではないでしょうか。

 

ラグジュアリーを学ぶ過程で必出する「アルタガンマ財団」とは。

アルタガンマ(財団)とは、デザイン、ファッション、食品、ジュエリー、自動車、ホスピタリティの各分野の企業で構成されるイタリアの高級ブランド業界団体です。フランスのコミテコルベール(コルベール委員会)と同様の機能を果たします。アルタガンマの意味は「ハイエンド」、その名の通り、ハイエンドを扱います。

アルタガンマ財団の設立は、1992年。国際的に卓越しているイタリアのブランド、およびイタリア企業を保護するために設立されました。イタリアの産業とそれを支える伝統文化を促進するという貢献をしています。 含まれる企業は、革新性、品質、サービス、デザイン、名声、すべてにおいて高く評価されている文化的価値・起業家精神や哲学をもった企業ばかりで、単なる高級品のアイコンではありません。

日本のラグジュアリー産業全体を国際レベルで戦えるようにするには、まずはこのような組織が必要なのですね。

 

 長い間、積読状態でしたが、読み始めたら一気に読了。黒木亮『アパレル興亡』。

小説の体裁をとっていますが、戦中から現在までの日本のアパレルビジネスの歴史が綿密に取材されており、アパレルビジネスの興亡を通して日本社会の推移も描かれる。これだけの取材するのはどれだけ大変か、痛いほどわかるだけにリスペクトしかない。ドキュメンタリーでなく、小説だからこそ描ける世界もありますね。虚実皮膜の間に立ちのぼってくる、本質をつかんだ絵。これが脳内に描ける。

私自身、日本の百貨店ビジネスや「営業系・体育会系アパレル企業」のことをほとんど知らなかった。なじみのない日本アパレルの業界用語がいろいろ出てきて、すっかり勉強になった。こうした男ばかりの暴力体質の企業が日本の経済成長を支えてきたのかもしれないですね。分厚さにひるんでいたけど、読み終えるまでだれることなく、スリリングな学びの体験ができた。テキストにして経済小説。黒木さんの力量に感動。

 

“Wild waves rise and fall when they arrive.  And that’s what makes the calm sea alive”  (By Munia Khan)

 

本日付けの読売新聞朝刊一面の「編集手帳」。『ロイヤルスタイル 英国王室ファッション史』から引用していただきました。

ありがとうございます。

ちょうどいま、「ビジネススーツは衰滅する。しかしそのステイタス=意味を変えて生き残る」という原稿を書いていたのでなんだかタイムリーというかセレンディピティという感じでした。

〇デジタル版となったパリコレクションとミラノコレクション。

全部観られるのはよいけれど、結局は動画にどれだけお金をかけられるかの問題?とも。ブランドの世界観を表そうとして「夢」(悪夢含む)のような映像になったり、アニメだったり、ドラマのオープニング風だったり、香水のコマーシャル風だったり。アトリエの裏を見せるなどドキュメンタリー風味もあったり、玉石混交だったのはやはり第一回だから当然といえば当然ですね。気になったのは日本ブランドの多さで、数えて見たら11もパリコレメンズに進出していた。

フミトガンリュウ
イッセイミヤケ
ヨウジヤマモト
オーラリー
カラー
ミハラヤスヒロ
ファセッタズム
ヨシオクボ
ダブレット
サルバム
ホワイトマウンテニアリング

デジタル版となって進出しやすくなったため? 以前から日本の参加は増えていたという話は聞くけれど、いつのまに。中国、韓国のブランドも進出しており、たしかにかつての敷居の高いヨーロッパのコレクションというイメージはなくなっている。

時代の変化の渦中だからこそチャンスでもある。日本のクリエイターのますますの活躍を楽しみにしています。

 

〇2年ほど前に大ヒットした「カメラを止めるな!」。Netflixに入っていたのでようやく鑑賞。後半、爆笑のち感動。悲劇でもロングショットで見ると喜劇になる、ということばを思い出した。

“Life is a tragedy when seen in close-up, but a comedy in long-shot.” (By Charlie Chaplin)


日本発メンズブランドのFORTUNA Tokyoが、抗ウィルス抗菌加工Tシャツの予約販売を始めました。

 

抗菌Tシャツは3種類のデザインを4色で展開。TioTio®PREMIUMの抗ウィルス加工が施されています。

「Keep Fighting」。江戸時代の浮世絵師、葛飾北斎の鳳凰図があしらわれています。吉兆をあらわす神獣の下に、コロナ禍に立ち向かうあなたを鼓舞するメッセージ。

「Never give up」。ブラック、ブルー、リネンの3色で展開。サー・ウィンストン・チャーチルのかの名演説、”Never, Never, Never Give Up.”をデザイン化。コロナ禍にある現代にも共鳴するメッセージです。右下にちょこっと描かれたチャーチルの横顔が効いてます。チャーチルファンへのプレゼントにもよさそう。


「Return Alive」。降下する5つのパラシュートで、危機からの脱出と生還を表現。新天地への着地から、新たな希望が芽生えますように。

■「消臭」・「防汚」・「抗菌」効果

抗ウイルス加工には、特定のウイルスに対して有効な試験データを示したハイブリッド触媒®溶剤を使用しているとのこと。この加工剤は一般社団法人 繊維評価技術協議会が効果・耐久性・安全性を審査し、基準を満たしたものとして認証されているそうです。

抗ウイルス性のほかに、消臭・防汚・抗菌効果が認められています。触媒は常温で蒸発したり溶出したりしないので、繰り返し洗濯しても効果が長期間持続。

(「TioTio®」、「ハイブリッド触媒®」は、株式会社サンワード商会の登録商標)

まだまだ先の見えないコロナとの闘いが続きそうな時代、抗ウィルスの繊維はますます増えていくと予想されます。

■健闘する日本発ブランド、応援したいですね。FORTUNA Tokyoの設立者は、村井亮さんです。オンラインショップでは、西陣織のネクタイやお洒落なマスク、扇子なども展開しています。

詳細はこちら。FORTUNA Tokyo 公式HP https://fortunatokyo.com
FORTUNA Tokyo 公式オンラインショップ https://shop.fortunatokyo.com

 

日本経済新聞土曜夕刊連載「モードは語る」。

18日付では、テスラのショーツをとりあげました。

 

*三浦春馬さんは「ごくせん」のころから、ひときわ透明感があって美しい俳優だなと思って拝見していました。昨年のいまごろは、ポール・スミスのアンバサダーとしてパリコレでも活躍していらしたのでは。あれほどのスタイルの良さ、美しさと才能と運に恵まれた人が、内面にどれほどの苦しみを抱えていたのか……。悔やまれてなりません。親しかった方、ご家族の方々はどれほどおつらいでしょう。ご冥福をお祈り申し上げます。

7月21日~23日、ロンドン・カレッジ・オブ・ファッション主催でグローバル・メンズ・スタイルのデジタル会議が行われます。メンズファッション学もついにここまでアカデミックに。オンラインで視聴できる貴重な機会。関心の高い方、ぜひご参加を。詳細は、こちらから。

 

ホストは、Jay McCauley Bowstead とCharlie Athill 。Mr. Bowstead はMenswear Revolution の著者ですね。

 

 

Jun Ashida and Tae Ashida 2020-21 AW Exhibition.

デザイナーの芦田多恵さん。ジュンアシダのディレクターも兼ねています。

JAは上質なカシミアを贅沢に使った機能的で心地よさそうなアイテムを多々提案。手元のファーは取り外しができます。

こちらもJAですが、黒白ストライプのトップは、素材がユニークです。スパンコールをぎっしり縫い込んであり、触れるとスパンコールの方向が変わるので、このようなパンクな柄にもなる↓

もちろん、なでるとまた元の方向に戻ります。フォーマルドレスでこうしたパンクなアレンジができるのは楽しいですね。こういうオリジナルな素材の感触や質感は、観て触れてみてこそ面白さが実感できます。

エレガントなマスクは大人気で生産が追い付かないくらいだそうです!

TAでは、メンズのアイテムも増えてきました。「今はメンズを創るのが楽しい」と多恵さんは語ります。既存のルールや慣習にとらわれない自由な男性像が目に浮かびます。その隣には、同じ感性をもつパートナーが。やはりファッションはペアで見ると奥行きが出て面白い。

ベルトや襟が取り外し可能になっているコート。


フォーマルも素材から新しい。ブラウンというのはあまりフォーマルに使わない色なのですが、こうして生地に光沢とグラデーションを与え、相応しいオーナメントとデザイン性を加えることでブロンズの輝きを帯び、一気に洗練されて見えますね。フォーマルドレスに関しては、ほかにもため息ものの美しさで魅了してくるものがずらりとそろっていたのですが、写真でただドレスを紹介してもなかなかその迫力が伝わらないのがもどかしい。モデルがこれを着てランウェイを歩くさまを間近で見たかったなあ。でも今のこの時期はこうして展示会で間近に触れることができただけでもありがたきこと。

万全の態勢でコロナ対策をとり、こうして展示会を開いてくれたデザイナーはじめスタッフの努力にただただ頭が下がります。

人間が愛情をこめて作る美しいもの。ファッションであれ映画であれ料理であれ本であれ、美しいものに接することで心が生き返るような思いがします。

 

愛読しているWWDジャパンに、菅付雅信さんの連載「不易と流行のあいだ」が掲載されています。

本日発行のvol.2144 に掲載されたvol.8 「ウォンツはニーズを超える(後編)」で、「モードとエロスと資本」を引用していただきました。写真つき。

 

光栄です。この菅付さんの連載、とても面白いので書籍化希望します。

 

 (click to amazon)

10年前に書いた本ですが、いまだにあちこちで引用されているのがありがたいかぎりです。集英社は校閲がほんとうに細かく厳しくて、膨大な「?」をひとつひとつ調べ直していくのが大変だったのですが、その過程で新しい発見もあったし、そのおかげで本が長寿になりました。

結果と実績だけで語れるようこつこつ積み重ねます。

 

“A professional writer is an amateur who didn’t quit.” (By Richard Bach)

ピエール・カルダンのドキュメンタリー映画「ライフ・イズ・カラフル!」(原題 House of Cardin) 。一足早く拝見いたしました。

 

現在98歳でまだお元気なカルダンの、カラフルな仕事と人生について、情報ぎっしり&ポップに仕上げられた楽しい映画でした。

 

新しい発見の連続。

 

自分をばかにしたレストランへの痛快なリベンジのエピソードはじめ、ファッションに関心が薄い人にも響く要素が満載。

お勧め。

10月2日よりロードショー公開です。

©House of Cardin – The Ebersole Hughes Company

ディズニープリンセスのドレス解説シリーズ、第三弾は「塔の上のラプンツェル」です。こちら

 


ファンタジーの衣裳の細部をネタに、実際の西洋ファッション史を学べるように写真を豊富に散りばめておりますよ。お楽しみください。

 

それにしてもディズニー人気は圧倒的だな。ディズニー再開直後に半日、パソコンにはりついてチケットを購入しようと試みましたが、ついにアクセスできませんでした。でも後から聞くと、ちゃんと買えた人もいるんですね。すごいな。いいな。ディズニーシーがそろそろ恋しい。

 

“Charm is a way of getting the answer ‘Yes’ without asking a clear question.” (By Albert Camus)


The Three Well Dressers.  世界的にも「Well Dressers (着こなし巧者)」として名高い3名の日本人、横浜信濃屋の白井俊夫さん、SHIPSの鈴木晴生さん、そして元United Arrowsの鴨志田康人さん。それぞれ、幼少時より現在までいかにして洋服と向き合い、着こなしのセンスや美意識を磨いてきたのか、その軌跡を豊富な写真とともに語る。

白井さん、鈴木さん、鴨志田さんはそれぞれ10歳ずつ違うのだそうです。お三方の物語を通読すると、戦後の日本のメンズアパレルの状況や、その周辺の文化の歴史も浮かび上がってきます。

鈴木さんの生い立ちが、もっとも衝撃で、感慨深いものがありました。養父が米国籍で、戦後まもない時期の幼少期からアメリカ的な恵まれた環境のなかにごく自然にいらしたのです。日本人離れした立ち居振る舞いやセンスは、幼い時から育まれていたということですね。ファッションセンスにおいても英才教育や環境がいかにものをいうのか、納得するエピソードが満載でした。(鈴木さんの中身は半分アメリカ人ではと疑っていたのですが、やはりそうだったのです。笑)

白井さんが語るエピソードのなかにも、日本の戦後にこのようなことがあったのかという驚愕の事実が多々あります。

鴨志田さんと美術との関りも初めて知るエピソードで、現在の氏が色合わせに発揮する絶妙のセンスを思えばパズルのピースが合うように納得、興味深く読ませていただきました。

白井さん、鈴木さん、鴨志田さんがウェルドレッサーとして世界から敬意を受けているのは、スーツの着こなしのセンスもさることながら、それぞれの人柄による部分もきわめて大きいと思っています。誰に対しても態度を変えず、穏やかな笑顔を向け、決して媚びたりつるんだりしない。前に出ようとするエゴはなく、ふわっとした余裕があり、人柄から生まれる独特のチャームや風格を醸し出しています。本書を読むと、それぞれが乗り越えてきた苦労や経験がベースになって、そうした穏やかさが生まれているように伺われます。

お三方、それぞれに確立したスタイルは、読者がマネしてもおそらくへんてこなものになるのですよね。

One man’s style must not be the rule of another’s.  (By Jane Austen)
「一人の男のスタイルは、別の男の基準にはなりえない」(ジェーン・オースティン)

