とてつもないものを観た。

ウェス・アンダーソンの10作目にあたる「ザ・フレンチ・ディスパッチ」。

想像の限界をあっさり超えてくる贅沢すぎる映画でした。クリエイティブに関わる人は自信なくすか発奮するか。敵わない。というか比較するのも無理な圧倒的な別次元で濃厚に豊潤にオタク世界がきらめきわたる。108分の中にカラフルないくつもの映画的エピソードが花開く。ウェスアンダーソンの才能と、愛があふれすぎるマニアックなこだわりに斬新な刺激をうけます。

映画好きは必見です。

1月28日ロードショー。
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン

オペレーション・ミンスミート」試写拝見しました。

1943年のリアリティある軍服&ファッション、耳に心地よいイギリス英語、世界の命運をかけたナチス相手のギリギリの(難しすぎる)頭脳戦と妻帯者コリンファースの淡い淡い曖昧なロマンスにしびれます。暗号解読に活躍したのは女性たちだったことも描かれる。イアン・フレミングも登場してイギリス・スパイものファンにはワクワクものです。実話に基づく緊迫感あるストーリー

監督:ジョン・マッデン
出演:コリン・ファース、マシュー・マクファディン、ケリー・マクドナルド

2月18日公開。

「オートクチュール」試写。ディオールのメゾンの舞台裏で働く一人一人の職人に焦点を当てる、滋味深いヒューマンドラマです。職人の世界を通して今のフランス社会に焦点を当てる目線そのものがこれからのラグジュアリーの方向を示しているように思います。

監督・脚本:シルヴィー・オハヨン
出演:ナタリー・バイ、リナ・クードリ

3月25日全国公開

©2019-LES FILMS DU 24 – LES PRODUCTIONS DU RENARD – LES PRODUCTIONS JOUROR

 

 

Netflix のDon’t Look Up. 地球規模の破滅が迫っているのに茶番と分断と投資と巨大企業による国家支配が進んでいく救いようのない現代のリアルな衆愚をアダムマッケイがコメディのフリして痛烈にあぶり出し。爆笑しつつ笑えない傑作。今更ながらディカプリオいい俳優になったと思う。超お勧めの傑作。

1966年制作の映画「Hotel」鑑賞会。

ホテルの総支配人の理想的なあり方が描かれています。

一方、資本家と総支配人の関係、老舗ホテルと新興ホテルとの確執など、シブいテーマも。グランドホテル形式で描かれる数々のドラマが最後に一気に収束する。原作はアーサーヘイリー。

女性が総支配人を誘惑する大胆にしてさりげなすぎるやり方にも倒れます。笑。ジャクリーヌケネディの影響力がファッションはじめ、いたるところに及んでいます。


鑑賞会に先立ち、新横浜プリンス最上階のTop of Yokohama で食事会でした。こちらは、正直なところ、それほど期待していなかっただけに予想以上のハイレベルのお料理で満足感高し、です。周囲に高いビルがないので、見晴らしよき絶景も360°楽しめます。総料理長の石田敏晴さんとアシスタントマネージャー北原和則さんはじめスタッフの今後のいっそうの躍進に期待します。ほんと、ここ穴場。高層階からの眺めに囲まれ、ほっとくつろぎながら美味しいお料理を楽しめるよいレストランです。

総支配人が専門家にして総合職として育てられることが少ない日本のホテルカルチャー。あらゆる教養と貫禄を備えた人間味のあるホテルマネージャーが今こそもっと大勢必要だと感じます。あるいはそんな存在は時代遅れなのか? いや。新時代のホテルにふさわしい総支配人という存在、あったほうが絶対楽しい。

ブリティッシュ&クリスマスの装飾がいたるところに。

ドーム型天井の上は、吹き抜けになっています。

 

『コーダ あいのうた』試写。

不意打ちな感動作でした。コーダとは「終わり(そして続く)」を象徴する音楽記号であるとともにChildren of Deaf Adults (耳の聞こえない親を持つ聞こえる子供)のこと。

笑って泣いて鑑賞中はずっと聴覚や嗅覚に対する意識が研ぎ澄まされている。

サブストーリーとして初々しい青春ストーリーもあり、洗われるようなさわやかさが残ります。

写真はすべて、© 2020 VENDOME PICTURES LLC, PATHE FILMS

 

■2022年1月21日(金) TOHOシネマズ 日比谷他、全国ロードショー

■配給:ギャガGAGA

■PG12

■スタッフ・キャスト
監督・脚本:シアン・ヘダー
出演:エミリア・ジョーンズ「ロック&キー」、フェルディア・ウォルシュ=ピーロ『シング・ストリート 未來へのうた』、マーリー・マトリン『愛は静けさの中に』

「ダ・ヴィンチは誰に微笑む」、公式ウェブサイトにコメントが掲載されています。

 

アートの価格がどのように決まるのか? 人間くさいスリリングなドキュメンタリーです。

もっとも痛烈だったのは、同じレオナルドですが、俳優の涙。誰かの感動の保証もまた価値に貢献します。アートであれものであれ、周囲の反応や行動も価値、ひいては価格を押し上げる。示唆に富むお話です。

ヴァルカナイズロンドン&ザ・プレイハウスが内も外もボンド一色になっております。10月1日公開まであと一週間となりました。

妄想炸裂なボンドイベント打ち合わせでした。怖いような愛しいようなボンドファンをいかに抱擁(概念として)するのか? 悩ましきところです。

 

イベントについては近々告知できると思います。

 

Worth the Wait. というのは解説も野暮ですが、ダニエル・クレイグがハイネケンCMでつぶやいた一言です。この3語から成る一言で2億円のギャラらしい(笑)。ボンド映画も3度の延期でようやく公開ですが、Worth the  Wait. な映画となってるかどうか?

 

☆現実を生きるダニエル・クレイグが、演じる虚構のジェームズ・ボンドと同じ海軍の名誉中佐に任命されたとのこと。ジェームズ・ボンドってほんと、イギリス社会の虚実皮膜の中に生きながら、イギリス文化の広報大使になっている。ロンドンオリンピック開会式でダニエル・クレイグが女王陛下をエスコートしてヘリコプターから降りてきたときも「あ、ボンドがエスコートか」という感じで何の違和感もなかった(笑)。

ここまでのキャラクターを育てられるってあっぱれ。

ノエル・カワードの古典的戯曲『ブライズ・スピリット』をアップデートした映画が10日より公開されます。

JBpress autograph の連載「モードと社会」第17回で見どころを解説しました。よろしかったらご覧ください。

1930年代の「ハリウッド志向のイングリッシュネス」を表現したアールデコ建築、ファッション、インテリアは眼福です。

こちらからご覧くださいませ。

 

「皮膚を売った男」試写。

不条理に引き裂かれた恋人に会うため、自身がアート作品になって世界を旅できるようになろうとした男の物語。

シリア、難民の現実をさらっと見せながらアートとは何か? アートと人権との関係は? という問題まで考えさせる。語り口そのものがアート的でユニークな秀作です。第93回アカデミー賞国際長編映画賞ノミネート。

11月12日 Bunkamura ル・シネマ他で全国

監督・脚本:カウテール・ベン・ハニア
配給:クロックワークス