それぞれの経験や考え方があって、このスタイル。だから、表層だけまねても「もどき」にしかならない。そういう意味で、「人と装い」の関係を掘り下げて考えるための参考書になるのではと思います。

現在40歳代、30歳代の若い世代にこうしたウェルドレッサーの伝統を継承するような方はいらっしゃるのでしょうか。コロナによってスーツ着用の機会がさらに減り、トラディショナルなメンズスーツはますます居所を失っている時代でありますが、それぞれの時代の洗礼を受けた若いウェルドレッサーの登場も期待したいところです。

 

 

(Click to amazon)

ブルネロ クチネリの秋冬展示会。コロナ後初めてのリアル展示会でした。やはり直接、人に会えるのは嬉しいな。

いつもながら精緻な手仕事による究極のエレガンスの提案。モデルさんがバミューダスーツの中に着ているベストの生地は、一見、トラディショナルなメンズルックに多い柄なのですが、マイクロスパンコールがちりばめられていて、光を受けてさりげなくきらきら光る。

オペラニットには、オーガニックなモチーフがひとつひとつ手で縫い付けられていますが一着作るのに32時間かかるそうです。

カシミアのスエットパンツはこの冬のリモートワークに最適ではと思いました。上下セットで着ても素敵。あえて価格は見ていません…。

あざやかな景色は、震災にあったイタリアのノルチャという地だそうです。映像では、美しい音楽、景色、詩的なことばのなかに、クチネリの服のディテールが流麗にさしこまれていきます。


なにからなにまで眼福でした。クチネリさんありがとう。


(メンズもゆっくりお話を伺いながら見たかったのですが、今回は、どちらか選ぶパタンでした)

みなさま、よい週末をお過ごしください。

JBpress autograph 連載「モードと社会」第3回、「コロナの時代のモード」後編です。こちらからどうぞ。


ファッション誌が低迷している理由、ファッション誌のこれからについて、忖度なしに書いております。ご覧いただければ幸いです。

 

“Self-reverence, self-knowledge, self-control; these three alone lead life to sovereign power.”  (By Alfred Lord Tennyson)

JBpress autograph 連載「モードと社会」。第2回は「コロナの時代のモード」中編です。こちらからどうぞ。やや長めです。

The measure of who we are is what we do with what we have.
(By Vince Lombard)

集英社季刊「kotoba」発売です。連載「スポーツとファッション」第2回は、『「スポーツする紳士」のブランド力』をテーマに書きました。ラグビーとサッカー、起源は同じスポーツなのに、なぜラグビーシャツのみファッション化(プレッピーに取り入れられるなど)していったのか?

 

写真を散りばめつつのまるまる6ページです。サッカーとラグビーが分化し、プロ化していく19世紀の経緯から始め、現代のラルフローレンにいたるまで。
よろしかったらご覧いただければ幸いです。なにせ初チャレンジのジャンルでもあり、ラグビーやサッカーに一家言ある方々のご意見をお聞かせいただければ幸いです。

 

Pen 6月16日号発売です。ジェンダー大特集。ファッション史に見られるジェンダー表現について、17世紀から現在まで、4ページにわたり解説しました。図版豊富です。よろしかったらご覧くださいませ。

 

The soul has no gender. (Clarissa Pinkola Estes)

 

6月が始まりました。今日からニューノーマルの生活に入るという方も多くいらっしゃることでしょう。引き続き感染症にはお気をつけて、充実した一か月のスタートを切ってくださいね。

 

 

 

 

 

読売新聞夕刊連載「スタイルアイコン」。29日付では台湾のIT大臣、オードリー・タンについて書きました。

日本も風通しの良い成熟した社会(いかなる障壁もなく、相応しい人が最適な場所で活躍できる社会)であってほしいという願いをこめて。

 

 

JBpress autograph で新連載「モードと社会」始まりました。

第1回~3回は、「コロナの時代のモード」です。

 

コロナ禍が始まってラグジュアリーブランドがどのように反応したのか、今後、ラグジュアリーの意味はどのように変化していくのかを考えました。写真は、ブルガリのお弁当プロジェクト。

こちらからご覧いただければ幸いです。

 

 

集英社季刊文芸誌「kotoba」6月5日発売、予約が始まりました。

連載「スポーツとファッション」。第2回は、紳士のスポーツとファッションについて考えてみました。サッカーとラグビー、起源は同じなのに、サッカーシャツがファッションアイテムにならず、ラグビーアイテムのみプレッピースタイルに取り入れられたりしているのはいったいなぜか? 7000字ほどの長めの論考です。

 

 

 

 

NewsPicks 短期連載第2回です。こちら

 

“Comfort and prosperity have never enriched the world as much as adversity has.” (By Billy Graham)

Newspicksから取材を受けました。本日より3日間、記事が連載されます。

ポストコロナ時代のファッションビジネスについて語りました。


こちらでお読みください。会員限定の記事になり、恐縮です。第一回は「『トレンド』のない世界へ」

北日本新聞別冊「まんまる」6月号発行です。

 

連載「ファッション歳時記」第105回は、「人との距離をとるためのファッション」です。


物理的距離はとっても、心の距離は密接に。

 

“One sees qualities at a distance and defects at close range.” (By Victor Hugo)

〇ジェンダーフルイドについて、GQ JAPANに寄稿した記事がウェブ版にアップされました。こちら

 

 

〇私はいかなる党派にも属していませんが、検察庁法の改悪案には、反対します。よりによって国民の多くが苦しい思いをしているこのタイミングで、まともな議論もなく、あからさまに身内を守るための姑息なことをやって、政府関係者は、国民にきちんと顔向けして説明できるのでしょうか。法務大臣には、プライドというものがないのでしょうか。日本でどさくさに紛れて法案を通そうとしても、世界中が注視しています。この数年間、不正や虚偽や欺瞞がこんなにも歪んだ形でまかり通る世の中であることをすでに子供たちは目の当たりにし続けており、トップがこういう現状なのに、どうやってまともな倫理教育をしていけるのでしょうか。NY州知事のクオモ氏のポロシャツの胸元につけられる州章をもう一度アップしておきます。アメリカに倣えというわけではありません。この標語が、すべての「公務員」にとって、普遍的な基準となると思うからです。

Performance Integrity Pride  I Work for the People. 「行動 誠実 誇り 私は人々のために働く」。

国会議員のみなさま、どうか党派にかかわらず、良識のある判断をしてください。

 

 

Men’s EX 6月号7月号合併号発売です。

避暑地特集にて、エッセイ「古今東西に通ずる避暑文化とは」を寄稿しました。


避暑どころではない現状ではありますが、脳内に少しでも避暑地の風を感じていただければ幸いです。早乙女道春さんのさわやかでダイナミックなイラストとともにお楽しみください。

 

 

Netflixの「梨泰院クラス」観了。ストーリー、音楽、ファッション、キャラクター造型、俳優の魅力、どれをとってもすばらしく、一週間ワクワクさせていただきました。多様性社会、復讐物語、青春群像物語、ラブストーリー、と多くの見方ができますが、とりわけラブストーリーとして見ると、従来の定型を破るZ世代的な新パターンなのでは。まさかの、でも当然の大逆転の展開には、感動ひとしおでした。パク・セロイの強さにも勇気づけられますが、賢く愛を貫くチョ・イソのかっこよさったらない。”No matter who my opponent was, I eventually won.  So, I’m not giving up.”

Day 4のテーマは、「映画」。

1980年代の終わりから1990年代にかけては映画コラムの連載をいくつかもっていたこともあり、1年に300本以上映画を観ていた時期があります。

まだCGがなかった時代、映画の文法を蓮実重彦さんや山田宏一さんの本から学びました。ヒッチコックの「サイコ」のシャワーシーンでは、実際にはナイフが肌に一切触れていないにも関わらず、編集だけでいかにも惨殺されたように見せるテクニックが使われていたと知ってスローモーションにして確認したり。ヒマだったのか。「映画術」は相当読み込んだ本です。

映画コラムは滝本誠さんのデイヴィッド・リンチを語るにぴったりないかがわしく危なっかしい文体に魅了されて滝本推しの映画は全部観ていました。
CG時代になってから映画をとりまく世界も一変しましたが、2010年代の状況は、宇野維正さんと田中宗一郎さんの対談でおおよその流れがわかります。

 

このコロナ禍で映画業界も大きな打撃を受けていますね。「今週の映画ランキング」欄が延々と空白という事態がほんとうに悲しい。映画のお仕事に携わるみなさま、お辛さはいかほどかと拝察します。どうかがんばってください。

#BookCoverChallenge
#Day4
#FourBooksforFourBatons

みなさま、どうぞお健やかにお過ごしください。

読売新聞夕刊連載「スタイルアイコン」。24日付の夕刊では、NY州知事、アンドリュー・クオモ氏について書きました。

ちなみに、知事就任時に職員に配布したピンバッジがこちらだそうです。

〇Men’s Precious 冬号に掲載された「至高のスーツプロジェクト」。ウェブでも読めるようになりました。こちら。

 

〇JB press autograph にて2020年春夏ルックブックVol. 3 「確固たる『アイデンティティ』の象徴たち」が公開されました。

 

 

休店中の店舗のウィンドウからは春夏コレクションも撤去され、実物を目にすることもなくなってしまいましたが、もう「新しい」デザインは要らない。これをこのまま、見せ方だけを変えて、コロナ後の来年、再来年、あるいはその先……と展開していただいてかまわないと思います。ファッションサイクルは、否応なく変わらざるをえない。アパレル産業、ファッション情報ビジネスに携わる親愛なるみなさん、ほんとうに大変な時ですが、どうか、この非常時を乗り切ってください。

政府は手続きを簡素にして迅速な補償を! どうかよろしくお願いします。

 

“You have to be willing to go to war with yourself and create a whole new identity.” (By David Goggins)

この時期を闘いぬいて、より強いブランドアイデンティティをもって生まれ変わろう。(←自分への励まし混入)

 

 

 

コロナで体調を崩された方々のご回復をお祈り申し上げます。命の危険と隣り合わせで医療に従事されている方々、エッセンシャルワークに携わっていらっしゃる方々に感謝申し上げます。

 

 

 

2日続けてZoomで長めの取材を受けました。

Penではジェンダーとファッションの関係について。

News Picks ではコロナ後のファッションについて。


どちらも、図や写真があったほうがわかりやすいので、パワーポイントに資料を満載して、画面を切り替えながらの解説とディスカッション。準備にそれぞれほぼ丸一日かかりましたが、楽しい時間になったと喜んでいただけました。画面がいろいろ切り替わると飽きずに続けられるし、聞きなれない概念のときは、キーワードを文字として出しておくと、確実です。

ほかにも目的によっていろいろな使い方があるようで、徐々に工夫していくのがおもしろくなってきました。実践しながら学んでいくのが早いですね。こういう使い方が楽しい、というお知恵があればぜひご教示ください。

それぞれのテーマは、活字およびウェブで発表されたらお知らせします。

今週はあと避暑地の紳士、スポーツとファッション、ソフィア・ローレン、美女と野獣というお題との格闘です。

曜日感覚も麻痺しそうなうえ、不安も尽きない日々ではありますが、どうかみなさまお健やかにお過ごしください。闘病中の方々のご快復をお祈り申し上げます。

 

“The beauty of dystopia is that it lets us vicariously experience future worlds – but we still have the power to change our own.” (By Ally Condie)

 

 

〇JB Press Autograph Look Book 2020 Spring & Summer Vol. 2 は「ニューテイラリング」です。冒頭で概論を語りました。

それにしても、半年前に発表されたこうした美しいルックが、ほぼ流通していない(流通できる状態ではない)、リアルに見ることがない、というのはやはり悲しいですね。

 

 

〇ジョルジオ・アルマーニの公開書簡。こちらで全文、日本語として読めますので、お読みになってみてくださいね。すでにいろいろな方がこれまで問題提起されていたことでもありますが、まったく状況は変わりませんでした。これほどのショックがないと人は目覚めないのかもしれない。そして「誰が言うか?」が重要だということがあらためて実感されました。「あのアルマーニがそう言うのだから」と多くの現場は変わるでしょう。彼は今回のコロナ禍にも率先して寄付をしたり医療に必要な品を作って寄付したりしています。行動実績と日頃の言動の積み重ね(=信用)は、ここぞのときにいっそう力を発揮するのだと教えてくれます。アルマーニは、やはりモラルリーダーでもあります。

 

〇25ans Online にて「アパレル全史」をご紹介いただきました。こちら。ありがとうございました。

 

〇1月には初夏に一冊、と計画を立てていた本は、この時代状況でモードの話題は難しいということでいったん延期となりました。コロナ禍が終わり、美しいもの、文化的な価値があるものに再び関心が向けられるようになるときまで、幅を増やしつつ思考を深めておきます。

 

昨日の嵐から一転、さわやかな快晴になりそうです。窓を開けて新鮮な空気を楽しみ、どうぞよい一日をお過ごしください。

 

 

“The perception of beauty is a moral test.” (By Henry David Thoreau)

LEON 編集長の石井洋さんより「アパレル全史」の力強いご紹介を賜りました。こちらです。

発売して3か月経ってもあちこちでご紹介いただけるのはほんとうにありがたいことです。

本誌もどうぞよろしく。現実に押しつぶされそうな時には、海外のリゾート地やすてきなデートシーンなどの写真を見るとしばし目の保養になり、一瞬とはいえ癒されます。現実逃避とも呼ばれますが、妄想よってほっとする少しばかりの時間は、心の健康のために必要です。

 

とはいえ、ファッション誌をとりまく現実はこの状況ではさらに厳しく、いくつかの雑誌では来月発売の号は再来月発売の号との「合併号」となるようです。

 

今シーズン「5月号」においては、Oceans, Men’s Club, LEON, Nikkei Style Magazine, Men’s EX, Men’s Precious, Richesse 各誌で執筆させていただきました。加えてWeb では婦人画報.jp とJB Press Autograph 、新聞連載では日経・読売・北日本各紙にお世話になりました。各編集部のみなさま、ありがとうございました。

 

撮影や対面打ち合わせや現場取材や座談会が自由におこなえるような時が早く訪れますように。その日までどうかお健やかにお過ごしください。

 

ほぼ無人地帯のご近所散歩の途中で出会った春の花々。そういえば今の季節はディズニーランドの花も見ごろなんですよね……(文字通り、脳内お花畑の妄想です)。

読者のみなさま、どうぞお気持ちを明るく保ち、お気をつけてお過ごしくださいね。不眠不休で働き続けていらっしゃる医療関係の方々に感謝します。

 

“Inspiration usually comes during work, rather than before it.” (By Madeleine L’Engle)

 

 

 

 

President Woman Spring で「アパレル全史」をご紹介いただきました。ありがとうございます。

これから社会人になる女性にとても参考になる記事が掲載されています。

 

〇JB press autograph でインタビューを受けた記事が掲載されました。「時代を切り拓くイノベーター モードの転換点としての2020年を読む」 Look Book 2020 Spring and Summer Vol. 1

 

 

〇エリザベス女王のスピーチ。さっそく全文が公開されていますが、やはり名演説ですね。とりわけぐっとくるのはこの部分。

“We will succeed — and that success will belong to every one of us.”

“We should take comfort that while we may have more still to endure, better days will return: we will be with our friends again; we will be with our families again; we will meet again. “

Men’s EX 5月号発売です。特集「スタイルある名作映画に学ぶお洒落メソッド」。巻頭言を書きました。

 

各国のスーツスタイルばかりでなく、カジュアル、ドレスダウン、小物使いなどなど、多岐にわたるチェックポイントから映画が選ばれており、それをどのようにスタイルに落とし込むかという実践まで考えられています。そんなこと知らなかった!! そもそもそこまでの細部に気づくのか! というか知ってどうする! という超オタクな小ネタたちにも驚かされます。イラストも秀逸。特集の最後は、綿谷画伯がバタクの中寺さん制作によるフレッド・アステアにインスパイアされたスーツを着るという締め。こんな映画特集、なかなかありません。映画愛、ファッション愛にあふれた編集部渾身の一冊。保存版です。

ステイホームで少し生まれた時間は、名作映画をファッションという視点から鑑賞する過ごし方はいかがでしょうか。

 

映画はセリフも練られているので、ボキャブラリーが増えるのもよいですね。コロナ終息後には、マニアックな方々と映画談義を楽しみたいものです。

 

 (Click to Amazon)

 

英ジョンソン首相も入院しました。エリザベス女王は歴史に残る激励スピーチを。ラストの”We will meet again.” に泣けました。世界中が協力しあって闘うべきときですね。感染して苦しんでいらっしゃる方々の全快をお祈り申し上げます。こんな状況でも休みなく働いていらっしゃる病院関係者、スーパー・薬局のみなさま、公共交通機関で働く方々はじめインフラを整備してくださっている方々にあらためて感謝します。病院関係者が命の危険をおかしてあれだけ休みなく仕事をしていらっしゃるのだと思えば、家にこもって休みなく原稿書くぐらい、どうってことない。

 

 

好きな映画のセリフのひとつ↓

“To infinity and beyond!” (Toy Story, 1995)

 

Men’s Precious 5月号、明日発売です。Amazon 予約は受け付け中です。

スーツ特集の巻頭言「テイラードウェアの未来」を書きました。


原稿を書いていたのは1か月ほど前ですが、この一か月でさらに状況が変わりました。式典や対面営業が激減して、スーツ需要も影響をうけております。Go Tailored Season 2のスリーピースも廣川さんにお願いして製作中ですが、いったいいつになれば4人で集まって撮影することができるのか? 時が来るまで「備えよ常に」の心構えで辛抱ですね。

 

 

“When you innovate, you’ve got to be prepared for everyone telling you you’re nuts.” (By Larry Ellison)

〇ご案内しておりました、4月25日の朝日カルチャーセンターの講座は、感染症拡大防止のため、延期となりました。予定されていた4月のイベント、講演、研修など人が集まるタイプの仕事はすべて新型コロナ終息後に延期です。書く仕事に集中できるタイミング、と受け止めて、粛々と目の前にある仕事をします。

 

〇Netflix のThe English Game.  集英社kotobaのスポーツ連載のネタとして見始めたのですが、これがおもしろい。1879年のイングランドが舞台です。サッカーがいかにして上流階級のスポーツからワーキングクラス的なスポーツへ変貌していったのかというプロセスを社会ドラマとして描いています。

1879年から始まる、全部で6回のミニシリーズ。いまのところ第2回目まで観終りました。制作はジュリアン・フェローズ、あの「ダウントンアビー」を手がけた方です。オールドイートニアンの文化、北部の繊維工場労働者の文化、あまりにも大きな階級格差の描き方もリアル。俳優たちが、ほんとうにその時代から飛び出してきたようなヘアメイク、衣装、身のこなし。ヒストリカルコスチューム好きも必見。女性はバッスルスカートの時代です。鹿鳴館スタイルのあれですね。ドラマとしてのレベル高い。続きが楽しみ。

 

 


車で5分の寺家町の桜。車窓から望遠で撮影。来年は花見が楽しめるのか。日本政府のあまりにも絶望的な対応を見ていたら、来年は日本という国が独立して存在しうるのだろうかとすら思い始めてきた。有能な人はビジネス界にも大勢いる。リーダー層を総とっかえするか、政権中枢周辺にそういう方々を置くか、なんとか有効な手を早急に打てるトップ集団に指揮をとってもらいたい。他国のリーダーの対応との落差が大きすぎて、恐ろしくなる。

 

 

 

 

婦人画報.jpの連載を更新しました。こちら

こんな時代にフォーマルウェアなんて。

なのですが。こんな時代にもこれほどすばらしいフォーマルウェアを作り続けるデザイナー、白のバリエーションをこれだけ豊かに作れる桂由美さんのようなデザイナーがいるということ。日本は誇るべきだと思います。

 

本文より一部抜粋↓

 

「世界がどのような状況にあろうと、個人の人生は続きます。人生における一生に一度の節目、かけがえのない幸福の瞬間は、丁寧に祝いたいものです。苛酷な世界の状況に無頓着でいいというわけではありません。考えなくていいわけがありません。

ただ、最悪に見える状況のなかでも、私たちは幸福を分かち合うこと、愛を育てていくこと、支え合うこと、成長することができる。そんな人間としての尊厳を、世界が苦境にあるからこそいっそう大切にしたいと思います。一生に一度の神聖な節目は、堂々と祝いましょう。大勢を招く必要はありません。感謝したいごくごく大切な少数の人たちとともに。いやむしろこの時期であれば、パートナーと二人だけ、あるいは自分ひとりだけでもいいではありませんか。新たな門出に立つことができたこれまでの努力をねぎらい、より強い未来を創る覚悟を決めるために、神聖で清らかな光を放つ白いフォーマルウェアを着て、晴れやかに祝いましょう。」

 

私には縁のなかったアニバーサリーではありますが、そのような幸せがあるということは理解できますし、心から祝福できます。だからこそ書きました。世界が祝賀自粛ムードであっても、どうぞ堂々と、アニバーサリーを祝ってくださいね。

桂由美さんの圧巻のデザインにはあらためて敬服します。

 

“We are not the same persons this year as last; nor are those we love. It is a happy chance if we, changing, continue to love a changed person.” (By Somerset Maugham)

 

感染症拡大防止対策のため、東京コレクションも中止となりました。各ブランドは動画でコレクションを配信したり、デジタルでルックブックを配信したりという形で、秋冬コレクションを発表しています。

ここ10年以上、毎シーズン、エッセイを寄稿してきたJun Ashida の広報誌JA誌も今シーズンは中止となりました。代わりにカタログブックが作られることになったそうです。

Tae Ashida 2020 AW デジタルブックはこちらから。全ルックをご覧いただけます。

ちなみに個人的にいちばん好きなルックはこちらでした。技術力が映えるレザーのボトム。上半身にクロスするレザーのアレンジもどこか戦士的で(!)今の時代感をとらえているように感じます。

メンズもことさら区別されることなくさりげなくちりばめられているのがいいですね。男性、女性、どちらが着てもいいデザインです。ことさらジェンダーを主張せず(そもそも問題にすらせず)、自分が着たいものを着ればいい、というのはまさに今のモード界の流れです。ユニリーバも履歴書からジェンダー記入欄をなくしてしまいましたが、モードが主導して社会を変えていくこの流れは今後ますます加速すると思われます。


ボリュームのあるテイラード型のダブルジャケットもゆとりのあるシルエットのボトムも、女性が着てもぜったいかわいいはず。


スポーツテイストのボトムは引き続き人気。黄色に黒ラインのスカートもあり。


社交シーンに着てみたい一着。


これもクール。着てみたい(自分が)。ほかにもショーの最前列で実際に見てみたかった作品ばかりです。素材の迫力はやはり生でないと実感できないところがあります。秋にはぜひショーが再開できるよう事態が収束していますように。

〇Men’s Club 5月号発売中です。

スーツ特集のなかで、Vゾーンについて寄稿しました。

 

各国が次々とロックダウンしていき、日本にも同様の危機が迫る中でこうしたファッション記事を書いていることの意味を考え込んでしまいますが、どのような状況にあっても粛々とご依頼に応え続けることもまたプロの責務と思うことにしています。

 

(Click to Amazon)

〇ザ・プリンスパークタワー東京そばの桜から見る東京タワー。刻々と世界の状況が変わっていきますが、どうかみなさまご自愛ください。

“Being your own person and standing for what you believe is a critical aspect of a good professional life.” (By Patrick Pichette)

〇 日経連載「モードは語る」から入試問題が出されました。東海大学医学部の小論文の課題に、2019年5月11日付「美徳『危険物』の時代」が使われました。受験生のみなさん、日経の連載もチェックしておいてくださいね。笑

 

〇 Oceans 5月号発売中です。「イノベーティブな働き方」(にふさわしいスタイル)をテーマにご依頼を賜り、コラムを書きました。

 

(Click to Amazon)

 

〇 ザ・プリンスギャラリー東京紀尾井町での仕事のあとレヴィータ。ほっとする空間です。


暗くなるとLevitaの文字と桜吹雪が映し出されます。


このカウンターから見る夕暮れの景色は最高です。東京もロックダウンの可能性が出てきました。この美しい景色も、見ることができるうちにしっかり見ておこうっと。


紀尾井町の桜。6分咲きくらい。

 

“Our wretched species is so made that those who walk on the well-trodden path always throw stones at those who are showing a new road.” (By Voltaire)

ゼニアから男性向けに新しいフレグランスが発売されたことにちなみ、J B press autograph にてビジネスエグゼクティブの香水に関する記事を書きました。

こちらです。「日本のエグゼクティブに”匂い”はあるか」

“Smell is a potent wizard that transports you across thousands of miles and all the years you have lived. ” (By Helen Keller)

 

イタリアは新型コロナの影響で生活に必要のないものの生産中止を余儀なくされておりますね。ファッションや香水なんて、「必要のないもの」の代表格でしょうか……。せめて何らかの形でイタリア製品を応援したい。がんばれイタリア。

Switch 4月号発売中です。

特集はリック・オーウェンス。フォロワーも独特の雰囲気の方々ですが、やはりデザイナーご本人も妖しい迫力がありますね。

この人はいつも堂々とありのまま。世間が漠然と決めた美醜の基準はまったく念頭にない。そこがとてもかっこいい。この人の強さ、あやかりたい。

さて、実は執筆者としてSwitchデビューの号なのですが、ミキモト×ギャルソンのパールネックレス発売にちなみ、「男に、真珠」というコラムを書きました。日経に同じテーマで書いておりますが、ボリュームは2倍以上、より時代背景を書き込んでおります。

よろしかったら本誌にてご覧くださいませ。

 

 

また、日本実業出版社のご厚意により、Switch 今月号のご意見ご感想をお寄せくださった方の中から3名様に「アパレル全史」がプレゼントされます。詳細は、本誌P.133 にてご確認ください。

 

 (Click to Amazon)

カミソリ倶楽部さんのウェブサイトで「アパレル全史」をご紹介いただきました。こちらです。ありがとうございます。

 

カミソリ倶楽部は、シェービングの歴史と文化を保存しながら、現代的にアップデートし続けている組織です。

スーツの歴史は、実はグルーミング(ヒゲと髪型)とセットで語るといっそう面白くなります。ヘアメイクとドレスが切り離せないように、グルーミングとスーツも不可分なのです。

 

横浜バーニーズでもバーバーを展開するカミソリ倶楽部with ヒゲ倶楽部。

 

“A decent beard has long been the number one must-have fashion item for any fugitive from justice.” (By Craig Brown)

 

本日の日本経済新聞The STYLE で中外国島に取材した純国産ツイードの記事を書いています。

北海道ツイードの物語が始まりました。継続できるよう、ぜひ、応援してあげてください。

下の写真はChugaikunishima 1850 2020年春夏コレクションボックスです。 私もこのなかから春夏用のスーツをオーダー中です。

 

“I went to Cambridge and thought I would stay there. I thought I would quietly grow tweed in a corner somewhere and become a Don or something. ” (By Stephen Fry)

Precious 4月号発売です。

ラグジュアリー特集内で、ラグジュアリーの7条件を引き出してみました。

 

不要不急ごとにほっと一息つきたくなられましたらご覧くださいませ。

 

?Men’s EX 4月号で、「アパレル全史」をご紹介いただきました。

 

ありがとうございます。

How to Read a Suit.  かつてご紹介したHow to Read a Dress と同じ著者、リディア・エドワーズによるスーツ版です。17世紀から現代にいたるまでのスーツの詳細な解説。辞典として大切にしたい本。字が細かくて読み続けるのがつらいですが、若い方は視力がタフなうちに読破してくださいね。

 

 

再掲します。こちらはドレス版。

 

 

オリジナルのタイトルは、Call Them by Their Names. 映画好きの方であれば、Call Me by Your Name (君の名で僕を呼んで)を連想しますね。

手垢のついた冷笑的なことばで現実を分かった気になってはいけない。「真の」名前を与えることから本当の意味での解放が始まる。今の日本政府の底なしの惨状を何と名づけたらよいのか、本書で描かれるアメリカの現実と比較しながら読んでいた。

ファッション現象にしても、新しい言葉はどしどし登場するけれど、「真の」名で呼ぼうとすることで、本質的な意味が立ち現われてくるはず。

GQ 4月号発売です。

ジェンダーフルイドが浮上してきた経緯、社会に与えた影響を解説しました。よろしかったら本誌でチェックしてみてください。

?日本経済新聞夕刊連載「モードは語る」。22日は、「メンズも飾る真珠」をテーマに書きました。



冒険家のサー・ウォルター・ローリー。


チャールズI世。


再掲ですが、ギャルソンモデルたち。

 

?安西洋之さんに「アパレル全史」をご紹介いただきました。こちらです。身に余るご紹介、光栄のいたりです。ダンディズム、スーツ史、ファッション史、イギリス王室。実はラグジュアリー研究のどまんなかを意識せずにおこなっていたのだと気づかされた思いがしています。

桂由美55周年アニバーサリーのグランドコレクション。オークラ東京、平安の間にて。


日本において洋装で結婚式をする人がまだ3%しかいなかった時代から、55回のショー。関西では33回のショー、海外では108回、おめでたい数字が並ぶアニバーサリー。


1時間半にわたるショーでは、誕生式から七五三、成人式、起業式、結婚式、結婚15周年(クリスタルウェディング)、30周年(パールウェディング)、55周年(エメラルドウェディング)……を祝うための白い衣装の展開からスタート。(ショーの写真は撮れませんでしたので、ここに掲載している写真は、展示ルームのほうで撮影した過去の傑作)。

とりわけ成人式、起業式の白いスーツのまぶしさには感動。起業式、私もやればよかった。笑 各アニバーサリー婚でもリアルなカップルが登場するんですよね。高島政宏&シルビア・グラブ夫妻、片山龍太郎&片山さつき夫妻、吉田喜重&岡田茉莉子夫妻。15周年、30周年、55周年を足して100婚。なかでも55周年の吉田喜重&岡田茉莉子ご夫妻の存在感と美しさにはやられました。自分には無縁だった幸せがそこにはあふれていて、苦労も乗り越えてこうした絆を作られたご夫婦は、ほんとうにすばらしい。


日経連載で題材にさせていただいた北斎柄のドレスも。

ドレスのレベルは海外でも引けをとらない水準になったけれど、結婚式を行う人が1970年代の半分に減った、という皮肉な現実。代わりに提案されているのが、アニバーサリー婚です。金婚式はよくおこなわれますが、それ以外でもアニバーサリーをパーティー形式で祝うのはいいことですよね。見守ってくれる周囲の方々との仲も深められる。ホテルにとってもありがたいお話。

それにしても桂由美先生のクリエーションの迫力ときたら。写真で見るよりぜひ肉眼で間近にご覧いただきたいくらいなのですが、ショーは演出もドラマティックで、毎回、あまりの美しさに涙が出るほどのレベルです。

オークラのオーキッドルーム。天井が高くてお茶も気持ちよくいただけました。

Mikimoto × Comme des Garçons

男性用のパールネックレスが発売となりました。表参道のギャルソン店舗にてお披露目会。

真珠の正統派の美しさはそのまま活かしながら、留め金や細部のアレンジにさりげなくギャルソン印が。


 

前衛的なギャルソンの服とピュアホワイトのミキモトパール。とても素敵です。


 

壮観ですね。

銀座のミキモト本店では初日ですでに数百万円分の売り上げがあったそうです。メンズを謳ってはいるものの、女性がつけてもよいですね。

男に真珠、というコンセプトを5,6年前から提案しておりましたが(『紳士の名品50』にはミキモトのピンブローチをご紹介)、ようやく時代が到来しました……。

「男に真珠」の話は近日中に2媒体で活字になります。

この日はふだんコンサバスーツ姿のミキモトの社員のみなさまも「ミキモト×ギャルソン」で装い、拝見しているだけでテンションが上がりました。

ミキモト社員のサイトウさん。全身コム デ ギャルソン。チェーンメイル風のバッグはパコ ラバンヌ、ヒールのある靴はルブタンだそうです。首元には当然、ミキモトのパールネックレスが輝いています。21世紀のルネサンス・マンという雰囲気でした。

 

北日本新聞別冊「まんまる」3月号が発行されました。

連載「ファッション歳時記」第101回。「経営者はなぜファッション史を学ぶ必要があるのか」。今号からレイアウトが変わりました。

新著をビジネスパーソン向けに書いた理由を列挙してみました。宣伝ぽくて恐縮です。

でもいいかげん「ファッションがテーマの本」と聞いて「スタイリングの解説本」「おしゃれ指南書」と連想される事態をとにかくどうにかなんとかしたい。それはそれであってよいのですが、ハウツーではない研究もある。不平不満を言っているだけでは現実は変わらないので、これまでファッション圏外にいらした読者にアピールしていきます。

?Lecture.

 

 

?True Blue Association. (一青会)


#Apparel
#FashionIndustry
#UTYO
#OGOB
#Onward
#OnwardKashiyama
#KeikyuEXInn
#Guerlain
#JunAshida
#ChugaiKunishima
#TSIHoldings
#MatsuoInternational
#Matsuya
#MitsukoshiIsetan
#Yamaki
#World

 

 

?The Rise of Red Carpet Dandy.  レッドカーペットのファッション特集が女性のドレスだけだった時代は過去になった。ディナージャケット(タキシード)を捨て、思い思いにドレスアップするジェンダーフルイド、ジェンダークィア。もうジェンダー云々言う方が古いことになりつつあるのかもしれません。こちらでお写真をお楽しみください。

 

むしろ私はもうあれこれ悩まなくていいディナージャケットだけで通したいくらいだけどなあ……笑

 

 

?

青山ブックセンターで先週の4位だそうです。多謝。

 

 

Have a nice week.

?ご存命ご活躍中の方について何かを書くと、必ずその後に新しいことが起きるので、本に書いたことが古くなってしまったと思うことがある。

「ロイヤルスタイル」で書いたハリー王子&メーガン妃に関わることもそう。まあ、「出版された時点ではそうだったのね」と寛大な読者に事情をくみとっていただくことを願うのみ。

かといって、これ以上情報が新しくなることはほぼ考えられないという方ばかりを扱っていては鮮度が落ちる。

ジレンマです。

ジャン=ポール・ゴルチエも引退を発表しましたね。「イノベーター」の中のゴルチエの項目は、最後に1,2行、書き加える必要が出てまいりました。増刷される際に修正できることを願うのみです。

ゴルチエの仕事の総括記事としては、こちらがよくできているのでおすすめです。「オートクチュール界のマドンナ」ゴルチエの5つの偉業。男のスカート/ タトゥーモチーフ/ ランウェイの多様性 / 下着をアウターに / トロンプルイユ。

現在、怒涛のようにジェンダーフルイドが進んでいますが、ゴルチエが男子にスカートをはかせた時には、かなりの文化的なインパクトがありました。ほんの40年ほど前のことなのに。

 

?Forbes Japan 谷本有香さんのご紹介で、イタリアから一時ご帰国中の安西洋之先生にお目にかかりました。衣食住にわたるイタリアのラグジュアリービジネスについてご教示いただきました。ラグジュアリーという概念をもちこむと、日本の多くの職人が救われると思う。21世紀のラグジュアリーっていうのは決して絢爛豪華のことではないのです。というような話で盛りあがる。詳しくは、来月発売になる安西先生のご本をお読みくださいね。日本でもラグジュアリービジネスに関する議論がもっと活発におこなわれてほしい。

 

?<Big Thanks>イラストレーターの綿谷寛さんが、インスタグラムで力強いコメントを寄せてくださいました。

ありがとうございます?

 

 

 

 

 

?The Rake が掲載してくださいました。



?アロマのスペシャリスト、平野佐和さんがウェブサイトで素敵なレビューを掲載してくださいました。


?メンズファッション評論家の林信朗さんがフェイスブックでコメントを書いてくださいました。

?ポージングディレクターの中井信之さんが、ブログとフェイスブックで読みどころを押さえたレビューを書いてくださいました。ありがとうございます。

 

?インスタやフェイスブックで、新刊記念講演にご参加くださった方が続々コメントをアップしてくださっております。ありがとうございます。

 

日本産ツイード、誕生しました。

 

(偶然このような瞬間を切り取りましたが)ギターを持つようにツイードを持つ宮本雄三さん@中外国島。

 

数少ない北海道の羊の毛から作られた、貴重なツイードです。


 

Rarity, Quality, and Sustainability. Yes, they have successfully produced beautiful Tweed made in Japan. My article about Hokkaido Tweed will be published next month.

 

?紀伊国屋書店新宿本店、1階の激戦区ではこのように大々的に展開してくださっています。ありがとうございます。



?ファッションジャーナリストの宮田理江さんが、早くもアパレルウェブにすばらしいレビューを書いてくださいました。こちら。感激です。ありがとうございます。

 

 


暦の上では大寒という一日でしたが、春に向けての新プロジェクトの企画。


こちらでは7月にお披露目になる新施設についての企画。おそらくあっという間に夏が来る。だからこそ「今日の一時間」の積み重ねを意識しないと、何も残らぬまま一年が過ぎる。あらためて自戒。

翻訳・共著・監修を含めると18冊目(中国版・台湾版を含めると21冊目)となる新刊が本日発売となります。

ビジネス書としては、ファッションやアパレルの歴史の大きな流れを学びたい人にとっての入門書という位置づけです。

それぞれのイノベーターが人生をまるごと投じた仕事を研究することを通して、「ファッションとはなにか?」「人間がよりよく生きるということは?」「仕事を通して幸福になるとは?」という問いに対するヒントを多々いただいています。横糸として、そのような言葉が読者のみなさまの心のエネルギーの糧となるよう祈りをこめて織り上げた一冊です。

 

◇構成

■オートクチュールの始まり女性「解放」のイノベーション
■20世紀モードの発展と成熟 時代が求める人間像を作ったデザイナー
■モードの多様化と、その行き詰まり ブランドが抱える後継者問題
■日本が世界に与えた衝撃
■グローバリズムとカリスマ経営者
■翻弄するのか?翻弄されるのか? 時代の寵児、クリエイティブ・ディレクター
■グローバル・ニッチ市場で勝負するクリエイター
■イノベーターを育てるファッションメディア

◇本書に登場する「イノベーター」(全56名のうちの一部)

●ガブリエル・〈ココ〉・シャネル ●クリスチャン・ディオール●イヴ・サンローラン
●ジョルジオ・アルマーニ●ベルナール・アルノー●アマンシオ・オルテガ●マーク・パーカー
●カール・ラガーフェルド●ヴェラ・ウォン●ダイアナ・ヴリーランド●アナ・ウィンター
●森英恵●御木本幸吉●芦田淳●山本耀司●川久保玲●舘鼻則孝●柳井正

参考文献、参考映画も充実させました。ぜひお手に取ってお確かめいただければ幸いです。


 

 

オーストラリアではブッシュの大火事が広がり収まる気配をみせず、アメリカとイランの間で戦争の兆しありで多くの国が無関係ではいられない事態。年頭からテロを起こすような、あの分別を欠いた大統領が核兵器を使わないという保証はどこにもなく、地球レベルで危機が切迫していることを感じます。

ファッションをテーマに語るなんて平和な時代でしかできないこと。地球に平和が訪れるよう、祈ることぐらいしかできないのがもどかしい。自衛隊が激しい紛争の可能性ある地区に派遣されたら日本の平和も完全に保証されるわけではないでしょう。現実は刻々とシビアな方向に向かっているように見えますが、それでも、希望のある2020年となるよう祈願したい。

 

Web LEONでのダンディズムの記事が、Nikkei Style に転載され、本日より公開されています。こちら

こういう時代に念のため振り返っておきたい先人の「ダンディ」として、白洲次郎(拙著では靴下ゆえに非ダンディ認定をしましたが)がいる。白洲次郎は最後まで時代の空気に逆らって参戦に反対して、ぎりぎりまで日英両国の関係者を説得し続けた。結局、それが無理とわかると食糧難を見越して疎開し農業を始めた。召集令状を拒否して兵役につかなかったことで卑怯者呼ばわりもされたが、自分を世のために活かす道は戦後の復興にありと見定め、多大な貢献をする。生前も没後も賛否両論がつきまとう人だが、自分ができることとできないことを見極める分別と、俊敏な行動力は備えていた。

全ダンディ志願者のみなさん。「時代の空気」に鋭敏でありつつ決して空気に流されないよう、歴史の大きな流れを知ってあらためて自戒を。

 何度も推薦しているかと思いますが、白洲次郎の生涯を知るにはおすすめのドラマ。伊勢谷友介さん、「マチネの終わり」にでは英語がイヤミになるちゃらい男の役でしたが、こちらは骨太な英語力を駆使してかっこよすぎるくらい。

?婦人画報ウェブ「世界のドレスコード」vol.2 がアップされました。しばしばご質問を受ける、「昼間の燕尾服」、またサッシュ(大綬)についてもふれています。

 

?セルリアン東急で開催されたマリーンのディナーショーにお招きいただきました。


マリーンのお色直しも数回楽しませていただき、ノリノリのダンスタイムもあり、会場が一体となったすてきなショーでした。


こちらはデザートのパフェに見えますが、カニサラダ。


鎌倉アンティーク土橋さん、「おもちゃ博物館」でも有名な北原照久さんご夫妻。ほかにも多くの知り合いが参加しており、予想外の年末社交で盛り上がりました。ご一緒のテーブルになったみなさま、ありがとうございました。

横浜信濃屋さん主催のクリスマスパーティー。みなとみらい「アッティモ」にて。外はあいにくの雨でしたが、中は熱気で盛り上がり。

 

尾張一宮から中外国島のスタッフも参加。左から宮本さん、田畑さん、中野とんで佐藤さん。

私がこの日、着ている服の生地は、中外国島が創る高級スーツ地のラインChugaikunishima 1850から、ネイビーのベネシャンです。



これを+ジャケットのセットアップとして仕立ててくださったのは、Hiro & Sonsのマスターテーラー、廣川輝雄さんです。

 


恒例、白井さんも演奏するカントリーミュージック。


毎年、このパーティーでお会いする方々。

(内本久美子さんより写真シェア)信濃屋さんのクリスマスパーティーは今年で12年目。今年で一区切りなさるそうです。大人の社交のプラットフォームとして多大な貢献をされたのではないでしょうか。長年、こうしたパーティーを開催していただいたことに心より感謝申し上げます。

 


photo @ys.life.style.innovation

ちなみに、上のワンピース(と上着)を昼間の日光のもとで着ると、このように管理職の会議にも出席できるスタイルになります。夜は上着を脱げばパーティードレスとして着用できます。Chugaikunishima 1850ベネシャンの光沢は、夜の照明にも負けません。

#GoTailored

My serial essay “Style Icon” for Yomiuri Shinbun.

Billy Porter as Icon No.102.

 

 

「婦人画報」115周年おめでとうございます。

本日リニューアルした公式ウェブサイトで、新連載「フォーマルウェアの基礎知識」が始まりました。

ここぞの時にご参考の一助になれば幸いです。

Nikkei Style Men’s Fashion  「即位の礼 世界のロイヤルファミリー 装いの優雅」

世界のロイヤルメンバーのスーツについてコメントしました。

Men’s Precious 2019 Winter 発売です。

中外国島×アルデックスによる「至高のニッポンスーツプロジェクト」をご紹介しました。

写真は2点とも、Chugaikunishima インスタグラムより。

洋服文化が伝わって150年、もはや「スーツ=西洋」という固定観念からは解き放たれるべきという思いのもと、日本を代表する老舗服地メーカーと1958年創業のスーツ工房ブランドがタッグを組みました。

世界のいかなる舞台に立とうと日本のアイデンティティを誇ることができる、華ある日本のスーツ。

日本の伝統的産地とそこで働く人々を守ることで、日本の持続的発展にも貢献するスーツ。

彼らの思いと活動をぜひご覧くださいませ。

 

また、カルチャー欄では『ロイヤルスタイル 英国王室ファッション史』をご紹介いただきました。ありがとうございます。

Worldwide Party Planner さまにお招きいただき、公開講座「ファッションプロトコール 洋装のドレスコード その理由と背景」を行いました。

学びに対して意欲的なみなさまとともに、とても楽しく充実した半日を過ごさせていただきました。

安部トシ子先生はじめ事務局のみなさまにお世話になり、心より感謝申し上げます。ご参加くださいましたみなさま、ありがとうございました。

 

フォーマルウェアの知識に関する需要が大きくなり(某国のファーストレディによる致命的失敗が刺激になったようです。あのような恥をかきたくないので学びたい、と。なんと皮肉な)、近日中にハースト婦人画報社のサイトでフォーマルウェアに関する連載が始まることになりました。

読者のみなさまには、戦後まもない日本で定着した慣習ではなく、グローバル基準で装うという発想をぜひもっていただきたい。そのためにはまず、男性のドレスコードの基本を知っていただきたい(男性が基準になって女性の服装が決まるので)と切に願います。


こちらの本には、撮りおろしの明快な写真で解説しています。Verita Ironica よりお買い上げいただきますと、サイン入りの本を迅速にお届けできます。(Shop.jp へのお支払い手数料が少しだけかかってしまうこと、申し訳なく思っております)

また、12月7日の「紳士淑女養成講座」においてもドレスコードの基本中の基本からパーティーへの応用まで、ハケットロンドンのご協力によりわかりやすくお伝えします。インターネットにはまだ載っていない最新、ニッチな情報満載で「ドレスコードの教科書」(または「ロイヤルスタイル」)のおみやげつき。どうぞお楽しみに。

Serial essay “Style Icon” for Yomiuri Shinbun.

No. 101:Timothee Chalamet.

SPUR January 2020 issue has been released.

 

I made a comment on the trend of New “Decorativism” after Genderless.


Genderless is now universal, rather than outdated.

A program recording for NHK.  It’s a program 5-year-old girl scolds people for not awakening about the world around them.

 

My mission was to give a lecture about the history of suits. I talked about the 300 years’ history of suits in two hours, simplifying it as much as possible.  But they will use this lecture scene only  for 7-8 minutes.

It will be on the air  next year.

Special thanks to Showa Women’s University for cooperating the shooting.  Also big thanks to Mr. Takubo who taught me how to make a Turnbull Flower with a pocketchief.

My bespoke suit is made by Mr. Hirokawa.  With Mikimoto brooch and Chanel scarf.

Surprised to see my book (translation) published in 1997, introduced by Mr. Seigow Matsuoka’s “Thousand Nights for Thousand Books.

 

I feel honored. Thank you.

Aside from my honor,  it is quite interesting to read the unique view of suit by Mr. Seigow.  You will also find a treasure photo of Seigow Suit in Durban advertisement in 1994.

Recommend.

Special Thanks.  It’s 100 Anniverary.

#StyleIcon
#YomiuriShinbun
#YukakoUchinaga
#TaeAshida
#KaoriNakano
#Akris

Japan Business Press 内のAutograph というサイトにて、今シーズンの各メンズブランドの戦略とルックの解説をしました。「モードを識る 時代が求めるクリエイティビティ」。

 

GIORGIO ARMANI|男に輪郭を与える服
CELINE|ロンドンの若きクリエイティブ世代とは?
BRUNELLO CUCINELLI|人間主義的ファッションの愉楽
DIOR|メゾンの歴史を現代のメンズファッションに蘇らせる
TOM FORD|時代を見据える審美眼をもつクリエイティブ・ディレクター
GUCCI|自己表現の手段なのか、それとも自己隠蔽の武器か?
KITON|世界で最も美しい服をつくるブランド
PRADA|自身に忠実な、若き少数派のスタイル

LORO PIANA|サスティナビリティと歴史と現代性と美しさ
RALPH LAUREN PURPPLE LABEL|服を着ることで夢に近づく
BOTTEGA VENETA|静謐で自由なラグジュアリー世界
LOUIS VUITTON|新時代にふさわしいクールなアレンジ
ERMENEGILDO ZEGNA COUTURE|「男らしさ」を再定義する

 

以上の13ブランドです。部外者には違いがわからないかもしれない(!)メンズファッションですが、各ブランドの戦略はなかなか興味深く、ビジネスパーソンにとってもヒントになるところがあれば幸いです。

豊橋のスーツファクトリー、アルデックスに取材に伺いました。



太陽光パネルが設置され、日当たりよく心地の良いオフィス。

なんと、10年ほど前に日経新聞に寄稿した私のエッセイ「白いシャツの記憶」が額に入れて飾ってある。感激。


ファクトリーも広々、ゆったり。多様性に富んだ社員がそれぞれのセクションで仕事中。

裁断はレーザーカット。裁断まではテクノロジーを駆使し、それ以降は熟練職人によるハンドメイド。

学びと仕事の両立も、アルデックスのテーマ。

オフィスの窓からは社員のためのテニスコートも見えます。

 

中外国島の伊藤核太郎社長(左)とアルデックスの山口達三社長(右)。


人間を幸せにする経営。多様性と包摂。サステナビリティ。学びと仕事の両立。定年なし。山口達三さんは何十年も前から最先端を走り続けています。

 

詳しい内容は12月初旬に活字になります。

Hiro & Sonsのご協力を賜り、Chugai Kunishima 1850のプレゼンテーションをさせていただきました。

中外国島のホープというか生地変態(ホメ)、宮本雄三さんと田畑知著さんが、西洋の生地=モネの絵、日本(中外国島)の生地=北斎の版画、にたとえてわかりやすく解説。

生地の種類も、「人との距離感」を基準にし、Distance 8 (8m先からも際立つ存在感)、およびDistance3,2,1(思わず近寄ってみたくなるような魅力)、およびDistance△3(すれ違って3秒で振り返らせる微妙な美しさ)というカテゴリーに分類しました。

特筆すべきはコレクションボックス。バンチブックの不便をすべて解消した、見やすく選びやすく美しい生地見本ボックス。画期的です。

いまだに「イタリアやイギリスの生地は高級で、国産生地は格下」と決めつけているのは、実は日本人だけ。いつの時代のお話でしょうか。今年の生地見本市、ミラノウニカでChugai Kunishima 1850は絶賛を博し、海外のハイブランドから続々ピックアップされております。

ご参加くださいましたみなさま、廣川師匠、ありがとうございました。


彼らのような情熱も知恵も行動力も備える優秀な若い人たちが、日本の(ひいては世界の)未来を創っていきます。私も彼らからとても刺激を受けています。

中外国島の服地を使って仕立てるスーツを、廣川さんにオーダーをしてまいりました。あらゆるシーンで使える女性のための仕事&社交スーツ。かねてより、「こういうものがほしいのに、ない」と思っていたので、いっそ作ることにしました。中外国島には理想的な服地があります。どんな服ができあがるのか、いまからワクワク、楽しみです。

Esquire Big Black Book 発売です。

大西清太コレクションによるジェームズ・ディーンの写真の数々が紹介されています。

ジェームズ・ディーンについて書きました。

「ダンディアイコン:使用禁止アイテムをクールな定番に変えた、永遠の若者」

 

 

ぜひ本誌でご覧くださいませ。

日本経済新聞9月6日付「SDGs / CSR Frontier  ラグジュアリーブランドの社会貢献」のページでコメントしました。

コレクションシーズンで、各ブランドの来年の春夏シーズン新作のショーの模様が続々送られてきますが、もうなんというか、3か月前発表のクルーズコレクション、現在流通するプレフォールコレクション(9か月前発表)が混在して消化しきれず、イナフすぎて、「新作」は当分、要らないのではないかというのが今現在の正直な気持ちです。私ですら。

尾州の毛織物の老舗、中外国島が満を持して展開するChugai Kunishima 1850 、新コレクションのお披露目会が、中外国島コンセプト・テイラーにて開かれました。

新しい製品の特性やコレクションボックスについてのマニアックな解説をする宮本雄三課長。彼が生地や糸をチェックするときの真剣さは度はずれています。

 


従来の生地サンプルの不便な点を解消し、「色鉛筆」のように箱を開けたらときめく生地見本。ふつうの生地が小型になっていると考えてください。広げると、前身ごろにあてて似合うかどうかチェックしやすい。

「スーツをめぐる誤解と真実」をテーマに、40分ほど話をさせていただきました。

個性的なゲストの方々がお運びくださいました。立ち見が出るほどの大盛況で盛り上がりました! ありがとうございました。上の写真の方は、VAN世代の方で、なんと「番」ハッピをお召しに。巾着も手作り、とにかく素敵で楽しいコーディネートでした。

宮本課長、ラジオパーソナリティのRieさん、そしてこれからご一緒に究極の理想を実現する日本製スーツを作っていくアルデックスのみなさん。

 

 

Chugai Kunishima 1850 ようやく幸先のよいスタートを切ることができました。さらに世界へ向かって、第二章へ。

 

9月2日は「靴の日」だそうです。靴の日にちなみ、KNBラジオ「でるラジ」に電話でちょこっと出演します。ヒールの歴史や現在について話します。

13:15過ぎ~。富山のみなさん、万一、ラジオのお近くにいらしたら聴いてくださいね。

 

 

さて。夏返上でまとめあげた共著『フォーマルウエアの教科書(洋装・和装)』(日本フォーマルウエア文化普及協会)がようやく形になりました。オフィシャルな出版まであとしばらくお待ちくださいませ。

365日フォーマルウエアを着るお方が帯を飾ってくださっていますよ。

京都国立近代美術館で開催されている「Dress Code?」展。

ユニークな問いかけのもと、見応えある服がたっぷり展示されています。

個人的には、スーツのバリエーションがワクワクしました。撮影不可のセクションでしたので、ぜひお出かけになってご覧くださいませ。

ファッション好きな方にはとても楽しめると思います。

?過去最大のメンズウエアの展覧会がロンドンで開かれます。「インヴィジブル・メン (Invisible Men)」。120年の歴史を、170点以上の服飾品で。

これまで「ダンディ」やピーコック系などの華やかなメンズウエアの陰に隠れて「見えなかった(invisible)」メンズウエアに脚光を当てるとこと。

10月21日から11月24日まで。ウェストミンスター大学にて。概略のわかる「インデペンデント」の記事はこちら

ロンドンご出張などのタイミングの合う方はぜひ訪れてみてくださいね。

 

?Cha Tea 紅茶教室による『ヨーロッパ宮廷を彩った陶磁器 プリンセスたちのアフタヌーンティー」(河出書房新社)。カラー図版が豊富で、バロックからゴシックリバイバルまでの紅茶をめぐる文化がよくわかります。保存版の一冊。リスペクト。

 

?平野啓一郎『「かっこいい」とは何か』(講談社現代新書)。日本語の「かっこいい」をめぐる歴史を広範な視野のもとにたどった力作。リスペクト。拙著『ダンディズムの系譜』からも引用してくださっていてありがとうございます。

 

?「新皇后 雅子さまへの期待」、25ans ウェブサイトに転載されました。こちらです。

? フォーマルウエアのテキストブックが着々と進行しています。

洋装、和装をトータルに含め、写真も全て撮りおろしております。

9月中旬発売予定です。

スタッフの皆様、猛暑のなかの撮影おつかれさまでした!

 

?フォーマルの教科書の発売と偶然、前後するのですが、9月21日(土)14:00~14:30、日本橋三越本店本館3階にて、「三越のドレスコード」をテーマにトークショウをいたします。詳細は後日。Save The Date.

 

 

「ガーンジー島の読書会の秘密」(The Guernsey Literary & Potato Peel Pie Society) のご紹介です。

1946年、第二次世界大戦後のロンドン、そしてガーンジー島を舞台に展開する、しみじみあたたかく美しい、そして少し苦みもあるヒューマンドラマです。監督は鉄板のマイク・ニューウェル、出演はリリー・ジェームズを筆頭に、「ダウントンアビー」でおなじみのあの人もこの人も。嬉しくなります。

ストーリーも話法も余韻があとあとまで残る味わい深いもので、ここで詳しく触れると興ざめになるのでぜひ劇場で体験いただきたいと思いますが、1940年代のファッションも見どころの一つであると強調しておきます。

作家=キャリアウーマンとしての、戦後のロンドンスタイルがオンからオフまでワンシーンワンシーン、とにかく素敵です。こんな帽子のあしらい方には目が釘付けに。

洗練されたデートファッションも、メンズ、レディスともにため息もの。バストからウエストへのラインを強調する黄色いドレスは、当時人気のあったメインボッチャー風? (ウォリス・シンプソンがウィンザー公との結婚式に着たドレスがメインボッチャー。ウエストラインのデザインが似てますね)

編集者との打ち合わせや著者トークショーなどの「作家のお仕事スタイル」が今見ても古くなっていないのです。

一方、舞台がガーンジー島にうつるとがらりと雰囲気が変わります。ここではダイヤの婚約指輪など浮きまくってしまう。素朴なプリントブラウスやセーター、カーディガンスタイルが島の人々の生活にしっくりとなじみます。子供服にも手作りの味わいがある。衣裳デザインはシャーロット・ウォルター。当時の服を再現するため、地元のウィメンズ・インスティテュートの協力を得たそうです。1940年代の型紙を渡し、手編みのニット衣装を彼女たちに作成してもらったとのこと。

ガーンジー島は、大戦時、ドイツの占領下にあった唯一のイギリス領。1941年から終戦まで、どれだけ悲惨で苛酷な目に遭ってきたのか、同じイギリスとはいえ、ロンドンとの違いが強調されることで、ガーンジー島の特殊な位置づけが浮かび上がってきます。

服飾史においては、ガーンジー・セーターはとても有名です。ガーンジーのセーターは海で働く男たちのために編まれたもので、実用性が重視されています。前後の区別が無いシンプルなデザインは、暗い海でも短時間に着ることができるようにするため。首・肩・腕には、海上での作業の動きを楽にする工夫があしらわれています。なによりも、常に命の危険を伴う仕事をする夫や息子を思い、女性たちはそれぞれの家に伝わるエンブレムを編み模様で表現しました。模様は、万一の場合はすぐに身元が識別できる目印でもあったのです。上の写真、ミキール・ハースマンが着ている紺のぼろぼろのセーターがそれに近いでしょうか。

ちなみに、となりの Jersey Island(ジャージー島)もセーターで有名です。日本語のジャージの由来になっており、フランスではセーターのことを Jerseyと呼びます。

そんなこんなのファッションにも目を凝らしつつ、雄大な自然を背景に展開するヒューマンドラマをご堪能くださいませ。

「ガーンジー島の読書会の秘密」 8月30日(金)よりTOHO シネマズシャンテほか全国ロードショー
©2018 STUDIOCANAL SAS

リニューアルしたMen’s EX 9月号でご紹介いただきました。

ありがとうございました。

多くの方々に応援いただき、感謝してもしきれません。

?昨日書いた原稿で使わなかったネタ。「エンクラテイア(enkrateia)」。正しいことがわかっているのに反対のことをしてしまうアクラシアの反対語で、強いて訳すなら「克己」。

?ネタ2。アルントシュルツの法則。弱い刺激は、目覚めさせる。中くらいの刺激は、働きを高める。強い刺激は抑制する。非常に強い刺激になると静止させる。目的語はなんでも。なるほど。

?新刊2冊の山場、新連載2本(名前は表に出ない)、新規の仕事3件、合間に新規プロジェクトの打合せ。これを全部10日以内にというありがたい課題。全部まとめて先を見ると無理無理無理なんですが、経験上、ひとつひとつ分けて1件ずつ集中して終わらせていくのが最短最良の道。こんな時代にファッションなんてどこのご貴族様ですかというイヤミも言われながら、こんな時代でもこのテーマで仕事があるなんて奇跡的なことだと感謝しています。第二次世界大戦中にもひっそりと踏ん張っていたオートクチュール組合の努力をリスペクト。

?読者のみなさまも、それぞれの持ち場で奮闘されていらっしゃることと思います。あるいは夏の休暇を満喫していらっしゃるかもしれませんね。猛暑が続きますが、どうぞご自愛ください。

ボリス・ジョンソンが英首相になって、大方の新聞はジェットコースターのようにイギリスが落下する未来しか描いていないようです。

秀逸だったのは、Hey Dude! Don’t make it bad. というタイトルをつけた大衆紙、The Sun。 (解説するのはダサイですが、Hey Judeの歌詞をもじったものですね)

BJは政治的に危険な存在かもしれないですが、ファッションを含めけっこう愛嬌もあります。笑いどころ、つっこみどころが満載。

「ガーディアン」では、胸元にわざわざ「prime minister」と書かれたジャケットを着てスコットランド訪問するBJを茶化していました。  こちら

この方の乱雑な外見は、イギリス上流階級の伝統にあるものなのですね。Choreographed British Scruffiness と表現していたFTの記事がありましたが(振付ずみの英国的ボサボサ、というニュアンス)。銀行にお金を借りに行く必要がない、就職の面接をする必要がない、という特権を誇るボサボサぶりですね。ツイードにひじあてをして、ぼろぼろになっても古い服を着ているカントリージェンツの意識とどこか通じているかもしれません。

さて。先日富山で収録したラジオ番組は、本日15時~ 小林淳子アナウンサーの「でるラジ」で放送されたそうです。「なぜヒールを履くのか」とか「クールビズで気をつけたいこと」などなど服飾史のつれづれなる話をしつつ新刊のお話なども。お聞きくださいました方、ありがとうございました。

「トールキン 旅の始まり」。


ジェントルマン文化に関しての語りどころ満載で血が騒ぎます。


20世紀初頭~第一次世界大戦後までのメンズファッションが(軍服含め)見もの。戦争シーンはかなり血みどろ泥泥ですが、それも含めての紳士文化。イギリス好きには全力推薦。

(From L-R): Anthony Boyle, Tom Glynn-Carney, Patrick Gibson and Nicholas Hoult in the film TOLKIEN.

ファブフォー・トールキン版は美しすぎて気絶しそうでした。

T_07282.RAF

詳しくは別媒体で。ジェントルマンはこうして作られる、という教材にしたいくらいの映画でした。

8月30日TOHOシネマズ日比谷ほか全国公開

Photo Courtesy of Fox Searchlight Pictures.
© 2019 Twentieth Century Fox Film Corporation All Rights Reserved

「ロイヤルスタイル」に関し、その後もウェブサイト、インスタ、ブログ、メッセージなどで嬉しいご感想を頂戴しております。

日頃、褒められることもないし、12年間の集大成の本を出した直後ぐらい、レビューを集めさせていただいてもご寛恕いただけるかなということで、以下、ご紹介させていただきます。

これから何の先入観もなく読みたい、と思ってくださっている方、拙著のレビューなどに関心のないは、どうぞ本欄スルーしてくださいね。よい週末を?

☆静岡のジャックノザワヤさんは、註にいたるすみずみまで丁寧にお読みくださったうえ、このような読後感想をブログでアップしてくださいました。全文はこちらです。

以下、抜粋です。

「学者でもなく、ジャーナリストでもなく」という立ち位置は、まさに私が「既成の枠」にはまることを拒絶して開拓してきた道でもあり、それを指摘してくださったことは感無量です。ノザワヤさんからは、称賛だけではなく、専門的な用語の正しい表記法に関してもいくつかご指摘をいただきました。「重版」をめざし、その際に改訂表記を反映できるよう、全力を尽くします。心より感謝申し上げます。

☆The Rake Japan でもご紹介いただきました。こちらです。

☆綿谷寛・画伯のインスタグラムでご紹介いただきました。

「服装だけに終始した薄っぺらなお洒落指南書でもない。かといって小難しくて退屈な英国王室研究書でもない。人間愛に溢れたエッセイスト中野香織さんらしい、ちょっとためになる(スタイルについて考えさせられる)エンターテイメント」 ←このまま帯のコピーにしたいくらいのありがたさです。

☆batak社長の中寺広吉さんより、読後のコメントを頂戴しました。ご了解を得て、一部抜粋して紹介します。

「生々しくならない程度のリアルさ」というのはまさに目指したところなので、伝わったことがわかり、嬉しかったです。超多忙な日々の合間の貴重な休日にいち早く読んでくださいました。感謝。

みなさま、ほんとうにありがとうございます。


初茨城県でした。「下妻物語」は10回以上は見ている大好きな映画で、一度訪れてみたいと思っていました。土浦駅に降り立った瞬間は、なかなか感慨深かったです。

会場は、結婚式場でもあるL’AUBE。

一般社団法人茨城県経営者協会 青年経営研究会令和元年度総会にて、「スーツをめぐる誤解と真実」というテーマで話をさせていただきました。

上は、茨城県議会議員でもある星田こうじさんがツイッターにアップしてくださった写真です。

経営者の方々は服装やその背景にある文化にとても関心が高くていらっしゃいます。実際に多くの交渉の場面で服装のもたらす効果を実感されるためではと拝察します。


ご自分で考えることが習慣になっている経営者の方には、「なぜ、こうなのか?」という起源と理由を解説することで、最終的には「ルール(慣習)」とどう距離をとるのか、ご自分で判断していただくことを心がけています。あたまごなしに、〇×をつけて「ルールではこうなっている」という服装指南をするのは、相手の知性と判断力を尊重していない失礼きわまりないことだと思っています。そのルールは誰がいつ決めたもので、いかなる根拠があるのか? どの程度、普及しているのか? それを問うことで自分で是非を判断することができ、ひいては本物の自信をもって行動することができると思います。

おみやげにいただいた、茨城名産の「干しいも」のセット。ひとつひとつ、味が異なって、自然の甘さが優しく、美味しい。砂糖を使っていない甘味というのは身体にも優しく、癒されますね。

懇親会も含め、とても楽しい一日でした。往復5時間超の日帰り遠足のようでしたが、遠路旅した甲斐がありました。お世話になりましたみなさま、ありがとうございました。またお目にかかれる機会を楽しみにしています。

本日の日本経済新聞The Style でジョルジオ・アルマーニの記事を書いています。

1975年の起業から先月の東京でのインタビュー&コレクションにいたるまで。アルマーニの足跡を追い続けてきた目での渾身の1pです。本来は1冊の本にしたいくらいのところ、エッセンスをさらに凝縮しました。ご覧いただけたら幸いです。

記者会見では1時間以上、姿勢よく立ったまま、質問に答えてくれた84歳。(若いスタッフは途中から座り始めたのに……)

在り方そのものがエレガントで、仕事ぶりはインスピレーションに満ちています。ほんと、不死身でいてほしい。

キリアン・ヘネシー来日祭り。2日目はアマン東京の個室にて、キリアンとランチをいただきながら少人数のジャーナリストとともにインタビューするという至福の時間でした。

ミューズである奥様にプロポーズしたときの様子、好きな映画、苦手な飲み物(バブル。シャンパンはクリュッグのみ好き)、ファッション、ランジェリー、週5回は食べるという日本食にいたるまで。パリでの行きつけの日本料理店は、8区にある「キヨミズ」。

ファッションに関しては「いつも同じ」。同じシャツ、同じ上着、同じようなジーンズがずらりとクローゼットに並ぶそうです。この日のウエストコートはマックイーン。ジョブズと同じ、ノームコアですね。やはりジョブズと同じ理由で、毎朝、服のことを考える時間を少しでも減らしたいから。自分にとって完璧なものがすでにわかっているからこそのスタイルですね。

昨日も思いましたが、襟腰の高いシャツをこれだけ胸下まで開けて品を保っているキリアンスタイルは、誰もマネができないでしょう。

「セクシーになろうとはしない。セクシーが私になろうとする」と刻印された限定10個のクラッチ。

セクシーの秘訣は、You have to be strong. Don’t dress for men.

好きな映画は「カサブランカ」「めぐり逢い」「風と共に去りぬ」。嫌いなファッションはトレンドのストリートウエア。奥様へのプロポーズにも「めぐり逢い」にからめた演出を。

インスピレーションの源は、旅、本、過去の香水、絵画、そして「ぼく自身」だそうです。

2日間にわたってどっぷりキリアンの世界に浸りました。ご高配を賜りました関係者のみなさまに心より感謝します。

香水界のロールスロイス、キリアンの調香師、キリアン・ヘネシーさまが来日しました。この日をどんなに楽しみにしていたことか。2日間にわたり、たっぷりキリアンと至近距離で話すことができました。なんという幸福。

初日は恵比寿のシャトー・ロブションでの会見。コニャックの名門、ヘネシー家の御曹司である彼がいかにして香水ビジネスに関わることになったのかというキャリアの経緯をたっぷり1時間ほどかけて。

ほぼ3年ごとに「転職」しているのですが、「幸運の星が常に僕の上に輝いてきた」と語るとおり(こう語っていやみにならない)、タイミングよく数々のすばらしい出会いに恵まれてキャリアを築いていらしたことに驚き。文字通り、幸運の星の下に生まれてきた方なんですね。

なんどか「ヘネシー家から逃げたかった」「コニャック以外の仕事を探した」という趣旨の話をなさっていたので、最後の質問コーナーで「なぜそんなに家業を避けるのか?」と聞いてみました。行く先々で「ああ、あのヘネシー家の御曹司…」という目で見られるのが負担で、家名ではなく、自分自身の力で何か事業を成功させたかったとのこと。家名を背負う御曹司の苦労、サラブレッドなりの野望というものがあるのですね。

さらに、各製品、パッケージへの思いや工夫が語られ、いちいち納得。バカラへの思い。香水ケーズが捨てられてしまうことをさけるために、徹底して細部にこだわっていること。レフィルは光と空気を避けるための完璧なテクノロジーの賜物であること。

そしてクラッチにもなるケースの誕生物語。奥様がある夜、バッグを忘れ、香水ケースをクラッチバッグとして持っていったことがヒントになっているそうです。

ため息ものの香水は、まさに芸術品。Good Girl Gone Badの「ミルフィユのように」重ねられた複雑な香りは中毒性がある。

日本ではこの秋に発売となるル・ルージュ・パルファム。香りつきのリップスティックは、赤のバリエーションだけで12色! 前列がサテン、後方がマットです。ケースも香水と連動する美しさで、なによりもなめらかな着け心地。前列左から3本目の「デンジャラス」という赤をつけてもらいました。それがこの写真です↓ ネーミングも香水同様、詩的で、キリアンの世界観を形づくっています。 

キリアンのジャケットはサンローラン、襟腰の高いシャツはパリのお仕立てだそうです。シャツボタンを胸下まで開けているのに品が保たれているという驚異の貴公子ぶり。

シャトー・ロブション庭のあじさい。キリアンの世界を受けとめるにふさわしいレストランでした。

日本経済新聞夕刊連載「モードは語る」。8日付では来日したアメリカ大統領夫妻について書きました。

実はいったん書いてゲラが出た後、大統領ご夫妻はすぐにイギリスを訪問。そのときのトランプのスーツスタイルが米「ワシントンポスト」も揶揄するほどで、急遽、大幅に改稿した次第。なんだか振り回された感あり。いやもうほんと、ボタンを留めるかどうかなんて些細すぎることなんですけどね。

読売新聞連載「スタイルアイコン」、昨日7日付ではアラン・ドロンについて書きました。

グランドハイアットMaduro。パイナップルのソルベの上からシャンパンがなみなみ注がれるカクテル。美味。プレバースデー祝いでした。

Brunello Cucinelli 2019 AW Exhibition.

メンズのテーマはGentleman at Ease.

別格の上質素材と熟練の職人技術が醸し出す優雅な余裕。すべてのバランスが計算されつくしており、ため息ものの美しさでした…。

寛ぎのあるエレガンス。レザーのボマージャケットをニットの上に重ねてこの上品さ。

レディースのテーマはMinimal Allure.

コートの袖口にとりつけられたニットのカフス。この粋な余裕がなんともたまりません。

とりわけドレスに匹敵するほどの精巧なニットの美しさに見とれていたのですが、写真ではなかなか再現できず。

やはりクチネリはイタリアンラグジュアリーの最先端にして最高峰かな。ビジネスのやり方においても、関わる人や地域すべてを幸せにするエシカル&サステナブルの最先端をいっています。

集英社「kotoba」発売です。特集、シャーロック・ホームズとコナン・ドイル! 

「ホームズの英国的な変人ファッション」について、4ページにわたり語りつくしております。シャーロックのファッションの謎解きはほんとうに楽しいですね。機会がありましたら、ご笑覧くださいませ。

 


 

31日付朝日新聞「耕論」で、クールビズ15年がもたらしたものについて取材を受けました。

ウェブ版はこちらです。

ウェブ版では写真はカラーになっています。撮影協力は東京タワーから400mの距離にあるザ・プリンスパークタワー東京です。東京タワーに敬意を表し、赤と緑でコラボしてみましたよ。

撮影、取材とも、朝日新聞記者の高重治香さんです。ありがとうございました。Special Thanks to The Prince Park Tower Tokyo.

Jun Ashida & Tae Ashida 2019-2020 AW Exhibition.

今シーズンからメンズをスタートしたTae Ashida. 展示会場にはメンズファッションのジャーナリストの方々もいらして、よい雰囲気。

かねてからファッションは男性と女性セットで考えるべきと申し上げており、著書や記事にもできるだけその姿勢を反映させていますが、やはり展示会場に身をおいても、一方のみに偏っていないほうがほっとします。

最初のシーズンということもあり、当初は試行錯誤の連続で、パンツのファスナーをレディスのように横につけたりという「うっかり」もあったそうなのですが、それも後日、笑い話になるでしょう。継続こそ力、ぜひ、メンズコレクションは続けていただきたいと思いました。上の3枚の写真、すべてメンズコレクションからですが、女性とシェアするのも可能ですね。

レディスのほうがもちろん、圧倒的に数も多く、素材やデザインにまつわるエピソードも多かったのですが、今回、とりわけ心に残った話をひとつだけ。

各グローバルブランドがファーを使わない宣言を続々出しています。今シーズンはプラダもファーを使用しない宣言をしました。ファーをめぐっては、天然素材でサステナブル、最後は土に還るという「エシカル」な素材であるという主張もあり、議論は常に平行線をたどっています。

それに対し、ジュン アシダのスタンスは……とくに何も宣言しない。今シーズンはファーに替わるあたたかそうな素材を使ったコートを増やしていますが、ファーはない。でも政治的な配慮でそうするわけではない。

この姿勢は、社長の山東さんのお話によれば、「お客様を思ってのこと」。今、トレンドに乗って「ファーを使わない」宣言を出してしまえば、これまで自社のファー製品を買ってくださったお客様に対して一貫した姿勢を示していることにならず、申し訳が立たない。今シーズンはたまたま結果としてファーが出ていないだけで、また時流が変わればファーを使う可能性もあるかもしれない。そういうスタンスでいることが、これまでファー製品を買ってくださったお客様の信頼を裏切らないことになる、と。

顧客第一主義ともよべるこの姿勢は、創業者の芦田淳さんから受け継がれているものでしょう。自社製品を買ってくださるお客様のことを常に第一に考える。芦田淳さんがパリコレから撤退したのも、メディア受けのよいショー用の服を作るより顧客が求めるリアリティのある服作りに注力すべきと判断したから。

ファーに対する姿勢も、ブランドの礎にある考え方、顧客第一主義と結びつく。ブランドは常にこうした一貫性を示すことができることを求められる。翻って自分の仕事においてはどうなのか、学びの多い展示会でした。

来日中の合衆国大統領夫妻の装いについて、本日28日付の読売新聞でコメントを寄せています。

また、読売新聞が運営する「大手小町」でも別のコメントが掲載されています。こちらです

お時間がゆるすときにでもご笑覧くださいませ。

それにしても、エリザベス女王と記念写真を撮るときでさえスーツの前ボタンを留めなかったミーファーストなトランプ大統領が、天皇陛下と会うときには留めていましたね。

<追記>

掲載記事です。早朝から深夜まで、新しい情報が出てくるたびに記者さんといろいろ連絡をとりあってコメントも出し続けていたのですが、結果として、雅子皇后について触れたこれだけになりました。笑 しかも「 」がとれていますが「外交の場では…」の締めの一文も実は私のコメントとして書き送っているのですが……。まあ、紙幅も限られていればそんなものですね。

メラニア様が着替えて登場するたびふりまわされた一日のあとにしみじみと思ったのは、人さまのファッションを解説するより、自らは語らず人さまからファッションを解説される立場になったほうがはるかにかっこいい、ということでした。(そこですか)

Dolce and Gabbana 2019-2020 AW Exhibition. このブランドは時代に逆行して唯我独尊のラグジュアリーを追求し続ける。そこがたまらなく好きで、リスペクトする理由でもある。

このシルクブロケードにしても、重い。扱いにくい。でも18世紀ヨーロッパの宮廷文化を思わせて血が騒ぐ。

ロゼットつきのシューズもロマンティック。汚れたらどうするとかケアがたいへんそうとか、そんな下世話な視点を寄せつけず、徹底的に「美」の側に立つ姿勢が潔い。

メンズも負けず劣らず、一歩もひかず、ゴージャス。

17世紀~18世紀宮廷服のような素材を駆使したアイテムはほかにも。左端はランジェリーですが、スパンコールで輝くショーツなんてどうやって洗濯するのだ(たぶん一回着たら終了)。人生のあらゆる瞬間を舞台ととらえる人のための、舞台衣装のようなものですかね。

アクセサリー、バッグ類もユーモアと過剰なサービス精神にあふれていて、楽しい。

レザーに細かくパンチングをほどこされたジャケット。16世紀のメンズ宮廷服にこういうのがありました。ストレッチが効くし、むれなくなるし、機能的なのですよね。ただ作るのがとてつもなく難しい。

妥協せず、日和らず、自分の世界を貫くことのすがすがしさと勇気を見せていただいた気分です。たとえ少数派でも、そこにとどまることで輪郭が際立ち、鍛えられる。作品、ないし、モノとしての服の奥に見えるデザイナーの心の姿勢が見える時、ああ来てよかったなと心から思えます。

今回、目を引いたのは、18世紀ロココ的なシルクブロケード素材。

ジョルジオ アルマーニ クルーズコレクション。国立博物館表慶館にて。

メンズ、レディスが溶け合っての上質なコレクション。昨日のインタビューではデザイナーは「売りやすい」ということも強調していた。たしかに、舞台性よりもむしろ間近でみたときの質感が魅力的な、アルマーニらしいコレクション。

「自分が強いということをあからさまに見せない男が、強い男」と昨日のインタビューで語っていたが、セクシーさ、リッチ感においても同様の感覚が伝わってくる。ことさらに美しさやセクシーさを強調したりしないのが「本物」。そういう哲学に支えられた表現なので、奥ゆかしく、逆に想像力をかきたてられ、引き込まれるのだな。

カラフルな色使いも、クルーズならでは。

最後に登場したアルマーニ。合掌し、お辞儀し、長いランウェイを歩いて観客に大サービス。アルマーニがネクタイをつけたスーツを着ているのが驚きだった。アルマーニといえばミニマムな黒か紺のTシャツ(にジャケット)で登場するのが普通だと思っていた。高齢になってスーツを着るようになったのかもしれないが、いや、このネクタイ姿は彼の日本に対する最高の敬意の表現と受け取るべきでしょう。

互いに敬意を表しあい、感謝しあうというのは、なんと人をあたたかな気持ちにさせるのか。なんと豊かな創造を生むのか。異文化間の交流にプラスの循環を生むこうした幸福な効果もファッションの力のひとつだと認識した夜でした。Thank you, Mr. Giorgio Armani.

12年ぶりに来日中のジョルジオ・アルマーニ氏。生きているうちに(私が、です)絶対お会いしたいと思っていた偉大なデザイナーの話を直接、2mほどの至近距離で伺うことができました。


アルマーニ /銀座タワー。ショーの準備、真っ最中のバックステージにて。

ショー前日のプレスカンフェランス。限定20名、各社から1名のみというハードルの高い席でしたが、日本経済新聞社のご高配により、参加させていただくことができました。心より感謝します。

60分間、笑いもまじえながら、姿勢よくエレガントに立ち、記者からの質問に答え、語り続けるアルマーニ氏、84歳。スタッフの多くは疲れて座ってしまったというのに。(写真はオフィシャルフォトグラファーより)

詳細は後日、ショーの印象とあわせて日本経済新聞のThe Style および連載などで書きますが、興味深いと思ったキーワードのなかから支障ない程度にメモしておきます。今は「?」と思われてもご寛恕くださいませ。

「アルマーニよりアルマーニらしい人がたくさんいる」「日本化したアルマーニ」「願いがひとつ叶うとしたら、不死身になりたい」「スーツを着こなすポイントは、おさえた身のこなしと落ち着いた話し方。それがあれば安価なスーツも高級に見える」「大声を立てない」「骨(格)をエレガントに見せること」「将来に対しては予定を立てなかった。好きなものと好きでないものを明確に分け、自分の信じる道をただ懸命に歩いてきた。その結果が今」「強い男とは、自分が強いということをあからさまに見せない男」「今は女性のほうが強い」「美意識に対してはこだわりが強い。美意識にそぐわないものが視界にあると不快になる」「プライベートライフは、ない」「楽しみは、ごく少量」「ネイビーブルーなど暗めの色は、人との正しい距離感を演出してくれる」「生きる意義は、ミステリー。ただ在るだけ」

40年を超えるキャリアから生まれた知恵のことばがナチュラルにエレガントに紡ぎ出されてきたのだった。濃密な60分間でした。

オフィシャルフォトグラファー撮影による記念写真。私が前列で偉そうに目立ってしまいほんとうにごめんなさいという感じなのですが。アルマーニ氏は後方にまわり、立っていらっしゃいます。左から2番めの位置に立っていらっしゃいます。

これまで細々と書いてきてよかった。心からその仕事を尊敬できる人に会うことができ、その言葉を直接聞き、いっそう敬意を深くするということは、めったにない幸福だと思う。貴重な機会を与えてくださったジョルジオ アルマーニ ジャパン社、日本経済新聞社、そしてご同席の各紙記者や各誌編集長のみなさま、あらためてありがとうございました。

オフィシャルフォトグラファー撮影によるアルマーニ氏 in Japan.

体調がまだ本調子でないなか、一日5件の取材やミーティングがありましたが、快晴に恵まれて移動も快適な一日でした。

朝日新聞からはクールビズ15周年に関する取材を受けました。

記者さんのインタビューがさすがにすばらしく上手で、話をしていくうちにいくつか新しい発見にいたり、その発見は別テーマになるのでさらに深めて別の原稿に書こうと思います。

撮影場所は芝公園のザ・プリンスパークタワー東京。東京タワーから400m離れてこの距離感です(すぐ隣のように見える)。万一、333mのタワーがこちらに倒れてきてもホテルにはぶつからない!? 中野ヘアはカキモトアームズ青山店の及川さん。

鉄板のみなとみらい。

今日、明日は来日中の超大御所のインタビューとイベントが続きます。寝込んでいる暇はない。

Men’s Precious Web連載更新しました。

黒い略礼服の起源をめぐる物語、日経連載にも書きましたが紙幅の都合でかなり簡略版(というか、凝縮版)になりました。ウェブではロングバージョン、より詳細に紹介しています。こちらでございます。

田中宏『よそおいの旅路』(毎日新聞社)にとても感銘を受けた。戦後の日本ファッション史である。

著者の田中さんは新聞記者としての晩年をファッションの世界を取材することに捧げた。経済記者として長年過ごしてきて、「ファッションなんてミーハーにすぎないと思っていた。実のところ軽蔑していた」。それが三宅一生との出会いで衝撃を受け、時代を解読する有効な装置であることに気づき、没入した。

そんな田中記者が真剣勝負で描き切った戦後の日本のプレイヤーたちの活躍。前例のないなかで試行錯誤してきた先駆者たちの苦闘、そして栄光が、生々しく再現される。

いまもなお名前を輝かせる人たち、あるいは消えていった人たちとの違い、その原因もわかってくる。文体もさすがに確かで、さまざまな読み方を許す名著だと感じた。33年ほど前に書かれた本で、もはや絶版。

ファッションの芸能化を危惧するあとがきで締められるのが1986年。いまだに状況は変わっていない。

後進の育成にも熱心で、人望も厚いテーラー、廣川輝雄さんが、日本橋蠣殻町にアトリエをオープンしました。Bespoke H & Sons.

私のメンズスタイルのスーツは廣川さんが作ってくださっております。大河ドラマ「いだてん」の衣装も制作していらっしゃるそうですよ(うちにテレビがないので見ていませんが……)。

オープニングレセプションには若いお弟子さん方はじめ、大勢の方がお祝いに駆けつけ、大盛況でした。

廣川さんはディレクターズスーツ姿で。

(後ろにはフォーマルウエア文化普及協会で一緒に顧問を務めているホテル業界誌オータパブリケイションズの太田進さんが映っています。世界は狭いですね。笑)

アイ・コーポレーションの西村京実社長が展開する高品質のラグジュアリーソックス「イデ オム (ide homme)」のお披露目会にお招きいただきました。銀座six のオフィス棟にあるプライベート感たっぷりのラウンジにて。セキュリティーもしっかりしており、広々としてラグジュアリー感抜群の空間でした。所有するのは、海外不動産ビジネスのオープンハウスさんです。

西村社長によるアツい思いが伝わるプレゼンテーションのあと、トークショー。元アップルジャパン社長の前刀禎明(さきとうよしあき)さんと、イギリス室内管弦楽団招聘指揮者の村中大祐(むらなかだいすけ)さんによる話は、それぞれのご専門でなければうかがえないようなユニークで興味深い話でした。土地のエネルギー、現代のリーダーシップ、陰陽、感性を鍛えること、経験をひたすら蓄積するということ……。「陰」というのは隠されているということで、陽と対等であるという話はとくに面白かった。靴下という存在はまさに「陰」。

西村さんのリーダーシップが、「思わず周りの人々が助けてあげたくなるような」タイプのリーダーシップであるということも、これからのリーダーの在り方のひとつを示唆していました。写真右から西村社長、前刀さん、村中さん、司会の方。

桐箱に入り、真田紐で結ばれ、和紙に包まれたカシミアソックスは、1万円。穴が開きにくいようにするための、「靴下の下着」まである。靴下への投資価値を活かすのは、履く人の感性次第!?

なめらかな手触りのパズルに触れていた人々と、ざらついたパズルに触れていた人々では、その後の周囲への思いやりの行動が全く違っていたという実験結果にも驚きと納得。五感で心地よいと感じる時間を過ごしていると、大切に扱われていると感じ、結果、人にやさしくなれるので間接的に平和につながる。

自分に自信をもつことが感性を鍛える第一歩、自分の感覚を正直に発信することにつながるからと語る前刀さんは、実は10年以上前にご講演を聞いたことがあるのですが、当時から全然変わっていない。驚異の還暦ですね。

左からインフルエンサーの山内美恵子さん、スタイリストの森岡弘さん、中野とんで前刀さん、「ジャパニーズダンディ」プロデューサーの河合正人さん、今回のイベントをプロデュースした佐々木みみおさん。靴下から世界が広がる、学びの多いお披露目会でした。お招きありがとうございました。

日本経済新聞夕刊連載「モードは語る」。

6日(土)付けでは、日本特有の「黒の略礼服」誕生の経緯について書いています。

貴重な資料は、カインドウエアさんがご貸与くださいました。心より感謝申し上げます。『ソシアル産業を拓く 渡辺国雄の歩んだ道』は、日本繊維新聞社編集、カインドウエア発行、非売品です。(昭和61年5月15日)

カインドウエアさんが現在、販売する略礼服。

新聞連載では字数が限られ、泣く泣く割愛した話が多くありました。もっとご紹介したいエピソードがありますが、それらは他の形で書けるよう検討中です。

16日はアスプレイの「ロイヤルスタイル」トークショーのため、大阪へ参りました。

アスプレイはリッツカールトン大阪の中に入っています。リッツとアスプレイの関係は深く、リッツのお部屋のアメニティもアスプレイなんですね。

タダシのドレスの上につけているネックレスは、アスプレイのコズミックコレクションから「シューティングスター」。ピンクのシルクスカーフもアスプレイです。肉厚で上質です。そもそも創業者のウィリアム・アスプレイは、1781年、シルクプリントから事業をはじめているのでした。

アスプレイジャパンの中村之夫社長、PRのキャンドルウィックのノリコ・シルベスター社長と打ち合わせを兼ねたランチをいただきました。リッツカールトン内の新感覚広東料理「香桃」。

中国茶も桃が香るオリジナルなブレンドのお茶で、くせになるおいしさでした。前菜の盛り付けもこのように上品で華やか。

鶏肉のアーモンド揚げ。上品にカリッと仕上がっていて、美味です。

そしてもっとも衝撃だったのが、こちら、うなぎのチャーハン。なんと、くりぬいた焼きりんごのなかにチャーハンがつまっております。最後はりんごも食べることができる。独創的。

その後、リッツのロビーラウンジでMC役の野村雅夫さんと合流、最終打ち合わせ。野村さんのお母様はイタリア人だそうで、野村さん自身、よく外国語で話しかけられるそうです。そういう時には外国人のふりをするんですって。笑 野村さんはDJのほか、翻訳や映画評論など多方面でご活躍中です。

リッツ・カールトンの前で。左から中村之夫社長、野村雅夫さん、中野とんでノリコ・シルベスターさん。全身写真だとよくわかりますが、野村さんのトレードマークは、ベルボトム。70年代の音楽に影響を受けて、ずっとベルボトムだそうです。今ではベルボトムはレアで、渋谷にしか売っておらず、ずっとそこで注文していらっしゃるとのこと。ジャケットはZARA。ポケットチーフを入れてさらっとおしゃれに着こなしていらっしゃいました。

ご縁あって、神田川の近く、岩本町にあるカインドウエアさんを訪問しました。

礼服で有名な老舗ですが、オーダースーツも扱っています。いっとき、ハンツマンを所有していたこともあるそうです。

思いもよらなかった収穫はこちら。創業者である渡辺国雄さんの生涯を記した本。波乱万丈の、情熱的な闘い続きの人生が綴られています。

黒の略礼服をなぜ考案したのか。どのような思いがあり、いかなるPRを経て世に普及したのか。仕掛け人の側からつまびらかに記されている貴重な資料。衝撃でした。このタイミングで、なんという出会いなのか。天からのギフトとしか思えません。

こちらはショップに展示されている礼服です。左から夜の準礼装(ブラックタイ)タキシード、夜の正礼装(ホワイトタイ)の燕尾服、昼の正礼装のモーニング。識別できない人が意外に多いと聞きます。フォーマルは小物にいたるまでフルラインナップでそろいます。さすがの老舗。

カインドウエアさまには貴重な機会をいただき、心より感謝申し上げます。

日本橋三越本店で開催される「三越のドレスコード」イベントが公式ウェブでも紹介されましたのでご案内です。こちら

3月10日(日)、14時~ 「世界と日本のドレスコードの今を知る」と題して30分ほどのトークショーに出ます。改装し、一段とグレードアップした日本橋三越本店に、この機会にどうぞお立ち寄りくださいませ。

上のコラムは三越日本橋本店のウェブサイトとパンフレットに掲載中。当日は、具体例を着用するモデルが登場するなど、わかりやすく楽しく学べるイベントになります。

三越日本橋本店 (重要文化財) 横河工務店設計 写真はウィキペディアより@kakida

Men’s Club 4月号発売です。ブレザー特集で、巻頭エッセイを書いております。ブレザーの起源の解釈と新潮流。お近くにメンクラを発見されましたらご高覧くださいませ。

起源を複数もつのは幸運なことですよね。ことファッションに関する限り、可能性が広がるので一つに絞る必要はないと思う。

click to amazon

GQ 4月号発売です。特集「ファッション改革の春」。巻頭エッセイを書きました。メンズウエアの変化は男性像の変化を表し、ひいては時代の変化を予兆しています。よろしかったらご高覧くださいませ。

(click to amazon)

GQの名物編集長であられる鈴木正文さんの古希祝い会が、鈴木さんのお誕生日(ヴァレンタインデー)前夜におこなわれました。レクサス南青山にて。

バースデーケーキの奥にはなぜかレオンが見えますが。笑 この日は壁を越えて? あらゆるメンズライフスタイル誌の編集長たちがお祝いに駆けつけておりました。70歳でなお現役バリバリの編集長というのは、編集者を天職として考える人たちの、ひとつの理想的なロールモデルなのですよね。

あの方もこの方も、さらにあの方まで! ということでメンズライフスタイル誌の業界あげての祝賀会のような和気あいあいとした雰囲気でした。100名もの参加者がいらしたそうです。上はケーキのだるまに目を入れる鈴木編集長。

上の写真、左は司会のハリー杉山くん。ファッションセンスはもちろんのこと、トークのセンスもいい。

将棋の佐藤天彦名人もお祝いにかけつけました。鈴木編集長はコレクション(の待ち時間)が退屈なときフロントロウでスマホ将棋をしているそうですよ。笑 この日の天彦名人はいつものアン・ドゥームルメステールではなくお仕立てのスーツ。アルバートチェーンまでばっちり決まってました。

左から、ハリー杉山くん、PRの廣見さん、鈴木編集長、中野、ゲーテの島田さん、レオン編集長の石井さん。

鈴木編集長には、ENGINE時代、それ以前のNAVI時代から、折に触れお仕事の機会を与えていただきました。ものの見方を教えていただいた恩師でもあります。栗野宏文さん、河毛俊作さんも含めた、20年ほど前の濃ゆい座談会の一部は本サイトのアーカイブにもアップしておりますよ。それにしても当時よりも若々しく進化している編集長なのでした。次は喜寿祝い!?までぜひ現役でご活躍いただきたいものです。あらためて、古希おめでとうございます。主催者の方々、素敵なパーティーを企画していただき、ありがとうございました。